「処刑…!?それは一体どういうことですか!?」
私は思わず立ち上がった。そんな危険な依頼を持ちかけるとは一体どういうことだと。私にだってしっかり仲間がいる、大切な仲間を置いて処刑されるなどたまったもんじゃない。
「まぁ落ち着いて、処刑といえど、
「殺されることがない…?」
「そうよ」
殺されることがないなら、何故処刑されるなどとこの人は言ったんだ。それにこの確信に満ちたような表情。殺されることは絶対にないという思考が見てとれる。
ここで考えられるのは2つ。
1つ、そこまで危ないことはしない。
2つ、不老不死になる等の死に抵抗する策がある。
この2つだ。
「今から私が聞く依頼内容は、安全ですか」
「成功してしまえば、もう安全よ」
成功してしまえば…。依頼の予測ができない。もうここまで来たら受けるしかないのだろうか。
「…依頼を受けます、内容を説明してください」
犯罪に手を染める。本当はやらない方がいいのは分かってる。でも気になってしまう。子供は好奇心旺盛だ。途中でお預けなど、絶対に無理。
「…そう、ならば話しましょう、依頼内容を」
そうして語られた依頼内容はあまりに衝撃的なものだった。
まず、八意さんは蓬莱の薬を完成させる為に今動いているらしい。完成させたい理由として、自身の仕える姫が飲んでみたいから作ってと頼まれたらしい。期待に応える為にも絶対に完成させたいとのこと。それを私に手伝えということらしい。
先程危険と言ったツボの中にそれが入っているらしい。
本来ならば、蓬莱の薬などそう簡単にできるものではないだろう。相当な頭の持ち主でない限り。
「そういえば、私
「へぇ、そうなんですね」
私が思案していると、八意さんはそう言った。つまり本当に頭のいい存在で、異名が月の頭脳になるほど…それは確か私達が危険視している存在で…月の…頭脳!?
「(!?)」
「あら、案外反応があっさりしているわね、もしかして初めて聞いたのかしら?」
「初めてな訳無いじゃないですか〜、もちろん、私の住む場所でもよく聞く名ですよ」
表面上は冷静だが、私の動悸はどんどん煩くなっている。本当に月の頭脳?この人が?あんなにも薬を作れるなら確かに納得できてしまう。水無月村を表では支配しようと考えている人達が表立ってきてしまえばそりゃあ騒がれる。
手紙だけ送って来てもらうというのは、賢明な判断だったと思う。そうでもしないと私と話すことなんて出来なかっただろう。
「きっと私たちは月から追放される、そうなると居場所がなくなる、そこで貴方に頼みたいのは、地上での私たちの居場所の確保をお願いしたいの」
地上での居場所の確立、私への依頼はとても難しいものだった。