小さな夢は幻想へ   作:硴里りま

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結界の使い道

私は一度帰ることにした。八意さんがまだそこまで急がなくていいと言ってくれたからだ。

依頼の対価として水無月村を襲わない、それと仲間になることをお願いした。結果快く受け入れてくれてくれたのだ。

お互いを信頼してまた文通で連絡を取り合うことにして、いつも通りの日常に戻った。

 

「ただいま!」

 

宵雲屋に戻って一言、元気に挨拶。結が本を読んでいるのが見えた。久しぶりに話すことができた親友は相変わらず、何かの研究をしている様子だった。

 

「あ、帰って来てたのね、おかえり」

「うん!ただいま!今何してるの?というかなんの研究?」

 

すると結は何かを私に見せた。丸いそれは、結界だった。

 

「この結界をどこまで()()()()()()()()()()の研究よ、いつか役立つかと思ってね」

 

その手に出された結界は小さくとも沢山の機能を備えているそうで、中に何を入れたか忘れる効果や、出入りが不可能であったりと、何かから身を守るには最適だった。

 

「ふぅん、凄いねそれ」

「ありがとう」

 

結は手に出した結界を後も簡単に潰した。

 

「そういえば今日月の頭脳から依頼を受けたよ」

「へぇ…」

 

反応薄いな…。もうちょっと驚いてくれるかと思ったんだけど。

 

「…は?月の頭脳?」

「そうだよー」

 

どうやら思考の処理に時間がかかっていたらしい。案外ちゃんと驚いてくれた。

そして私に詰め寄り、一言。

 

「説明してもらってもいいかしら」

 

と、至近距離で言うのだった。

 

私は八意さんのところに行くまでの話、鈴瑚さんのこと、そして八意さんから受けた依頼内容を結に包み隠さず話した。八意さんは蓬莱の薬を開発することを望んでいて、私はそれがバレないようにしつつ、追放後の地上での居場所を作るのが役目だと。

事の経緯を全て話して、その上で私は結に協力して欲しいと、そのことも伝えた。

協力して欲しい理由は先程の決壊、成功すればきっと逃げることができる。それを見越してのお願いだった。

 

「…別にいいけど、私達も罰せられるの?」

「多分罰せられるんじゃないかな」

「えぇ、そう…分かったわよ…」

 

嫌な顔をしながらも承諾してくれた。趣味が仕事になったという結の嘆きは、聞かなかったことにしよう。

 

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

「それで?その結界は結のしょぼい能力の応用なの?」

「しょぼいとか言わないで頂戴、その言葉案外私に刺さるのよ」

「へ?そうなの?ごめん」

「まぁ、能力の応用は間違ってないわね」

 

なるほど、つまりもう結界を操る能力と言っても過言ではないということか。結界を自由自在に操れる…うん、強いなぁ…私が雑魚に見えてきたよ、わーん(棒読み)。

 

「音くらいなら誰にでも操れちゃうから悲しいよ」

「急にどうしたのよ…」

 

しょぼいんだから仕方ないでしょォォォォ(?)

こんなんで私次襲われたらどうなるんだ。絶対死ぬじゃん。まぁ襲われるわけないけどね!(フラグ)

 

「音の能力は音を操る程度の能力、本当に程度の能力よね」

 

自分の能力が進化したからってコイツ…!バカにするなー!

 

「音、顔がうるさい」

「顔がうるさいとはなんだ顔がうるさいとは!!!」

 

結だけ進化しやがって…私を置いてくな!私も変化させたい!!!!

 

「…まぁ、そう焦らないで」

「心を読むな!」

 

結ってこんなに調子に乗るタイプだっけ?まぁいっか…「閉じる程度の能力」から「結界を操る程度の能力」に進化したんだもんね、そりゃ調子になるよね。すごくずるいなと思った今日この頃だった。

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