小さな夢は幻想へ   作:硴里りま

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射命丸文の依頼

「それで、依頼内容は?」

「私達天狗の住まう集落が壊されてしまって…復興の手伝いをして欲しいんです」

「集落が壊されて…??」

「はい、近くで起きた戦争に巻き込まれちゃいまして」

「なるほどなるほどー」

 

 でもこんな小さい組織?何でも屋?にそんな大切な仕事を任せていいの…?

 

「つまるところ、天狗を助けてーってことよね?」

「はいそうです!えぇっと…」

「八雲紫よ」

「紫さん!」

 

 そう元気に同意した文さん。この人めちゃくちゃ元気だなぁ…。

 

「まずその天狗の集落を見に行きたいんだけど、いいかしら」

「はい!でもえっと…」

「雲霧結よ」

「結さんはどうやっていくおつもりで?」

「うちには移動に特化したすごい子がいるのよ」

 

 そう言ってチラリとゆかりんの方をみた結。確かにゆかりん移動特化だね。なんかそれにしか使わないの勿体無いけど。

 

「──へぇ…紫さんって凄いんですね…」

「そうなのよ、この子は私達の宝物よ」

「ゆ、結…」

 

 ほぼ初めてちゃんと名前を呼んだであろうゆかりんは下を向いて赤面していた。

 

「そうなんですね…?じゃあ早速集落に…とその前に依頼料を聞いてませんでしたね、どれくらいですか?」

 

 文さんがオプションの書かれた紙を一瞬だけ見てそう言った。

 

 うーん、天狗の集落の復興でしょ?流石にいつもの値段じゃ足りないし…でも今出せるメンバーは靈夢意外全員、なら案外安くてもいける…?いやいやいや、人件費もあるし、みんなに給料なしは可哀想だし…。出せる人の人数は…えっと…萃香、鬥我、ゆかりん、結、私…。じゃあ1人千円でいけば…。

 

「…お支払は貴方の理想の世界の話と、5000円とかかな」

「意外と安いんですね?」

「安さが取り柄だからねー…」

「それと、理想の世界の話…とは?」

「そのままの意味よ、貴方の思う理想の世界の話をしてくればいいわ、例えば世界平和ー、みたいな」

「なるほど!」

 

 そう言うと文さんは懐に仕舞っていた手記を取り出し、ページを捲り始めた。そうして暫くして、とあるページを私達に見せた。

 

「私の理想はこんな感じです!」

 

────────────────────────────────────────────

 

天狗の皆さんに聞いてみた!「貴方の思う理想の世界」とは!

空を自由に飛べる、存在を怖がられない、他の妖怪と会える、平和

 

文々。新聞『天狗用』 記載済み

 

ついで『記者の意見』

鴉天狗が空を飛べて、白狼天狗が虐げられず、大天狗が天狗界をしっかりまとめてくれる、そして小天狗が暴れない、そんな平和な世界がいい。

────────────────────────────────────────────

 

「…へぇ、天狗用とかあるんだ」

「そ、そこじゃないです…」

 

「ごめんごめん、ちゃんとみたよ」

「それで、どうですか?」

 

「うん、いい理想だね!」

「ありがとうございます!」

 

 鴉天狗に白狼天狗、そして大天狗小天狗…天狗って意外と種類あるんだ、一種類だけだと思ってた。

 あと、関係ないけど文さんの書いてる新聞文々。新聞って言うのか。今度取らせてもらおうかな…妖怪用とかないのかな?あったら嬉しい。

 

「ねね、妖怪用のとかないの?」

「ありますよ、取ってくれた人いませんけどね」

「ふーん、じゃあ依頼終わったら毎日で取らせてもらってもいい?」

「勿論です!」

 

 文さんと新聞を取る約束を済ませて、早速文さんは依頼料5000円を私に払った。

 

「うん、5,000ぴったり、それじゃあ今からでも出発しようか」

「音、まだ戸締りと鬥我を引っ張り出すのがまだよ」

「あ、そうだったね、じゃちょっとだけ待っててね」

 

 とりあえず店仕舞いの看板を立てておいて…っと。一応鍵とかも全部締めておこう。

 そんで…。

 

「鬥我〜!」

「おーん?」

 

 神社の方に向かって大声で叫ぶ。すると宵雲屋の方に酒樽を持った状態の鬥我が入ってきた。

 

「酒臭ッ!てか酒樽!?」

「そんなサンダルみたいなノリで言うでない」

「言ってない!」

 

「あ、貴方は…?」

「お主は…鴉天狗か、珍しいな」

 

「私は博麗之龍神(はくれいのりゅうじん)博麗鬥我(はくれいとうが)*1だ」

 

 そう仰々しく自己紹介をした。

 

「お主は何というか」

「わ、わたしは…鴉天狗の射命丸文です、今後の依頼、よろしくお願いします…」

 

 鬥我に圧倒されている様子の文さんは粛々とした様子でそう言うと。

 

「嗚呼、よろしく頼むよ!」

 

 鬥我はそんなことは気にしないとでも言うかのように、豪快な笑顔でそう返した。

*1
今頃ではありますが、博麗神社は実在するらしいですが今作品の場所のは異なります。

博麗之龍神の龍神には元ネタがありますが、本来博麗とは関係がありません。

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