「…それで、お前の正体は何だ」
「私か?私は伊吹童子だが?」
「そうじゃない、お前の血筋だ」
「血筋ぃ?それはまぁ、酒呑童子の子だな!いやぁ母さんは強かったなぁ」
おっしゃ私の予想半分当たった〜!酒呑童子じゃなかったけど子では合ったから私の予想当たった〜!!(屁理屈)
「酒呑童子の子…?そんなのがいる訳ないだろう!」
「茨木童子だったか、さっきから野次しか飛ばしてないようだが、本当にそうと言えるのかい?」
そばにいた鬥我が前に出た。
野次しか飛ばしてない…うーん、ご尤もで御座います!
「何が言いたい」
「そうだなぁ、疑う前に探るべきだと言っておこう、例えば萃香の能力か持ち物を探ってみるとかな」
鬥我は萃香と共に靈夢を育てた仲だった筈、だから多分萃香の言っていることが本当だと分かってる筈、だから確信めいた表情で茨木童子に話しかけてるんだろうね。
「それに鬼が嘘を吐くわけないだろう?な、萃香」
「嗚呼、鬼に二言はない!」
「…そうか、ならば信じる、酒呑童子に仕えた鬼としても、天狗の集落を纏める者としても、お前達を歓迎する」
渋々と言った感じにそう言った茨木童子。依頼達成に一歩近付いたね。
争いが終わったことを確認した星熊童子が私達を中に入れた。鬼の棲家は何処となく広く、硬い雰囲気が醸し出されていた気がする。
「まず集落の状況を教えてくれるかしら」
「分かった、それでえぇっと、お前は…」
「私は八雲紫よ」
「紫か、紫はどこから聞きたい?」
「そうね、まず集落の崩壊度とか」
「ふむ、そうだな…」
少し考え込むようにしてから地図を取り出して私達にみせてきた。
…多分だけど星熊童子はこの集落の要みたいな役割なんじゃないかな。だってさっきから殆どこの
「──で─」
にしてもこの鬼萃香並に酒飲んでない?すっごい匂いするよ?でも萃香の飲んでる種類とは違いそう…?って今はそんなこと言ってる場合じゃないのか。えぇっと?この地図を見るに多分これは戦争を吹っ掛けたか吹っ掛けられたせいで地形的に破壊された、みたいな感じだね。
「─天狗の争い──り─」
はたまた内戦か。そうだとすると、仲を取り持つ必要がある。また内戦が起こったら溜まったもんじゃないからね。
「……んで聞いてんのか?」
「…あぁすみません、ちょっと分析してたもので…」
「そうか、まぁよろしく頼むよ」
そう言って私の肩をがしりと掴んだ。任せてくださーい。
まず最初に白狼天狗の領地。復興は進められているらしいけど、如何せんやる気が起きないらしく、全く進んでいないとのこと。うん、確かに全く進んでない。
「こんにちは〜」
「んなっ、おまえ何処の領地の者だ!」
「天狗の領地全域でーす」
「そ、そうなのか…?」
「復興のお手伝いをしにきたよ」
「…なんだ、小天狗様達からの増援か」
「そうとも言える」
完全に警戒をといた白狼天狗が復興のためなら、と道を開けてくれた。にしても…もふもふでいいねぇ…。私達の耳は今普通に仕舞われてるから触りようがないし。私ここに住もうかな?いや天狗じゃないから駄目か。
「ほう、やりがいがありそうだな」
「壊しそうね」
「そこまで馬鹿じゃない、神だぞ」
「そうだったわね」
とぼけながら別の白狼天狗の方へと歩を進めていく結。白狼天狗に一瞬だけ警戒されていたけど、手伝い始めるとすぐに警戒を解かれていた。うん、不思議。これはあれか、案外話しやすいからかな。とりあえず私も手伝いに行こ。
「音、私と鴉天狗の領地の方に行こう」
「うぐっ…手伝おうと思ったのに〜…」
結局鬥我に止められて、鴉天狗の方に行くことになってしまった。