FAIRY TAIL〜竜に育てられた少年と悪魔の少女 作:からあげ_63
第3話 『すれ違う雷、交わる水』
『フェアリーテイルギルド』
ミラ「今日から仕事の受注を再開するわよー仮説の受付カウンターだけどガンガン仕事やろーね!!!」
ミラの説明が終わるとフェアリーテイルのメンバーが駆け寄ってきた
「うおおおっ!!!仕事だ仕事ー!!!」
その様子をルーシィはカウンターの椅子に座りながら見ていた
ルーシィ「なにアレェ普段はお酒呑んでダラダラしているだけなのにぃ」
ミラ「あはは」
ルーシィ「そういえばロキはいないのかなぁ」
ミラ「あーあ...ルーシィもとうとうロキの魔の手にかかっちゃったのね」
ルーシィ「違います!!!」
「なんか...鍵見つけてくれたみたいで...一言お礼したいなって...」
ミラ「そーなのね、見かけたら伝えておくわ、それより鍵落として星霊に怒られなかった?」
ルーシィは苦い顔をしてその時の状況を思い出す
ルーシィ「怒られるなんて騒ぎじゃなかったですよ...思い出しただけでおしりが痛く」
ミラ「あらあら」
ルーシィが尻を抑えて話しているとナツ、グレイ、ハッピーがやってくる
グレイ「冷やしてやろうか?」
ルーシィ「さりげないセクハラよそれ」
ハッピー「ルーシィ赤いお尻見せてー」
ルーシィ「堂々としたセクハラよそれ!!!」
ナツ「もっとヒリヒリさせたらどんな顔するかなルーシィ」
ルーシィ「鬼か!!!オマエは!!!」
そんな話しをしていた直後ナツの頭に机が飛んでくる
エルザ「もう一度言ってみろ!!!!」
机が飛んできた方に目をやるとエルザがラクサスに怒鳴っていた
ルーシィ「エルザ?」
ラクサス「この際だハッキリ言ってやるよ 弱ぇやつはこのギルドに必要ねぇ」
エルザ「貴様...」
ラクサス「ファントムごときになめられやがって、恥ずかしくて外も歩けねぇよ」
ルーシィ「S級のラクサス」
グレイ「あんにゃろう、帰ってくるなり好き放題言いやがって」
そしてラクサスはレビィ達に指を差す
ラクサス「オメーだよオメー」
「元はと言やぁオメーらがガジルにやられたんだって?つーかオメーら名前知らねぇや誰だよ?」
「情けねぇなぁオイィ!!」
レビィ達は悔しいが何も言い返せなかった
ルーシィ「ひどい事を!!」
ラクサス「これはこれは、さらに元凶のねーちゃんじゃねーか」
エド「そこまでだ、ラクサス」
割って入ったのは、エドだった。
その瞬間、皆が息をのむ。ラクサスすらも、目を細める。
ラクサス「……エドか」
エド「久しぶりだな、ラクサス」
ラクサス「お前も、あいつらと一緒に説教に来たのか?」
エド「ラクサス……俺はお前気持ちが分からないわけでもない。だが、“言い方”ってのがあるだろ」
ラクサス「……」
エド「俺たちは仲間だ。……お前だって、昔は“それ”をちゃんと大事にしてたじゃないか」
その言葉に、ラクサスの眉がピクリと動く。
エド「思い出せよ、ラクサス。マスターの背中を見て、俺たち2人で"このギルドをフィオーレで1番にしよう"って言っていた頃を」
ラクサス「……そんなのは、昔の話だ」
エド「そうかもな。でも、俺は……“あの頃のラクサス”に、また戻ってきてほしいと思ってる」
静かな語りかけだった
だが、そこには怒りも、諦めもなかった
ただ、真っ直ぐな願いだけが込められていた
ラクサスは一瞬、何かを言いかけたが、口をつぐんで目を逸らす
ラクサス「……相変わらず甘いままだな、お前は」
エド「ラクサス、お前は強くなった。だが、仲間を強くするのは、支配じゃない。お前も、本当はわかってるんじゃないのか」
エルザはその背中を見つめていた
——そして、ゆっくりと魔力を解いた
エルザ「……エドがそう言うなら、私は引こう」
ナツたちも、肩の力を抜く。緊張が溶けていく
ラクサスはその様子を一瞥すると、つまらなそうに吐き捨てた
ラクサス「……つくづく、くだらねぇギルドだ」
そう言い残し、ギルドを後にする
エドはその背中を見送った
ノアがそっと隣に立つ
ノア「……ラクサスのこと、あんなに真剣に言えるの、エドだけだよ」
エドワード「……昔はな。アイツとよく一緒に修行した」
ノア「うん」
エド「……今はこうでも、きっとまた戻れる。あいつは、本当はギルドを想ってるヤツなんだ」
「距離はできた。でも……また戻れる。俺はそう信じてる」
遠ざかっていく背中を見ながら、エドは静かにそう告げた
ルーシィ「それにしても、継ぐって何をぶっとんだこといってんのよ」
ミラ「それがそうでもないのよ」
ルーシィは椅子に座り直しミラの話を聞く
ミラ「ラクサスはマスターの実の孫だから次のマスターになる可能性も高いのよ」
ルーシィ「えーーーーーーっ!!!」
「...でもアタシは嫌だな..仲間の事をあんな風に思ってる人がマスターになるなんて」
ミラ「だからマスターもなかなか引退できないんじゃって噂なのよ」
ルーシィ「あの人がまともになるのを待ってるってこと?」
ミラ「あくまで噂よ。実際次期マスターの話なんてマスターは一言も言ってないしね」
ナツ「あんのヤロォ」
ナツはラクサスが去った方を睨み付けていた
エルザ「もういい、あいつに関わると疲れる」
エルザは諦めた顔をして話を変える
「それよりどうだろう仕事にでもいかないか?」
ナツ「え?」
エルザ「もちろんグレイ、ルーシィも一緒だ」
グレイ「え!!?」
ルーシィ「はい!!?」
「アイゼンヴァルドの件から常に一緒にいる気がするしな、この際チームを組まないか?」
「私たち4人...ハッピーを入れれば5人か」
「わぁ♪」
ルーシィとハッピーは嬉しそうな顔をしてナツとグレイは少し嫌そうな顔をする
フェアリーテイルの最強チームの正式決定にギルド内が騒ぎだす
「フェアリーテイル最強チーム正式決定だぁー!!!」
「いいぞー!!」
「てかルーシィ最強か?」
「俺はアクエリアス出されたら勝てる気がしねぇ」
「確かに」
ナツとグレイはにらみ合う
ナツ&グレイ「「こいつと...」」
エルザ「不満か?」
ナツ&グレイ「「いえ嬉しいです」」
エルザ「早速仕事だ!!!ルピナス城下町で暗躍している魔法教団を叩く」
「行くぞ!!!」
全員「「「おおおっ!!!」」」
エド「.....このメンバー、大丈夫なのか?」
ミラ「さぁ、どうかしらね♪」
エド「何もないといいが...」
夜マカロフは改装途中のギルドの上で酒を呑んでいた
ぐびぐび
マカロフ「ぷはぁーっ」
「...引退...か」
「ギルドも新しくなる...ならばマスターも次の世代へ...」
「ラクサス...あやつは心に大きな問題がある」
「ギルダーツは無理だしのう」
「ミストガン...ディス・コミュニケーションの見本みたいなやつじゃ...」
「だとすると...まだ若いがエルザ...」
「もしくは...」
そこへふらりと、足音も立てずに誰かが現れる
エド「こんなところで晩酌ですか、マスター」
マカロフが考え事をしているエドが話しかけた
マカロフ「おお、エドか。どーしたんじゃ?」
エド「いえ、たまたま通りかかったらマスターが見えたので」
マカロフ「そうか....時にエドよ」
マカロフの改まった態度にエドは耳を傾ける
「もし、わしが次のマスターにお主を任命するとしたらお主はどうする?」
エドは目を見開き、そして一瞬だけ言葉に詰まった
だが、すぐに柔らかな笑みを浮かべて、首を横に振る。
エド「……マスターなんて俺の柄じゃないですよ」
マカロフ「そう言うと思ったわ」
エド「俺には、まだ守りたい背中がたくさんある。支える立場にすらなれていないのに、誰かの上に立つなんて、恐れ多い」
エドの表情は真剣だった。
だがそれは、責任から逃げる顔ではない。自分の“位置”を、正確に理解している者の顔だった
マカロフは静かに頷き、もう一度酒をあおる。
マカロフ「じゃがのう……その“慎重さ”も、マスターに必要な器量じゃ。……ラクサスにも、あってほしかったのう」
エド「ラクサスは……強いです。でも、たぶんそれ以上に、ずっと傷ついている。だからこそ、あんなに尖ってしまうんでしょう」
マカロフ「お主は、まだあいつに期待しとるんじゃな」
エド「……はい。仲間だから。きっと、戻ってきますよ。あの頃のラクサスに」
夜風が、ギルドの高台を吹き抜ける
エド「だから俺は、マスターにはなれません。代わりに、その時が来るまで、誰よりも近くでギルドを支えます。それが、俺にできる“責任”だと思ってますから」
マカロフは湯呑みを置き、立ち上がる
マカロフ「……そうか。突然変なことを聞いて悪かったのう」
エド「いえ」
エドも立ち上がり、マカロフと並んで夜空を仰ぐ。
そこへミラが声をかけてきた
ミラ「マスターこんなとこにいたんですか~」
「「ん?」」
ミラ「またやっちゃったみたいです~」
マカロフ「は?」
ミラはマカロフに向けて一枚の紙を見せた
ミラ「エルザ達が仕事先で街を半壊させちゃったみたい」
マカロフは絶望の顔をする
ミラ「評議院から早々に始末書の提出を求められてますよ~...あれ?マスター、どうしました?」
マカロフ「引退なんかしてられるかぁ!!!!」
エド「マスター!落ち着いてください‼︎!」