FAIRY TAIL〜竜に育てられた少年と悪魔の少女 作:からあげ_63
第5話「侵される楽園」
日が傾きはじめ、夕暮れの海の余韻を残しながら、それぞれの部屋に戻るフェアリーテイルの仲間たち。アカネリゾートの一夜は、静けさと安堵に満ちていた。
エルザ「(それにしても本当に楽しい1日だった...)
エルザも水着姿のまま、ベランダのチェアに腰かけ、潮風に髪をなびかせながら静かにまどろみ眠っていた。
そんな安らぎの中、意識の奥底から声が響く。
【エルザ…この世界に自由などない】
不意に全身が強ばり、目を開く。
ばっ!!
「……夢か?」
汗がにじむ額を拭いながら、エルザは自分が椅子で眠ってしまっていたことに気づく。どこか胸騒ぎが残るまま、ゆっくりと立ち上がり部屋に戻る。
「やはり鎧の方が落ち着く。フフ......私という女はつくづく仕方がないな」
自嘲気味に笑いながら鎧姿に着替えた、その直後――部屋の扉が勢いよく開き、ルーシィが飛び込んできた。
ルーシィ「エルザー!!!」
ルーシィの顔は興奮と好奇心に満ちている。
「地下にカジノがあるんだって!!ねぇ行ってみない?」
エルザ「賭け事はあまり好きではないのだがな」
ルーシィ「ナツやグレイ達はもう遊んでるよ」
エルザ「やれやれ」
そう言いつつも少し嬉しそうなエルザは鎧からドレス姿に換装した
エルザ「こんな感じか?」
ルーシィ「ラフな格好でいいのに~(確かに鎧はどうかと思うけど)」
エルザ「フフ…...やるからには遊び倒さねばカジノに失礼だろう」
ルーシィ「はいはい!行くよー」
ルーシィが先に部屋を出る。エルザはその背中を見送りながら、小さく微笑んだ。
エルザ「(たまにはいいじゃないか…自分に優しい日があっても)」
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『カジノ』
煌びやかな照明と喧騒。夜のカジノには客の熱気が充満し、そこかしこで歓声やため息が交錯していた。
ナツ「ふぅ~~~!!ふぅふぅふぅ!!!」
「お…お客様困ります!!」
息を吹きかけるナツに、ディーラーは困惑の色を隠せない。勝負の熱に浮かされているのか、ナツの目は真剣そのものだ。
ナツ「だって17に入ってたぞオレは見たんだ!!!」
ハッピー「あい」
「そんなこと言われましても………」
ナツ「17に入ってたのにカタンってずれたんだよ!!何だよコレ!!」
「そんな事あるわけないでしょ~」
ナツが騒いでいるところより少し離れたところでグレイがスロットで遊んでいた
グレイ「はっはー!!しょうがねぇなアイツは」
ジュビア「グレイ様」
グレイ「ん?」
グレイは声のした方を振り向くとそこにはドレス姿のジュビアが立っていた
ジュビア「ジュビア、来ちゃいました」
グレイ「ぶほぉ!!?」
「お..おお..お前は..ええ!?
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ナツ「見たんだって!!オレの目はごまかせねーぞ!!!」
ナツはまだディーラーにクレームをしていた
すると近くの席からナツに声をかける者が現れた
ウォーリー「ボーイ 大人の遊び場はダンディにたしなむものだぜ」
ナツに声をかけた男は全身かくかくのいわゆるポリゴンのような体の男だった
ナツ&ハッピー「「か、カクカク!!?」」
ウォーリー「ボーイ一ついいことを教えてやるぜ
男には2つの道しかねぇのサ。ダンディに生きるか......止まって死ぬかだゼ」
ポリゴン男は椅子から飛び上がりナツの口の中に銃口を向ける
「銃だぁぁ!!!」
「ひぃ!!!」
突然の騒動にカジノの客たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。ハッピーの目も大きく見開かれる。
ハッピー「な...なにするんだー!!」
ナツ「が…がんがごいぐ」〈な…なんだこいつ〉
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グレイはスロットをやめてカウンターにてジュビアと話しをしていた
グレイ「聞いたよファントムは解散したんだって?」
ジュビア「はい」
「ジュビアは今フリーの魔導士になりました」
そう言ってジュビアはこれ見よがしに胸元のフェアリーテイルのマークが入ったネックレスを強調する
グレイ「うわぁ‥‥それでフェアリーテイルに入りてぇっての?」
ジュビア「ジュビア入りたい」
グレイは困ったように頭を掻くが、どこかジュビアのまっすぐな目線に気圧されていた。
グレイ「しっかしあんなことの後だからなぁオレは構わねーがマスターが何て言うか」
ジュビア「ジュビア何でもします」
グレイ「んなこと言っても」
すると2人の後ろから新しい人影が現れる
バチィン!!
ジュビア「あひぃ」
人影がジュビアをはたき飛ばす
グレイ「な!!?ジュビア!!!......何だテメェ」
グレイはジュビアをはたき飛ばした人物を睨み付ける
シモン「グレイ・フルバスターだな」
ジュビアをはたき飛ばした巨漢の男がグレイに話しかける
そして先程のポリゴン男がナツに聞く質問とタイミングが合わさる
シモン&ウォーリー「「エルザはどこにいる?」」
「だゼ」
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一方エルザとルーシィはポーカーを楽しんでいた
ルーシィ「すごーいエルザ!!」
エルザは連戦連勝中だった
エルザ「ふふ…...今日はついてるな」
するとエルザ達の反対テーブルにいるディーラーがチェンジする
「ディーラーチェンジだ」
「あ…ちょっと」
エルザ「今なら誰が相手でも負ける気がせんぞ」
ルーシィ「だね!」
絶好調のエルザにディーラーが話しかけた
「だったら特別なゲームを楽しまないか?賭ける物はコインじゃない」
そう言ってカードをきり終えたディーラーは五枚のカードをテーブルに出す
そこにはD・E・A・T・Hのアルファベットが並べられた
「命 賭けて遊ぼ」
エルザはふとディーラーの顔を見た
ショウ「エルザ姉さん」
エルザのからだが震え出す
エルザ「ショウ…...」
ショウ「久しぶりだね 姉さん」
ルーシィ「え? え?」
ルーシィは二人を交互に見る
エルザは悲しそうな顔でショウを見ていた
エルザ「無事......だったのか?」
ショウ「無事?」
エルザ「あ……いや…」
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その頃、ミラとエド、ノアは別室で翌日の撮影についてスタッフと最終確認をしていた。スタッフの声にミラは笑顔で対応し、ノアは無邪気にお腹を鳴らす。
ミラ「明日は朝から砂浜で撮る予定ね」
エド「あぁ、そうだな……(妙な静けさだな)」
ノア「おなかすいたー!」
ミラ「もうすぐ終わるから、少し待っててね」
そのとき、遠くからガラスが割れる音や、人々の悲鳴が聞こえてきた。エドは反射的に立ち上がり、ミラとノアも即座に反応する。
エド「この騒ぎ……普通じゃない」
ミラ「何かあったのかも。行きましょう、エド!」
エド「あぁ...!」
ノア「また事件!?やだなぁ〜!」
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その頃グレイも巨漢の男と睨みあっていた
シモン「エルザはどこだ?」
グレイ「教えると思うか?ア!?」
シモン「どこだ?」
グレイ「つーか、誰なんだテメェら?」
するといきなりジュビアが水の姿から人型に戻りながらグレイの前に立ちグレイを後ろに下げる
ジュビア「グレイ様には指一本触れさせない。ジュビアが相手します」
グレイ「ジュビア......」
ジュビア「グレイ様 エルザさんの下へ……危険が迫っています」
グレイ「...らしいな」
すると相手の男の頭の中に着信が入る
シモン「ん?もう見つかっただと?ほう…そうか」
「じゃ…片付けていいんだな?」
すると部屋の中が一気に暗くなる
グレイ「何だ!!?」
シモン「闇の系譜魔法 闇刹那(やみせつな)」
ガッ!!ゴッ!!
グレイ&ジュビア「ぐはっ!(きゃあ!)」
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ナツ「なんだよ!何も見えねえぞ!」
ナツも部屋の明かりが消えて戸惑っていた
そしてハッピーもナツを見失う
ハッピー「ナツー!!どこー!!」
ナツ「ここだー!つーかどこだー?」
ウォーリー「グッナイボーイ」
ナツ「ざっけんなぁー!コラァー!」
ダン!!!
ハッピー「ナツーー!!!」
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ルーシィ「...銃声!?」
エルザ「なんだ、何がおきた!」
少しずつエルザ達の周りが明るくなってくる
「光が戻ってきた」
エルザがショウのいたカウンターに目を向けるとショウはその場から離れていた
「ショウ!?」
ショウ「こっちだよ姉さん」
エルザ達の後ろから声がした
エルザとルーシィが振り返った瞬間ショウがカードを床にばらまいたところだった
ルーシィ「ええ!?」
ショウがばらまいたトランプをよく見ると中に人が入っていた
エルザ「なんだコレは!!」
「誰か助けてー」
ルーシィ「人がカードの中に!!?」
ショウ「不思議?俺も使えるようになったんだよ...魔法」
エルザ「魔法!?お前一体…」
ショウ「ククク…」
ミリアーナ「みゃあ」
ルーシィの後ろから声が聞こえたとたんルーシィの後ろからロープが出てきてルーシィを締め上げる
ルーシィ「きゃあ!!」
エルザ「ルーシィ!!」
ルーシィ「うっ」
ミリアーナ「みゃあ元気最強?」
いつの間にか先程のカウンターに猫耳の少女が座っており締め上げたルーシィを隣に引っ張ってきた
エルザ「ミリアーナ!?...お前も魔法を!?」
ミリアーナ「久しぶり~エルちゃん」
ミリアーナはエルザに手をふる
エルザ「ルーシィを放せ‼︎私の仲間なんだ‼︎」
ミリアーナ「みゃあ?仲間?」
ショウ「僕たちだって仲間だったでしょ?姉さん」
ルーシィ「(仲間……だった?)」
エルザ「う…ああ…」
エルザの体は激しく震え始める。ショウの“仲間”という言葉は、彼女にとって過去の罪の告白のようだった。
ショウ「そうでしょ?...姉さんが俺達を裏切るまではね...」
ウォーリー「そうエルザをいじめてやるなショウ。ダンディな男は感情を抑えるもんだぜ」
なにもなかった空間からナツを撃った男ウォーリーが現れた
ウォーリー「すっかり色っぽくなっちまいやがってヨ」
エルザ「その声...ウォーリーなのか...?」
ウォーリー「まぁ気づかねぇのも無理はねぇ。狂犬ウォーリーと呼ばれてたあの頃にくらべてオレもまるくなったしな」
エルザ「お前も魔法を...」
シモン「驚くことはない。コツさえつかめば誰でも簡単に魔法が使える。だろ?エルザ」
またなにもなかったハズの空間からグレイを襲ったシモンが現れた
エルザ「シモン!?」
ドサッ
ルーシィ「うっ」
ルーシィは縛られたままうつ伏せに倒れる
「エルザこいつらなんなの!?姉さんてどういう事!?」
エルザ「......本当の弟じゃない。かつての仲間達だ」
ルーシィ「仲間って………エルザは幼い頃からフェアリーテイルにいたんでしょ!!」
エルザ「それ以前…ということだ」
エルザは震えながらも話しを続ける
「お前達がなぜここに…?」
ミリアーナ「ミャア、なぜって」
ウォーリー「あんたを連れ戻しにさ」
エルザ「...ルーシィを解放してくれ!」
ショウ「そんなことよりもさ、帰ろう 姉さん」
ウォーリー「言うこと聞いてくれねぇとヨォ」
ガチャ
ルーシィ「ひぃ」
ウォーリーはルーシィに向かって銃を向ける。エルザの心臓が音を立てて跳ねる。
エルザ「よ…よせ!!頼む!!やめてくれ!!」
するとルーシィに向けていたウォーリーの手が消えてエルザの後ろからいきなり現れエルザに発砲する。
バフ
「あ…」
ルーシィ「エルザーー!!!」
ウォーリー「睡眠弾だゼ」
エルザが眠ったところをシモンが抱える。
シモン「目標確保 帰還しよう」
ルーシィ「ちょっと!!!エルザをどこに連れてくのよ!!!返しなさいよ!!!」
ルーシィは這ってでもエルザを追いかけようとする。
ミリアーナ「みゃあ」
ピッ
しかしミリアーナがルーシィに向かって指を指して動かすとルーシィを縛っていたロープがよりきつく締め上げられる。
ルーシィ「うぐっ…...あああっ」
ミリアーナ「後5分くらいで死んじゃうよ~きみぃ~」
ウォーリー「そういや君にプレゼントだゼ」
そう言ってウォーリーはハッピーをミリアーナに手渡す。
ミリアーナ「みゃあ!!ネコネコ~もらっていいの?」
シモン「ミリア、エルザを拘束しろ」
ウォーリー「ミリアーナ、頼むゼ」
ミリアーナはハッピーを大事そうに抱えた。
ハッピーは眠ったままだ。
「姉さん帰って来てくれるんだね」
「楽園の塔へ…...きっとジェラールも喜ぶよ」
ショウは目に涙を浮かべ喜んだ。
(楽園の塔…...。か、完成していたのか…...)
エルザは掠れていく意識のなかショウ達の会話を聞いていた。
ルーシィ「エルザ......エルザァ!」
ルーシィの声も虚しくショウたちは転移魔法によって姿を消してしまった。
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ようやくエドたちが混乱したカジノフロアに到着したとき、すでにナツ、グレイ、ジュビアは倒れ、ルーシィは縛られ、エルザは連れ去られた後だった。
エド「……遅かったか」
ノア「みんな……ひどい……」
ミラ「ルーシィ!大丈夫!?」
ルーシィ「みんな……エルザが……」
ミラはすぐにロープを魔法で断ち切りルーシィを解放した。
エドはフロアに残る転移魔法の痕跡を見つけ、拳を握る。
エド「連れ去られた、か……」
ルーシィ「“塔”って言ってたの。楽園の塔って……」
エド「楽園の塔だと?」
ミラ「知ってるの?」
エド「いや、俺も詳しいことは知らない。だが......どうやらただ事じゃなさそうだな」
ノア「どうするの?エド?」
エド「決まってる。……助けに行くぞ」
ミラも静かに頷き、ノアも真剣な表情になる。その場の全員が“仲間”を救うため、覚悟を新たにした瞬間だった。
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この後、運命は新たな局面へと動き始める――。