遊戯王Force   作:天羽々矢

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今回は少し短めです。
デュエル無しが続きますな・・・何とかしないと。


第11話 伝説との解逅

遊星の部屋に招かれたトーマはソファに座っている。

 

「散らかっていてすまない。最近片づける暇がなかったものでな」

 

「いや、気にしてないよ」

 

実際に遊星の部屋は少し物が散乱している。だがその中には・・・

 

「何で化粧品まで転がってんだ?」

 

「あぁそれか。俺の他にもこの部屋に住んでるのがいるんだ」

 

「なるほど・・・」

 

そう、この部屋は遊星の他に住んでいる人がいるのだ。

散乱のざまを見ると、カードも何枚か散乱している。

 

「(よほど忙しかったんだな・・・まずいタイミングで来ちゃったか?)やっぱ手伝うよ、遊星」

 

「すまないな、客人なのに・・・」

 

遊星は少し申し訳なさそうな顔をし、トーマと共に室内を片付けはじける。だがその際に1枚のカードを見つけた。だがそれは白紙のカードだ。

 

「?遊星、これ・・・」

 

「!・・・ありがとう」

 

それを受け取る遊星。だが何か引っかかっていた。

 

(まるで、俺が持ってるあと2枚の白紙のカードにそっくりだ・・・)

 

その時だ。

 

カチンッ

 

「おっと!」

 

トーマのデッキケースがベルトから外れ落下する。落下した際に留め具が外れ中のカードが散乱してしまう。

 

「あぁやっちまった!ごめん遊星!よけい散らかしちゃって・・・」

 

遊星はトーマのカードの1枚を拾う。

 

「いや、気にしないでくれ。お前は・・・!!」

 

遊星は拾ったカードを見ると言葉を失う。何故ならそのカードは「TG ブレード・ガンナー」のカードだったからだ。

 

(どうして・・・トーマがこのカードを!?)

 

「遊星」

 

(ブルーノ・・・)

 

「遊星?」

 

(ブルーノッ・・・!)

 

「遊星!」

 

「!!」

 

トーマの声により、遊星は現実に戻される。

 

「どうしたんだ、ボーっとしてたみたいだったけど?」

 

「いや・・・少し珍しいカードだと思ってな・・・」

 

嘘だ。本当は遊星はトーマの持つ「TG」シリーズを知っている。

遊星の仲間“ブルーノ”が使っていたカードたちだ。だが彼はもうどこにもいない。

彼は最後の遊星との戦いで敗れ、彼に希望を託し消えた。

遊星はその事を今でも鮮明に覚えている。

 

「トーマ、1つ聞かせてくれ」

 

「あぁ。いいけど・・・」

 

「そのカード・・・どこで手に入れたんだ?」

 

遊星の言葉にはわずかに警戒の意志が込められている。だがトーマは何もなかったかのように返答する。

 

「手に入れたっていうよりは・・・もらったってのが正しいかな」

 

「もらった?誰にだ?」

 

「母さんからだよ。元々TG(こいつら)は母さんがデザインしたんだ」

 

「母さん・・・確か“リーネ”さんと言ったか?だが、俺が知っているデザイナーにリーネと言う人は“リーネ・ルアルディ”しか知らないが・・・」

 

「それは母さんの業界でのハンドルネームみたいなやつ。フルネームは“御剣・(ルアルディ)・リーネ”。在日フランス人のデザイナーだよ」

 

「・・・そうだったのか・・・」

 

説明を受け、やや納得がいかないようだったが遊星はそれで了承した。

 

「そう言えば、遊星ってD・ホイール2台持ってんの?」

 

「2台?」

 

「駐輪場に赤いD・ホイールが2台あったからさ」

 

「あぁ・・・あれか。1台は俺のだがもう1台は・・・」

 

ガチャ

 

「ただいま」

 

「お~っす。邪魔するぜ遊星~」

 

遊星が答えようとした瞬間、誰かが部屋に入ってきた。

1人は赤い髪の女性で、もう1人は逆立てたオレンジ色の髪の青年だ。

青年のほうな顔の両頬と額にマーカーが付いている。

 

「あぁ、お帰り“アキ”。いらっしゃい“クロウ”」

 

「うわぁ・・・」

 

どうやらこの2人は遊星の仲間のようだ。

それを見たトーマはまた強張ってしまう。

 

そう、この2人はかつて遊星と共にWRGPを戦ったチームメイト“十六夜(いざよい)アキ”と“クロウ・ホーガン”だ。

 

クロウは現在プロリーグで活躍しているデュエリストだ。

 

「うわぁ散らかりようがひでぇな・・・」

 

「もう、遊星、私がいない間、ずっと研究に打ち込んでたでしょ?」

 

部屋の惨状を見た2人は、若干呆れている。

 

「すまないな。最近休みが取れないものでな」

 

「それはいいけどよ・・・お?客か?」

 

「あら、お客さん?」

 

「あぁ。彼は御剣 トーマ。工具を届けに来てくれたんだ」

 

「はっ初めまして!じっ自分は・・・」

 

またしても硬くなってしまい、言葉を噛みまくるトーマ。

その様子を見た2人は、顔を見合わせた後、アキは口元を押さえながら、クロウは腹を抱えながら笑う。

 

「はっはっは!!硬てぇなぁ!普通に“クロウ”でいいぜ!」

 

「ふふっ・・・私も普通でいいわよ」

 

「え・・・え~っと・・・」

 

「ふ・・・そうしてやってくれトーマ。2人もそのほうがいいだろ」

 

「遊星まで・・・はぁ・・・分かったよ、“クロウ”、“アキ”」

 

「トーマ、また見惚れてる・・・」

 

「なっ・・・!」

 

突然エクレールが不機嫌そうに声をかける。どうやらエクレールはトーマが他の女性に見惚れているのが気に入らないようだ。

トーマはつい反応してしまいそうになるが堪えた。ここで反応してしまえば、間違いなく“痛い人”のレッテルを貼られてしまう可能性があるからだ。

 

「しかし、どうしてクロウとアキが一緒に?」

 

「あぁ。お前んとこ顔だそうってしてたら、アキの奴がチンピラに絡まれててよ。仕方ねぇから拾ってやったんだ。ま、アキならあのくれぇどうってことねぇだろうけどな」

 

「クロウ。それ、どういう意味?」

 

「お~怖い怖い」

 

笑いながらそう返すクロウにアキは納得がいかないような顔をする。

 

「あ~話の途中悪いけど、俺、そろそろ帰らないと」

 

「はぁ、もう帰るだぁ?ノリ悪りぃな」

 

「そうよ。もう少しゆっくりして行ったら?」

 

「でも・・・」

 

その時、

 

グ~・・・

 

明らかに場違いの音が響く。

その音が鳴り終わった瞬間、周りが笑いに包まれる。

 

「はっはっはっ!!なんだ腹減ってんじゃねえかよ!」

 

「・・・」

 

トーマは恥ずかしそうに腹を押さえる。遊星は時計に目をやると・・・

 

「ちょうどいい。これからみんなで昼食にするか」

 

「あ!だったらいい店知ってるわよ。洋食のおいしい店」

 

「おお!ちょうどフレンチが食いたかったんだ!」

 

そういう流れになってしまい、仕方なくトーマは3人について行く。

昼食をレストランで取り、支払いの時、3人だけに払わせるのは申し訳ないと言い出し、代金は4人で割勘となったのは別の話だ。




遊星の他にクロウとアキも出てきました!
3人の性格が合っているか不安です・・・。

ところで、アンノウンこと“フェイト”は今どうしているのか?そう思う方もいるかもしれませんが、ちゃんと展開は考えておりますのでご安心ください!

遊星にブルーノと一緒に居た時の記憶がフラッシュバックしましたな。内心泣きそうになってたし。

今回で「TG」シリーズがどういう設定になっているのか分かってもらえたと思います、

では次回!
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