廃病院に入ったトーマ達は、主犯を見つけるためにバラバラになって捜索を開始した。
トーマは現在7階を探している。
「待ってろよ、あの野郎・・・!」
トーマはリオンに対しての怒りでいっぱいだ。
絶対に捕まえて償いをさせてやると。
そんな時だ。
・・・ゴホッ・・・ゴホッ・・・!
「?」
誰かが咳ごむ声が聞こえてきた。
すぐ近くだ。
「・・・この辺か?」
トーマが来たのは707号病室の前だ。ちょうどアルトセイムの街が見える方の病室だ。
静かに扉を開け中に入る。
そこには、紫色の長髪の女性が倒れていた。
しかし、腹部からは血が流れ出ている。
「!!大丈夫ですか!?」
すかさずトーマは女性に駆け寄る。
「・・・貴方は・・・?」
かすれた声で女性がトーマに問う。
「しっかりしてください!すぐに病院に・・・!」
「娘は・・・フェイトは・・・?」
「!!」
フェイトと言う単語にトーマは確信する。
今、目の前で腹から血を流している女性が、フェイトの母親の「プレシア・キャスタニエ」だ。
「大丈夫ですよ!彼女は今ここにいます!すぐに・・・!」
「おや、まさかここがこんな早くに見つかるとはね」
瞬間、背後から男の声が響く。
「初めまして。私は“ジェイル・ハミルトン”。言わば、彼女をここに連れてきたのは・・・私だ」
「!!・・・そうかよ、お前が犯人か!!」
躊躇いなく大声を出すトーマ。そんな彼に何事もないかのようにジェイルは返す。
「彼女・・・フェイトと言ったかな?彼女は本当によく働いてくれたよ。たった1人の母親の為にね。私が彼女を条件に出せば何でもしてくれた。カードの回収。研究データの採取。さらには血液採取にもね」
「お前・・・人の命をなんだと思ってやがる!!!」
「もちろん、人として見てるさ。優秀な人材としてね!彼女はいつでも私の期待に答えてくれた」
「てめぇ・・・!許さねえ!!うおおおっ!!」
トーマはとうとうキレた。拳をジェイルに向け突き出すが、それは身体をすり抜け、そのままバランスを崩し床に倒れる。
「がはっ!!」
「すまないね。本当の私はここにはいないのだよ。今の私はソリッドビジョンなのさ」
「何・・・!?」
「まあ、せっかく来てくれたんだ。デュエルと洒落込もうじゃないか」
ジェイルのビジョンが左手をかざすと、そこに金属片が集まり、やがて1つのデュエルディスクの様な形になる。そして、右手をかざすと、今度はデッキケースが彼の右正面に移動する。
「!?」
「驚いたかね?私特製で今の私専用のデュエルセットだ」
ジェイルは自慢げに説明する。
こんな者でなければ、彼の頭脳はきっと世界の為になったであろうに・・・。
「・・・いいぜ。お前を倒して、こんな事件、さっさと終わらせてやる!!」
『デュエル!!』
トーマ
手札5
ライフ4000
ジェイル
手札5
ライフ4000
「先攻は私がもらおう」
ジェイル 手札5→6
「手札から、フィールド魔法【脳開発研究所】を発動」
ジェイルがカードをディスクにセットした瞬間、周りの景色が荒廃した病室から培養液の中に脳が入ったカプセルが沢山並ぶ研究施設に変わる。
脳開発研究所
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、通常召喚に加えて1度だけサイキック族モンスター1体を召喚できる。この方法でサイキック族モンスターの召喚に成功した時、このカードにサイコカウンターを1つ置く。
また、自分フィールド上のサイキック族モンスターの効果を発動するためにライフポイントを払う場合、代わりにこのカードにサイコカウンターを1つ置く事ができる。
このカードがフィールド上から離れた時、このカードのコントローラーはこのカードに乗っていたサイコカウンターの数×1000ポイントダメージを受ける。
「そして、【サイコ・コマンダー】を召喚」
サイコ・コマンダー
サイキック族 地属性 チューナー レベル3 攻撃力1400 守備力800
自分フィールド上のサイキック族モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ時に1度だけ、100の倍数もライフポイントを払って発動できる(最大500まで)。
このターンのエンドフェイズ時まで、戦闘を行う相手モンスター1体の攻撃力・守備力は払った数値分ダウンする。
「【サイコ・コマンダー】を召喚したことで、【脳開発研究所】の効果が発動。通常召喚に加え手札のサイキック族モンスター1体を召喚して、このフィールドにサイコカウンターを1つ置く。私が召喚するのは、【サイコ・ウォールド】」
サイコ・ウォールド
サイキック族 地属性 レベル4 攻撃力1900 守備力1200
800ライフポイントを払って発動できる。
自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスター1体は、1度のバトルフェイズ中に2階攻撃する事ができる。
この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。
脳開発研究所 サイコカウンター0→1
「カードを2枚伏せ、ターンを終える」
ジェイル
手札2
ライフ4000
フィールド サイコ・コマンダー レベル3 攻撃1400
サイコ・ウォールド レベル4 攻撃1900
フィールド魔法【脳開発研究所】(サイコカウンター1)
セットカード1枚
「俺のターン!」
トーマ 手札5→6
「相手の場にのみモンスターがいるとき、手札からこいつを特殊召喚できる!来い!【TG ストライカー】!」
TG ストライカー
戦士族 地属性 チューナー レベル2 攻撃力800 守備力0
「さらにこいつは、レベル4以下のモンスターを特殊召喚したとき、手札から特殊召喚できる!来い!【TG ワーウルフ】!!」
TG ワーウルフ
獣戦士族 闇属性 レベル3 攻撃力1200 守備力0
「レベル3のワーウルフに、レベル2のストライカーをチューニング!シンクロ召喚!【TG パワー・グラディエーター】!」
TG パワー・グラディエーター
戦士族 地属性 シンクロ レベル5 攻撃力2300 守備力1000
「さらに、【TG サイバー・マジシャン】を通常召喚!」
TG サイバー・マジシャン
魔法使い族 光属性 チューナー レベル1 攻撃力0 守備力0
「こいつが【TG】と名のつくモンスターのシンクロ素材になるとき、別のモンスターは手札から代用できる!手札のレベル4ラッシュ・ライノに、レベル1のサイバー・マジシャンをチューニング!シンクロ召喚!【TG ワンダー・マジシャン】!」
TG ワンダー・マジシャン
魔法使い族 光属性 シンクロ チューナー レベル5 攻撃力1900 守備力0
「ワンダー・マジシャンの効果!相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!俺が破壊するのは、右のカードだ!」
【TG ワンダー・マジシャン】が魔力弾を放ち、ジェイルから見て左のカードに直撃する。そのカードは【ブレインハザード】だった。
「行くぞ!レベル5のパワー・グラディエーターに、レベル5のワンダー・マジシャンをチューニング!!
無限の力、今ここに解き放ち、次元の彼方へ突き進め!!
アクセルシンクロ!!来い!【TG ブレード・ガンナー】!!」
「おぉぉぉぉっ!!」
TG ブレード・ガンナー
機械族 地属性 シンクロ レベル10 攻撃力3300 守備力2200
「ブレイブで【サイコ・コマンダー】を攻撃!シュート・ブレード!!」
「喰らえ!!」
ブレイブが【サイコ・コマンダー】に向かって弾丸を連射し、【サイコ・コマンダー】は回避しようとするが弾速について行けずに弾丸を喰らい破壊される。
「ふむ、やるじゃないか」
ジェイル ライフ4000→2100
「カードを1枚セットして、ターンエンド!」
トーマ
手札1
ライフ4000
フィールド TG ブレード・ガンナー レベル10 攻撃3300
セットカード1枚
「では、私のターンだ」
ジェイル 手札2→3
「・・・ほう、これは良いカードを引いたものだ」
「?」
「手札から【クレポンス】を召喚」
クレポンス
サイキック族 闇属性 チューナー レベル2 攻撃力1200 守備力400
このカードが攻撃対象に選択された時、800ライフポイントを払って発動できる。
その攻撃を無効にする。
「そして【脳開発研究所】の効果により、手札から【静寂のサイコウィッチ】を召喚」
静寂のサイコウィッチ
サイキック族 地属性 レベル3 攻撃力1400 守備力1200
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから攻撃力2000以下のサイキック族モンスター1体をゲームから除外する事ができる。
次のスタンバイフェイズ時、この効果で除外したモンスターを特殊召喚する。
脳開発研究所 サイコカウンター1→2
「それが君のエースモンスターならば、私もそろそろ本気を出すとしよう」
「まさか・・・!?」
「そのまさかさ。レベル3の【静寂のサイコウィッチ】と、レベル4の【サイコ・ウォールド】に、レベル2の【クレポンス】をチューニング!シンクロ召喚!来たまえ、【メンタルオーバー・デーモン】!」
メンタルオーバー・デーモン
サイキック族 闇属性 シンクロ レベル9 攻撃力3300 守備力3000
サイキック族チューナー+チューナー以外のサイキック族モンスター2体以上
1ターンに1度、自分の墓地に存在するサイキック族モンスター1体を選択してゲームから除外する事ができる
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、このカードの効果で除外したモンスターを可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
「【メンタルオーバー・デーモン】の効果発動。1ターンに1度、私の墓地のサイキック族モンスター1体を除外できる。まず私は、【サイコ・コマンダー】を除外する」
ジェイルの背後に次元の渦が現れ、そこに【サイコ・コマンダー】の幻影が吸い込まれていった。
「これでターンを終えよう」
ジェイル
手札1
ライフ2100
フィールド メンタルオーバー・デーモン レベル9 攻撃3300
セットカード1枚
「(何を考えてる・・・?)俺のターン!」
トーマ 手札1→2
「(【メンタルオーバー・デーモン】とブレイブの攻撃力は同じ。今迂闊に動けばやられるのはブレイブだ・・・ここは耐えるしかない・・・!)ターンエンド!」
トーマ
手札2
ライフ4000
フィールド TG ブレード・ガンナー レベル10 攻撃3300
セットカード1枚
ジェイル
手札1
ライフ2100
フィールド メンタルオーバー・デーモン レベル9 攻撃3300
フィールド魔法【脳開発研究所】(サイコカウンター2)
セットカード1枚
さて、黒幕のジェイルと主人公のトーマとのデュエル前半戦!お楽しみいただけましたか?
ジェイルはサイキックデッキですね。トーマは相変わらずTGデッキ。
そして、プレシアは実は生きていた!瀕死ですけどね。
感想待ってます!
では次回をお楽しみに!!