遊戯王Force   作:天羽々矢

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第2章、始まるで~。


第2章 熱狂! デュエル・フェスタ
第24話 僕はエミル! 仲良し霊使いデッキ?


上空1000メートル付近、

 

《大変お待たせいたしました。間もなく、アルトセイム中央空港にご到着いたします》

 

飛行機内アナウンスが流れ、ビジネスクラスの席に座っている少年が降りる準備をする。

まずは先ほどまでチェックと調整を行っていたデッキをまとめる。そして簡素なテーブルに置いてあるリュックサックにそのデッキを入れ、準備は完了だ。

 

程なくして飛行機が揺れる。間違いなく着陸による衝撃だろう。

 

そして案内に従い、少年は飛行機を降り空港内に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、トーマ宅

 

「うえ・・・これなら日ごろから片付けちゃんとやっておくべきだったな・・・」

 

トーマは自室の整理に追われている。日頃から学校やらリリィ達との約束やらでほったらかしにしていたのが仇になったようだ。

 

そんな時、

 

「?・・・なんだこの箱?」

 

ふと青いクッキーの缶箱を見つけたトーマ。

開けてみれば、そこには2つのデッキと1枚の写真が入っている。

 

1つのデッキはトーマにとっては懐かしい物で、あの伝説のデュエリスト「遊城 十代(ゆうき じゅうだい)」が愛用していた「E・HERO(エレメンタル・ヒーロー)」主体の過去にトーマが使っていたデッキだ。

 

「お、懐かしいなあ~」

 

だが、もう1つのデッキは「ムーンライト」と言う聞きなれないシリーズのモンスターが入っているデッキだ。

 

「【ムーンライト】・・・?」

 

どんなモンスターなのか一瞬気になったが、その考えを払拭し、今度は写真に手を伸ばす。

そこにはやんちゃな笑みを浮かべ右手でVサインをしている子供の頃のトーマと、恥ずかしいのかトーマの後ろに隠れぎこちない笑みを浮かべている少年が写っていた。

少年の方は褐色の肌にショートの金髪、そしてエメラルドの様な緑色の瞳だ。

 

「ああ・・・そう言えば、こんな奴もいたっけな・・・」

 

その写真の少年の事を思い出したトーマは、かつて兄弟同然に育ってきた旧友の事を思い浮かべる。

素直だがいつもビクビク、いつもオドオド、いつもトーマの後ろをくっ付いてきた怖がりの少年。

しかしスポーツや勉強では勝っていたが、デュエルでは筋が良いのかまともに勝てた例が無かった。

 

「あいつ、元気にしてるかなぁ・・・」

 

その後、一通り整理を終えたトーマは母親のリーネに発見したデッキの事を聞く。

 

「あら、懐かしいわね」

 

「知ってるの?」

 

「これ、私が初めてデザインしたシリーズのカードなのよ」

 

どうやら「ムーンライト」シリーズのカードは、リーネがデザイナーとしての活動を始めた直後にデザインしたカード群のようだ。

 

「良かったら、あげるわよ?」

 

「え?でも・・・」

 

「いいの。使ってあげて!」

 

「・・・分かったよ」

 

ついに折れたトーマはリーネからデッキをもらいデッキを強化していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで場面が再び変わる。

 

アルトセイム中央空港ターミナル南口、

飛行機から降りた少年はリュックサックを背負い、スーツケースを引きながら外に出る。

 

「懐かしいな、ここ・・・」

 

少年が過去の思い出に浸っている時、

 

「エ~ミル~ッ!!」

 

後ろから背中まである青い髪の少女が喜々とした様子で抱きついてくる。

だがその少女の身体は少し透けている。

 

「うわぁ!エ、エリア!だ、抱きつかないで!!」

 

エミルと呼ばれた少年、「朱鷺音 エミル(ときね エミル)」は抱きついてきたエリアと呼んだ少女「水霊使いエリア」の精霊に離れるよう声をかける。

 

「ちょっとあんた!エミルから離れなさいよ!」

 

その時、エリアの腰に手を回し、無理やり引きはがそうとする緑色の髪の少女が姿を見せるが、その姿もエリア同様少し透けている。

彼女は「ガスタの巫女ウィンダ」の精霊のウィンダだ。

 

「や~だ!だってあたし、エミルのお嫁さんだも~ん」

 

平然と嫁宣言をするエリアに対し、ウィンダはさらに嫉妬と怒りの炎を滾らせる。

 

「なっ!勝手に決めつけないでよっ!!」

 

「まあまあ2人とも・・・落ち着いて・・・」

 

『エミルは黙ってて!!』

 

「はっはいい!!」

 

エミルが仲裁に入ろうとしたが、2人の気迫に押され、簡単に撃沈してしまう。

 

「あはは・・・ごめんね、エミル君・・・」

 

「あ・・・君が謝る事じゃないよ、ウィン・・・」

 

痴話喧嘩同然の言い争いをする2人を後目に、エミルの横にウィンダ同様緑色の髪の少女が姿を見せ、エミルに謝罪する。

彼女は「風霊使いウィン」の精霊のウィンだ。

 

「あ~っ!!ちょっとエミル!何でウィンといい感じの雰囲気作ってんの!?」

 

「エミル!!」

 

するとやり取りに気付いたエリアとウィンダの矛先がエミルとウィンに向く。

 

「え!?ちょっと待ってよ!!」

 

「ふぇ!?あ、あのっ・・・その・・・」

 

「何でどもるの!?」

 

『エ~ミ~ル~!!』

 

2人の怒りの矛先が完全にエミルに向いた。

 

(うう・・・トーマ助けて・・・は・・・くれないよね・・・)

 

エミルが内心旧友に助けを求めていた時、

 

「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

 

『っ!?』

 

突如、女性観光客の悲鳴が聞こえた。

 

「ひゃははは!」

 

急いで現場に駆け付けたエミル達が見たのは、暴走族の様なD・ホイールに乗った金のモヒカンの柄の悪そうな男が女性のバッグを奪ったところ、所謂「ひったくり」だ。

そして男性はそのまま逃走する。

 

「エミル!」

 

「うん!」

 

急いでエミルは駐車場に行き、デュエルディスクのスイッチを入れる。

 

「来て、ストーム・ガルーダ!!」

 

エミルがマイクに向かって叫ぶと、どこからともなく緑色の鳥の様な形をしたD・ホイールがエミルの下に駆けつける。そして荷物を乗せデュエルディスクをセットし搭乗すると、先ほどの不良を追いかける。

 

 

 

 

空港内の道では先ほどの不良が一般車をかわしながらセキュリティの追跡を振り切ろうとしている。

 

「へっ!てめぇらに俺が捕まるかよ!!」

 

アクセルをさらに回し、追跡舞台を引き離す不良。だが、モニターを付けてみれば、セキュリティのとは別のD・ホイール・・・ストーム・ガルーダが追ってきていた。

 

「へん!やろうってか?」

 

不良と追いついたエミルはデッキをセットする。

 

『【スピード・ワールド3】セット・オン!!』

 

《デュエルモード・オン。オートパイロット・スタンバイ》

 

 

『デュエル!!』

 

エミル

手札5

ライフ4000

 

不良

手札5

ライフ4000

 

 

「へへ!俺のターン!!」

 

不良 手札5→6

 

「手札から、【サファイアドラゴン】を召喚!」

 

不良の場に青く美しいドラゴンが現れる

 

サファイアドラゴン

 ドラゴン族 風属性 レベル4 攻撃力1900 守備力1600

 

「カードを3枚伏せて、ターンエンド!!」

 

不良

手札2

SPC0

ライフ4000

フィールド サファイアドラゴン レベル4 攻撃1900

      伏せカード3枚

 

「僕のターン!」

 

エミル 手札5→6

    SPC0→1

 

不良 SPC0→1

 

「モンスターをセット!そしてカードを3枚伏せてターンエンド!」

 

エミル

手札2

SPC1

ライフ4000

フィールド セットモンスター1体

      伏せカード3枚

 

「弱気じゃねぇか坊ちゃんよぉ!俺のターン!!」

 

不良 手札2→3

   SPC1→2

 

エミル SPC1→2

 

「永続罠【DNA移植手術】を発動!属性を1つ宣言して、フィールドのすべてのモンスターを宣言した種族にする!僕が宣言するのは水属性!」

 

サファイアドラゴン 風属性→水属性

 

DNA移植手術

 永続罠

発動時に1種類の属性を宣言する。

このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の全ての表側表示モンスターは自分が宣言した属性になる。

 

「そんなカード、俺の前じゃ紙切れだぜ!【Sp-サモン・スピーダー】!手札の【インフルーエンス・ドラゴン】を特殊召喚!」

 

インフルーエンス・ドラゴン

 ドラゴン族 風属性→水属性 チューナー レベル3 攻撃力300 守備力900

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターはエンドフェイズ時までドラゴン族になる。

 

「さらに、【ハウンド・ドラゴン】を召喚!」

 

「レベル4の【サファイアドラゴン】と、レベル3の【ハウンド・ドラゴン】に、レベル3の【インフルーエンス・ドラゴン】をチューニング!シンクロ召喚!来やがれ!【トライデント・ドラギオン】!!」

 

【インフルーエンス・ドラゴン】が光の輪になり中に2体のモンスターが入り、その中から3つの首を持った白い竜が姿を見せる。

 

トライデント・ドラギオン

 ドラゴン族 炎属性→水属性 シンクロ レベル10 攻撃力3000 守備力2800

 ドラゴン族チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上

このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。

このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードを2枚まで選択して破壊できる。

このターン、このカードは通常の攻撃に加えて、この効果で破壊したカードの枚数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。

 

「【トライデント・ドラギオン】の効果発動!こいつ以外の俺の場のカードを2枚まで破壊でき、このターンのバトルフェイズにその枚数分だけ通常攻撃に加え攻撃回数を追加できる!」

 

【トライデント・ドラギオン】の3つの首の内2つの首が不良の伏せカードを捕食する。

 

破壊されたカード

・スキル・サクセサー

・ストライク・ショット

 

「これで終わりだ!【トライデント・ドラギオン】!野郎のモンスターを木端微塵にしてやれ!」

 

【トライデント・ドラギオン】がエミルのセットモンスターに向かって火のブレスを発射する。

 

「罠発動!【和睦の使者】!このターンバトルではモンスターは破壊されず、受けるバトルダメージも0になる!」

 

「だが、そのモンスターは確認させてもらうぜ!」

 

エミルのセットモンスターの周囲にバリアが貼られブレスを防ぐ。そしてそのモンスターが露わになる。

 

「なんだ【水霊使いエリア】じゃねぇか、ビビらせやがって。次のターンで・・・!?」

 

余裕の笑みを一瞬浮かべた不良だったが次の瞬間表情が凍りつく。

【トライデント・ドラギオン】が青いオーラに包まれ、エミルの場に移動したのだ。

 

「待て!!何で俺の【トライデント・ドラギオン】がてめぇの場に行くんだ!?」

 

「エリアの効果が発動したんだ!リバースしたエリアがフィールドに存在する限り、相手フィールドの水属性モンスターのコントロールを得る!」

 

「ありかそんなの!?」

 

水霊使いエリア

 魔法使い族 水属性 レベル3 攻撃力500 守備力1500

リバース:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の水属性モンスター1体のコントロールを得る。

 

「くそ!ターンエンドだ!!」

 

不良

手札0

SPC2

ライフ4000

フィールド 無し

 

「僕のターン!」

 

エミル 手札2→3

    SPC2→3

 

不良 SPC2→3

 

「エリアを攻撃表示に!」

 

水霊使いエリア 守備力1500→攻撃力500

 

「さらに、【風霊使いウィン】を召喚!」

 

「任せて!」

 

風霊使いウィン

 魔法使い族 風属性→水属性 レベル3 攻撃力500 守備力1500

リバース:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の風属性モンスター1体のコントロールを得る。

 

「いっ!?ま、待て待て!!1ターンだけ待ってくれっ!!!」

 

「待たない!!みんなで総攻撃!!」

 

「行っくよー!」

 

「いっけー!」

 

「うぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

不良 ライフ4000→3500→3000→0

 

 

 

 

 

 

デュエルに敗北した不良はその後セキュリティの職員に取り押さえられ、強盗の現行犯でそのまま御用となった。

 

「ご協力、感謝します!」

 

1人の局員がエミルに敬礼する。

 

「あ、いえ・・・お役に立てれば・・・」

 

ぎこちない返事から、どうやらエミルはこの歳になっても人見知りな所があるようだ。

そして不良を車両に乗せセキュリティはその場を後にする。

 

「・・・さて、なんか活躍する事になっちゃったけど、気を取り直して観光でもする?」

 

『賛成~!!』

 

エミルの精霊達は満場一致で観光することを決め、エミルはストーム・ガルーダを発進させる。




という訳で新章突入!!

・・・の前に新キャラ出てきましたね。勘の鋭い人は誰がモデルなのかすぐ分かると思います。

エリアとウィンダ・・・初っ端から痴話喧嘩かよw

感想待ってます!

では次回!!
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