SCP-001-KV 作:SCP-001-KV
正しくは、8話からではなく9話から小学四年生だゾ。
それと、この場を借りて、皆様からの感想、誤字報告、評価へ感謝を伝えさせてほしいゾ。
ありがとうだゾ。
その世界は、対策が間に合わずに崩壊した。
今日は私の家にヒマリちゃんとリオちゃんが遊びに来ていました。
子供らしく対戦ゲームで遊び、途中で謎にプログラミング討論に入って白熱した二人を眺め、最終的に共通の話題であるSCPに関する話となりました。
「そういえば、新しい
間違いなく、【
「もう発見したんですか!?」
「授業中もAIに調べさせてたから、たった九ヶ月で見つけられたんだ」
もっと掛かるかと思っていました。
【
財団は全ての電子機器に細工をして、二つの音に関してはそれの逆位相となる音を放つことで相殺しました。
一つの音は、とあるクジラが鳴き声として発することがわかったため、財団はその生物を絶滅させました。
私はこの世界で、同じことをするつもりです。
つまり、収容するためなら、一つの種族を滅ぼすことも許容します。
『財団は冷酷だが残酷ではない』。
財団は、必要であれば犠牲を許容します。しかし、必要のない残酷な行為を許容することはありません。
「ヒマリちゃんにお願いしてよかったです。
私が知っている
これからも頼りにしていますね、ヒマリちゃん、リオちゃん」
「任せて」
「勿論よ」
私は二人に
ただ、伝えていないことも勿論あります。
例えば、私が転生している話とか、ブルアカというゲームの話なんかです。
この世界が実はゲームの中、なんて話をすれば流石の二人でも参ってしまうかもしれませんし……。
それに、未来が予め決まっているというのは、伝えられていい気はしないでしょうから。
そのため、二人には私の本来の目的についても伝えていません。
『十年後に起こり得る
また、それまでに何らかの理由で私が行動不能になった場合は、『頼んだ』とも。
「【
「分類は一応、食べ物だね。
……虫とかフグとか混じっていたけど」
ヒマリちゃんが小声で言った言葉は、幸いリオちゃんには聞こえていなかったみたいです。
虫を食べる……たしかに、そういう文化を持つところもあるとは知っていましたが。
「五つの食べ物を連続で食べたら、その瞬間に世界が崩壊し始めるみたいだよ。
さながら、最後の晩餐だね」
「そう聞くとオシャレね」
文字通りの、最後ですね。
世界を巻き込んだ最後……。
本当に、
神様がいるなら、それらを収容する人の気持ちも考えてもらいたいところです。
「ちなみに、食べ物のうちに動物はいましたか?」
「うん、四つが動物だったよ」
逆に、動物じゃない一つが気になりますね……。
とにかく、動物がいるとわかったなら話は早いです。
早速、それらを収容しに行きましょう。
「では、それらをすべて絶滅させましょうか」
──
それから、しばらくが経ち。
ふと、リオちゃんが言いました。
「私たちにも名前が欲しいと思わない?」
「えっ?
名前、ですか?」
「たしかに、私たちもただ財団と名乗るより、特定の名称があった方がいいよね」
私は悩みました。
この世界でSCP財団を名乗ることはできません。
なぜなら、先生の耳にSCP財団の単語が入ってしまえば、全世界に拡散される危険性があるからです。
「SCP財団以外の名前、ですか……」
だからと言って、しっくりとくるものがあるわけではありません。
「ムガミちゃん、お目目をキラキラさせて何か言いたげな女の子がそこにいるよ?」
ヒマリちゃんが言ったように、リオちゃんは目を輝かせてこちらを見ていました。
「リオちゃんは、何か案があるんですか?」
「えぇ……!」
よくぞ聞いてくれた、と言った態度でリオちゃんは話し出しました。
その様子はとても楽しそうです。
「私たちは、
だから、
リオちゃんはそこで一度区切って、大きく息を吸ってから宣言しました。
「──『
通称、『SPTF財団』……なんてどうかしら!?」
SPTF財団……。
まさに、財団の使命を言葉にした、素敵な名前です。
「いい名前ですね。
それで、今度はどのアニメに影響されたんですか?」
「うぐっ……い、いいじゃない!
かっこいいんだもの!!
特に、合言葉の『タスクフォース!』をレッドが──」
「リオが戦隊ものの話をすると終わらないから後ね。
悪くない名前だし、それでいいと思うよ」
リオちゃんは無言でヒマリちゃんを睨みつけますが、ヒマリちゃんはどこ吹く風といった様子です。
この二人は、本当に……。
「ヒマリちゃんも気に入ったみたいですし、これから我々はそう名乗りましょうか」
「えっ?」
私の言葉にリオちゃんは一瞬、戸惑ったような顔をしてヒマリちゃんを見ました。
普段リオちゃんに対してツンケンしているヒマリちゃんの『悪くない』は、相当気に入ったという意味です。
ヒマリちゃんは顔を逸らしました。その耳が真っ赤になっていてかわいいです。
「ふ、ふーん……。
……その、気に入ってくれたなら、よかったわ」
「べ、別に、リオにしては悪くない命名っていうだけだからね」
「それでも……嬉しいわ」
二人は顔を真っ赤にしています。
なんだこの雰囲気、付き合い立てのカップルですか?
「イチャイチャしているところあれですが、組織編成について見直しを──」
「「──イチャイチャしてない!!」」
友達二人の仲がよくて、嬉しい限りです。
当人たちも、
相思相愛ですね。結婚式では、友人代表としてスピーチさせてください。
「ごほんっ……!
……組織編成の見直しって、どういうことかしら?」
「SCP財団キヴォトス支部改め、SPTF財団キヴォトス支部の理事会を発足しようと思っています。
理事会といっても難しい話ではなく、ただ財団のトップをまとめた名称だと思ってください」
これは、日本支部理事会を参考にしています。
日本支部理事会は、年齢、性別、その他諸々一切不詳の七人で構成されています。
財団は普通の企業と違い、トップや重要人物ほど秘匿するべきという風潮があります。
例に漏れず、日本支部理事会のメンバーも秘密に塗れています。
情報がほとんど明かされていないのは勿論のこと、あえて矛盾した偽の情報が報告書に記載されていたり、理事会には幻の八人目がいると書かれている報告書があったり。
とにかく、日本支部理事会は謎に包まれているのです。
ちなみに、SCP財団自体はO5評議会という、十二人のメンバー(十三人説あり)がトップを務めています。
話すと長くなりそうなので、そこら辺は割愛しますが。
「理事会のメンバーは全員、称号で呼ばれます。
簡単に言うと……私が報告書で、自分のことを博士と書いているのと同じですね」
理事会メンバーの本名は誰も知りません。
それらは徹底的に秘匿されるか、偽情報を流すことで攪乱されています。
といっても、今のところ報告書は私たちくらいしか見ないので、わざわざ偽情報で攪乱みたいなことはしませんが。
ただ、報告書に本名を書くと……万が一、報告書が漏洩した場合が怖いので。
それを避けるために、理事会の設立と名前の称号化を行いたかったのです。
「……それで、嫌じゃなければ、お二人の称号を考えてきたのでそれを使いませんか?」
「ムガミが考えてくれたの?」
「はい。
ネーミングセンスに自信はないので、聞いた後でも嫌だったら断ってくれて構いません」
二人のイメージや、日本支部理事会にあった称号なんかも加味して考えました。
ですが、二人が気に入ってくれるかはわかりません。
「ムガミちゃんが考えてくれた称号を断るなんて、絶対ありえないよ!
そんなことをするなんて酷いね、リオ!!」
「ちょっ……!?
私はまだ、『断る』なんて一言も言ってないわよ!!」
有難いことです。
二人のことなので、聞く前から一蹴……なんてことは考えていませんでしたが。
それでも、自信はないので、拒否される覚悟は先に決めておきましょう。
私はヒマリちゃんを見つめました。
いま、私たちはどちらも部屋の床に座っているため、視線の高さは同じです。
ヒマリちゃんからは、そのワクワクとした気持ちが伝わってきそうなほど目が輝いています。
たまに冗談で天才やら超絶美少女やらを言う彼女ですが、その言葉は偽りに非ず。
こんな魅力的な彼女を一言で表すなんてとんだ難問です。
「──ヒマリちゃんの称号は
ヒマリちゃんは策士としても、技術屋としても優秀です。
ヒマリちゃんは暗闇に姿を隠すより、みんなを照らし道標となってほしいのです」
「太陽……。
うん、任せて。
──私、太陽になるよ」
その言葉が貰えただけで充分です。
きっと、ヒマリちゃんは暗闇でも活躍できます。
それでも、私はヒマリちゃんに太陽でいてほしかったのです。
なぜなら、私はヒマリちゃんの自信満々でどこかあどけない笑顔が好きだから。
暗いところじゃ、そんなかわいらしい笑顔もハッキリと見えませんからね。
「──リオちゃんの称号は
リオちゃんはとても合理的で、常にその裁定する天秤は平等かつ公平です。
リオちゃんには、我々が道を誤った時のブレーキ役となってほしいのです」
「……自信はないわ。
でも、求められたのなら……応えたい。
──私は今日から、理よ」
本当に……私は、素敵な友達に囲まれています。
リオちゃんは努力家で、理想家です。
常に自他へ厳しい彼女は誤解もされやすいですが、味方としてこれ以上に心強い存在もいません。
私も万能ではないですし、失敗なんて日常茶飯事です。
それでも、リオちゃんがいれば何とかなる……そんな気がするのです。
きっと、これを信頼というのでしょうね。
「では、ここにSPTF財団キヴォトス支部理事会の設立を宣言します!!
これからも、末永くよろしくお願いしますね」
「もちろんよ」
「こちらこそ、よろしくね」
私は、『永遠に』とは望みません。
この世界には様々な選択があって、最善を選ぶことが別離に繋がることだってあるでしょう。
それでも、せめて。
私たちが大人になるまでの、ちょっとした期間だけは。
彼女たちと共にありたいと、心の底からそう思うのです。
だから、まさか。
その宣言をした次の週に転校が決まるなんて、思ってもいなかったのです。
秘密の晩餐
アイテム番号:
SCP-010-KV
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
財団は食材B、食材C、食材D、食材Eの動物を絶滅させてください。
また、財団は食材の流通を管理するため、『SPTF物流』という企業を運営してください。
説明:
【
【
五つの食材は以下の通りです。
ただし、具体名や文字数は検閲しています。
| 指定 | 内容 | 備考 |
| 食材A | ███産の芋 | どこでも売っている。 |
| 食材B | ███産の高級魚 | 富裕層向け。 |
| 食材C | ███産の虫 | 絶滅危惧種。 |
| 食材D | ███産の高級牛肉 | 富裕層向け。 |
| 食材E | ███産のフグ | あまり食されない。 |