SCP-001-KV 作:SCP-001-KV
その世界は、神様に憧れた少女によって崩壊した。
【
それを簡単に説明すると、最強の戦闘狂です。
戦闘狂であるが故に多くの戦いや強者を求め、それを打ち砕くことを最良の喜びとします。
そして、最強であるが故に負けることはなく、彼が目覚めるために財団は大きな被害を被るわけです。
ちなみに、死んでも復活します。
そこで、財団は策を講じました。
そんなに戦いたいなら、機動部隊員として雇い、財団の敵と戦ってもらおう、と。
そうして誕生したのが、機動部隊“
ただし……。
「ヒマリちゃんは……なぜ、その名を冠したのですか?
あの部隊は、失敗したと説明したと思いますが」
結局、【
結果、【
「だから、ちょうどよかったのです。
機動部隊“
「それは……どういう?」
ヒマリちゃんは説明してくれました。
どうやら、この世界の機動部隊“
そもそも、この世界で【
そのため、機動部隊“
報告書に名前を書けない、私たちみたいな理事会の者が何かをやった時、そこに代わりとして名前を書く役目を。
つまりは、名前と共に責任だけを押し付ける名前として、機動部隊“
「実際に機動部隊“
それが……彼女を追い詰めたのでしょう。
彼女は現在、【
うん……なるほど。
……これ、ムリゲーでは?
いや、だって、あの【
SCP最強議論で真っ先に名前が挙がるであろう、あの。
対峙して生きて帰れるだけ幸運と言わしめる、あの。
「……ちなみに、その人物は何も求めているんですか?」
「自由です。
もう、何にも縛られたくないと」
困りましたね、それは。
SPTF財団において、
そして、相手が人であるならば、元から最大限の譲歩をした状態になっているでしょう。
それ以上の自由は収容違反と同義になります。
「わかりました、行きましょうか。
ただし、彼女を連れて」
「彼女?」
「えぇ……最強には、最強をぶつけるんですよ」
私は自信満々を装ってそう言いました。
自信なんて一切ありません。
それでも胸を張って堂々と
そうして、私ともう一人は保管サイト-05『海賊島』に来ていました。
「まさか、あの財団は私の力に頼るなんてね~っ!!
明日はつららでも降ってくるのかなぁ?」
「あなたも一応財団の一員ですから、頼るのは不自然じゃないでしょう」
「プライドとかないの?」
「プライドで
隣の人物……【
最強には最強をぶつけるということで、私が思い出したのは彼女の存在でした。
「それで、作戦は?」
「彼女たち“
要求を呑まなければ暴れるとも」
「秘匿ばっかりな財団にはいい嫌がらせだね!
仲良くなれそう!」
「あなたに懐柔させる気はありませんよ」
私はモモイに釘を刺しました。
モモイは財団員ではありますが、財団に好意を持っているわけではありません。
なのに財団へ所属させているのは、モモイがある程度財団の利となっているからです。
それに、いざという時、武力制圧ができるという利点は大きいですから。
今回もそのおかげで【
「私たちは彼女たちの要求に従うつもりはありません。
ですが、譲歩できるポイントもあると思っています。
なので、今回の作戦は対話です」
「つまり?」
「正面突破して直接対面しに行きます」
「あははっ! 作戦のさの字もないじゃん!」
その通り。
しかし、相手と対話する以上、大勢を引き連れて強襲するわけにもいかないですから。
作戦の立案なんて、元一介の
頼りになるヒマリちゃんは不法投棄の件でギクシャクしていますし……。
「仕事が片付いたらミドリさんの秘蔵写真をあげるので手を抜かないでくださいね」
「十枚ね」
「五枚までです」
そんな会話を交わしながら、私たちはその海賊船に足を踏み入れました。
海賊船に入ってすぐ、そこには小さな子供がいました。
少女……いえ、幼女と言っていい年齢かもしれません。見た目は水色の髪に青い瞳をしています。
少女は私たちを見て、勢いよく言いました。
「我は神である、です!!」
「……はぁ」
突然の言葉に私はそれだけしか返せませんでした。
モモイは完全に無言です。警戒をしているのでしょう。
少女は私たちの反応を気にした様子もなく、また勢いよく言いまいた。
「我思う、故に我は神なのだ、です!!」
少女は胸を張っています。
……えっと、どういう意味でしょう。とにかく、神であることを主張したいようですが。
モモイは少女を冷めた目で見て、淡々と告げます。
「……よくわからないけど、殺していい?」
「ひっ」
「待ってください」
流石に止めます。
モモイの発言を聞いて、少女は怯えたように縮こまりました。
殺しはダメです。
対話をしに来て、開幕殺しをしたんじゃ文字通り話になりません。
「そもそも、何なの~?
ここにいるってことは敵だよね」
「わ、われは……かみ……です……っ」
「神なんて存在しないよ。
神を信じているなんて人間らしくてかわいいね」
モモイはただ感想を述べただけだと思いますが、少女はそれを皮肉だと受け取り泣いてしまいました。
うーん……敵ではありますが、なんだか心が痛みますね。
見た目が幼女なのもあって余計に弱い者いじめをしている感があります。
「う、うぇぇぇん……っ……!!」
「あー、えーっと……あなたは、
【
同じムガミという名前を持つ少女です。
彼女は【
そう、彼女は元々魚だったのです。ですが、人間に馴染んでいったら見た目も人間に変わったそうです。
【
【
【
「うぇぇ……ぐすっ、んっ……そうだ、です……ぅっ」
「ロクちゃん!」
その時、誰かがやってきました。
ロクちゃんと呼ばれた【
「ここにいたんですね。
姿が見えないので迷子になったのかと心配しました」
「こわかったよぉぉ……っ」
【
その人物は【
どこか値踏みするような、警戒しているような視線でした。それも当然ですね。
「失礼、怪しい者ではありません。
SPTF財団理事会の“博士”と申します。
こちらは同じく理事会の」
「モモイだよ!」
「……“鶏”です」
「そんな可愛くない名前もあったね」
この名前は私がつけました。
ちなみに、深い意味はありません。
モモイは双子で、鶏は音だけなら二羽鳥にもできるという、そういう言葉遊びです。
「理事会の“博士”と“鶏”ですね。
私は……【
「……あなたが、【
「そうですね、私に宿った力はそう
いきなりの本命登場です。
私の心は内心ザワつきました。
だけど、周りを見れば泣いている六神様を除けば、淡々としているモモイと表情の読めない飛鳥馬さんです。
なので、なんだか逆に浮いているようでした。
「よろしければ、奥でお話するのはいかがでしょう?」
飛鳥馬さんはそう私に提案しました。
私は彼女たちの能力を知っています。
故に、その提案を受けるというのは相手の腹のなかに入るようなものだと知っていました。
ですが。
「はい、喜んで」
それでも、わずかにでも対等な会話を望めるのなら、その蜘蛛の糸を手離しくないと思いました。
六神様
アイテム番号:
SCP-021-KV
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
【
また、財団の敷地内に出る場合は監視役をつけたうえで自由な行動が許可されています。
ただし、【
監視役は業務に影響が出ない範囲で【
説明:
【
ロクちゃんはあらゆる物質を変換、再構築させる能力を持ちます。
見た目は七歳ほどの人間の少女ですが、人間とは構成物が完全に異なります。
【
現在、特別収容プロトコルの改訂が審議されています。
補遺1:事案25-Aについて
[データ削除済]*1