SCP-001-KV 作:SCP-001-KV
その館は、願いを聞いてくれる。
骸骨が描かれていない裏の“それ”から出たのなら、あなたの願いは聞き届けられた。
「『表から出ても裏から出ても、表から出る』」
それがこの館の性質だった。
彼女は骸骨が描かれた裏の“それ”に手をかけた。
「表から出たら、私は明日まで悩みから解放される」
それは成された。
自分でも自覚がないまま、彼女の脳裏から███の記憶が消された。
彼女はそのまま、いくつかの実験を行った。
「裏から出たら、裏に出る」
それは成された。
しかし、幸いにか不幸にか、その異常性が消えることはなかった。
最後に、彼女は表の“それ”に手をかけながらこう言った。
「──表から出たら、この“トビラ”は裏に出る」
その瞬間、表の“トビラ”からは骸骨の模様が消え、その異常性もなくなった。
そう、そのトビラは『表から出た時のみ』願いを聞いてくれる
彼女は明日、この
まさか、明日になったら、自分がこの
後に残されたのは、『裏から出ても表から出ても、裏から出る』トビラだけ。
その館は、願いを聞いてくれる。
骸骨が描かれていない表の“それ”から出たのなら、あなたの願いは聞き届けられた。
「『裏から出ても表から出ても、裏から出る』」
それがこの館の性質だった。
彼女は骸骨が描かれた表の“それ”に手をかけた。
「裏から出たら、私は明日まで悩みから解放される」
それは成された。
自分でも自覚がないまま、彼女の脳裏から██の記憶が消された。
彼女はそのまま、いくつかの実験を行った。
「表から出たら、表に出る」
それは成された。
しかし、幸いにか不幸にか、その異常性が消えることはなかった。
最後に、彼女は裏の“それ”に手をかけながらこう言った。
「──裏から出たら、この“トビラ”は表に出る」
その瞬間、裏の“トビラ”からは骸骨の模様が消え、その異常性もなくなった。
そう、そのトビラは『裏から出た時のみ』願いを聞いてくれる
彼女は明日、この
まさか、明日になったら、自分がこの
後に残されたのは、『表から出ても裏から出ても、表から出る』トビラだけ。
ようやく、合点がいきました。
そして、その正体も。
「よかったですね。
『クソリッチになりたい』とか願っていなくて」
危うく、クソまみれのリチャードになるところでしたよ。
【
コイントスをすると、それは必ず表面を上にして着地し、その際に願いを一つ叶えてくれます。
ですが、研究員が迂闊な人で……。
「表が出たら、私の25セント硬貨は常に裏が出るようになる」とか言ったり。
「表が出たら、このコイントスで裏が出る」とか言ったせいで、【
……と、失礼。
どこまで説明しましたっけ?
説明漏れがないように、改めて最初から話しますね。
【
コイントスをすると、それは必ず裏面を上にして着地し、その際に願いを一つ叶えてくれます。
ですが、研究員が迂闊な人で……。
「裏が出たら、私の5セント硬貨は常に表が出るようになる」とか言ったり。
「裏が出たら、このコイントスで表が出る」とか言ったせいで、【
……と、まぁ。
流石にお察しいただけたかと思うのですが、【
ちなみに、実際の報告書はそれぞれの記事がランダムで出るようになっています。
ただ、困りましたね……。
「この
ただ、新しいループの起点が生まれるだけです」
それをどうにかしないことには始まらないでしょう。
うまく行くかはわかりませんが、既に対策をいくつか思い付いています。
ですが……。
「──お二人なら、どうしますか?」
私はあえてそう尋ねました。
私一人だけ出来ても意味がないのです。
財団職員として、
よかったです、二人が天才で。
この世界に
この世界に
この世界に
そして、この世界に
私たちは財団の代表として、自らで倫理を裁定し、完璧な記録を遺し、
それが、SCP財団を名乗るということです。
それが、SCP財団職員としての覚悟なのです。
得てして、そういう大人の葛藤というのは、子どもにとってはどうでもいいものなのでしょう。
そして、大人はその時に学ぶのです。
子供の成長はとても早いのだ、と。
「「どう、私たちが出した答えは……っ!!?」」
珍しく興奮した様子で二人が聞いてきます。
そんな様子が可愛らしくて、つい笑みがこぼれてしまいました。
彼女たちが出した結論は、『その異常性を別のトビラに移すことで収容する』というものでした。
私がたまにやったことと同じです。
同時に、私が最初に思い浮かんだ正答でもありました。
「百点満点、花丸です!!
よくできましたね、リオちゃん、ヒマリちゃん」
「ふ、ふん……これくらい当然よ」
「またリオはそんなこと言っちゃって~……。
ムガミちゃん、頑張ったご褒美に頭を撫でてほしいな!」
「えっ……わ、私も……ッ」
私は二人の頭を撫でました。
ちなみに、その別のトビラというのは、たまと出会った廃坑の奥にあったものです。
『裏から出たら、異常性が廃坑のトビラに移動する』と言えば、〖叶えよう〗という簡潔な言葉と共に、簡単にお引越しできました。
ちなみに、トビラは寡黙なのか、それ以降何か言葉を発することはありませんでした。
幸い、たまの一件で廃坑に近寄る者はほとんどいなくなったので、時期的にちょうどよかったですね。
ループは
しばらくは、ここを
ただ、車椅子のヒマリちゃんが山道を登っていくのは難しいので、どうにかしたいですね。
「……ところで」
今度は、私がぽつりと呟きました。
「今回の件で、二人の仲が深まったのは、友人としてとても嬉しいです。
ですが……」
二人が不思議そうに私を見ます。
「……私が置いてけぼりにされたみたいで、ちょっと寂しいので……しばらく構ってください」
じゃないと、今度は私がトビラを使ってお悩み相談会を開きますよ。
なんて。そんな私の、子どもらしい嫉妬心を。
少しだけ大人に近づいた彼女たちが、叶えてくれたのは。
また、別の話。
表から出たら、このトビラは裏に出る
アイテム番号:
SCP-006-KV
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
【
【
緊急時を除き、【
説明:
【
【
そして、表から出た時のみ、願いを一つ叶えてくれます。
ただし、その願いの影響で表から出ることが叶わなくなった場合、異常性はなくなり
【