インフィニット・ストラトス 花の道を進みし白い騎士   作:夢の翼

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L.S.-01 ロード・ゼロ

第二回モンドグロッソの日から2年の月日が流れ、ある街に一人の青年が歩いていた。街のありとあらゆる視線はその青年一つに注がれていた。全身を包む白いマントに白い髪、エメラルドグリーンの様な綺麗な瞳。無垢という表現があうのではと思わせるような白い肌――とにかく青年の姿は目立っていた。

 

「・・・・・・」

 

その青年、織斑一夏は深く被っているフードの中から空を見上げていた。一夏は無言のまま街を歩いていく

 

(あの人は・・・どうしてるんだろう)

 

あれから織斑千冬のことを調べていた結果、如何やら政府が千冬を試合に勝たせるために千冬に自分のことを知らせなかった事がわかった。そして試合中にドイツ軍からのプライベートチャネルでそれを聞き試合を放棄、すぐさま駆けつけたらしいのだが既に廃工場は爆発した後だったらしい、恐らく一夏が最後に見た男性が押したあの赤いスイッチが自爆装置の起爆スイッチだったのだ。それからの織斑千冬の情報は入っていない

 

「戻るわけには行かない。あの家にあの人の元に・・・・こんな俺を見たらきっと・・・」

 

一夏はオーバーロードとなった自分を恐れていた、自分の変わり果てた姿を見て周囲の人がどんな反応をするのか到底見ていた。だからこそ織斑千冬の元に戻るわけにはいかなかった、戻ればきっと『化け物』と呼ばれるとそう決まっているのだから、人間とは自分たちとは少し違う人間を軽蔑し恐れ嫌う生き物。そして織斑千冬にも迷惑をかけてしまうから

 

「にしてもあれからクラックの出現がこの街に集中してきてるしな。俺がどうにかしないと」

 

クラックとは一夏が付けたあの扉の事だ。クラックには自然に出現するタイプと一夏自身の力で開くタイプがあり、自然に開くクラックを止めるすべはなく。そこから現れるインベスは一夏が倒しているが、インベスの数は計り知れないでいる

 

(兎に角、インベスを誰の目にも触れさせないようにしないと・・・でもいつ何処で出現するかわからないし)

 

一夏がそう考えているとざわめく声が聞こえてくる

 

「おい、あそこで子供が落ちそうになってる話だぞ!」

 

「消防はまだ来ないのかよ?」

 

「なんでも交通事故で遅れてるみたいだ」

 

そう話している男たちの話を聞いて一夏は

 

「行くか」

 

一夏はそう小さくいうとその場所へと走って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏はその現場に到着するとビルの上を見上げた。オーバーロードに進化したたて視力が格段に強化させている、上には中刷りとなっている子供がいた。その周りに野次馬と報道機関がいてとても近づけない状況だった

 

「ご覧下さい!今男の子が壊れたベランダに服が引っかかり宙吊りになっています。現在消防は交通事故のためここまでこれず、ヘリが来るまでにはまだ時間が掛かります。また政府のIS部隊は許可が下りるのに時間が――――――」

 

「(・・・・政府め)仕方ない。飛ぶか」

 

一夏はその場を走り出す、目の前の野次馬たちの上を高く飛び上がり、報道機関達の前に着地するとそのままビルの壁に足をつけ、宙吊りとなっている子供のもとへ走っていく。その光景を見た野次馬達や報道機関は息をのんだ

 

「み、見てください!ひ、人が!人が壁の上を走っています!信じられません!私たちは夢でも見ているのでしょうか!!」

 

一夏はそのままビルの上へと駆け上がっていく、そして子供の近くに着くと子供を抱きかかえる

 

「捕まってろ」

 

「う、うん」

 

子供抱きかかえた一夏はそのまま飛び降りた、子供に負担が掛からないよう一夏は徐々に速度を落としながら地上へ着地した。着地した一夏の姿を見た野次馬達が大きな歓声を上げた

 

『おおおおおおおおおおおお!!!』

 

「すげぇ!やりやがったぞあいつ!!」

 

「おいおい、一体何者なんだよあいつ!」

 

大きな歓声が上がる中、一夏は自分の前に来た子供の母親だと思われる女性に子供を渡す

 

「大丈夫ですよ、子供は無事です」

 

「ありがとうございますっ!ありがとうございます!」

 

母親は子供を大事そうに強く抱きしめながらフードを被って顔がわからない一夏に何回も頭を下げる

 

「別に構いません。私は自分に出来ることをしただけです、ではこれで」

 

一夏はそのまま後ろを振り向き、去ろうとすると報道機関が一夏を取り囲む様に一夏の前に集まってくる

 

「あ、あの!彼方はお名前は!?お名前だけでも教えていただけないでしょうか!?」

 

「是非お願いします!!」

 

「・・・・・・・・」シュ!

 

『っ!?』

 

一夏はその場から飛び上がり、広くなった道に着地すると。背中を報道人達に向けたまま口を開いた

 

 

「唯の旅人です。それでは」

 

そう言うと一夏はその場からビルとビルの間の細道へと入って行った。報道人たちは一夏の後を追いその細道を見たがすでにそこには一夏の姿はなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・疲れた」

 

一夏はあの場からかなり離れた場所へ移動するとレゾナンスというデパートの前にいた

 

(懐かしいな。此処)

 

友達と昔遊びに来ていたデパートの前に来た一夏は昔のことを少し思い出す

 

「弾や数馬は・・・どうしてるんだろう、元気かな」

 

『キャアアアアアアアア!!!』

 

「っ!!」

 

するとレゾナンスから悲鳴が聞こえた一夏はすぐさまそこへ向かう。するとそこには

 

「逃げろ!早く!」

 

「なんだよこいつ等!」

 

「・・・・インベス」

 

そこにはクラックから出てきた無数の下級インベスが人を襲っていた。下級インベスは逃げ惑う人々を容赦なく襲い掛かっていた、一夏の周りには逃げ惑う人々で溢れており、店の中で隠れている人が多くいた。すると一人の女の子が道に転んだ

 

「キャ!」

 

日本人にしては珍しい水色の髪をしており、液晶ディスプレーを付けた眼鏡をかけた女の子がインベスの前で倒れこんでいた

 

(まずいな)

 

一夏は何処か人気のない所へ移動していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???SIDE

 

私。更識 簪は今の状況が全くわからなかった

 

「な、に?あれ」

 

私は大好きなヒーロショーが行われるレゾナンスというデパートに来ていた、そこで欲しかったヒーローの人形やIS学園で過ごすための必要最低限の物を買ってからヒーロショーを見ようとした時だった。突然何も無い所から変なジッパーが現れて、そこから灰色の体をした怪物が現れた、怪物はその場にいた人たちに襲い掛かって来た

 

「逃げろ!早く!」

 

「何なんだよこいつ等!」

 

(に、逃げなきゃ)

 

私もその場から早く逃げなきゃと走ろうとした時、誰かの肩が私の肩とぶつかりその勢いで私は倒れてしまう

 

「キャ!」

 

倒れた拍子にレゾナンスで買った物が落ち、その中からヒーローの人形が落ちる。

 

「シャアアア・・・」

 

「っ!」

 

後ろを見ると一体の怪人が私の方へゆっくりと向かってくる

 

(いや・・・誰か…助けてっ)

 

そして怪人が私にその鋭い爪を上げた

 

(っ!)

 

ガシっ

 

「・・・・ん?」

 

あれ?私・・・・・、無意識に顔を上げ前を見るとそこには

 

「シャ・・・シャシャァァ・・・・・」

 

『・・・・・・・』

 

頭の両サイドに2本の角が生えて。 左腕の辺りに棘が生え純白と紺色の姿をした、怪人が私を襲おうとした灰色の怪人が振り上げた腕を掴んで私の前に立っていた。騎士を連想させる様な白いマントを付けたその姿は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――まさに、白い騎士(ヒーロー)が私の前に立っていた――――――

 

 

 

 

 

 

簪OUT

 

 

 

 

 

 




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