聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜 作:斉宮 柴野
迷いを抱く者、理を語る者、祈りを捧げる者。
ムウは怒りと信仰の狭間で揺れ、
カミュは理性の氷を溶かし、ミロの信念を語る。
そして、白銀聖闘士たちは初めて守る者として立ち上がる。
それぞれの信念が交わる時、聖域は真の意味で一つになる。
次回――『出撃前夜 ――静寂の誓い』
人は神を捨てても、信じることをやめられない。
聖域中央病院の廊下は、いつになく慌ただしかった。
看護兵たちが走り、通信兵が次々と書類を抱えて駆け込む。
出撃準備の警報が断続的に鳴り響き、聖域全体が緊張に包まれていた。
ムウはその喧騒をかき分けながら、ひとつの病室の前で立ち止まった。
扉の向こうには、静けさがあった。
彼は小さく息を吐いてノックし、そっと中へ入った。
「……カミュ」
ベッドの上で読書していた青年が、顔を上げた。
氷のように冷たい瞳を持つ男――水瓶座の黄金聖闘士、カミュ。
その顔には包帯が巻かれており、右足は吊られていた。
「ムウか」
淡々とした声だった。
「どうやら、隠されていた真相は、白日の下に晒されたようだな」
ムウは無言で頷いた。
その表情には怒りと混乱が入り混じっていた。
「私が案じていたのは、まさにこの事態だったのだが……」
カミュはため息をつき、ページを閉じた。
「アッシュとサガの罪が露わになれば、聖域は二分される。
いや、二分どころか、崩壊する可能性すらある」
ムウは拳を震わせた。
「……カミュ、私はどうすればいいのだ。
師を殺めた者たちに、今さら『力を貸せ』と言われて……!
聖闘士として、弟子として、この憎しみをどこへやればいい!」
その声は叫びに近かった。
感情が剥き出しになり、胸の奥に押し込めていた怒りが溢れ出していた。
だが、カミュは顔色ひとつ変えなかった。
短く答えた。
「知らんよ」
「……なに?」
ムウは一瞬、言葉を失った。
その冷淡な返答が、胸を刺した。
「知らんと言った」
カミュは静かに繰り返した。
「我々はまだ二十歳にもなっていない子供だ。
世界の真理など、分かりはしない」
ムウの喉が鳴った。
「そのような……無責任な話を……!」
「無責任?」
カミュはゆっくりと立ち上がり、窓の外に目を向けた。
そこでは輸送機の光が夜空を横切り、出撃の準備が進んでいる。
「ムウ、正義という言葉は便利だ。
誰もが自分の行いを正義だと信じている。
だがな、正義は一つではない。
私たちはそれを学ぶ前に、戦場へ出される。
信じたい方を信じるしかないのさ」
ムウは唇を噛んだ。
「だが、師を殺したのだぞ!?
それでも信じろというのか!?」
カミュは振り返り、冷静な瞳で彼を見た。
「信じろとは言っていない。
信じたいなら信じろ、信じられないなら立ち去れ。
どちらを選んでも構わない。
ただ――選んだ結果に責任を持て。それが聖闘士だ」
その一言が、ムウの胸に深く突き刺さった。
沈黙。
病室の時計の秒針が、やけに大きく響いた。
ムウは視線を落とした。
拳を握り締め、爪が手のひらに食い込む。
「……私は、何を選べばいい」
カミュはわずかに目を細めた。
「それを決めるために、ここに来たんだろう?」
ムウは返事をしなかった。
ただ息を荒げ、俯いたままだった。
カミュはベッド脇のポットからコーヒーを注ぎ、静かに差し出した。
「飲め。冷めているが、落ち着く」
ムウは黙って受け取った。
苦い匂いが鼻をつく。
一口飲んだ瞬間、苦味が喉を刺した。
「……相変わらず、薄情だな、カミュ」
「薄情で結構」
カミュは淡々と答えた。
「私は感情で戦うのが嫌いだ。
感情は判断を鈍らせる。
だが、理屈だけでも人は動けない。
だからこそ、私たちは中途半端なんだ」
ムウは静かに目を上げた。
「……中途半端?」
「そうだ」
カミュは窓辺に寄り、夜空を見つめた。
「アッシュもサガも、神に逆らった。
お前はその罪を許せない。
だが、許せないまま戦わなければ、地上は滅ぶ。
中途半端でも構わない。
今だけは、神より人を信じろ。
それが私たちの戦いだ」
ムウの肩が小さく震えた。
その表情に、わずかな涙が滲む。
「……私は、弱いな」
「弱いからこそ、迷うんだ」
カミュの声が静かに響く。
「迷わない者は、強いのではなく、盲目なだけだ」
ムウは顔を上げた。
その瞳には、わずかに光が戻っていた。
「……ありがとう、カミュ」
「礼を言うな。
私はお前を慰めたつもりも、導いたつもりもない」
カミュは背を向け、窓の外を見据えた。
「ただ、お前にはまだ未来がある。それだけだ」
◆
「真面目な話をしているんだ」
そう前置きし、彼はゆっくりと語り始めた。
「かつて私も、アスガルドで似たような間違いを犯した。
地上の平和のために、アテナではなくオーディーンに仕えるべきではないか――そう考えたことがあった」
ムウは眉をひそめた。
「オーディーンに? それは……どういう意味です」
「意味など単純なものだ。
私は氷の国で、氷の民の正義を見た。
彼らは神を信じ、秩序を守っていた。
そして、アテナの聖闘士である私には、それが正しすぎるように見えた。
人は理屈ではなく、信じる力で動く。
それを理解していながら、私は冷静さを失ったのだ」
カミュは窓際に歩み寄り、外の空を見上げた。
そこには、出撃準備のために点滅する誘導灯がいくつも光っていた。
「その時、ある馬鹿な蠍に言われた」
彼は口の端をわずかに上げた。
「『ごちゃごちゃ考えず、アッシュ師範に任せていれば問題ない』とな」
ムウは思わず言い返した。
「しかし師範は悪事の黒幕で……! 教皇殺しを指揮し、聖域を欺いてきた張本人だ!」
「お前にとっては、そうだろう」
カミュは振り返り、静かに言った。
「シオン様にとっても、間違いなくそうだ。
だが――聖域にとっては? 我々にとっては?
もし、あの人の悪事がなければ、今の聖域も、今の平和も存在しなかったのではないか?」
ムウは息を呑んだ。
カミュの言葉は、あまりに静かで、しかし反論の余地がないほど重かった。
「私は、あの人を信じられると言うバカを、信じることに決めたのだ」
その言葉に、ムウの胸がざわついた。
「……それは、あの蠍座のミロのことか?」
カミュは頷いた。
「そうだ。あいつはいつも単純で、何も考えていないように見える。
だがな、ミロは一度信じた人間を、最後まで信じ抜く。
それがどんな結果になろうと、裏切られようと、関係ない。
信じるという行為そのものが、あいつの誇りなんだ」
彼は窓に手をつき、遠くの空を見やった。
その瞳には、冷静さと同時に、どこか温かいものが宿っていた。
「理屈で正義を選ぶ者は、いつか必ず迷う。
だが、心で信じた者は、迷っても立ち上がれる。
……そう教えられたのは、ミロの言葉だった」
ムウは俯いた。
師を殺した者を信じる――その考えは、頭では理解できても心が拒んでいた。
「……私は、それでも納得できません。
師範のやったことを正しいと認めるわけにはいかない」
「それでいい」
カミュの返答は即答だった。
「納得など、誰もできはしない。
私も未だに、あの選択が正しかったとは思っていない。
ただな――私たちは間違いを抱えたまま進むしかないんだ」
ムウの呼吸が荒くなる。
「……間違いを抱えたまま?」
「ああ」
カミュは振り返り、まっすぐにムウを見つめた。
「正しいかどうかなんて、誰にも分からない。
アッシュも、サガも、私も、お前も、みんな迷っている。
だが、それでも歩みを止めたら、何も守れない。
だから、私は信じる。
信じる価値があると感じた愚か者をな」
その言葉に、ムウは息を飲んだ。
彼の中で、何かが崩れ、何かが生まれる音がした。
「……ムウよ」
カミュは続けた。
「お前は何を信じてどう動く?
アテナの聖闘士である前に、一人の人間だ。
そう、師範は常々我々に言っていたではないか」
ムウは唇を噛んだ。
その言葉は、アッシュがかつて言った人であれという教えそのものだった。
長い沈黙ののち、ムウは小さく呟いた。
「……私は、まだ分からない。
何が正しくて、誰が嘘をついているのかも」
「分からなくていい」
カミュは静かに言った。
「ただ、自分の足で立て。それだけだ」
ムウは拳を握りしめた。
「……ありがとう、カミュ」
「礼はいらん」
カミュは肩をすくめ、再び窓の外に視線を戻した。
「感情で語るのは性に合わん」
そう言いながらも、その横顔にはわずかに笑みが浮かんでいた。
ムウは深く頭を下げ、病室を後にした。
扉が閉まると同時に、廊下のスピーカーから出撃のアラームが鳴り響いた。
カミュはその音に耳を傾けながら、ひとり呟いた。
「……難儀な男だ。お前の顔には、もう答えは出ているだろうに」
外では、黄金聖闘士たちが次々と装備を整え、聖域の中央広場へと集結していた。
戦の火蓋が切られようとしている。
カミュは再び椅子に腰を下ろし、目を閉じた。
「信じるべきは、愚か者か。
それとも、己の愚かさか……」
彼の口元が、ほんの少しだけほころんだ。
◆
処女宮に、風がひと筋吹き抜けた。
蓮華座の上で瞑想するシャカの周囲は、息を潜めたような静けさに包まれている。
その小宇宙は、以前にも増して純粋で、鋭く研ぎ澄まされていた。
彼の心は波立ってはいなかった。
混沌の中にあっても、揺らぎはない。
ただ、心の奥でひとつの問いが静かに反響していた。
――神が神を討つために人を遣わす。
――人の子が神を騙り、神の不在を証明しようとする。
彼は微かに笑みを浮かべた。
「実に滑稽だ。だが、それこそが人間らしさなのだろう」
目を開くと、瞳には光が宿っていた。
そこには侮蔑も憐れみもない。
ただ、混沌を受け入れ、それでも見届けようとする覚悟だけがあった。
「まあまあ楽しかった、と言ったのは本心だ。
この結末がどうあれ、私は私の正義を貫く」
そう呟き、シャカは立ち上がった。
処女宮の奥で、静かに聖衣が輝きを放つ。
それは決意そのもののように、迷いなく彼の身体を包み込んだ。
鈴のような微かな音を立てて、黄金聖衣が閉じる。
瞼を開いた時、そこに立っていたのは、瞑想する僧ではなく、戦う覚悟を決めた聖闘士だった。
「行こう。迷う理由は、もうない」
シャカの姿が光の中に消える。
彼は沈黙を捨て、戦場へと歩き出した。
教皇の間。
玉座の前に、双子座の黄金聖衣が光を放っていた。
それを纏うのはサガ。
彼はもはや、シオンの法衣を着ていなかった。
仮面も、影も、何もない。
その姿は、長い間背負ってきた罪と迷いを脱ぎ捨てた一人の戦士だった。
玉座の上に残された古いマントが、微かに揺れる。
サガはそれを見つめ、ゆっくりと拳を握り締めた。
――これが、俺が俺のままで立つ、最初の聖戦だ。
胸の奥で、二つの声が響く。
「感傷に浸っている暇はないぞ」
もう一つの自分の声が言った。
「ルシファーを討て。アッシュの描いた理想を、この手で完成させるのだ」
サガは目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
「分かっている。俺はもう、迷わない」
その時、二つの魂が完全に溶け合った。
善と悪を分けていた境界線が消え、ひとつの意志だけが残った。
「俺は、この拳を正義のために振るう」
彼は玉座に背を向けた。
今度こそ、誰かに仕えるのではなく、自らの足で立つために。
教皇の間を出た彼の歩みは、重くも静かで、確かなものだった。
その背に揺れる双子座のマントは、聖域の王の旗のように見えた。
参謀長執務室。
そこは今、作戦司令室として機能していた。
壁一面のスクリーンには、各宮の配置、出撃部隊の小宇宙反応、伏魔殿の位置情報が映し出されている。
アッシュは椅子に座り、次々と送られる通信を確認していた。
短く指示を出し、確認を重ねる。
その動作に一切の無駄がない。
緊迫の中に、長年戦略を練ってきた者の静かな自信があった。
そのとき、ドアが開いた。
入ってきたのは、蟹座の黄金聖衣を纏った女――エレナだった。
聖衣の黄金が照明を反射し、室内を柔らかく照らす。
その姿に、アッシュは一瞬言葉を失った。
「アッシュ。出撃準備完了しました。いつでも行けます」
報告する声は冷静だったが、どこか胸を張る誇りが滲んでいた。
アッシュは端末を閉じ、立ち上がった。
「ありがとう、エレナ。……その聖衣、似合っているな」
エレナはわずかに頬を赤らめた。
「光栄です。ですが、これはデスマスクからの一時的な借り物です。
この戦いが終わったら、私はまた貴方の秘書官として――隣に」
アッシュは短く笑った。
「もちろんだ。必ず、全員で生きて帰るぞ」
エレナは力強く頷いた。
二人の間に、言葉以上の信頼が流れる。
その空気を破るように、ドアが再び開いた。
最初に入ってきたのは、乙女座のシャカ。
続いて、双子座のサガ。
そして、決意を固めた牡羊座のムウが最後に現れた。
アッシュは彼らを見渡し、静かに言った。
「これで、全員が揃ったな」
ムウは無言で頷き、アッシュを見据えた。
そこには、かつての憎しみではなく、戦士としての覚悟があった。
シャカは目を閉じ、僅かに微笑む。
「この組み合わせも、なかなか興味深い。
神が仕組んだにしては、ずいぶんと人間的だ」
サガは腕を組み、短く息を吐いた。
「皮肉を言っている暇はない。
俺たちが倒れたら、地上の命は尽きる。それだけだ」
全員の視線が交わる。
誰もが理解していた。
これが最後の戦いになるかもしれないということを。
短い沈黙のあと、アッシュが手を掲げた。
「――出撃だ」
その声に応じ、全員が一斉に動いた。
扉が開き、夜風が流れ込む。
聖域の空には、黄金の光が次々と立ち昇る。
それは絶望の闇を切り裂く、希望の炎だった。
◆
十二宮の麓、石畳の広場には整然と並ぶ白銀聖闘士たちの姿があった。
彼らの鎧は月光を反射し、白ではなく淡い銀青に輝いている。
その列の中央に、蜥蜴星座のミスティが立っていた。
その姿勢は完璧で、髪の一筋すら乱れていない。
かつてのような虚栄や自己陶酔はもうなかった。
その瞳にあるのは、誇りと覚悟だけだった。
伏魔殿へと向かう一行――アッシュ、サガ、ムウ、シャカ、そして黄金聖衣を纏ったエレナ――が歩を進めると、
白銀たちは一斉に右拳を胸に当てた。
重なる金属音が、夜の静寂を打ち破った。
ミスティが一歩前へ進み、静かに頭を下げる。
「アッシュ師範、教皇猊下。
我ら白銀聖闘士一同、皆様の留守の間、この聖域の守り、万全を期してお待ちしております」
声は凛としていて、どこか柔らかかった。
アッシュは少しだけ息を吐き、彼の言葉に応じるように前へ出た。
「ミスティ、君たちに聖域を託す」
その声には、上官の威圧ではなく、同じ戦士としての信頼があった。
「これは贔屓目ではなく信頼だ。
君たちだからこそ、俺たちは安心して征ける。頼んだぞ」
ミスティの胸が熱くなった。
長い聖闘士としての生涯で、この一言ほど心を震わせたものはなかった。
「はっ!」
彼は敬礼し、声を張り上げた。
「望外のお言葉…光栄であります!
この蜥蜴星座のミスティ、命に代えて――いえ、必ず生きて使命を全ういたします!」
その言葉に、背後のアルゴル、トレミー、ダイダロスたちもそれぞれ頷いた。
彼らの顔には、かつての競争心や嫉妬の影はなかった。
黄金を見上げることに意味を見いだしていた頃の彼らは、もういない。
今はただ、自分たちの誇りを持って、守るべき場所を見つめている。
サガがその様子を見て、小さく笑った。
「いい顔をしている。
彼らこそ、今の聖域の希望だな」
ムウも頷いた。
「確かに。
我々が戦場に向かうのなら、ここを託せるのは彼らしかいない」
エレナが一歩前に出て、白銀たちを見渡した。
その目には、戦士としての敬意と、秘書官としての責任の光が宿っていた。
「この戦いは長くなるかもしれません。
でも、あなたたちが守ってくれる限り、私たちは安心して進めます。
どうか、聖域を――私たちの故郷を、守ってください」
トレミーが胸を叩いた。
「お任せください!
我らも、黄金の背中を見て成長したつもりです!
今度はその背を、俺たちが守る番だ!」
アルゴルが続く。
「命令はいりません。
この聖域を通して神を見てきた俺たちが、神のいない地上を守る。
それが、白銀の矜持というものです」
その言葉に、ミスティが目を細めた。
「ふん、良いことを言うじゃないか、アルゴル。
だが、口より先に動け。汗と血で証明しろ」
「お前にだけは言われたくないな」
アルゴルの軽口に、トレミーが吹き出した。
一瞬、緊張がほどける。
だがその笑いは、決意に裏打ちされた強さを持っていた。
アッシュは彼らのやり取りを見つめながら、微かに笑った。
「……うん、それでこそ新世代の聖闘士だ」
そして、一歩下がって全員を見渡し、静かに言葉を続けた。
「聖域は、かつて孤立した要塞だった。
だが今は違う。
人が働き、笑い、誰かを想う場所になった。
君たちが守るのは、石の城ではない。
人の未来だ。
それを忘れずにいてくれ」
その言葉に、白銀たちが一斉に膝をついた。
夜風が吹き抜け、無数の聖衣が同時に音を立てる。
その光景は、かつての聖域では決して見られなかった、ひとつの秩序ある誇りだった。
ミスティが顔を上げた。
「承知しました、アッシュ師範。
聖域は、我々白銀が守ります。
この地を、再び血で汚すことはいたしません」
アッシュは頷いた。
「……ありがとう。
俺たちが戻るまで、頼んだぞ」
五人が背を向け、聖域の外へ向かう。
彼らの背に、白銀たちが敬礼を捧げた。
その動きに乱れは一つもない。
ただ、祈りと信頼が重なっていた。
シャカが歩きながら小さく呟いた。
「良い弟子たちを持ったな、アッシュ」
アッシュは肩越しに微笑んだ。
「いや、彼らはもう俺の弟子じゃない。
俺の仲間だ」
エレナがその言葉に、誇らしげに微笑んだ。
ムウは深く頷き、サガは静かに空を見上げた。
伏魔殿の影が、月を覆う。
地上を守る者たちは、光の道を進み、
地上を託された者たちは、その背を見送った。
銀と金、二つの輝きが、
それぞれの正義を胸に、夜空を分かち合っている。
静寂の中でカミュは小さく笑った。
「信じる愚か者か。悪くないな」
この次の映画編はどちらがいいですか?
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真紅の少年伝説編(日本編)
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最終聖戦の戦士たち編(聖域編)