聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜   作:斉宮 柴野

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神をも越えた聖闘士たちが見たものは、崩壊する天か、それとも新たな黎明か!?

人の手で放たれた十二の光が、堕天の翼を貫く!

そして訪れる、静寂の青――。


「蒼穹への帰還」

見よ、神話の終わり。
そこに立つのは――人間だ!!


蒼穹への帰還

伏魔殿の玉座の間。

そこは空間という概念すら曖昧な、無と光の狭間だ。

崩れた柱が宙に浮かび、床は形を失いながらも、なお戦場として存在している。

 

双子座のサガは、ゆっくりと息を吐いた。

その身体を包む小宇宙は、危うさを捨てた代わりに、安定した銀河のような深い輝きを放っている。

光が波紋のように広がり、彼の周囲に穏やかな圧力を生み出しているのだ。

 

隣には、翠玉色の小宇宙を燃やす男――杯座のアッシュ。

彼の小宇宙は、サガのそれと完全に共鳴する。

二人の気配は静かに重なり、やがて一つの大きなうねりとなって空間を揺らす。

 

ルシファーは、その光景を見て笑った。

苦笑に似た表情ではあったが、その奥に潜むものは確かな…歓喜だ。

 

「神の力が……及ばない、だと? これは……愉快だ」

彼の漆黒の翼が広がる。

その羽ばたき一つで、空間が裂け、次元の亀裂がいくつも走る。

 

「面白い。面白いぞ、人間。双子座のサガ! 杯座のアッシュ!

神などの思惑を超えた存在――それこそ、私が求めていたものだ!」

 

彼にとって、人間が神を脅かす存在であることは、恐怖ではなく希望だったのだ。

ルシファー自身もまた、神の理に縛られた造られた存在であることを、誰よりも憎んでいるのだから。

 

サガはルシファーの瞳を見据えた。

そこに映るのは憎悪でも狂気でもない。

 

「……行くぞ、アッシュ。皆も続け!」

その短い号令に、黄金たちが即座に呼応する。

 

ムウの、エレナの、シャカの小宇宙もまたセブンセンシズへと高まる。

 

「天魔降伏!!」

「スターダストレボリューション!」

「積尸気冥界波!!」

 

三つの黄金の奥義が、ほぼ同時に発動した。

それぞれの小宇宙が異なる波長で振動し、三重の螺旋となってルシファーに襲いかかる。

だが、ルシファーは玉座から立ち上がることすらせず、片手でそれを受け止めた。

 

「悪くはない。だが……足りぬ!」

指先の一振りで、三つの技が弾き飛ばされる。

しかし、その瞬間――彼の体勢がわずかに揺れた。

 

その隙を見逃すはずがなかった。

サガとアッシュが同時に踏み出す。

 

「行くぞ!」

「合わせる!」

 

二人の拳が重なり、小宇宙が融合する。

黄金と翠玉が渦を巻き、銀河が誕生するように光が広がる。

 

「ギャラクシアン・エクスプロージョン!!!」

 

二つの銀河爆発が螺旋を描きながらルシファーを直撃した。

その威力は、伏魔殿の外壁すら貫き、外の虚空にまで光を散らした。

 

だが、ルシファーは倒れなかった。

片膝をつきながらも、その口元には笑みがあった。

 

「どうした……それで終わりか?

その程度では、神を殺すことはできん。

もっとだ……もっとその魂を高めてみせろ!アッシュ!サガ!」

 

 

 

 

 

アッシュとサガの激闘が続くその背後で、崩れた壁面の影に三人の黄金聖闘士がいた。

エレナは血に濡れた手で腹を押さえながら、息を整えていた。傷は深い。

それでも、彼女の瞳は濁っていない。

 

「随分と……」

彼女は息を吐きながら呟く。

「お二人を、お気に入りみたいね……」

 

その声を聞いたシャカが、口元に小さな笑みを浮かべた。

「フッ。どうやら我々は眼中にないらしい。ならば、見せてやろうではないか。

無関心の代償というものを」

 

その隣で、ムウが額の汗を拭い、短く頷く。

「ええ、気に入りませんね。

彼の傲慢さには、仏も科学も等しく怒るでしょう」

 

三人の視線が交わった。

戦場の騒音が遠のき、代わりに静寂が広がる。

一瞬の沈黙の後、シャカが低く言った。

 

「――参りましょう」

 

ムウの小宇宙が淡く広がり、エレナの足元に金色の紋様が走る。

三人の立ち位置が自然と定まっていく。

三角形。

聖域の誰もが知る、そして最も恐れる禁断の陣形だ。

 

それに気づいたのはサガだった。

前線でルシファーと拳を交えていた彼が、振り返りざまに息を呑む。

 

「お前たち……その構えは禁断の――アテナエクスクラメーション!」

 

彼の声にあるのは驚愕と制止の意図だ。

この技は、神々の戦争時でさえ封印された聖域最大の禁忌。

黄金聖闘士三人の小宇宙を完全に一致させ、爆発的な一点破壊を生む技。

それを使えば、敵を滅ぼすと同時に、聖闘士の資格をはく奪される。

 

しかし、三人の顔に迷いはなかった。

 

シャカは目を閉じたまま静かに言う。

「ここにアテナはいない。構うまい」

 

ムウが肩をすくめ、穏やかな声で続ける。

「沙織様も、『お仕事』と仰っていましたからな。

これは聖域維持のための臨時業務、手続き上の処理にすぎません」

 

エレナは唇を歪めて笑う。

「ええ。緊急決裁ということで、私が責任を持ちます」

 

シャカが言う。

「ふむ、申請者:エレナ。

同意者:シャカ、ムウ。――いいでしょう」

 

「冗談を言っている場合ですか」

ムウが呆れたように笑うが、その声にもわずかな緊張が混じる。

三人はほぼ同時に立ち位置を確定し、空間が再び震えた。

 

アッシュとサガが距離を取る。

彼らには理解できた。

これから起こることが、戦いではなく現象そのものになることを。

 

ルシファーが眉をひそめる。

「ほう……この小宇宙。

まるで……星々が同期しているようだな」

 

彼の背後の空間が歪み始める。

重力が乱れ、伏魔殿の残骸が音もなく浮き上がる。

 

三人の黄金聖闘士が、同時に腕を構える。

光が交わり、波が重なり、空間の座標が一点に収束する。

ムウの重力制御、シャカの精神集中、エレナの魂の波動。

それぞれ異なる原理の小宇宙が、数式のように正確に重なり合う。

 

彼らの周囲の光が飽和し、伏魔殿全体が白一色に染まる。

そして、三人の声が重なった。

 

「アテナ――エクスクラメーション!!!!!」

 

光が放たれた瞬間、音が消えた。

空気が消え、重力が無効化され、時間すら一瞬止まった。

 

ルシファーの身体を中心に、巨大な球状の光が膨張していく。

 

ルシファーは咆哮する。

「これが……人間の限界を超えた力か!!

いいだろう!!神の座から見届けてやる!!!」

 

その声が光に飲み込まれる。

周囲の空間が波打ち、崩壊が始まる。

伏魔殿の天井が崩れ、光と闇の粒子が混ざり合い、宇宙の原初のような光景が広がった。

 

ムウの額から汗が流れる。

「……持たない、シャカ!」

 

「分かっている」

シャカの声が揺れる。

「だが、今は止めるな!」

 

エレナが笑った。

「ええ、止めません。

この光を、見届けなければ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

爆心地に立つルシファーの身体が、なおも動いていた。

その身を包む黒い雲は、まるで神の影そのもののように、光を拒絶する。

 

「ぐうううう!!」

ルシファーの声が、空間を揺らす。

「見事だ……人間ども。だが――神の加護を受けし我が肉体は、滅びぬ!」

 

漆黒の翼が広がり、焦げた羽根が新たな闇を生み出す。

その闇は形を変え、伏魔殿全体を包み込んでいく。

小宇宙の光は吸い込まれ、黄金の輝きさえも霞ませる。

 

ムウが歯を食いしばる。

「何という再生能力だ……! これでは、いくら攻撃しても終わらない!」

 

シャカは静かに目を閉じる。

「これは神の防壁……信仰の残滓だ。その加護だけは残されている。皮肉なものだ」

 

エレナが膝をつき、血を吐きながら笑う。

「なら……その加護を、消せばいいんでしょう?」

 

その時、アッシュが一歩前に出た。

彼の翠玉色の小宇宙が、静かに波打ち始める。

誰よりも傷ついているはずなのに、その気配は穏やかだ。

 

(この暗雲を晴らすことが肝要か……。ならば――)

 

アッシュは心の中で短く呟くと、背筋を伸ばした。

「サガ……」

声は低いが、確かな響きを持っていた。

「これで奴の神の加護を吹き飛ばす。お前の完璧な一撃で決めろ。――教皇!」

 

サガの目に、驚きと共に笑みが浮かぶ。

「心得た!」

 

アッシュが両腕を広げる。

瞬間、空間の位相が変わる。

彼の背後に、十二の輝きが順に浮かび上がった。

 

牡羊の炎、牡牛の剛光、双子の閃光、蟹の冥気、獅子の烈火、乙女の聖風、

天秤の秩序、蠍の毒刃、射手の矢光、山羊の結界、水瓶の理知、魚の慈愛――。

 

それは幻ではない。

地上を守る黄金聖闘士たちの小宇宙が、アッシュの小宇宙に呼応し、再び形を取ったのだ。

 

アッシュの小宇宙が膨れ上がる。

十二星座の光がひとつに収束し、伏魔殿全体を包むほどの輝きとなった。

 

「俺の全てをくれてやる……!」

 

アッシュの足元の大地が割れ、翠玉色の光が走る。

 

「喰らえ――ゾディアック・クラメーション!!!!」

 

轟音と共に、十二星座の小宇宙が一斉に爆ぜた。

それは星の歌。

数億の鼓動が重なったような、規則的な振動が空間を支配する。

 

黄金の光が円環を描きながら広がり、伏魔殿の闇を食い破った。

 

ルシファーの防壁を構成していた暗雲が、波紋のように揺れ、ひび割れ始める。

黒い霧が飛び散り、神の加護が剥がれていく。

ルシファーが目を見開いた。

 

「馬鹿な……これは……十二の星々の小宇宙……!?

そんなことができるはずが――!」

 

アッシュの声がその上を貫く。

「できるさ。お前を倒すために、みんな生きて、戦って、ここに届いたんだ!」

 

十二の光が一点に収束する。

ルシファーの翼が焼け落ち、背中の輝きが砕けていく。

暗雲が完全に晴れ、黒い残滓が音もなく消えた。

 

伏魔殿の上空に、初めて空が戻った。

虚無の天に、星が瞬く。

 

ムウが息を呑む。

「暗雲が……消えた。神の加護が――完全に断ち切られた!」

 

アッシュの身体からは光が漏れ、膝をつきながらも笑みを浮かべる。

「今だ……サガ!」

 

その叫びに、サガの身体が動いた。

彼の小宇宙が一気に爆発的に高まる。

 

 

 

 

 

 

サガの拳が輝きを帯びる。

銀河そのものを閉じ込めたかのような光が、彼の身体を包んでいる。

その瞬間、彼の心は戦場ではなく、遠い過去にいた。

 

――あの静かな夜の聖域。

風のないテラス。

二人だけの小さな語らいが、ふと蘇る。

 

「なあ、アッシュ」

いつものように、彼は唐突に切り出していた。

「お前は他の奴らにはスカーレットニードル・カタケオだの、ダイヤモンドダスト・レイだの、技の改良を提案しているだろう? なぜ俺にはないのだ?」

 

アッシュは、頬杖をついたまま笑っていた。

「不要だよ」

 

サガは眉をひそめる。

「……? なぜだ?」

 

「お前のギャラクシアンエクスプロージョンは、もう完成されている」

アッシュの声は穏やかだった。

「下手に俺が手を入れるなんて、その輝きを損なうだけだ」

 

サガはしばらく黙っていた。

普段なら皮肉の一つも返すところだが、その時だけは違った。

「……そういうものか。……褒めているのか?」

 

アッシュは笑いながら言った。

「褒めてる褒めてる!」

 

夜風が吹き、聖域の鐘が遠くで鳴った。

それはたった数秒のやりとりだったが、サガの中では鮮明に焼き付いていた。

 

彼はその記憶の中で、もう一度アッシュの横顔を見る。

何の打算もない、まっすぐな光を宿した眼。

「……お前は、いつもそうだ。誰よりも器用なくせに、この上なく不器用だ」

 

 

 

 

 

現実へ戻る。

サガの周囲を包む小宇宙は、すでに限界を超えていた。

しかしそれは暴走ではない。

彼の内にある善も悪も、光も闇も、完全に調和しているゆえに。

 

(そうか……アッシュ。お前はずっと俺を、俺のすべてを信じてくれていたのだな)

 

心の奥で呟いた瞬間、彼の全ての迷いが消えた。

罪も、後悔も、恐怖も、今はただ一つの意思に還元されていく。

彼の小宇宙は、慈愛と破壊のすべてを内包した完全な銀河となった。

 

彼はゆっくりと両腕を広げる。

崩れかけた伏魔殿の天井が光に透け、宇宙が覗く。

星々が呼応するように瞬き、サガの身体を中心に螺旋を描いた。

 

「俺の罪も! 俺の迷いも!

 俺が背負ったすべての宿命ごと、これで消え去れ――!!」

 

その咆哮と共に、拳が振り抜かれる。

 

「ギャラクシアン――エクスプロージョン!!!!」

 

轟音が消えた。

音の概念が存在しないほどの力が、時空を歪ませた。

銀河そのものが一点に凝縮し、光の奔流がルシファーを包み込む。

 

その中心で、ルシファーはただ微笑んでいた。

炎に焼かれながらも、誇らしげに。

 

「……それで良い」

彼の声は静かだった。

「それでこそ、神を超えたと言えよう。

 サガ、アッシュよ……」

 

彼の翼が崩れ、身体が光に溶けていく。

だが、その瞳には恐怖も絶望もない。

 

「神は人を作った……ならば、子は親を超えていくものだ」

 

ルシファーは笑い、天を仰ぐ。

「人の子に幸あれ。人の世に繁栄あれ。

 ――そして、くたばれ! 俺を利用した神のクソ野郎が!!」

 

その叫びと同時に、爆発的な光が走った。

 

神に裏切られ、神を見限った堕天使の、最後の意思だった。

 

光がすべてを飲み込む。

時間が止まり、伏魔殿が崩壊していく。

サガはその光の中で、静かに立っていた。

 

もう戦う必要はない。

彼の小宇宙は完全に静まり返り、星々と同じリズムで脈打っていた。

 

やがて、アッシュがゆっくりと彼の隣に歩み寄る。

「終わったな」

 

サガは短く頷く。

「……ああ。終わった」

 

 

 

 

 

伏魔殿の玉座の間に、長い静寂が戻った。

あれほどの激闘の末とは思えないほど、空気は穏やかだ。

崩れ落ちた柱から光が差し込み、散った小宇宙の粒が静かに漂っている。

 

その中心に、アッシュとサガが立っていた。

どちらも満身創痍。だが、彼らの表情には、不思議な安堵がある。

 

アッシュが、天井の裂け目から差し込む光を見上げながら呟く。

「結局、あいつは何がしたかったのか……」

 

サガは短く息を吐き、静かに答えた。

「やつもまた、縛られた自分をどうにかしたかったんだろう。

 神の子という鎖からな」

 

彼はゆっくりと歩み出し、倒れた瓦礫の向こうに座り込むムウの方を見た。

シャカが横で静かに瞑想の姿勢を保っている。エレナは腹部を押さえながらも、皆を見渡している。

 

サガはしばらく言葉を選ぶようにしてから、口を開いた。

「ムウよ……シオン様のこと、本当に――」

 

だが、その言葉は最後まで続かなかった。

ムウが、少しだけ視線を逸らして、悪戯っぽく微笑んだからだ。

 

「何のことです?」

彼は軽く肩をすくめる。

「あいにく私は、座天使モアの攻撃によって、一番大切な記憶を打ち砕かれてしまいましたので。シオン様のことなど、全く覚えていないのです」

 

アッシュが小さく息を呑む。

ムウの声は穏やかだった。

彼は、何かを誰にも悟られぬよう、冗談めかして続けた。

 

「なので、とりあえず――デスクワークに忙殺される教皇猊下のお姿を拝見することで、

 私の溜飲も下がるというものです。

 世は全て事もなし。平和こそ、尊いものでしょう?」

 

サガはその言葉を聞き、唇を結んだ。

それはあまりにも優しい嘘だ。

彼は、言葉を返す代わりに、静かに頭を下げた。

 

隣のアッシュも、深く、深く頭を下げる。

その仕草は、感謝でもあり、弔いでもでもあるのだ。

 

「……ありがとう、ムウ」

その声は、光の中に吸い込まれていった。

 

場の空気を切り替えるように、エレナが一歩前へ出た。

深手を負いながらも、その声は力強く、凛としていた。

 

「……帰りましょう、アッシュ。皆さん」

 

その一言に、皆が顔を上げた。

「私たちの――聖域へ!」

 

瓦礫の隙間から差し込む光が、彼らの背を照らす。

誰もが静かに頷いた。

 

ムウが立ち上がる。

「帰る場所があるというのは、いいものですね」

 

シャカは軽く目を開けた。

「そう思えるうちは、人はまだ堕ちていないということ」

 

アッシュが苦笑する。

「説法まで聞くと、生きてる実感が湧くな」

 

サガは微かに笑い、ゆっくりと歩き出した。

その背中には、もうかつての迷いも狂気もない。

ただ、仲間と共に歩むための穏やかな決意だけ。

 

崩れた玉座を過ぎ、彼らは瓦礫の階段を降りる。

誰も振り返らない。

ルシファーの消えた場所には、光の粒がまだ舞っていたが、それはもう脅威ではない。

それは、戦いの果てに残された魂の残光だった。

 

外に出ると、伏魔殿の天蓋は完全に崩れ、そこには青空が広がっている。

戦火の灰を洗い流すように、風が吹き抜けていく。

 

エレナがその風を感じながら、静かに目を閉じた。

「……いい風ですね」

 

アッシュが頷く。

「そうだな。俺たちの戦いの証拠だ」

 

サガは空を見上げた。

「この青が続く限り、俺たちはまた戦うことになるかもしれん。

 だが、次は恐れずに行ける。皆がいるからな」

 

ムウが微笑む。

「それは心強いお言葉です。ですが、まずは事務処理が山のように残っていますよ」

 

アッシュが思わず吹き出す。

「ははっ、現実は神より厳しいな」

 

シャカは両手を合わせ、静かに合掌した。

「ならば、現実こそが神ということだろう」

 

彼らの笑い声が、青空に溶けていく。

風は軽く、太陽は高く、戦いの記憶を包み込むように広がっていった。

 

――偽りの平和は終わった。

 

多くの傷と、確かな絆を抱えながら、聖闘士たちは帰還の道を歩み出す。

 

彼らが帰るその場所――聖域。

それは、かつてよりも少しだけ温かく、そして人間らしい光を宿しているのだ。

 

 

 

 




アッシュ「いやー、やっぱゾディアック・クラメーションってやってみたかったんだよな」

サガ「……お前、あれ命懸けだったぞ」

アッシュ「ロマンには命が要るんだよ。メロンソーダと同じで、気が抜けたら終わりさ」

ムウ「まったく。聖域のデータベースに神殺しの項目を新設する羽目になりますね」

エレナ「ふふ、手当ての請求書はあなたの部署に回します」

シャカ「請求書を回す者と、払う者。……これもまた輪廻」

アッシュ「お前の悟り、請求書付きなのか!?」

サガ(苦笑)「……平和とは、実にうるさいものだな」

エレナ「うるさい方が、生きてる証拠です」

ムウ「ええ。次の実施指導までには、神の残滓も整理しておきます」

アッシュ「おい、それどこの役所案件だよ!」

この次の映画編はどちらがいいですか?

  • 真紅の少年伝説編(日本編)
  • 最終聖戦の戦士たち編(聖域編)
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