聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜 作:斉宮 柴野
絶体絶命のエレナ、デスマスク、アフロディーテ。
三人を襲う光の奔流を食い止めたのは、ついに聖域へ帰還したアッシュだった!
「俺の仲間をあれほど痛めつけておいて、同じ手を二度も撃たせると思うなよ」
幻朧魔皇拳によって女神の支配から解き放たれる星矢。
そして、城戸沙織の意識もまた、アテナの内側から蘇る。
だが、人間・城戸沙織と女神アテナは、初めから同じ魂に宿る存在。
沙織を救う方法が見つからなかったとき――アッシュが選ぶ最後の手段とは。
少女を救う奇跡を信じる星矢。
少女が神へ変わる前に、その命を終わらせる覚悟を決めたアッシュ。
譲れぬ二人の小宇宙が、いま真正面から激突する!
君は、小宇宙を感じたことがあるか!
【REMAINING TIME 08:00:00】
三人の小宇宙を束ねた光が、正面から押し返されていた。
エレナには、もはや何が起きているのかを目で追うことさえできなかった。
デスマスクとアフロディーテとともに放ったアテナエクスクラメーションは、間違いなく三人のすべてを注ぎ込んだ一撃だった。
それでも星矢の拳から無数に迸る閃光は勢いを失わず、衝突した二つの力は互いを打ち消すどころか、聖域そのものを呑み込めるほど巨大な光へ膨れ上がっていく。
足元の石畳が浮き上がり、粉々に砕けた。衝撃に耐えられなくなった柱が次々と折れ、十二宮へ続く石段さえ地面ごと捲れ上がっていく。
ここで力を緩めれば、星矢の背後にいるアテナは生き残る。城戸沙織という少女を内側から食らい尽くし、神の意志だけを宿した存在となって、地上に自らの秩序を押しつけるだろう。
エレナの両腕から感覚が消えた。踏み締めているはずの地面も、すでに足の裏には感じられない。
限界を越えていることなど、とうに分かっていた。
それでも最後まで手を放さなかったのは、意地だったのかもしれない。
勝てるとは思っていない。三人の力を合わせても、神聖衣には届かなかった。
光が視界のすべてを奪った。
押し返されていたアテナエクスクラメーションがついに崩れ、流星が一斉に三人へ降り注ぐ。エレナは逃げようとも、防ごうともしなかった。横にいる二人も同じだった。
次の瞬間に身体が消し飛ぶことを覚悟しながら、エレナは砕けかけた拳を握り直した。
そのとき、三人と光の奔流との間に、青白い一線が走った。
初めは、夜空に生じた亀裂のように見えた。その一線が瞬く間に上下左右へ広がり、透き通った巨大な防壁を形作る。さらにその前方へ古い文字を刻んだ光の盾が出現し、星矢の放った無数の光を真正面から受け止めた。
見えない岸壁へ激突した濁流のように左右へ分かれる。
逸らされた光が大地を抉り、山肌を吹き飛ばし、遠く離れた十二宮の石柱まで激しく揺らした。それでも三人の立つ場所だけは、円形に切り取られたように残されている。
何者かが、自分たちの前に立っていた。
背を向けたまま右腕を伸ばし、幾重にも重なった青白い防壁へ小宇宙を注いでいる。白い外套が衝撃に煽られ、その輪郭は激しい光の中で何度も消えかけたが、男の足だけは一歩も後ろへ下がらなかった。
最初の防壁が割れ、二枚目にも亀裂が走る。光の盾から刻まれていた文字が一つずつ剥がれ落ちるたび、男の右腕が大きく軋んだ。それでも彼は腕を下ろさず、背後にいる三人を振り返りもしなかった。
「アテナエクスクラメーションと流星拳を、同時に受け止める羽目になるとはな。ずいぶん悪趣味な歓迎だ」
光と轟音に掻き消されかけた声を、エレナが聞き間違えるはずはなかった。
見慣れた背中だった。
絶望の中で押さえ込んでいたものが一気に込み上げ、エレナの喉を塞いだ。
名前を呼ぼうとしても、声にならない。
目の前にアッシュがいると分かっただけで、安堵が全身から力を奪っていく。
流星が上下へ弾かれ、白い光の柱となって夜空を貫く。遅れて押し寄せた衝撃が周囲の土砂を吹き飛ばし、エレナたちの身体を背後へ押し流そうとしたが、アッシュの足元から広がった小宇宙が三人をその場へ繋ぎ止めた。
やがて轟音が遠のき、白く塗り潰されていた世界へ夜の色が戻ってくる。
麓にあった景色は、跡形もなく失われていた。
石段も柱も、その周囲に生えていた木々も消え、巨大なすり鉢状の窪地だけが残されている。その中央には、純白の神聖衣を纏った星矢と、白いドレスに黄金の光を纏う沙織が立っていた。
星矢には傷一つない。その拳によって聖域の一角が消滅したにもかかわらず、光を失った瞳には自分が何をしたのかを理解している様子すらなかった。
「ペガサス、よくやりました。神へ逆らった者たちは、これで完全に消滅したでしょう」
沙織の口を使って話す女神は、満足げに破壊の跡を見渡していた。
しかし、土煙が薄れていくにつれて表情から笑みが消える。
爆心地のただ中に、四人が残っていたからだ。
アッシュは役目を終えた盾を消すと、傷めた右腕を庇うこともなく身体の横へ下ろした。神聖衣とアテナエクスクラメーションの衝突を受け止めた代償は小さくないはずだが、彼の立ち姿から動揺を読み取ることはできない。
その背後で、デスマスクが血を吐きながら片膝をついた。
黄金聖衣は胸部を中心に大きく砕け、露出した身体には深い傷が刻まれている。アフロディーテもまた、左腕を動かすことができず、かろうじて立っていた。
エレナ自身の白銀聖衣も、すでに聖衣と呼べる形を残していない。装甲は星矢の拳によって吹き飛ばされ、傷口から流れ続ける血が腰から脚までを赤く染めていた。
アッシュが振り向いた。
初めにデスマスクを見て、次にアフロディーテへ視線を移し、最後にエレナを見る。その表情は普段と何も変わらないように見えた。
「来て……くれたんですね」
ようやく、それだけを口にすることができた。
ずっと待っていたと伝えたかったわけではない。助けを求めたつもりもなかった。むしろ、アッシュが戻ってくるまで自分たちだけで持ちこたえられなかったことが悔しかった。
それでも、血に濡れた唇には笑みが浮かんでしまう。
アッシュはすぐには答えず、三人の姿をもう一度見渡した。
「アテナと神聖衣を相手に三人で戦い続けたんだろう。これ以上、自分たちの働きを恥じる必要はない。よく持ちこたえてくれた」
謝罪でも慰めでもない言葉が、不思議なほど素直に胸へ入ってきた。
エレナは力を抜いた。今度こそ地面へ崩れ落ちるはずだった身体を、傍らにいたアフロディーテが動く右腕だけで抱きとめる。
「遅いのですよ、参謀長。女性をここまで待たせるものではありません」
苦痛を隠しながら口にしたアフロディーテへ、アッシュは口元を緩めた。
「それだけ言えるなら、まだ死ぬ心配はなさそうだ。エレナを頼む」
もう十分だ。
ここから先を託せる相手が来た。
◇◇
「クラテリス。神の裁きへ刃向かうとは、ずいぶん愚かな選択をしたものですね」
アテナの声が、破壊された大地を渡ってくる。
沙織がアッシュを杯座と呼ぶことはない。少なくとも人の意志を保っているときの彼女は、目の前の男を聖衣の名だけで呼びつけたりはしなかった。
「神へ逆らった覚えならある。だが、神の命令に逆らうことと、聖域を裏切ることは同じではない。少なくとも俺が仕えてきた聖域は、人間のものであって、お前のものじゃない」
沙織の顔に、彼女自身なら決して浮かべない冷笑が刻まれた。
「城戸沙織は、私が人間として地上へ降りるために用意された器にすぎません。器へ情を抱き、神である私へ刃向かうことが忠義だとでも言うつもりですか」
「器にすぎないのなら、今すぐ身体を返して出ていけ。そうすれば、俺もお前を神として丁重に扱うことを考えてやる」
「人間の分際で、アテナへ命令するとは――」
女神の怒気に反応し、星矢の神聖衣が再び白く輝き始めた。
アッシュの背後は、三人とも戦える状態ではない。先ほどのように防壁を重ねたとしても、傷ついた彼らを守りながら神聖衣の攻撃を何度も受け止めることは不可能だった。
「ペガサス。今度こそ、反逆者を完全に消滅させなさい。神の愛を与えられたお前が、私の期待を裏切ることはありませんね」
「はい、アテナ」
星矢は何の迷いもなく拳を引いた。
翼が大きく広がり、無数の星々を繋いだ星座の軌跡が夜空へ浮かび上がる。先ほど聖域を抉り取った力が、再び少年の拳へ集まり始めた。
対するアッシュは防壁を展開しなかった。
「俺の仲間をあれほど痛めつけておいて、同じ手を二度も撃たせると思うなよ」
その指先から、二筋の光が放たれた。
一筋は星矢の眉間へ突き刺さり、もう一筋は背後に立つ沙織の額へ吸い込まれる。星矢の拳へ集まっていた小宇宙が急激に乱れ、行き場を失った光が神聖衣の翼から白い火花となって噴き出した。
「幻朧魔皇拳」
アッシュが技の名を告げたとき、星矢の身体はすでに大きく仰け反っていた。
女神の意志が星矢の中へ張り巡らせた鎖を断ち切り、閉じ込められていた少年自身の意識を表へ引きずり戻すための一撃だ。
そして正気を取り戻した星矢を最初に待っていたのは、救われた安堵ではなかった。
自分の拳がエレナの身体へめり込んだ感触だった。
折れた白銀聖衣の破片が飛び散り、傷口から血が噴き出す。それでも立ち上がろうとした彼女を見て、次こそ確実に殺さなければならないと考えた自分の意識まで、鮮明に蘇ってくる。
デスマスクの胸部を打ち砕いたときも、アフロディーテを地面へ叩きつけたときも同じだった。相手が誰であるかは分かっていた。やめろと叫ぶ声も聞こえていた。
それなのに、身体を止めることができなかった。
いや、それだけではない。
女神の敵を正しく処罰できたことへ、喜びすら覚えていた。
「俺は……いったい……」
そのとき、背後から苦しげに息を呑む声が聞こえた。
振り返った星矢の目に、胸を両手で押さえながら崩れ落ちる沙織の姿が映る。黄金の矢が突き刺さった場所を中心に小宇宙が激しく明滅し、その顔には女神の冷たい威厳と、苦痛に怯える少女の表情が交互に浮かんでいた。
「星矢……」
聞き慣れた声だった。
「沙織さん!」
星矢は躊躇うことなく駆け寄り、倒れかけた身体を抱きとめた。
「星矢……私、あなたに……あんなことを……」
「沙織さんがやったんじゃない。あれはアテナが――」
言い終えるより先に、沙織の指へ力が込められた。
神聖衣の隙間を狙って爪が食い込み、星矢の腕から血が滲む。痛みに驚いて顔を見ると、沙織の瞳から先ほどまでの怯えが消え、女神の冷たい光が戻っていた。
「ペガサス。お前はこれまでどおり、神である私の命令だけを聞いていればよいのです」
「沙織さんから出ていけ」
星矢は掴まれた腕を振りほどかず、沙織の身体を抱き締めたまま言った。
「この人の声と顔を使うな。沙織さんの身体で殺させようとするな!」
女神の顔が怒りに歪んだ直後、その両目から涙が溢れた。
沙織自身の意識が、再び身体の支配を奪い返したのだろう。
「星矢……助けて。頭の中に、ずっと誰かがいるの。」
その言葉を聞いた瞬間、星矢はアッシュを振り返った。
この男ならば何とかできると思った。
今までも、誰にも解決できない問題へ平然と答えを示してきた。
縋る相手がほかにいなかった。
「参謀長、沙織さんにも幻朧魔皇拳を打ったんですよね。それなら、俺にしたようにアテナを追い出せるはずです。今の一撃で足りないなら、何度でも――」
「お前と沙織ちゃんでは事情が違う。お前の中にあったのは外から植えつけられた命令だが、アテナは転生したときから沙織ちゃんと同じ魂に宿っている。今の拳でできたのは、沈められていた沙織ちゃんの意識を表へ引き戻すところまでだ」
「それでも、沙織さんは戻ってきた。今だって俺の声が聞こえているんです。時間をかければ、アテナだけを消す方法が見つかるかもしれないでしょう」
答えたのはアッシュではなく、沙織の口から響いた女神の声だった。
「無駄なことです。城戸沙織の意識が表へ出られるのは、杯座の拳によって一時的に境界が揺らいだからにすぎません。やがて人間としての人格は私の中へ溶け、肉体も記憶も、すべて正当な持ち主であるアテナへ還るのです」
星矢の腕の中で、沙織が激しく身を震わせた。
それは死ぬことより残酷だった。
「私は……消えたくない……」
星矢は彼女を自分の背後へ庇い、アッシュと向き合った。
「沙織さんはまだここにいる。自分の言葉で助けてくれと言っているんだ。だったら、俺は何があってもこの人を守る。相手が神だろうと、沙織さんと同じ魂にいる存在だろうと関係ない。消えるべきなのはアテナの方だ」
しかし、アッシュは喜びも安堵も見せなかった。彼の背後には、星矢の拳によって傷つけられた三人がいる。それでも沙織を救うことだけを考えている星矢へ、アッシュは冷厳な眼差しを向けていた。
「お前が守ろうとしているのがアテナではなく、城戸沙織だというなら、その点だけは俺と同じだ。だが、救う方法が最後まで見つからず、沙織ちゃんの意識が完全に消えたとき、お前はその身体をアテナとして生かし続けるのか」
「見つからないなんて決めつけるな。まだ何も試していない。時間だって残っているのに、どうして今からそんな話をするんだ」
「残されている時間が少ないからだ。お前が奇跡を信じている間にも、沙織ちゃんの意識はアテナに削られ続ける。身体だけが残り、過ごした時間も、人として抱いた感情も、すべて神の一部へ変えられてからでは遅い」
「だから何だっていうんだ! 助けられなかったら、沙織さんを見捨てるのか!」
叫んだ星矢に対し、アッシュは声を荒らげなかった。
「アテナに喰われて自分を失うくらいなら、人であるうちに終わらせてやる。神に成り果てる前に俺の手で殺す」
星矢の全身から、小宇宙が爆発した。
言葉の意味を理解できなかったのではない。むしろ、どこかで理解してしまったからこそ、激しい怒りが込み上げた。
アッシュの言うことは正しいのかもしれない。
それでも、正しいから受け入れられるはずがなかった。
「俺は認めない。沙織さんを殺すことが救いだなんて、絶対に認めない! 方法がないなら今から探す。時間が足りないなら、アテナより先に矢を抜いて何度でも試す。それでも駄目だというなら、神の決めた運命そのものを俺が壊してやる!」
背後にいた沙織が、神聖衣の翼へそっと触れる。
「もういいの、星矢。私のために、これ以上みんなが傷つく必要はないわ。私だけが助かりたいなんて言えない」
星矢は沙織へ向き直ると、逃げ道を塞ぐように両肩を掴んだ。
「そんなふうに勝手に諦めるな。俺たちは沙織さんに死んでもらうために、十二宮まで来たんじゃない。俺はよくないんだ。俺たちが守ろうとしてきたのは城戸沙織なんだよ!」
沙織の顔が歪み、堪えていた涙が再び溢れた。
星矢の言葉に何かを返そうとした瞬間、彼女の身体から黄金の小宇宙が噴き上がった。
「愚かな人間どもめ……!」
女神の怒気が、沙織の声を内側から引き裂く。
「この肉体は初めから私のものです。城戸沙織の命も意志も、神である私が地上へ降臨するために与えられたもの。それを人間ごときが勝手に滅ぼすことも、私から奪い取ることも許しません!」
「私の口で……勝手なことを言わないで……!」
沙織は自分の喉を押さえ、必死に女神の言葉を止めようとした。
右手が自らの首へ食い込み、それを左手が引き剥がそうとする。
守るためには、その手を押さえつけなければならない。
星矢はゆっくりと拳を腰へ引いた。
翼が大きく広がり、神聖衣を巡る光が拳へ集束していく。
アッシュの背後には、自分が傷つけた三人がいる。星矢の背後には、助けを求める沙織と、その命を奪おうとするアテナがいる。
どちらの側にも、もう退く場所はなかった。
「俺は沙織さんを救う。アッシュにも殺させないし、アテナにも渡さない。今は方法が分からなくても、この拳であなたを越えられないようなら、神の運命なんか変えられるはずがない」
その答えを聞いたアッシュの小宇宙が、一段と深く大地へ満ちていく。
「ならば、その神の衣で俺の覚悟を砕いてみろ。俺を退かせることができなければ、沙織ちゃんの意識が消える前に、その命は俺が貰う」
星矢は言葉を返さなかった。
罪悪感も恐怖も怒りも、すべて拳へ注ぎ込む。自分が傷つけた三人のためにも、命を諦めようとした沙織のためにも、目の前の男へ生半可な覚悟で挑むことだけは許されなかった。
遠くの壁に残されたLED表示が明滅する。
【REMAINING TIME 07:59:59】
失われた最初の一秒とともに、神を殺す覚悟を背負った男と、少女を救う奇跡を求める少年の小宇宙が、真正面から激突した。
沙織「ねえ。さっきから人の身体使って好き放題しすぎじゃない?」
アテナ「訂正しましょう。この身体は本来、私が地上へ降臨するための器です」
沙織「その『器』って呼び方、マジでムカつくんだけど。あたし城戸沙織。名前あるから」
アテナ「一時的な人間としての人格に、そこまで執着する意味が分かりません」
沙織「こっちは十何年その人格で生きてんの! あと勝手に星矢洗脳して人殴らせるのやめてくんない!?」
アテナ「ペガサスは私の聖闘士です」
沙織「星矢はあんたのポケモンじゃないんだけど!」
アテナ「……ポケモン?」
沙織「そこ引っかかる!?」
アテナ「ともかく、聖闘士が女神へ仕えるのは当然のことです」
沙織「だから嫌いなのよ、その『神だから当然』みたいな態度! 本人の気持ちは!?」
アテナ「神意に従うことこそ、聖闘士の――」
沙織「知らん! あたしは嫌!」
アテナ「……」
沙織「二対一だからね、今」
アテナ「数で神意の正当性が決まるものではありません」
沙織「はいはい、負け惜しみ乙」
アテナ「城戸沙織」
沙織「なに?」
アテナ「少し黙りなさい」
沙織「やだ」
アテナ「黙りなさい」
沙織「絶っっっ対やだ。ここあたしの頭の中でもあるんだからね。消えるくらいなら二十四時間ずっと横で喋ってやる」
アテナ「…………」
沙織「ねえアテナ様、今どんな気持ち? 人間一人黙らせられなくて今どんな気持ち?」
アテナ「あなたという人間は、本当に――!」
沙織「はいキレたー。神様キレましたー」
アテナ「ペガサス! 今すぐこの女を――」
沙織「あたしだよ!! 身体ごと消えるわ!!」