聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜 作:斉宮 柴野
首席女官として書類に追われるカノン!
宮廷音楽家として人生を謳歌するソレント!
そしてイオは、ひょんなことから神闘士フェンリルと意気投合!
狼が結んだ友情は、やがてアスガルドの意外な内情を明らかにする。
海皇軍の潜入任務、ついに進展か!?
君は、小宇宙を感じたことがあるか!
私の名はシードラゴンのカノン。
海皇軍の総司令。地上の覇権を狙う謀略家である。
……この宿泊税の計算、また間違っているぞ。
赤線を引いて差し戻しの箱へ放り込む。次は道路の補修費。その次は観光案内所の増員申請。よくもこれほど、途切れずに書類が来るものだ。
首席女官セラフィナ様なら、すぐに片づけてくださいますわ。
誰がそんなことを言った。全部押しつけるな。
前髪を留めたピンが引きつれる。青い髪を結い上げたのは、下ろしておくとインクがつくからだ。実用を優先したのに、今度の髪形も素敵です、などと褒められた。
そうか。それより人を増やせ。
隠しポケットで端末が鳴った。
……来たか。ようやく指示が来たか。
件名:無題
送信者:ジュリアン(海皇)
ジュリアン・ソロの海運事業が先週、莫大な黒字を叩き出した。余の無意識下のアドバイスの賜物である。褒めよ
閉じよう。
いや、続きがある。二通目か。
件名:Re: 無題
ソロ家の屋敷に新しく雇われた侍女たちが皆、見目麗しい美女揃いなのだ。少し手を付けて抱きしめてみたら、ジュリアンの父親に呼び出されて三時間正座させられた。解せぬ
父君は立派なお方だ。
そのまま説教を続けていただきたい。私は仕事に戻る。
……また鳴った。
件名:任務の進捗について
アスガルドの代行者ヒルダの弱点は掴めたか? ヒルダは百合なのか? それとも男好きなのか? 詳細を余へ逐一報告せよ
報告した。
先週も。その前にも。今朝も送った。お読みになりましたかと尋ねたメールにも返事がない。
潜入して二ヶ月。毎日のように近況を送りつけてくる主神と、異国で女装して働く総司令。これはもうメル友というやつではないのか。
「……訂正しよう。『メル友』ではない。こちらの報告や質問には一切返信を寄こさない以上、ただのクソ迷惑な一方通行のスパムメールだ」
ペンの軸が鳴った。
いかん。備品を壊すと申請書を書くことになる。その申請書を処理するのも私だ。馬鹿馬鹿しい。
同盟の条件は。こちらから提示してよい利益は。拒否されたら力で屈服させるのか。何度も聞いているだろうが。
おい、そこの読者。指示待ち人間だと思ったな?
勝手に進めれば怒るのだ、うちの主神は。その日の気分に合わなければ、誰がやれと言った、と雷を落とす。先に確認した形跡は残しておく。私の身を守るためだ。
……よし。再送。
今度こそ任務の話をしてください。侍女の感想は結構です。
◇◇
窓からフルートが聞こえてきた。
セレンか。
昼の光に、ピンクの髪。周囲の宮廷音楽家たちも、満足そうな顔で聴いている。
気持ちよさそうに吹きおって。
『音楽とは……神仏の争いを超越した素晴らしい芸術ですね!』
昨夜は、そんなことを言っていた。
超越するな。お前は海将軍だ。
もっとも、ヒルダの誘いを退ける腕は、見習うべきものがあった。先日、回廊で呼び止められていたときも、こうだ。
「セレン……今夜こそ、私の私室で共に愛を語り合わない……?」
「申し訳ございません、ヒルダ様。私の奏でる純真無垢な旋律は、乙女の処女性を何よりも尊ぶのです。肉の交わりは音色を濁らせてしまいますので」
「な、なんて気高く清らかなの……っ!」
そんな理屈で引き下がるのか。
横で聞いていた私の方が呆れたぞ。あの笛吹きも、よくあんな台詞を微笑みながら吐ける。乙女の何だと言った? お前は男だろうが。
……しかし、肌艶がよくなったな。
眺めていると、腹が立つほど生き生きしている。毎日楽器に触れて、好きな音楽家と語り合って、定時に帰ってくる。なるほど、体にもよさそうだ。
私の目の下はどうだ。今朝も化粧で隠したぞ。
やめだ。事務を片づける。
机へ戻ると、端末に新着の印が出ていた。
……今は見ん。
◇◇
私の名はスキュラのイオ。ここでは女官イレーネと名乗っている。
シードラゴンもソレントも、すっかり宮廷に馴染んでしまった。首席女官と宮廷音楽家。それぞれ立派な役職だが、海皇軍の任務を忘れてはいないだろうな。
私は気を緩めない。
この廊下の先は資材置き場。裏庭に通じる戸の鍵は、女官長から預かってある。
仕事を引き受ければ、入れる場所が増える。道を覚え、人の顔を覚える。こうした積み重ねが、いずれ役に立つのだ。
「きゃああっ!! イレーネ様、助けてください!!」
「暗がりから巨大なコウモリが入り込んできて……!!」
む。窓の上か。
一匹、二匹。奥にもいる。皆、扉の前で立ちすくんでいるから、出ていく道が見つからんのだな。
「なんと!! 淑女の皆様に仇なす不埒な羽虫め……私に任せなさい!!はあっ!! 『ヴァンパイアインヘイル』!!」
こちらへ。そう、その窓だ。
羽音に合わせて指先の気流を変える。暴れる必要はない。日中に起こされて気が立っているのだろうが、ここにぶら下がっているわけにもいくまい。
最後の一匹を外へ送り出し、窓を閉めた。
ふっ。他愛もない。六聖獣を操る私に、飛ぶ獣の習性が分からぬはずもない。
これで淑女たちも、落ち着いて仕事へ――。
「素敵……! イレーネ様、今度ぜひ私とお茶をご一緒してください!」
「いいえ、私と二人きりで中庭でランチを……!」
それは光栄だ。どちらのお誘いも、ぜひ。
昼の休憩は交代だから、女官長に時間を調整していただけば――。
「イレーネェェェッ!! その勇姿、惚れ直したわ!! 今夜こそ私とふかふかのベッドでエッチな夜を過ごそう!!」
なぜ、そこにいらっしゃる。
執務室にお戻りください。首席女官が、たぶん大量の決裁を待っています。
裾をつまみ、膝を折る。慌てるな。笑顔。声を高く。
「恐れ入りますが、本日も宮廷の夜間巡回業務がございますので、謹んで辞退申し上げます」
「ぐぬぬ……相変わらず鉄壁のガード……だがそこが良い……!」
お褒めにあずかり、どうも。
夜間巡回を引き受けておいてよかった。これほど便利な口実になるとは。真面目に働く者は報われるものだな。
◇◇
帯を締め、肩を回す。
ああ、楽だ。腰をひねるたびに布を気にしなくていい。ドレスは木の根元へ畳んで置いた。雪で濡らしたら、帰りに困る。
「ふう……っ! 空気が美味い!まったく、シードラゴンとソレントはなぜ四六時中あの息苦しいドレスを着ていられるのだ?ワルハラ宮さえ離れれば、こうして男の姿に戻って風を感じられるというものを……」
買い出しの帰りに立ち寄るつもりだったが、先に体をほぐしておこう。店が閉まる前に戻ればいい。何を買うかも覚えている。
腕を上げる。肘の内側が少し突っ張った。
やはり動かさねば。資材運びばかりでは、拳の稽古にならん。
「女官の真似事ばかりで、技が錆びついては海将軍の名が廃る。少し体を動かしておくか。はっ!! とりゃあッ!!」
踏み込んだ足が雪に沈む。深い。次はもっと軽く。
小宇宙を上げずに腰を切る。蹴りを戻し、拳を引きつける。呼吸が温まってきた。このまま、もう一度――。
「むむ……? 気配がするな。……これは……狼か?」
灰色の毛。大きな足。
囲むのが早いな。正面に目を引きつけて、二頭が左右へ回った。群れの動きがよく揃っている。
拳を開き、腰を落とす。ああ、威嚇するな。お前たちの縄張りだったか。
「なるほど……人に慣れているな。安心しろ、お前たちを傷つける気はない。よし、よし……いい子だ」
鼻先が手の匂いを確かめ、首筋を差し出してきた。
そうか。ここを撫でてほしいのか。
毛の奥は温かい。立派な体だ。食べるものに困ってはいないようだな。隣の一頭も肩を寄せてくる。分かった。お前も撫でよう。
「貴様ッ!! 俺の可愛い狼たちに何をしている……むっ!?」
白い髪。見覚えがある。宮殿の廊下で何度も――。
「イプシロン星、アリオトのフェンリル!」
「む? 貴様……なぜ俺の名を知っている?俺は今、神闘衣(ゴッドローブ)を纏っているわけでもないというのに……」
しまった。
今の私はイレーネではない!
挨拶をしたことがあると答えたら、その場で終わる。宮殿で見かけた、も駄目だ。いつ、何をしに来た、と聞かれる。
「……むむ? お前……どこかで会ったことがあるか……?」
近い。顔が近い。
匂いを嗅ぐな。衣服は替えたが、体は替えられん。
「い、いや! アスガルドを守護する高名な神闘士の名は、国中に轟いている。旅の武芸者として、貴殿のような豪傑を知らぬはずがない!」
「フェンリル様〜〜! どちらにおいでですか〜〜!!」
「ちっ、見つかったか。……ここだ!」
助かった。
木々の間に、年配の男が見える。ずいぶんきちんとした身なりだ。雪道を走るのはつらそうだが、追手ではないらしい。
「フェンリル様、お屋敷でお母様とお父様がお待ち兼ねでございますぞ!本日は、シド様とバド様をお招きしての重要な晩餐会なのですから……!」
「わかっている! 今戻るところだ!……ギング、行くぞ!」
足元から一声。お前がギングか。
手に鼻を押しつけてから、毛皮の青年のそばへ戻っていった。よく懐いている。大事に育てられたのだろう。
では、私も買い出しへ。着替えを拾って――。
「……おい。お前、名は?」
「…………イオだ。アスガルドの厳しい自然で技を磨くため、諸国を巡っている武芸者だ」
「なるほど……その身のこなし、只者ではないな。――イオよ! お前も来い! 気に入ったぞ!俺の家族であるギングたちが警戒を解いて懐いた男だ。俺の友として、屋敷の晩餐に招かれる資格がある!」
「え? ……あ……いや、私は……」
「遠慮するな、肉を食え肉を! 行くぞ!!」
待て。待ってくれ。私には野菜を届ける仕事がある! 日が落ちる前に帰ると言ってあるのだ!
おい、ギング。お前も服の裾を引くな。そんなに誘ってくれるのは嬉しいが、今夜は困る。
……シドとバドも来るのか。
神闘士三人。それぞれと宮殿の外で話せる。ヒルダの目も、女官たちの耳もない。
断るのは惜しい。
食事をいただき、少し話して、すぐに戻ろう。野菜のことは忘れていない。大丈夫だ。
◇◇
鹿肉の皿が、また満たされた。
もう十分いただいたと伝えたのに、もっと召し上がれと勧められる。
向かいにはフェンリルのご両親。息子の連れてきた見ず知らずの男に、こんなに親切にするのか。
暖炉に近い席を勧めてくださったのも、このご夫妻だった。旅をしてきたなら冷えたでしょう、と。
……宮殿で働いておりますとは、言えんな。
「……なるほど。幼少の頃、家族で雪山で大熊に襲われ、絶体絶命だったところをフレア様に救われたと……」
「そうだ! フレア様が放った神聖なる炎が熊どもを退散させ、俺と両親の命を救ってくださったのだ!あのお方こそ我が恩人であり、武芸と心の師でもある! 俺のこの命は、フレア様のためにこそ捧げると誓っているのだ!」
「やれやれ、また始まった。お前は酒が入ると、いつもフレア様の武勇伝ばかりだな、フェンリル」
「うるさいぞシド! 真実を語って何が悪い! 俺の忠義は絶対に揺るがん!」
酒のせいで大げさになっているのかと思ったが、ご両親も頷いている。家族そろって、命の恩人なのだな。
あの狼たちは、そのときに出会ったのだろうか。
「では……あの狼たちは?」
「ああ! ギングたちは、フレア様の下で修行を重ねる中で、魂の友情を深め合った俺の大切な家族だ!」
「そうか……良き友を持ったな」
あの毛並みは見事だった。今度は土産を持っていこう。肉なら、きっと喜ぶ。
「しかし……イオと言ったか。気難しいフェンリルに、ここまで気に入られるとは相当な手練れだな。……ほう、衣服の上からでも分かる。実に無駄のない、見事に鍛え上げられた筋肉だ」
……む?
太腿に手が来た。今度は腕。筋のつき方を確かめるように押してくる。
武人に鍛錬を認められるのは嬉しい。嬉しいが、食事中なのだが。
「兄さん! 初対面の方の筋肉をいきなり触るのは良くないぞ。失礼だろう」
「ああ……すまない、武芸者の良い肉体を見ると、つい武者震いして手が伸びてしまう性分でな」
「い、いや……気にしていない。高名な神闘士の方々に囲まれ、武芸者としてこれ以上の名誉はない。……だが、フェンリル殿。一つ疑問なのだが……神闘士とは、地上代行者たるヒルダ様に絶対の忠誠を誓うものではないのか?」
フレアの名ばかり出てくる。
教えを受けた恩は分かる。命を救われたのなら、なおさらだ。だが、神闘士として口にする誓いの相手が、代行者ではないのか。
「ふん! ヒルダ様はヒルダ様だ!だがな、神闘士の中にも、ヒルダ様個人ではなく『フレア様』に忠義を尽くしている者は多いぞ」
「ああ。フレア様はアスガルドにおいて別格の存在だからな。もちろん、現在の代行者であるヒルダ様も素晴らしい統治者だが……総大主教ドルバル様の時代を知る古参の人間や貴族は、どうしてもフレイ大主教の妹君であり、ギリシャ聖域との外交の架け橋でもあるフレア様の肩を持つ者が多いのさ。……あのアルベリッヒですら、フレア様の言いつけ以外は平気で無視するくらいだからね」
ほう。酔うわけにはいかん。この話は、きちんと覚えておこう。
「かく言う俺たち兄弟もな……。この国では昔から『双子は不吉』という理不尽な掟があり、俺は影として迫害され、捨てられかけた。だが、その悪習を打ち破り、俺たち兄弟が共に手を取り合って生きられるよう庇護してくださったのが、他ならぬフレア様だったのだ。まさにフレア様々だよ」
「……なるほど。アスガルドの内政も、一筋縄ではいかぬ複雑な事情を抱えているのだな」
ヒルダ派とフレア派。
代行者を押さえれば、全員が従うと思っていた。違うのか。フレアの言葉で動く者が、これほどいる。
ならば、互いを疑わせればどうなる。
ヒルダはフレアの影響力を疎んでいる。フレアは代行者を軽んじている。そんな話を、それぞれに信じさせることができたなら。
海皇軍が上陸する前に、神闘士同士を争わせられるかもしれない。
……焦るな。今は聞くのだ。
誰が誰に従う。どの言葉で怒る。何を奪われるのを恐れる。この食卓で、随分と教えてもらった。
私はスキュラのイオ。海皇に仕える海将軍だ。
女官の仕事を続けている二人へ、ようやく報告するものができたぞ。
「フェンリル殿、シド殿、バド殿。本日のもてなし、心より感謝する。……フェンリル殿、もし良ければ、今度私と手合わせ願えないだろうか? 貴殿の爪と、私の拳……交えてみたい」
「おお! 望むところだ! いつでも受けて立つぞ、友よ!!」
友か。
ああ。次に訪ねる理由ができた。
その爪の速さも、確かめさせてもらおう。
◇◇
苦しい。紐を引きすぎた。
コルセットを緩め、もう一度締め直す。男物の服は包んだ。ウィッグも被った。鏡はないが、裏口のガラスで確かめればいい。
……よし。イレーネだ。
腕には野菜の籠。店に頭を下げて、どうにか揃えてもらった。今夜の厨房には間に合わなかったが、届けずに戻るよりはよかろう。
「ふぅ……っ! 危ないところだった。なんとか門限ギリギリ……いや、完全に日付を跨いでいるが……」
フェンリル殿、飲みすぎだ。席を立つたびに、引き戻すのはやめていただきたい。
報告は明日にしよう。今は籠を厨房に置いて、部屋に戻る。誰にも会わずに――。
「イレーネェェェェェェェッッッ!!!!」
「ひっ!?」
胸へ衝撃が来た。
籠を落とす! 駄目だ、せっかく買った野菜が!
片腕で抱え直し、壁に肩をつけて踏ん張る。ヒルダ様。その勢いで飛び込むのは、おやめください。
「イレーネ! イレーネぇぇぇぇっ! 心配したのよ!?買い出しに行ったきり何時間も戻らないから、暴漢に襲われたのではないかと宮殿総出で捜索隊を出そうとしていたのよぉぉぉっ!!」
「も、申し訳ございません、ヒルダ様……!街で知人と偶然出会いまして、市場の片隅で……つい、お酒をご馳走になってしまい、時間を忘れてしまいました……」
知人と酒を飲んだのは本当だ。場所は少々違うが、今はそれでお許しいただきたい。
深く頭を下げようにも、離れてくださらない。
「良いのよ……! 貴女が無事だったのなら、もう何も言わないわ……!ああ、ほんのりとお酒の香りがするイレーネも、色っぽくて実に素晴らしい……!今夜はこのまま、私の部屋で介抱させてちょうだい……!」
いかん。話がそちらへ進む。
夜間巡回は使えない。酒を飲んだと申し上げたばかりだ。体調不良では介抱される。寝たいと言えば一緒にと返される。
風呂だ。
「滅相もございません。冷えた体を洗い流すため、私は今から一人で熱い風呂に入ってまいります。それでは失礼いたします!!」
肩を押し戻す。笑顔。力を抜くな。この腕を解かねば帰れん。
……よし!
裾を持ち上げ、廊下へ出た。曲がり角を二つ越える。後ろの足音は……ない。
はあ。
今日は、よい情報が手に入った。
野菜を抱えた女が、窓の向こうを走り抜けた。
イレーネ。
「……あいつ、何やってんだ本当に……」
【アッシュの用語集】
■首席女官セラフィナ
ワルハラ宮の女官たちを取りまとめる存在。
事務処理能力が非常に高く、宿泊税や道路補修費、観光事業の決裁書類まで処理している。
実に優秀だ。
……ただ、最近少し疲れているようだな。
人員増強を検討しよう。
■セレン
ワルハラ宮の宮廷音楽家。
フルートの腕前は一流で、宮廷でも高く評価されている。
本人も非常に充実した生活を送っているらしい。
働く者が好きな仕事に就ける。
いいことじゃないか。
■イレーネ
宮廷で働く女官。
力仕事に強く、非常に頼りになる。
今回、買い出しに出かけたまま、なかなか帰ってこなかった。
野菜を持って深夜に帰宅。
……どこまで買いに行っていたんだ?
■ヴァンパイアインヘイル
イレーネが使用した、コウモリを操る不思議な技。
今回は宮殿へ迷い込んだコウモリを外へ逃がした。
殺さずに追い払えるのは結構だ。
……ところで、その技はどこで習った?
■フェンリル
イプシロン星アリオトの神闘士。
狼たちを家族として大切にしている。
幼少期にフレアが本人と両親の命を救ったことから、彼女を深く敬愛している。
立派に育ったな。
フレアも喜ぶだろう。
■ギング
フェンリルが家族として大切にしている狼の一頭。
今回、旅の武芸者イオに懐いたらしい。
フェンリルがその男を気に入ったのも、ギングたちが心を許したからだ。
動物は正直だ。
……まあ、人間の事情までは分からんだろうが。
■シドとバド
アスガルドの双子の神闘士。
かつての双子を忌避する悪習から、フレアによって救われた兄弟。
二人とも彼女への恩義を忘れていない。
悪習をなくした甲斐があったな。
■フレアへの忠誠
アスガルドの神闘士には、ヒルダへの忠誠とは別に、フレア個人へ強い恩義を感じている者が多い。
単なる役職への忠誠ではない。
積み重ねた信頼と、救われた記憶によるものだ。
だからこそ、簡単には揺らがない。
……そう信じたいところだな。