聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜   作:斉宮 柴野

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ジュリアン・ソロ、十六歳の誕生日!

華やかな夜会には、沙織と星矢も招かれていた!

しかし主役のジュリアンには、身に覚えのない奇行と父親からの外出禁止令が……。

そして夜、古代遺跡から青い光が立ち上る!

ついに海皇ポセイドン覚醒の時が来たのか!?

君は、小宇宙を感じたことがあるか!


海皇覚醒の誤算! ジュリアンは外出禁止

笑顔。背筋。扇子はゆっくり。

 

はいはい、わかってます。今日の私は城戸家のお嬢様。知らないおじさんに話しかけられたら、お会いできて光栄ですって言うの。相手の名前を思い出せなくても、お顔には出さない。ここ、さっきママに三回言われたところ。

 

……ねえ、この扇子、暑くない時も動かしてなきゃ駄目?

 

シャンデリアが眩しい。グラスも指輪も、あっちのおば様の首飾りも眩しい。うっかり値段を聞いたら、私のお小遣いで何年分になるのかしら。買いたいものなんてゲームと漫画くらいしかないのに。

 

私の名は城戸沙織。グラード財団の総帥の娘。ついでにアテナ。

 

普段は学校へ通って、蛍子と喋って、幽助とふざけている。それが今夜は、この真っ白なシルクのドレスよ。巻き髪もネイルも禁止。清楚な感じに下ろされた髪が頬に触れるたび、つい指でくるくるしたくなる。

 

駄目。せっかく整えてもらったんだから。

 

ジュリアン・ソロさん、十六歳のお誕生日おめでとうございます。こんな大勢のお客さんにお祝いされるの、私だったら途中で逃げるわ。プレゼントを開ける暇もなさそう。

 

「跡取り息子の誕生日に、世界中からこれほどのVIPを招いてパーティーを開くとはな……。ソロ家の財力、噂に違わぬ規模だ」

 

パパのタキシードには皺ひとつない。グラスを持っているところを写真に撮って、財団のパンフレットに使ったらどうかしら。お仕事の話をしている時は本当に格好いいのよね。

 

「アイオロス君、ソロ家では16歳で大人とみなす習わしがあるらしいわよ。そのお披露目も兼ねているんじゃないかしら」

 

ママのドレスはエメラルドグリーン。お化粧もいつもと違うし、声もお上品。学校の先生をしている時より、ずっと気合いが入ってる。

 

ふうん。パパと並ぶから?

 

「ふーん……それにしても翔子ママ、普段は道着でガサツに瓦割ってるくせに、ドレスなんか着ちゃって無理し――ぐえっっっ!!?」

 

息。息が出ない。

 

ドレスの裾、ほとんど動いてなかったわよね。なのにお腹の奥が痛い。足音も聞こえなかった。周囲のお客さん、誰もこっちを見ていない。

 

「ひ、膝が……内臓にダイレクトアタック……っ!」

 

「アイオロス君の妻たるもの、社交界歴は貴女よりずっと長いのよ? 沙織??」

 

頭を撫でる手が優しい。笑顔も優しい。怖い。

 

はい。ごめんなさい。社交界の大先輩でした。三十歳になっても動きが全然鈍っていないの、よくわかりましたから。次の一発は勘弁して。

 

「はは……まあまあ翔子、そのくらいにしてやりなさい。最初の頃は俺たち二人とも社交界の作法なんて分からなくて苦労したじゃないか」

 

「まあ……アイオロス君がそう言ってくれるなら……」

 

声が変わった。

 

え、今ので終わり? 私にはあんなに怖い顔をしておいて、パパの一言で頬を赤くするの?

 

総帥パパ、すごいわね。お願いだから、娘のお腹の具合も気にしてちょうだい。

 

「翔子様。少々、ドレスの裾が乱れております」

 

あっ。見えていた人、いた。

 

オルフェウスさんの服も髪もきちんと整っている。今の膝蹴りについては何も言わないつもりね。そうね、余計な口は挟まない方がいいものね。

 

「あら、ありがとオルフェウス。助かるわ。……そういえば、ヤンはどうしたの?」

 

「ヤンは会場の外、テラス側の周囲警備に回っております。彼曰く『華やかな場所の香水と愛想笑いは肌に合わん、盾を磨いている方がマシだ』とのことです」

 

「そう……相変わらず不器用ね」

 

いいなあ、外。

 

私も警備しますって言ったら、絶対に駄目って言われるわね。お腹をさすりながら扇子を戻す。お嬢様。私はお嬢様。さっきの悲鳴を聞かれていませんように。

 

「ガハハハハ! 結構、結構! 地中海の風に吹かれながら飲む美酒は格別じゃのう!!」

 

……お祖父様には、お作法のお説教はないわけ?

 

金糸の紋付羽織袴。よそのテーブルからも丸見え。さっきからシャンパンがすごい勢いで減っているし、あの笑い声、楽団の演奏よりよく聞こえるんだけど。

 

隣にはドルバル様とフレイ様。日本代表の顔ぶれとして、これでいいのかしら。ドルバル様は落ち着きがあって素敵だけど、フレイ様はまた響子伯母さんのことを考えていそう。さっき日本の話題になった途端、身を乗り出していたもの。

 

伯母さん、今はアスガルドよね。ちゃんと連絡してるのかな。

 

聖域からの出席者はいない。ソロ家とは距離を置くんですって。パパは財団の総帥として来ているし、ドルバル様は聖域にも籍がある。その辺の区別、難しいわ。

 

アッシュさんにもお誘いは送ったのよ。

 

イタリアにいるんだから近いでしょう、遊びに来ればって。返事は一秒。多忙につき却下。早すぎる。少し悩んでくれたっていいじゃない。

 

私だって、蛍子を日本に置いてくるのは気になった。幽助はまだ試練の最中。今日、ちゃんとご飯を食べたかな。帰ったら電話しよう。土産話で笑わせてあげたい。

 

「沙織さん」

 

……はい。今、私の顔、絶対に緩んだ。

 

黒のタキシード。蝶ネクタイ。ちょっと落ち着かないのか、首元に指がかかっている。

 

星矢、それ、すごく似合ってる。言いたい。何回も言いたい。さっき車を降りた時にも言ったけど、もう一回くらいよくない?

 

今夜の私の専属護衛。

 

つまり、お仕事の間はずっと隣。誰に呼ばれたって一緒。移動する時も一緒。

夜会って素晴らしいわね。

 

「星矢ぁ……か弱い私を、守ってね……?」

 

腕にそっと手を添える。逃げない。よし。

 

か弱いに引っかかった人、ちょっと黙ってて。好きな人に守ってほしいってお願いして、何が悪いの。

 

実際、使える小宇宙は少ないのよ。神の機工を押さえておくために、九割以上も取られている。気を抜いたら、また身体を好きに使われるかもしれない。あんなことは二度とごめんだわ。

 

自由に出せるのは白銀聖闘士くらい。普通の相手には負けないと思う。

ただ、神様相手はきつい。アスガルドで祈った時も、指輪の呪いを押し返した時も、内心は必死だった。

 

ヒルダの前で格好つけすぎたのよね。次に会ったら、余裕だったって顔をするのはやめよう。

今夜は星矢に頼っていい。うん。これは立派な護衛のお仕事。

 

「星矢。沙織の婚約者たるもの、社交界の場でも失礼のないようにな」

 

「ああ……、いや、はい! 心得ております、総帥!」

 

聞いた? 今、パパが言ったわ。私が言わせたんじゃないわよ。星矢も否定しなかったし、ちゃんと返事をした。

 

ああ、駄目。扇子で口元を隠さなきゃ。

 

幸せ。もう帰りたいなんて言わない。お誕生日おめでとう、ジュリアンさん。お料理もきっとおいしいし、今夜は最高のパーティーよ。

 

 

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 

 

また送信履歴を確認してしまった。

 

余のアドバイスの賜物???

 

何だ、この文章は。誰に向かって、何を誇っている。海運事業の利益については父上から説明を受けた。私の助言など入る余地はなかったはずだ。

 

削除しようとして、やめる。消してしまったら、後で確かめようがない。

 

侍女に抱きついた件も同じだ。相手を不快にしたのなら謝る。それは当然だろう。

ただ、何を言って近づき、なぜそんな真似をしたのか、本当に思い出せない。

 

父上には言い訳と受け取られた。

 

三時間の正座。あれをもう一度やれと言われたら、今度は途中で倒れる。足の痺れより、話が通じないことの方がつらかった。

 

今日は十六歳の誕生日だ。誰に会っても、立派になった、大人の仲間入りだと祝ってくれる。自分の行動の始末もつけられない私に。

 

「なあ、バイアン。私はどうすればいいと思う?」

 

「はっ。ジュリアン様も日頃から多忙な身。たまには少しばかり羽目を外しても、神はお許しになるのではないでしょうか?」

 

神は許すかもしれない。父上は許さない。

 

それに、羽目を外したかったわけではないのだが。

 

困った時にすぐ返事があるのは助かる。最近雇い入れたばかりなのに、他の使用人に話しにくいことも、この男には話せる。面接の時から不思議と居心地がよかった。

 

今も私の困り顔を見て、余計な詮索はしない。少し気楽に考えろということなのだろう。

 

端末をしまう。隅で携帯電話を見つめていては、父上の小言が増える。

 

「星矢! あの料理をとりなさ……ゴホン、とるのです」

 

「おう、任せて……おいてください、お嬢様」

 

何だ、今の言い直しは。

 

ビュッフェのそばに、白いドレスの娘がいる。

隣の少年に皿を預け、自分は欲しい料理を示しているらしい。あの扇子の使い方は見覚えがある。社交の席に出る前、私も似たような注意を受けた。

 

口のきき方は、まだ練習中というところか。

 

「星矢ぁ……私……なんだかワインで、酔っちゃったみたい……」

 

「沙織さん……未成年……だ……です。ジュースしか飲んでないでしょう」

 

肘をつつきながら、随分と甘えた声を出す。護衛らしい少年の方は、皿とグラスを持って困っている。

 

気の毒に。仕事中にあの調子で付きまとわれたら、食事も取れないだろう。

 

「涼しい夜風に当たりに……二人きりのベッドに……連れてって……?」

 

「18歳になってからと決めたでしょう」

 

「……ちっ」

 

今、確かに舌打ちが聞こえたぞ。

 

「……何だ、あの品性のかけらもない小娘は……」

 

「極東の巨大コングロマリット、グラード財団の城戸光政翁の孫娘ですな。少々……お転婆が過ぎるとは聞いておりましたが」

 

城戸家。あちらのご令嬢か。

 

アイオロス殿には何度かお会いしている。あの落ち着いた方の娘とは、にわかには結びつかない。父親の前では大人しくしているのだろうか。

 

「護衛の彼が気の毒だな。あのような山猿に振り回されるとは……男として同情を禁じ得ない」

 

私も不用意な発言には気をつけよう。知らない場所で人に聞かれていたら、取り返しがつかない。……今の一言も、少し声を落とすべきだったな。

 

入口の方から近づいてくるタキシード姿に、姿勢を正す。隣の夫人もこちらを見て微笑んでいる。携帯電話はポケットに入れた。眉間の力も抜こう。

 

「アイオロス殿。お久しぶりです。本日は遠路はるばる、ありがとうございます」

 

「ジュリアン殿。16歳のお誕生日、心よりお祝い申し上げます。ずいぶんと大きく、立派になられましたな」

 

こういう受け答えなら困らない。教わったとおり、相手のお顔を見て、話をよく聞けばいい。どの会話も記憶に残っている。自分の言葉で喋っているという実感もある。

 

あの送信履歴の主は、本当に私なのだろうか。

 

駄目だ。今は考えるな。

 

誕生日の主役らしく笑っていよう。父上の視線を探すと、向こうのテーブルで小さく頷いてくれた。

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 

首元がようやく楽になった。

 

ネクタイを緩めて、バルコニーの手すりに肘を置く。潮の匂いがする。会場に満ちていた香水と料理の匂いから離れると、ずっと息を詰めていた気がした。

 

祝辞は数えきれないほど頂いた。大きな失敗もない。父上のご機嫌も悪くなかった。

ただ、外出禁止は解かれなかった。

 

パーティーを無事に終えたことと、侍女に対する不始末は別だそうだ。誕生日に免じて少しは大目に見てほしかったのだが。

 

「ふう……なんとか長い一日が終わったか……。……む? なんだ、あの光は?」

 

岬の方角が青い。船の灯りか。違う。動かない。崖の上、古い遺跡のある辺りから、夜空へ細く伸びている。

 

工事の照明か。こんな時刻に? 父上からは何も聞いていない。

 

あそこへ行けばわかる。そう思った途端、手すりを掴んでいた。

 

……落ち着け。ここから出ようとするな。また覚えのない行動で叱られるのはごめんだ。今度こそ自分で判断する。

 

「あそこには、古代の崩れかけた遺跡以外に何もないはずだが……。バイアン!!」

 

「はっ」

 

すぐ背後から返事。頼もしい。まだ休んでいなかったのか。

 

「あの光の正体を、確かめて参れ」

 

「……は?」

 

珍しい顔をする。指を下ろさず、もう一度、言葉を区切った。

 

「『確かめて参れ』と言っているのだ。気になるが、私は今、自由に外出することができないのだ。父上に屋敷の外に出ることを禁じられていてな……」

 

あまり繰り返したくない説明だ。頼むから、そこを聞き返さないでくれ。

 

私の代わりに現地を見て、何だったのか教えてくれればいい。危険があれば戻ってくればいいし、父上への報告も私からする。

 

何をそんなに困っている。

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

オレが?

 

今、確かに、確かめて参れと仰った。

 

聞き間違いではない。二度も仰った。ご自身は外出できないから、オレをお遣いに出すおつもりだ。

 

いやいやいや、お待ちください。

 

あの青い光は、海皇様の三叉の矛。トリアイナですよ。誕生日を迎えた貴方様がお手に取る、そのためのものです。オレが見物して戻って、立派な矛がございましたと報告して、何になるんですか。

 

光にお気づきになった。お呼びがかかった。ようやく、この時だと思ったのに。

 

……そちらの理由で止まりますか、海皇様の覚醒。

 

だが、ここで神の武器があると申し上げるわけにはいかない。なぜ知っている、と問われる。ご自身の前世について説明したら、医者を呼ばれるかもしれん。

 

いや、前世という説明も変か。最近のあのメールは、紛れもなく海皇様のお言葉だ。気まぐれに表へ出ておられるのに、肝心の封印は解けていないようだ。ジュリアン様には記憶がない。

 

どこから片づければいいんだ。

 

オレが矛を抜いて持ち帰る?

 

まず、抜けるのか。海皇様のための封印だぞ。持ち帰れたとして、この部屋へ運び込むのか。夜中に武器を担いで廊下を歩く側近など、ソロ家の使用人に取り押さえられる。

 

いっそ、お父上に外出許可を願い出るか。

 

深夜の岬に御子息を連れ出したい。目的は、怪しく光る古代遺跡の調査。

 

駄目だ。オレも叱られる。

 

そもそも、今はジュリアン様から命令を頂いている。これ以上黙っていたら、側近としての信用を失う。波長が合うからと近くに置いてくださっているのだ。この関係を壊すわけにはいかん。

 

「どうしたバイアン? 何か不都合でもあるのか?」

 

あります。貴方様がお越しにならないことが、最大の不都合です。

 

「……い、いえ! 滅相もございません!ただちに……ただちに確かめて参ります……!」

 

承知して、どうする。

 

とにかく現地へ行こう。封印の様子を見れば、何か思いつくかもしれない。抜けなければ抜けないで、明日ご本人にお越しいただく理由を考える。外出禁止をどうにかするのが先か。父上の機嫌を取る贈り物に詳しい使用人は誰だった。

 

違う。海将軍の仕事はそこじゃない。

 

背後では、室内へ戻る穏やかな足音。お休みになるんですね。

 

ええ、お疲れでしょう。大勢のお客様に挨拶をなさったのだから、よくお休みください。

 

オレは今から、貴方様の矛を見に行ってきます。

 

……シードラゴン、そっちは今、連絡がつくだろうか。




【アッシュの用語集】

■ジュリアン・ソロ

世界的な海運王ソロ家の御曹司。

今回、十六歳の誕生日を迎えた。

礼儀正しく、非常に真面目な青年だ。

最近、身に覚えのない行動やメールに悩まされているらしい。

……気の毒に。

■ソロ家の十六歳

ソロ家では、十六歳を大人の仲間入りとみなす習わしがあるらしい。

今回の誕生日パーティーも、そのお披露目を兼ねたもの。

ただし、父親からの外出禁止令は有効。

大人への道は厳しいな。

■城戸沙織

グラード財団のお嬢様にして、女神アテナ。

今回は清楚なドレスで社交界へ参加。

本人は立派なお嬢様として振る舞っているつもりらしい。

……沙織ちゃん。

扇子を持てばお嬢様になるというものでもないぞ。

■神の機工

アテナの権能と深く結びついた、神々の仕組み。

沙織ちゃんは現在、その影響を抑えるために小宇宙の大部分を使っている。

自由に扱える力は白銀聖闘士程度。

強大な神の力を持っていても、自由に使えるとは限らないわけだ。

■星矢の護衛任務

今回、星矢は沙織ちゃんの専属護衛として夜会へ参加。

タキシード姿も板についているようだ。

アイオロスさんからは婚約者としての自覚も求められている。

頑張れ、星矢。

いろいろな意味で。

■バイアン

ジュリアンの側近として仕える青年。

主君からの信頼も厚い。

今回、海皇に関わる重大な事態へ直面したらしい。

しかし、本人より先に解決しなければならない問題がある。

……ジュリアンの外出禁止令だ。

■三叉の矛(トリアイナ)

海皇ポセイドンを象徴する神器。

今回、古代遺跡から青い光を放ち、ジュリアンの注意を引いた。

本来なら、ここから海皇覚醒へ向かうはずだったらしい。

ところが――。

主君が外出禁止。

…………。

神話の進行まで親の許可が必要なのか。

■ソロ家の父上

ジュリアンの父親。

御曹司である息子を、かなり厳格に教育しているようだ。

不適切な振る舞いには三時間の正座。

さらに外出禁止。

結果として、海皇覚醒の妨げになっている。

……神々の暴走を抑える方法が、意外なところにあったな。
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