聖闘士星矢異伝 〜聖域なき聖域改革、時代遅れの場所には住みたくない〜   作:斉宮 柴野

81 / 199
燃えろ――乙女の小宇宙(コスモ)!

聖域の恋路は、神話級の障害だらけ!
だが、教皇補佐官エレナはついに決意した。

誰にも、何者にも、アッシュ様との二人きりを邪魔させない!

その名も【プロジェクト・エデン】発動!

偽りの危機は聖域全土を飲み込み、黄金聖闘士たちは遠き北欧へと釘付け――
教皇も、聖闘士も、AIすらも排除した完全無敵の密室空間がいま誕生する!

秘書力全開、勝負下着フル装備。
今宵こそ恋のすべてを成就させるため、エレナは愛と情熱の全力疾走を始める!

だが――
その先に待ち受けるのは、「神(物理)」の鉄壁ディフェンス!?

果たして秘書の恋は、神話をも超えられるのか!?
今、恋と神話と勝負下着の24時間が幕を開ける――!

次回、
『プロジェクト・エデン発動!恋と神話と勝負下着の24時間』
「愛の奇跡は、まだ終わらない――!」


プロジェクト・エデン発動!恋と神話と勝負下着の24時間

私はエレナ、聖域の教皇補佐官、参謀長アッシュ様の右腕――そして、誰よりもアッシュ様を愛する女。

 

だけど、この二年間。

どれだけ忠義と情熱を捧げても、私とアッシュ様の二人きりの時間はことごとく“邪魔”され続けた。

仕事の合間も、夜間作業も、あの金髪バラ男や冥界組のバカや、果ては教皇(サガ)や白銀たち、さらにはアッシュ様自作の自動警告システムまで、私の“ロマンス”に容赦なく割り込んでくる。

 

……だが、私はついに悟った。

 

「邪魔が入るなら、邪魔できない状況を作ればいい」

 

 

 

【プロジェクト・エデン――発動】

 

 

 

準備は完璧だった。

聖域ネットワーク最高権限は既に私の手にある。

まずは「北欧アスガルドからの大規模侵攻の兆候」という、壮大すぎる偽情報を各部門へ同時発令。

AI警備システムも手動で“最高警戒モード”に切り替え、各黄金聖闘士を「対アスガルド防衛・レベル7非常招集」の名の下、

教皇シオン(中身サガ)ごと十二宮の最遠端――しかも24時間、交代無しで待機させる。

 

サーバーログはすべて“エレナ式・隠蔽アルゴリズム”で改ざん済み。

デスマスクもアフロも、今頃「防衛戦だ!鍋だ!」と宴会しているはず。

ムウやカミュのモニタリングも、ついでに氷漬け&転送遅延で誤魔化す。

 

こうして――

聖域は一瞬にして“無人島”と化した。

アッシュ様の執務室は完全に隔離された要塞、そして――

「ここにいるのは、私とアッシュ様だけ」

 

 

 

さて、準備は万端。

下着も“勝負用”ピンクのレースセットに着替え、ストッキングも新品。

(本日はサイクル的にも危険日、授かり体制オールグリーン……!)

 

念入りにリップを引き直し、髪型もふわっと巻いて、“秘書モード”最高出力で執務室のドアを開ける。

 

 

 

「参謀長。緊急事態が発生しました」

声はいつも通り、完璧な冷静さを装う。

「これより24時間、外部との通信は完全に遮断されます。この危機を乗り越えられるのは、私と貴方様だけです」

 

アッシュ様が、いつもの慌ただしいデュアルディスプレイ作業の手を止めてこちらを振り向く。

 

「エレナ、どういう状況だ……!?サーバーも通信も全部ダウンしてる。防衛隊は?教皇は?」

 

「すべて私の指示通り。聖域外部との連絡は不可能です。

今この部屋で“聖域の運命”を決める会議を開けるのは、アッシュ様と私だけです」

 

“会議”と言いつつ、私の内心は熱狂的に叫んでいた。

 

(やった……!やったわエレナ!これで今日こそ、二人きり!!外部に連絡も救援もできない!

誰も、絶対に、どんな神も仏も、私たちの間に割り込めない!!

本日の目標はただ一つ――「参謀長、貴方様の全てを、私が征服します!!!」)

 

 

 

アッシュ様はメロンソーダを片手に、「じゃあ、今夜は徹夜になるかもな……」と覚悟完了の顔。

 

(違う、徹夜するのは“業務”じゃなくて“愛の営み”です、アッシュ様!)

 

内心、勝利のガッツポーズで机に寄り、「本日必要な書類と、夜食もご用意しております」と密着。

 

香水の甘い香りと勝負下着の自信で、私は今、史上最強。

 

「エレナ、ありがとう。君がいなかったら、どうなっていたことか……」

 

(今夜、貴方様は“私のもの”になります!全責任は秘書が取ります!何もかも、全部、全部受け止めます!)

 

 

 

だが……現実のアッシュ様は――

「まずは“危機管理マニュアル”から確認しよう」と真顔でサーバー再起動。

「この状況、俺とエレナだけなら“書類仕事”で夜を明かすのが最優先だよな?」と、神聖な書類山を抱えて机に座る。

 

 

 

(ち、違う!!私は今夜、参謀長の“案件”を全て完遂する覚悟でここに来たのに!!)

 

だが、ここで引く私ではない。

 

「参謀長、今夜の案件は“リスクマネジメント”の再確認だけです。

ほかに必要なことがあれば……何なりとご命令を」

 

机の下でそっと手を伸ばし――(膝ポンから、指絡め……)

 

 

 

「……エレナ?」

 

「はい、何なりと……」

 

(あと一歩!あと一歩なのに……!!)

 

 

 

その瞬間、メロンソーダが机の上でこぼれ、「あ、しまった!」とアッシュ様が大慌て。

服にかかったソーダを、急いで拭こうとして手がぶつかり――

「大丈夫です、私が拭きます!」

「いや、自分でやるから!」

「私が、責任をもって……!」

「大丈夫、エレナ……!」

 

二人で机の下でモジモジしながら、結局“普段よりも距離が近いだけ”で夜は更けていく。

 

 

 

(うわああああ、あと一歩だったのに!!)

 

だが、この状況を生み出せた自分に100点満点。

「24時間、二人きり」はまだまだ続く。勝負はこれからだ!

 

これが私、エレナの、人生最大にして最強の「勝負の日」――

そう、プロジェクト・エデンの夜。

外は静寂に満ちている。聖域のAI警報も黄金聖闘士たちも、教皇ですら私の手のひらで踊っている。

今ここにいるのは、私とアッシュ様だけ。

 

外の世界は完璧に遮断、業務も何もかも全部私の計画通り。

勝負下着も最新・最強。何もかも妨げるものなどない。

 

アッシュ様は(相変わらず騙されやすいなぁ…愛しい!)と呆れながらも、本気の顔でモニタを睨んでいる。

 

「なんてことだ…アスガルドがこんなにも早く侵攻を?ヒルダはまだ幼いはず…!北欧との戦闘がここまで早いとは…!」

 

(ふふふ、アッシュ様。あなたは本当に信じやすくて純粋で…最高です!!)

私は背後からそっと近づき、肩に手を伸ばす。

 

「参謀長……長期戦に備え、まずは休息を……」

(そう、今夜こそ。今夜こそ絶対――!)

 

手がアッシュ様の肩に触れ、ゆっくり振り返ったその刹那。

 

 

 

ドッゴォォォォン!!!

 

 

 

轟音。

振り返ると、執務室の壁が爆裂四散し、粉々の瓦礫の中から一人の鬼が、いや――

 

教皇猊下(中身サガ)、爆誕。

 

「アッシュゥゥゥ!!緊急事態だ!非常招集の直後に北欧に派遣していたカミュとの連絡が途絶えたとの報告が入った!!まさか…まさかカミュが!!」

 

 

(え?)

 

 

“計画は、『嘘から出た真実』によって、物理的に破壊された”

 

その瞬間、心の中で何かがバキバキと音を立てて崩れていった。

 

教皇猊下は瓦礫をぶち破りながらアッシュ様に詰め寄る。

「アスガルドは仮想敵のはずだった!なぜカミュの行方が…!?」

 

(いや、仮想敵どころか完全な“嘘”だったのですが…)

私の偽装侵攻アラートが、現実の「通信途絶事件」と結びついて、最大級の大惨事に。

 

「直ちにアスガルドへの使者を派遣するぞ!参謀長も準備しろ!」

「エレナ、至急対北欧遠征計画を立ててくれ!」

 

(ウソ……嘘から始めた計画で、ホントに全面遠征?聖域全軍の大移動?)

 

 

――そして始まる地獄のデスクワーク。

 

黄金聖闘士たちの名簿、派遣経路、予算案、現地連絡用AI回線の復旧手順、さらには備品調達(メロンソーダ100ケース)、

教皇からの無茶振りFAX「現地で北欧神話についてレポート提出せよ」など、

地獄の業務が、一気に私とアッシュ様に襲いかかる。

 

(ちょっと待って!?今夜は勝負下着だったはず、なぜ机の下で予算案を印刷してるの私!?)

 

 

 

ふとアッシュ様の横顔を盗み見る。

 

真剣な顔でキーボードを叩く姿、ちょっと乱れた髪――(はぁぁ、好き!でも今日は“公務”だけで朝になりそう!)

 

「エレナ……この資料、助かる」

「お任せください。北欧式の寝袋も三十個、聖衣専用の防寒カバーも発注してあります!」

 

(ああ、もっと見つめて!もっと頼って!でも、今日だけは違うの……!)

 

 

 

なのに教皇様は邪魔!会議が終わった後も「北欧派遣の名簿、朝までにまとめてくれ」だの

「アスガルドの地図、最新版が欲しい」だの挙げ句の果てにカミュの好物リストまで作成させる。

 

(貴方こそ真の“壁”ですシオン様!!アッシュ様と私の運命の壁!!)

 

私が意地になって(勝負下着の上にジャージを重ね着して)二人分の夜食を作っても、

教皇が夜食の差し入れを持って現れて、リモートワークまで見張ってくる始末。

 

(……この人、もしかしてわざと?)

 

 

結局、私の“プロジェクト・エデン”は、物理的にも神話的にも叩き壊され、

未明には「対北欧遠征・追加案」まで上司のデスクに提出していた。

 

(今日が危険日だった意味、完全に消えた……)

 

 

だが、私は負けない。

 

教皇猊下――いや、あなたがどれだけ権限を使って私たちを引き離しても、

エレナの恋心は“聖域ネットワーク”以上に粘り強いのです!

 

アッシュ様、次こそは絶対――

もうAI警戒も嘘アラートも、教皇経由の物理バーストも全部上回る究極の“二人きり作戦”を編み出します!

 

だって私は――

 

「神すら乗り越えたい、愛する女」だから!!

 

 

 




デスマスク「よお、エレナ。今日も“参謀長命”に身を焦がしてんのかい?」

エレナ「当然です。アッシュ様のためなら、たとえ聖域全軍を北欧に送り込むことになっても――」

デスマスク「おいおい、今度は神話級の大芝居まで打ちやがって…その執念、マジで黄金レベルだぜ。……ってか、師範、全然気づいてないな?」

エレナ「(やや不満げに)…参謀長はお仕事一筋ですから。ですが、私は決して諦めません!恋も業務も、最後まで全力です!」

デスマスク「いや~、お前みたいに“熱量”高い女は嫌いじゃねえよ。
昔のオレなら“ウザい”で終わりだったけど、今じゃ応援したくなる不思議。」

エレナ「応援、ですか?」

デスマスク「ああ。“勝負下着”まで用意して玉砕上等、そこまで全力投球できる奴はなかなかいねぇ。
ま、オレも昔は“全力で惚れた”って女が――」

エレナ「語ると長そうなので省略します。
――デスマスク、もし次こそ二人きりになれそうだったら、こっそり誰も入れないように見張っていてください」

デスマスク「なんだよ、それ。まあ、ヒマだったら見ててやるよ。
“恋の成就”も“冥界送り”も、お前ならどっちもやりかねないからな!」

エレナ「ええ、どんな障害も必ず乗り越えてみせます。
恋にかけては、神も悪霊も関係ありません!」

デスマスク「その心意気だ!じゃ、次は“報告書”じゃなく“のろけ話”を待ってるぜ、エレナ!」

十二宮編の最後は誰と誰の対決に?

  • アッシュと星矢
  • サガとアイオロス
  • アッシュとアイオロス
  • サガと星矢
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。