夕暮れ時、塾に向かう最中…
「塾に向かうのも地獄だね」
ショウウィンドウに飾られてるマネキンと服たちよ。
この瞬間だけでもいいから服になりたい。
マネキンになりたい。
「ヒュー」
「ん?」
「そこのチビお姉ちゃん」
「YOU?」
「人を指差すな。しかもチビじゃねぇ。男だ男」
「何センチよ?」
「175cm」
靴を指差し
「3~4センチ誤魔化して無い?」
「誤魔化してねぇよ」
「誤魔化して無い?」
「しつこいぞ」
「それじゃ」
「うんうんそれじゃって待てい!」
「私には用事ないけど?」
「俺にはあるんだよ!」
「カッコいいね」
「そ、そうか」デレデレ
「うんうん、それじゃね~」
「それじゃ~って、また待ていぃっ!」
「私は急いでいる。そしてアンタはカッコイイ。それでいいじゃない」
「だからそういう意味じゃなくて」
「でもカッコいいよね?」
「カッコいいけど…はぁ、このお嬢ちゃんと話してるとペースが乱れる」
「それなら話さなきゃいい。それじゃ」
「もう、単刀直入に言うぞ」
クルリと振り返り
「どうぞ」
「お姉ちゃん、俺とお茶しねぇ?」
「もう少し大声で」
「お姉ちゃん、俺とお茶しねぇっ!?」
「もっと大声で」
「お姉ちゃんッ!俺とお茶しねぇッッ!!」
「もっともぉ~~っと、大声で」
「お姉ちゃぁぁぁぁんッッ!!俺とォォォォッ!お茶しねぇぇぇぇぇぇッッ!!」
スタスタスタ…
「ぜぇはぁ…ぜぇはぁ…」
ヤダー!アノヒト
オカシイワ
キガ、クルッテルノヨ
「あの女ぁ…」
スタスタスタスタスタ…ビュゥゥゥゥンッ!
キュキュッ!と止まり、アマテの前に立ち
「テメェ、俺に恥かかせてくれたな?」
「…」キョトーン??
「可愛く首傾げても誤魔化されねぇからなぁ!」
「どうすれば?」
「俺に恥をかかせた礼はさせて貰う」
アマテはスカートのポケットから財布とペンを取り出し
「ほぅ、話が分かるじゃないか」
財布の中から紙を取り出し、その紙に何かしらを書きその男に手渡し
「お詫び代」
スタスタスタ…
「ほう、つまりは小切手か…またアイツ見つけたら今度はタカってやろうk」
おわびだい
いちまんはいと
しね!ばかやろう
「ア"ーーーーーーーーーーーーーっっ!!」
チャラ男、街中で怒りの雄たけび!
「許さねぇ!!」
ビリビリィッ!とそれを破りとりあえず地面に叩きつけるチャラ男!
「あ、あの女ぁ…こ、ころ、ころしてやる…」
全速力で追いかける!
しかし!
ドンッッ!!
「テメェ!どこ見て歩てるんだァ!」
「ぶつかって申し訳ない。大丈夫ですか?」
「この野郎…許さねぇぞ」
「は、はぁ…」
「エグザベ君…」
「そこの女ぁ、チッ…彼氏連れかよ」
「ポ…ッ」赤面
「いや、そういうわけじゃないんだが」
「フンッ!」
渾身の肘撃ち
「こ、コモリしょぉ…じゃなくて、コモリ。なにを…」
「ふ~~~~んだ!」プンスカ
「チッ…クソ、あの女見失ったか。お前が邪魔をしなければ!!」
「はぁ、申し訳ない」ペコリ
「テメェ、詫び代寄越せ。詫び代をよぉ!」
「それは出来ない。ぶつかったのは謝る。だからといって…」
「うるせぇっ!」
「うわぁ、ただの八つ当たりで最悪…ゲロマズぅ~」
「この…アマぁ」
「何?やるの?」
指ボキボキ
「二人とも止めろ。自分が悪かった」
「うるせぇ!」
エグザベの頬に右ストレート
「ッ…!?」
「大丈夫?エグザベ君!」
「大丈夫だ、大したことない…君、これで気は済んだか?」
「こ、の…」
「済まないが、もう一度殴る気なら反撃はさせて貰うよ。何度も殴られるのは流石に痛いからね」
「舐めるなぁ!」
「警告はしたよ」
エグザベは殴って来る男の片腕を掴み
「いでででででででっ!!」
あっという間に腕を捻り上げ、たやすく地面にねじ伏せる。
「さっき殴られて分かった。君じゃ僕には勝てないよ」
「エグザベ君。そろそろ…」
「分かった。いいかい?今から君を解放する。もしこれ以上僕に何かしてくるならそれ相応の手段を取らせて貰う…いいかい?」
ギリリリリッッ!!
「腕がぁっ!折れ、折れるぅぅぅぅぅっ!!」
「これでは折れはしないよ。ただ、次掛かって来たら勢い余って折るかもしれない。次は少し本気だすからね」
パッ!とエグザベはチャラ男を解放し
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」
チャラ男は逃亡し
「エグザベ君…」
「コモリが無事でよかった」
「ちょっと近くのドラッグストアに寄ろうよ。そこでその怪我の…」
「気持ちだけ受け取っておくよ。これはソドン内の医務室で治療してもらうよ」
「しかし、あの野郎…誰を追いかけてたんだろう」
「さぁ…」