作り売りの探索者   作:六道むくろ

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11話

 『荒れ果て町』もそろそろ行くのに飽きてきたところのため、次のダンジョンに挑戦することにした。

 レベル15から行くことのできる『獣の森』に今日は挑戦してみる。

 

 早速ダンジョン局に行って、ゲートをくぐり『獣の森』にまでやってきた。

 『ざわめきの森』に雰囲気は似ているが、ここの森は獣系の魔物しか出てこないためわずかに植物の様子も変わっている。

 

 私は腰にぶら下げた『赤蟷螂の刀』をいつでも抜けるように触りながら森に入った。

 

 入ってすぐにこのダンジョンでは初となる魔物が現れた。

 その姿は真っ黒なイノシシだが、その身体能力はイノシシの数倍ともされる魔物『ブラックボア』だ。

 ブラックボアは私を見るなり突進をしてくるが、強化された運動能力で軽々と回避する。

 そのままブラックボアは木に激突し、木を幹からへし折った。

 ブラックボアは木にぶつかった衝撃で足元がおぼつかなくなっている。

 

「ウィンドエッジ」

 その隙をついて、私は風の刃でブラックボアを切り刻んだ。

 ブラックボアは少しうめき声をあげると、ドロップアイテムを落として霧となって消えていった。

 『黒猪の牙』と『黒猪の毛皮』がこの魔物のドロップアイテムであり、これらの素材は装備品に使われることが多いので買取価格も1つ20000円もする。

 私はそんな素材を拾い、どんなものに使用するか考えながらアイテムポーチに突っ込んだ。

 

 それから少し進むと、次に現れたのは巨大な角の鹿『ビッグホーン』であった。

 この魔物は巨大な角を振り回して攻撃するが、遠距離攻撃への対処ができないため楽に倒せる魔物だ。

 実際、私の魔法で瞬殺できる程度の強さなのでとても楽だ。

 ドロップアイテムは『大鹿の巨角』で、成金がよく部屋に飾っている。

 素材としては耐久性が微妙とされるため、武器には使われていない。

 一応5000円くらいで買い取ってくれるのでアイテムポーチに突っ込む。

 

 その後も数体の魔物を倒して奥に進んでいく、このダンジョンにはボスが存在するため、奥に行く必要があるのだ。

 進んで3時間ほどでそのボスのエリアまで進んでいくことが出来た。

 私は堂々とそのエリアに侵入し、目の前にいるボスの姿を見る。

 それは全身が赤く輝いている熊であった。体長は5mと大きめだが、それ以上に目立つのは爪だろう。

 その爪は炎を纏っており、時折火の粉で地面の草を焦がしている。

 これがこのダンジョンのボス『グリルズリー』だ。

 ふざけているような名前だがとても強く、毎年100人程の探索者が殺されている。

 

 私がエリアに入った途端にグリルズリーは吠えて威嚇をする。

 そして私が逃げないと察すると、両腕のから炎を放ってきた。

 この魔物の攻撃は爪による一撃と、突進。遠距離時のみ使用する炎飛ばしである。

 

 私は急いで炎を回避し、牽制程度に風の刃を放った。

 風の刃はグリルズリーに命中したが、わずかに出血させる程度の効果しかなかった。

 グリルズリーはすぐに炎を放ち、突進してきた。

 私はそれも何とか回避するが、突進を急に止めてグリルズリーが爪の一撃を放ってきた。

 

「しまっ……!」

 私はその爪の一撃が直撃し、吹き飛ばされる。

 防具のおかげで引きちぎれはしなかったが、防具は砕け散り右腕はギリギリつながっている程にダメージを受けてしまった。

 すぐにアイテムポーチから『回復ポーション』と取り出して、右腕にかけるが痛みが和らぐ程度の効果しかない。

 

 グリルズリーは更に突進で私を轢き殺そうとしてくる。

「エアロアッパー」

 私はイチかバチか新しく覚えた風魔法を試してみた。

 発動した瞬間、上昇気流が発生して私を宙に巻き上げた。

 グリルズリーも少し体勢を崩して突進が中断されている。

 

 しばらくの間はグリルズリーの攻撃が届かない場所に来たため、私は素材を錬金してみる。

 今回使うのは『大鹿の巨角』である。作りたいものがあるのだ。

 瞬時に角は5本の手槍となり、私の手に握られた。

 

 錬金が終わった瞬間にエアロアッパーの効果も消え、私は下に落ちる。

 グリルズリーも私の落下地点で殺すために待ち構えている。

 落下しながら私は『大鹿の手槍』をグリルズリー目掛けて投擲した。

 投擲した手槍は全てグリルズリーに突き刺さる。

 手槍の痛みでグリルズリーはよろめいて隙が出来ている。その隙を私は見逃さなかった。

 『赤蟷螂の刀』でグリルズリーを頭から切断する。

 

 グリルズリーは抵抗もできずに左右に体が分かれて消滅した。

 私はドロップアイテムを拾う前に近くの葉を数枚千切り、錬金する。

 

『上回復ポーション

 効果:傷を治す

 効果が上昇した回復ポーション。

 このレベルのポーションなら、欠損までなら治る。

 才能がある者しか作ることはできないので数は少ない。』

 

 思った通り、効果量の高いポーションを作ることが出来た。

 それを右腕にぶっかけると、千切れかけた腕が気持ち悪い動きをし始めて元に戻った。

「大丈夫そう……」

 私は右腕を動かして確かめると、しっかりとくっついていた。

 

 安心した私はグリルズリーのドロップアイテムを拾う。

 このボスが落とすのは『火熊の毛皮』と『火熊の炎爪』だ。

 両方ともいい素材で、これを使った装備は装備していると『ファイアボール』を放つことが出来るようになるとネット上では言われている。

 即ち、炎魔法が使える私には必要のない装備の材料なのだ。

 

 私は疲れたのでダンジョンから出ると、家に帰ってグリルズリーの素材を錬金することにした。

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