作り売りの探索者   作:六道むくろ

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12話

 『フランベアー』の討伐に成功した私は家に帰って錬金を開始する。

 今回の素材は自分には必要ない物のため、取引サイトに流すことになる。

 

 魔力を『火熊の炎爪』に流し、武器を錬金する。

 爪の大きさは80㎝もあるため、それを活かすために拾った木の棒も素材にした。

 

『名前:火熊の豪剣

 特殊効果:装備時『ファイアボール』使用可。炎熱耐性(小)

 『火熊の炎爪』を刃に使用した太く熱いとても硬い剣。

 耐久性に優れているが、切れ味はあまりよくない。 』

 

 あまり剣として重要な切れ味はよくないようだが、長くは持つらしいので長時間ダンジョンに潜る人にはいいかもしれない。

 私は取引サイトに出品をして、『火熊の毛皮』の加工に移った。

 今回は寒いダンジョンで使えるような防具を作ってみる。

 

『名前:火熊のバトルコート

 特殊効果:寒冷耐性(小)。炎熱耐性(小)

 『火熊の毛皮』を贅沢に使用した戦闘用の外套。

 戦闘にも使用できるのはそうなのだが、耐久性は鉄の装備には劣る。

 毛皮自体が高温なので寒い場所では便利だが、暑い場所では地獄。』

 

 火熊の赤い毛皮がそのままコートになったような防具が完成した。

 デザインも飾り気がないのは微妙だが、コートにあまりそんなものは必要ないと言われればその通りだ。

 私はこのコートも取引サイトに出品して、この日は疲れを癒すためにゆっくりと過ごした。

 

 次の日、新たなダンジョンに挑むために私はダンジョン局に来ていた。

 レベルが20になったため、新しいダンジョン『響きの海岸』が解放されたのだ。

 

 私がダンジョンゲートを通ると、そこは日光でキラキラと輝く砂浜と一面の海だった。

 砂浜にはバカンスをしている探索者の姿も見える。

 それほどまでにこのダンジョンは安全だ。魔物もこちらから襲わない限り攻撃してこないので、観光まで出来ると上位の探索者からも人気のダンジョンとして有名である。

 

「一人?俺らと遊んでかない?」

「……結構です」

 入ってすぐに、チャラそうな男性に話しかけられるが断る。

 男女交際など探索に必要ないというのが大体の探索者の意見なのだ。

 

「まあそう言わずにさぁ……!」

 男性の一人が手を伸ばしてくる。

 しかしその手は私の腕を掴むことは無かった。

 手首から先が消滅したのだ。このダンジョンの特徴を知らなかったらしく、男性たちは戸惑っている。

 この『響きの海岸』のボスは不純なことを嫌い、不純なことをしようとすると躊躇なくボスの特権か何かで殺しに来る。

 手首を失った男性は、切り口から徐々に液状化して跡形もなく消えてしまう。

 

 残った男性は私がやったと思って攻撃しようとするが、逆恨みの犯行は不純とボスが認識したのかすぐに液体と化して消滅してしまった。

「……怖っ!」

 私は情報としては知っていたが、目の前で人が液体と化して死ぬのが怖かった。

 それでもこのダンジョンに挑み、ボスと会話をしてみたいので歩き出した。

 

 砂浜には日光浴する探索者の他に、2mはあろうかというヤドカリが歩いている。

 このダンジョンの魔物の1体『ラージクラブ』だ。硬い貝と大きなハサミが特徴的な魔物である。

 手を出さなければ安全なので私も無視して歩き続ける。

 

 しばらく歩いていると、人気も少なくなったので周りに被害を出さずに魔物と戦えそうだ。

 私は早速、ラージクラブに風魔法を放って攻撃する。

 風の刃はラージクラブのハサミに罅を入れるが、そこで霧散してしまった。

 ハサミが硬すぎてダメージが入らなかったのだ。

 

 ラージクラブはすぐさま私に襲い掛かってくるが、大ぶりな攻撃に当たる私ではない。

 軽く回避して、懐に潜り込むとレベル20になったことで手に入れた魔法を使用してみる。

「『フレイムマイン』」

 発動した瞬間に、私の足元に魔法陣が発生する。

 設置型の魔法なので私はすぐに後方に跳んでおく。

 

 ラージクラブが魔法陣の上に来た瞬間に、魔法陣から炎の柱が噴出する。

 そのままラージクラブの殻を炎の柱が貫通して焼き尽くした。

 威力が高い代わりに、発動までに手間がかかるタイプの魔法のようだ。

 

 私はラージクラブのいた場所に落ちている『大宿借の大爪』を拾う。

 結構いい武器になるらしく、素材単体でも50000円になる。

 武器に加工すれば、品質によるが最低でも10万円にはなるのも鍛冶屋にとってはいい素材だ。

 

 私は更にダンジョンの奥まで進んでいった。

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