作り売りの探索者   作:六道むくろ

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14話

 家に帰った私は、早速マーメイドクインと連絡をして素材を1つもらった。

 魔力の関係で1週間に1つだけしか渡せないようだが、それでももらえる素材は自力では手に入れられない物ばかりなので十分だ。

 今回貰ったのは『剣魚の刃麟』だ。全身の鱗が刃のようになっており、頭に巨大な剣がある10m程の巨大な魚の魔物の素材らしい。

 鱗1枚でも60㎝はあるため、上級探索者の武器になって稀に出回ることがある。

 

 私はその鱗と『響きの海岸』に落ちている鉱石『水鋼』と合わせて錬金する。

 『水鋼』は鉄でありながら濃い青色をした不思議な鉱石で、この素材で作った武器には低級の水魔法を使用できる効果がある。

 今回は所謂魔剣の製造に当たるが、『剣魚の刃麟』を使った魔剣など見たことがないため興味本位で作るのだ。

 

『名前:魔剣アクアモア

 特殊効果:装備時『アクアカッター』使用可能。水中戦闘時に補正(中)

 『剣魚の刃麟』と『水鋼』という組み合わせで生まれた魔剣に属する一品。

 振るうだけで水の刃を発生させ、遠距離の敵でも切り裂くことのできる。

 その刃は海の色をしており見た者を魅了するが、作成者か認めた者以外には扱うことが出来ない。』

 

 すごい剣が生まれたと私は確信した。

 作成者である私は使えるが、他の使える人が分からないので販売も難しそうなのだ。

 そのため、今の状態では私が使うしかない。使用するまでマジックポーチに入れておく。

 持って歩くといらぬことに巻き込まれかねないためだ。

 

 魔剣作成と結果を確認した私は、昨日出品していた物の状況を確認する。

 最終的には『火熊の豪剣』は戦闘系クランのメンバーが買ったようで、20万の値が付いたようである。

 『火熊のバトルコート』はテレビで見たことのある北海道のクラン『寒空の溜息』が15万円で購入している。

 名が知られてきたのか物品がよかったのか分からないが、クランが買ってしまったのは少し残念だ。

 

 私個人の意見として、クラン内で誰が使うかによってその組織の力関係が決まってしまう。

 『寒空の溜息』はクランで共用装備として購入しているので問題はあまりないが、『火熊の豪剣』を手に入れたのはクランの構成員なので周りに自慢して変な問題を起こす可能性がある。私は基本的に自由に作るので羨ましく思った者に連絡されても困ってしまう。問題を起こすなら私とは関係ないことで起こしてほしいのだ。

 しかもレベル15から行くことのできるダンジョンの素材で作った装備を購入するということは、駆け出しくらいになってしまう。そこら辺が探索者の向き不向きがはっきりしてくるため、一番プライドが高くなりやすい時期なのもあり、問題を起こしやすいのだ。

 

 私は溜息をついてサイトを閉じると、まだ次のダンジョンに行くことはできないのでまた『響きの海岸』に行くことにしてその日は眠った。

 

 次の日、私は『響きの海岸』でラージクラブを狩ってレベル上げと素材集めをしていた。

 マーメイドクイン曰く、いくらでもラージクラブは狩ってもいいそうなのでお言葉に甘えておく。

 そうして3時間ほどラージクラブを狩りまくっていたらレベルが25に到達した。

 素材もすごく集まっているので、家に帰って錬金してから潜ってみる。

 

 『大宿借の大爪』で大量の両手剣を作成すると、私は全て出品する。

 

『名前:大宿借の剣

 特殊効果:なし

 『大宿借の大爪』で作られた両手剣。

 盾としても利用できるのである意味経済的な武器と言えるかもしれない。』

 

 説明を見ると人気な理由も分かりやすい武器だった。

 駆け出しの頃はお金が無いので盾としても使用できるならこの剣を使用するのも分かる。

 逆に言えば、お金に余裕があるのにこの武器を使う人はケチか相当この武器が好きな奇特な人間ということだ。

 

 私は出品を終えると、レベル25になったことで行けるようになったダンジョンに向かった。

 そのダンジョンの名は『獣人の洞穴』。獣人系の魔物が出現するダンジョンであり、多くの探索者が引退を決意した場所である。

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