作り売りの探索者   作:六道むくろ

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2話

 次の日、私は始まりの洞窟に潜っていた。

 

 現在の場所は1階。初心者がよくいる場所なので人が多いだろうと思った私は顔を隠すために顔に狐のお面を被っていた。

 このお面は、出来そうだったのでホームセンターで木の板を購入して錬金してみたものだ。色は白く塗られており、漆でも塗られているのかわずかにツルツルしている。木しか使っていないのになぜか色塗りと漆塗りまでされていたのだ。

 これでも人と話すのは緊張するが、被らないよりはマシなのだ。

 

(今日は2階までは行きたいな)

 そう思いながら、歩いているとゴブリンが現れる。

 試し切りの相手にちょうどいいと、昨日作ったナイフを取り出すとゴブリンに向ける。

 そして、ナイフを近づいてくるゴブリンに突き刺した。

 手に肉に刃を突き立て骨に当たった感触がするが、無視してナイフを引き抜く。

 傷口からはゴブリンの血が流れ出て、地面を濡らしているが、ゴブリンの死と共に靄となって消滅した。

 今回もドロップアイテムは無いようだ。

 

 多分だが、武器持ちゴブリンでなければドロップアイテムを落とさないんだなと思いつつ。ナイフの血を払おうとするが、靄となって消えていた。

(殺しきればその分の血は武器からも消えるんだ……)

 あまり血とか気にしなくていいんだなと感じつつ、探索を続ける。

 

 すると、新たな魔物が出てきた。

 巨大なネズミとしか言いようのない魔物『ダンジョンラット』だ。ゴブリンよりも耐久はあるが、武器を持たない分攻撃は劣るとされる魔物である。

 

 ナイフで攻撃しようと思ったが、よく考えたら魔法が使えることを思い出した。

 魔法を使おうとした瞬間に、頭の中に魔法の名前が浮かび上がる。その中から分かりやすい名前の魔法を発動した。

「ファイアボール」

 私がそう言い、腕をダンジョンラットに向けると掌から炎の玉が放たれる。

 炎の玉はダンジョンラットに命中して、軽い爆発を引き起こす。

「えっ!爆発するタイプなの!?」

 爆発するとは思ってなかったので驚いたが、しっかりとダンジョンラットを殺すことは出来ている。

 今回はドロップアイテムを落としたようで、さっきまでダンジョンラットがいた場所には灰色の毛皮と10㎝程の歯が落ちている。

 『迷宮鼠の毛皮』と『迷宮鼠の前歯』だ。とても安く売れる素材であり、両方合わせて500円程度で取引される。

 

 しかし、黒璃は錬金スキルが使用できる。いくつか集めれば装備として作り変えることが出来るのだ。

 そのため、黒璃はダンジョンラットを探す。

 

 初心者が多い階層なので倒されており、数は少ないがそれでも多少は生き残りもいるし、新たに生まれた魔物もいる。

 そのため、30分ほどで素材が集まった。

 

 すぐに、『迷宮鼠の毛皮』5枚を使って錬金をすると、毛皮は綺麗な灰色のマントとなる。

 

『迷宮鼠のマント

 特殊効果:なし

 『ダンジョンラットの毛皮』で作られたマント。

 通常の布で作られたマントに比べ、肌触りが良い。

 あの汚らしい毛皮から作られるとは、言われなければ分からないだろう。』

 

「地味だし結構いいかも」

 そう言いながら迷宮鼠のマントを装備する。背後からの攻撃からこれで身を守れるだろう。

 

 そして、『迷宮鼠の前歯』も錬金してみる。一つ一つは小さいため、全部使ってみる。もう少しリーチの長いものが欲しいと思いながら魔力を素材に流す。

 すると、一本の剣が作られた。鍔が無い刃と持ち手だけで構成されたシンプルな少し黄ばんだ灰色の剣だ。

 

『迷宮鼠の片手剣

 特殊効果:なし

 『迷宮鼠の前歯』を大量に使って作られる片手剣。

 汚い素材で作っているが、切りつけた者を破傷風にしたりする効果は無い。

 武器の耐久度は鉄製の剣に比べると劣る。』

 

 ナイフに比べると確かにリーチは長いため、これを使っていこうと決める。修理済みゴブリンナイフは売ればいいだろう。

 腰に携えて、いつでも抜けるようにしておく。

 

(そういえばステータス見てないな……)

 黒璃はステータスを確認する。

『名前:米田黒璃(こめだこくり)

 レベル:3

 スキル

・魔法適性(炎・風):適性属性の魔法使用可能。レベルに応じて効果アップ。

・錬金:素材を使用することで物品生成可能。レベルに応じて品質アップ。また、自分で錬金した物を鑑定することも可能。

・急速生成:作業場でなくとも物品作成可能。』

 

 いつの間にかレベルアップしていた。

 レベル3ならば2階でも余裕だろう。

 そう思いながら、黒璃は見つけた下への階段を下っていった。

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