作り売りの探索者   作:六道むくろ

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21話

 次の日、私は『暗がりの学校』に再度来ていた。前回はあまり探索できていなかったのでレベル上げも兼ねて色々な場所を巡ってみる。

 今回転移した場所は体育館であり、転移した瞬間に顔の付いたバスケットボールやバレーボールが飛来してきた。バスケットボール型の魔物は『バスケットマン』、バレーボール型のは『バレーマン』と名が付いている。

 それを私は武器を装備する暇もないので蹴って弾きながら移動していく。蹴り飛ばした魔物は他の魔物を巻き込みつつ床や壁にぶつかっていくが、ボールなので物理耐性が高いらしく、バウンドして再度高速で飛来する。

「面倒な敵だなぁ……」

 私は細身の剣を取り出すと、斬るのではなく相手の速度を利用して突き刺していく。剣が刺さったボールは空気が抜けるように萎んでいき、消滅する。

 全てのボールを破壊した後に残るのは、バスケットマンからは『球魔の硬皮』、バレーマンからは『球魔の弾皮』という素材であった。バスケットマンの方はとても硬く、バレーマンの方は硬めだがちょっとモチっとしている。

 

 体育館から出ると渡り廊下は無く、廊下に出た。ダンジョンだけあって微妙に空間が歪んでいるのだろう。

 廊下にいる学生ゾンビを退治しつつ、次に見つけた部屋は音楽室だった。

 入室してみると、浮遊するリコーダーや鍵盤が歯になっている歩くピアノが私を待っていた。

「ピアノを弾く幽霊とか動く肖像画とかじゃないんだ……」

 私は思っていたよりオカルトじゃない敵に困惑しつつも剣で切り払う。リコーダーは簡単に斬れたが、ピアノはピアノ線を全て切断するまで止まることは無く、時間がかかった。両方の魔物は素材どころか魔石を落とすことは無く、倒した甲斐が無い。

 しかし、机などにはよく分からない楽譜やらが置いてあり、持ち出すことも可能だったので戦利品として頂いていくことにした。

 

 次に入った教室は図工室で、入ると粘土でできた人形が暴れていた。

「小手調べ……『ウィンドエッジ』!」

 私は風の刃を放ち、『クレイゴーレム』に攻撃する。

 刃は容易にクレイゴーレムを切断したが、すぐに切り口から粘土の触手が伸びて切断された部位同士を接着する。再生能力を持っている敵のようだ。

「なら!『フレイムショット』!」

 次に私は炎の矢を放ち、粘土を焼き固めることにした。

 炎の矢はクレイゴーレムに突き刺さり、徐々にその体を焼き固めていくが徐々に体内に埋め込まれ始めると消火されてしまう。

「再生するし、炎も消火できるの……!?」

 私は驚きつつも、クレイゴーレムの動きを観察する。

 すると隙だと思ったのかクレイゴーレムは不格好な腕を叩きつけてきた。

 回避は容易だが、図工室には沢山の机や椅子がある。腕によって破壊された机や椅子はその破片を飛び散らせ、私に木片を突き刺そうとしてくる。本来飛ぶはずの方向ではなく、全ての木片が私の胸や首、アキレス腱を目掛けて謎の軌道で飛行してくるあたり、嫌らしい。

「『ウィンドブロウ』!」

 私はそれに対し風を吹き荒らすことで無効化しつつ、クレイゴーレムに接近する。よく考えてみればゴーレムなんだから核を破壊すればいいのだと気づいた。

 クレイゴーレムに拳を叩き込み、風魔法と炎魔法を合わせた魔法『ボンバーアーム』を使用する。腕を起点に触れているものを爆発させる魔法だ。

 腕が一瞬輝くと、次の瞬間にはクレイゴーレムを爆砕して核をむき出しにする。

「これがこの魔物の核……」

 私はその核を触りもう一度爆破して仕留めるのであった。残ったのは大量の『迷宮粘土』と呼ばれる粘土で、使い道などないためお金にはならない。

 そのため、私はこの場で錬金してみることにした。大量の粘土に手を当て、魔力を流していくと粘土はなぜか大量の焼き物に変化していった。

 

『名前:迷宮粘土の焼き物

 特殊効果:なし

 『迷宮粘土』で焼いた皿や器。

 耐久性は異常で、金槌で叩いても罅割れることは無い。 』

 

 中々にいい食器が作れたのは驚きだが、数が200個はあるので回収するのが大変だった。

 

 学校といえばプールなので行こうかと思ったが、存在しないようなので保健室に向かう。

 保健室に入ってみると、魔物の気配は無いのでここが安全地帯のようだ。いくつか低級ポーションも置かれている。

 そこでしばらく休んだ私は他の部屋も探索したが、どこも同じようにゾンビが歩いているだけだった。

 

 そのため、そそくさとダンジョンから出た私は食器を取引サイトに出品するのであった。

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