作り売りの探索者   作:六道むくろ

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22話

 次の日、ネットを確認すると『迷宮粘土の焼き物』がニュースになっていた。何か売れない記者が書いたような文だが、そこそこ閲覧数は多い。

 購入者がそこそこ人気のある動画投稿者だったらしく、実物を動画でレビューをしたためにネットニュースの記事になる程度にはバズったようだ。

 記事によると、焼き物を販売した人物について取引サイトに記者が凸したが、プライバシーの問題もあって拒否されたことや、いくつかの食器を販売する企業が販売者を探しているとのことらしい。ネットニュースなのでどこまで信じていいかはよく分からないが、私だとバレると面倒になることは分かるので取引サイトから来ている情報を秘匿した方がいいかとのメールに秘匿してほしいと返答しておいた。私は別に有名になりたいわけではないのだ。

 

 ネットニュースのコメント欄を見て不快な気持ちになりつつ、朝食を食べているとあかりちゃんから『ネットニュースを見ました!』との連絡が来た。

 それに『言いふらさないで欲しい』と返答するとすぐに『了解しました!』との返信が来たので一安心だ。あかりちゃんは私が嫌なことは多分きっとしないはずだ。ジャーナリスト達に言いふらしたりはしないだろう。

 だから私は話題を追うジャーナリストや動画配信者をどこか甘く見てしまった。

 

 その日一日家の中でのんびりとポーションづくりに勤しんでいたところ、家のチャイムが鳴る。

(珍しいな……)

 私はそう思いつつ、音を立てないようにドアスコープから外の様子を確認するとそこにはキラキラした雰囲気の男性が立っていた。手にはビデオカメラを持っており、どう見ても動画投稿者か配信者といった風貌だ。テレビの人では多分ない。

 私は誰から情報が漏れたのか思案しつつも扉から探索者として鍛えられた隠密能力で離れてあかりちゃんにメッセージアプリで連絡をする。

『どうしよう……自宅凸された』

『は? 許せませんね』

 連絡をするとあかりちゃんからすぐに返信が来た。文字からあかりちゃんの怒りが伝わってくる返信に、何故か私はビクビクしつつ音を立てないように寝室に向かって息をひそめる。

「すみませーん! あの焼き物を販売した人の家ですかー!」

 しばらく息をひそめていると、扉をガンガン叩きながら大声で男性が叫びだした。私の家は一応小さいながら一軒家だ。しかし周辺は家も建ち並んでいるため近所迷惑になる。

 私は出ようかと一瞬迷ったが、出たら出たで無許可で配信される恐れがあるので躊躇してしまう。

 

 私は一応動画配信サイトで生配信されていないか確認すると、されていた。同接数10000人と結構いるのであの配信者は人気なのかとチャンネル登録者数を見ると12人ほどだった。

(なるほど……私を撮影して一気に人気者になりたいのか)

 私は見世物にされるのは嫌なので無視すると決め、寝室でイヤホンをして音漏れをしないように気を付けて配信を確認する。

 

『あの~出てこないですね? 動画に映りたくないとかないでしょ? コメント欄で何か【凸はやりすぎ】だの【クズ配信者だの】言ってる人がいるけどさぁ……』

 見ていると何で登録者数が少ないのか分かってきた。しゃべり方がねっとりとしていてリップノイズが多く、半笑い気味なので気味が悪い。

 コメント欄は自宅凸していることへのヘイトや配信者の話し方のキモさを揶揄するコメントばかりで、それが気に入らないこの配信者は私そっちのけで視聴者と喧嘩をし始めた。

『俺がしていることはさぁ~いいことな訳! きっと焼き物作った人も有名になりたいにきまってるんだからさぁ!』

 配信者が叫びながら、苛立っているのか私の家の扉を蹴って八つ当たりを始める。

 

 私はゴミみたいな配信を見ていたが、急にパトカーのサイレンが鳴り始めた。

 そして配信画面に警察が数人現れ、配信者が捕まっている映像が流れて配信が切断された。

 ある意味で人気になれた配信者に私は苦笑いしていたが、警察に色々説明をすることとなった。

 私の中で配信者へのヘイトが溜まった一日であった。

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