作り売りの探索者   作:六道むくろ

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23話

 配信者が連れていかれ、私も警察から話を聞かれた次の日、私は探索局に呼び出しをされていた。私に関することで伝えなくてはならないことがあるとのことだ。

「度々すみませんね」

 呼び出したのは大犬走さんで、どこか気まずそうな雰囲気をしている。不思議に思いつつも部屋に入ると部屋には高級そうな和菓子とお茶が準備されている。

「ご用件はなんでしょうか?」

「実は……」

 大犬走さんに用件を聞いてみると、何とあの配信者に私の情報を教えたのは探索局の職員だとのことだ。配信者と恋愛関係にあった職員が私の住所を伝えたらしい。

「本当に職員が申し訳ございません」

 大犬走さんは職員が仕出かしたこととはいえ、探索局の問題なので謝った。

「まあ大犬走さんのせいではありません。ただ……再発しないようにお願いします」

「感謝します。それとあの配信者によって米田さんの家の場所が周知されてしまったので別の家に住んだ方がよいかもしれません。こちらで資金は用意しますので引っ越ししますか?」

「確かに今の家では危険かもしれません。お願いします」

 私は大犬走さんに指摘されて、初めて自分の家が周知されたことに気が付いた。そのため、引っ越しすることにする。

 

 それからは家の掃除や売却の手続きをして新しい住居の契約を済ませることになったのでいつの間にか1カ月経過していた。

「黒璃さん! 引っ越しおめでとうございます!」

 引っ越すとすぐにあかりちゃんがお祝いに来て、ダンジョン産の素材を数個祝い金代わりに渡してくる。

「『一角魚の角』と『雷狼の毛皮』、『鉄兵の破片』です! 強制的に1カ月の休暇になりましたが、どうぞ復帰一発目の出品に使ってください!」

 あかりちゃんはピンクのソーダを飲みながら、私へ素材の説明をしてくれる。

 どれも調べてみると私のレベルではいけないダンジョンの素材だ。

 

 早速、別の素材と掛け合わせて装備を作り出す。

『名前:一角魚の馬上槍

 特殊効果:騎乗時、威力向上(中)

 『一角魚の角』と鉄で作られた馬上槍。

 穂の長さが1mと長く、騎乗していなければ使いにくい。

 また、突くことに特化しているので振り回しても効果は薄い。』

『名前:雷狼のコート

 特殊効果:接触時、敵に雷攻撃(弱)

 『雷狼の毛皮』を使用して作られたコート。

 装備者の静電気を増幅し、接触した相手に雷属性攻撃を行う。

 味方にも触れられないので一匹狼を気取る者向けの装備だろう。』

『名前:鉄兵の小型盾

 特殊効果:なし

 『鉄兵の欠片』で作られた30㎝ほどの盾。

 特殊効果こそないが、頑丈。

 鉄製なので少々重いが、素材を落とす魔物を倒せるほどなら軽く持てる。 』

 

 作成された装備はどれもよい感じなのだろうが、結構条件があるタイプの装備だ。

 私たちが装備してもあまり使えないので出品することにした。

 すると出品した途端にすごい勢いで落札しようと値段が高くなっていく。

「黒璃さんの製作物はこの1カ月の間に人気になったんです! 話題性もそうなんですけど、他の製作系スキルを持つ人が作る物より性能がいいそうです! まあ後は黒璃さんはあまりニュースとか見ないので知らないと思いますが、ダンジョンを配信する人も出てきたので自慢目的でもあるんでしょうね!」

「配信できるようになったの?」

 私は驚く。ダンジョン内は変な感じになっているのでカメラが使えないはずだ。

「実は黒璃さんが休暇を始めた次の日に発表されまして、今はダンジョン内で配信ドローンを使って配信している人が多いです!」

「面倒そう……だけど生活していくためにはダンジョン潜るしかないか……そうだ」

 私はあかりちゃんの話を聞いて憂鬱な気分になったが、いい考えが思いついた。

 

 私は休止していた1ヶ月の間にマーメイドクインから貰っていた『海原の貝殻』と『大烏賊の墨袋』、『深海の星』を取り出すと顔を隠すための仮面を生み出す。

『名前:漆黒の狐面

 特殊効果:装備時、認識阻害(大)

 『海原の貝殻』『大烏賊の墨袋』『深海の星』で生み出された名品。

 凄まじい耐久性を持っており、竜の一撃にも耐えうる。

 『大烏賊の墨袋』の墨によって認識阻害校を持っている。

 おしゃれの為か鼻までしか隠れない。』

 完成した『漆黒の狐面』を付けてみると、どこかしっくりくる。

「いつもとは違った雰囲気で……いいですね!」

 見たあかりちゃんは興奮した様子なので、自分ではよく分からないがいい感じなのだろう。

 私はこれからダンジョンでこの仮面を着けて活動するのと決めた。

 

「……そういえばあかりちゃんは配信してないの? パリピっぽいからしてそうだけど」

「パリピ? 私はしないですね! 私がすると黒璃さんの情報が洩れるかもしれませんし!」

「なるほど、私のためなんだ。……ありがとう」

 私はあかりちゃんの優しさを受けて温かい気持ちになり、ついあかりちゃんの頭を撫でるのであった。

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