最終的に昨日売った物品は平均10万円程で売れた。
一番高かったのは『牢獄の剣』で、切れ味こそ微妙だがデメリット効果も無いのでブランド価値も含めて高くなったのだろう。
そんなことを考えながら、私が向かうのは新しく発見されたレベル20以上で入れるダンジョン『悪意の植物園』である。
中に入ってみると鬱蒼とした森のような空間が広がっており、動く植物が我が物顔で闊歩していた。
私が入ってすぐに3mの薔薇のような魔物『ローズウィップ』が茨を伸ばして攻撃してくる。
その茨を切り捨てながら、ローズウィップに接近すると茎を切断してみるがそれでも普通に私へ攻撃を仕掛けてきた。
「……どこかにある核を破壊しないといけないのかな?」
伸びてくる茨を切断しつつ、ローズウィップの核を探すが見つからない。
面倒になった私は火魔法で焼き殺して倒した。
ドロップしたのは『魔薔薇の茨』。2m程の長さの茨だ。
ドロップ品を拾うと、さらに進んでいく。
次に現れたのはハエトリグサのような頭を持つ『ビッグマウス』と呼ばれている魔物だ。口の周りを覆うように目があり、私を視界に入れた瞬間に大口を開けて頭を叩きつける。
その攻撃を回避した私は風の刃で斬りつけてみるが、傷つこうとも気にせずに茎をのばして私を食べようとしてくる。植物系の魔物は生命力が高いと言ってもこのダンジョンの魔物は異常な程に死なない。そのためか今一度周囲を見ると誰も人の姿が見えなかった。
時間をかけて数㎝単位で切り刻んでも死ななかったので燃やしてみると普通に死んだ。そしてドロップ品として『大口草の頭』を落とす。
「もしかして……燃やさないと死なない?」
私は嫌な仮説を思いついたのでこれからはこのダンジョンの敵には火魔法のみで倒すことに決めた。
それからしばらく魔物を倒していると少し開けた場所に出てきた。
私は久しぶりのボス部屋かと思い、中心まで行ってみるといきなり足元が開き、気持ち悪い壺状の魔物が出現する。ウツボカズラ型の魔物でこのダンジョンのボス『トラップポット』だ。
私が風魔法で自分を吹き飛ばして穴から遠ざかると、トラップポットの壺状の頭の周囲から蔦が伸びて地面から這い出てきた。
這い出たトラップポットの姿は5mの頭と、強固に絡まった蔦や茨で構成された体を持っており、まるでトカゲのようにも見える。
「キモイ……」
私はついついそんなことを言ってしまうが、その言葉に怒ったのかトラップポットはすさまじい速度で接近してきた。
その突進を回避するが、その瞬間に体から茨が伸びて命中してしまう。回避されたことも考えた攻撃をしてくる賢さを持つようだ。
茨が命中した左腕はズタズタに切り裂かれたが、ポーションをかけたら治った。
「『フレイムカッター』」
私はトラップポットが追撃してこないうちに炎の刃を放って攻撃してみる。
するとトラップポットに命中した炎の刃はその体を焼き尽くしたが、頭だけは燃え残る。
そして頭から蔦や茨が伸びて再生していった。
「本当に面倒な生命力……」
私は伸びてくる茨を回避しつつ、炎の刃を飛ばすがいくら切っても再生するので鼬ごっこだ。
そのため頭を狙って炎の矢を放つと普通に倒せた。
「頭を狙えばいい敵なんだ……」
私はそのあっけなさに困惑しつつも、トラップポットのドロップアイテムを拾う。
落としたのは大量の『魔力の蔦』と『溶解の壺』だ。
家に帰った私は素材を使って錬金を開始する。
『名前:悪意の茨鞭
特殊効果:攻撃命中時、裂傷付与
『魔薔薇の茨』で作られた鞭。
命中すると皮膚を切り裂いてズタズタにする。
鞭なので取り扱いには注意が必要。』
『名前:魔力の緑鞭
特殊効果:装備時、魔力上昇(小)
『魔力の蔦』で作られた鞭。
装備するだけで魔力が上がるので魔法使いにもいい。
鞭なので使うのが難しい。』
『名前:溶解のゴミ箱
特殊効果:溶解
『溶解の壺』で作られたゴミ袋。
入れた物を数時間で消化してしまうのでゴミ捨ていらず。』
私は『悪意の茨鞭』と大量の『魔力の緑鞭』を出品するとその日は眠りにつくのであった。