作り売りの探索者   作:六道むくろ

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27話

 探索局に襲ってきた連中を渡し、魔石や『オナモミボム』を売った私は家へと戻って錬金を開始する。『オナモミボム』は国が管理する必要があるので売らないといけなかった。

『精霊のギリースーツ

 特殊効果:装備時、【隠密】付与

 『妖精のギリースーツ』を腕のある者が加工すると生まれる。

 装備するだけで草木が多い場所に限りスキル【隠密】を得る。

 防御力自体はあまり無いので注意が必要。』

 完成した『精霊のギリースーツ』は加工前よりも自然物っぽくなっており、着心地はよくないが実用性は高い。ただし耐久性は無いらしいので、森で狩りをする時くらいしか使い道は無い。数としては5着できた。

『蜻蛉戟

 特殊効果:なし

 『蜻蛉の尾刃』と木材でできた戟。

 先端を引っかけて使用するので慣れないと使いづらい。

 切れ味はとてもよく、樹くらいなら抉れる。』

 完成した『蜻蛉戟』は柄の長さ150㎝、刃の長さ20㎝という長物だ。少し素振りしてみたが、私は使いこなせないだろう。本数としては5本とそこそこできた。

 

 完成した装備を出品し、暇つぶしも兼ねて昨日出品した商品を誰が購入したのか確かめてみることにした。

 『悪意の茨鞭』は女性限定のクランが購入したらしい。DMに勧誘のメッセージが来ていたが無視する。

 『魔力の緑鞭』は数が多いのでクラン以外にも個人で購入されていた。この中でどれほどの人が戦闘目的で購入したのか分からないが、個人にも渡ったことは探索者の質向上にはよかったと思う。

 あの日から、あかりちゃんが言うように購入する人の質が変化した気がするのだが、いつかは冷めるだろうと気にしないことにした。

 

 そして次の日、『精霊のギリースーツ』と『蜻蛉戟』が誰に売れたのか確認しようとしたところ運営からメッセージが来ていた。

 内容としては、私の商品があまりに売れるので他の有名な製作者のように自身のサイトを作って売って欲しいとのことだ。何でも、運営側に私を探る電話やメールが来すぎて大変らしい。

 それをどうにかするのも仕事な気もしたが、私のように情報を発信したがらない生産は少ない。そう考えると運営側に迷惑が掛かるのもまずいと判断した私は、こういう時に頼りになるあかりちゃんに連絡をしてみる。

「あかりちゃん、相談があるんだけど……」

「……! 黒璃さんの相談ならいくらでも聞きます! 今すぐ家に向かいますね!」

 あかりちゃんに連絡すると、そう言って切られた。

 そして数分するとあかりちゃんが家へやってくる。

 私はあかりちゃんにお茶を出して相談してみると、あかりちゃんは当然だと言わんばかりに首を縦に振ってきた。

「まあ当然ですよね。黒璃さんの商品を専門販売するサイトの作成なら任せてください! こんな日が来ると思ってもうほとんど作っているんです!」

 あかりちゃんはすぐにパソコンで作っていたというサイトを見せてくれる。それは私好みのシックな感じの落ち着いたデザインのサイトで、とても見やすくまとまっている印象だ。

「凄いねあかりちゃんは……サイトまで作れるんだ」

「黒璃さんの為ならこのくらいいですよ!では早速次回の商品販売からこのサイトでやっていいですね!」

 あかりちゃんの発言に首肯すると、あかりちゃんは私が淹れたお茶を飲んでサイトを完成させるために私の家で作業を開始した。

 私はそれを補助するために軽いお菓子や飲み物を出していた。

 開始から7時間ほどで、サイトが完成してネット検索でも出るようになった。それに私と2人で喜び、その日は私の家でお泊りするのであった。

 

 次の日、私は適当に採取してきた『悪意の森』産の薬草でポーションを作成してみる。

 できたのは『下級ポーション』20本と『中級ポーション』5本。

 それをサイトに出品してみたところ、すごい勢いで値段が上がっていく。このサイトもオークション形式にあかりちゃんの強い要望もあってしているのだ。

 前回のサイトとの違いとしては、前のサイトが24時間制だったのに対してこのサイトはオークション開始から12時間制になっている点。これにより半日でオークションが終了する。また、お金が仲介料なしで入ってくるので利益が出やすい。

 前のサイトのような転移魔法がしっかり籠められているので自宅特定される心配もないのも安心点だ。あかりちゃんのお母様がかけたらしい。親子揃って私をサポートするとのことだ。

 私はあかりちゃんやそのお母様と共にこのサイトで様々なものを売っていくと決めた。

 

 

 それから1年が経ち、私のサイトは未だに賑わっていた。

 私が出した商品は結構な速度で値が上がっていき、私の目標であった楽しく生活できるお金を超えて、財を成したのだ。

 1年前では考えられないほどにお金が入ってくるが、ここで生活の質を上げると稼げなくなった時が大変。そのため質を上げないようにしている。

 すぐに冷めるかと思っていた世間での私の作品への熱は冷めることは無く、今でも購入希望者が溢れかえっている。だからといって値段を上げたりするのも違うので値段に変化はない。

 

 結局、探索局に謝罪代わりに貰った家も何故か特定されてしまったので今はあかりちゃんの家に居候をさせてもらっている。何で家の場所が漏れたのかは謎だが、大犬走さん曰くこれについては探索局内で起きたことではないらしい。

 特定されてすぐにあかりちゃんから自宅へ居候してもいいと言ってもらえたのは幸運だった。すぐに私が住めるように家具なども準備してあったのは不思議だったが、あかりちゃんは優しくて賢いのでのでいつか起きると思っていたのかもしれない。

 あかりちゃんの家にはその時初めて行ったが、学校一校分位の面積を持つ豪邸だったのには驚いた。

 

「ありがとうあかりちゃん」

 私はあかりちゃんにお礼を言い、あかりちゃんも私の手に自分の手を重ねてそれに答えるのであった。




 ここで終わらせたほうがエタらないので終わりです。
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