ARC-V転生美少女物語   作:らびどっぐ

12 / 30
 オリジナルを絡ませつつ、本筋に対する反抗策を考えていきます。


社長とアイドルと作戦会議

「つくづく、君は厄介ごとに縁があるようだ」

 

 設けられた会議の時間に、開幕赤馬零児の皮肉が飛んでくる。まあペンデュラム召喚の時に続いて2回目だからね。

 

「みんなのアイドル沢渡遊花ちゃんは、トラブルも放っておかないんだよ」

「……それで? 2人にはどこまで話を聞いている?」

 

 気の利いたジョークで返してやったのにスルーかい。まあ、冗談で流せる状況でもないか。

 

「黒咲とユートが抱えてる事情は大体聞いた。まずは、赤馬零王と、レオ・コーポレーションが繋がってるかどうかを聞きたいかな。事と次第によっちゃ、私は知らないうちに侵略行為の片棒担いでたことになるからね」

「その心配はいらない。むしろ、現在のレオ・コーポレーションは赤馬零王率いるアカデミアに対抗するために力をつけている。エクシーズ次元とは共通の敵に対して協力関係を結べる」

 

 こうして、アカデミアのトップである赤馬零王と赤馬零児が親子であることから、協力関係を疑っていたエクシーズ次元組は、ひとまず誤解を晴らす事は出来た。その上で、実際に行われた侵略の手段を黒咲とユートに確認する。

 

「ふむふむ、デュエルディスクを持たない人間は問答無用でカード化、ディスクを持つ決闘者は乱入で常時3対1の状態に持ち込んで、《古代の機械猟犬(アンティーク・ギアハウンドドッグ)》や《古代の機械魔神(アンティーク・ギア・デビル)》のバーンを連打して一方的に焼き切る。いざって時は超大型モンスターの《古代の機械混沌巨人(アンティーク・ギア・カオス・ジャイアント)》を融合召喚して力技でねじ伏せる、と」

「……まともに相手をしていては、厳しいな」

 

 要するに最大の武器は数の暴力……それこそ、石器時代から続く人類最強の武器だ。

 

「1個確認したいんだけど、カード化されるってのは死ぬわけじゃないんだよね?」

「そのはずだ。殺すだけなら、デュエルなんて回りくどい手段を取らなくてもリアルソリッドヴィジョンのモンスターを暴れさせるだけでいいからな」

「現に、俺達の街……ハートランドは実体化した古代の機械混沌巨人どもに破壊された」

 

 質量を持つ立体映像……リアルソリッドヴィジョンは『質量がある』故に物理的な破壊力を持ち得る。雑な例えだが、金属バットの『映像』には何の破壊力も無いが、それに『質量』があれば人間を殴り飛ばせる。

 

「だったら、まず第一に復元方法の模索だね。カード化機能を搭載したデュエルディスクの現物はある?」

「ああ、俺とユートの……エクシーズ次元のデュエルディスクも奴らに対抗するために同じ機能が搭載された」

「だったら、まずはそれを解析して復元方法を探す。元に戻せるならエクシーズ次元の決闘者を元に戻して、味方に引き入れる事が出来る」

 

 少なくとも、復元方法は確実にあると考えられる。手段として回りくどい、というユートの話もだがそれ以上に『万が一』を考えれば無い方が不自然だ。

 例えば、赤馬零王に対する反逆。アカデミアは徹底した洗脳教育を施しているが、所属する者達も人間である以上疑問を抱き、反逆の意志を示す者は確実にいる(実際本編にもいた)。

 そう言った者にカード化される危険性は、大きな組織をまとめるなら当然考える……その一手だけで内部崩壊に繋がるからだ。

 

 もう少し言えば、より可能性が高い『事故』の対応も必要だろう。それこそ先に触れたような反逆による同士討ちや、不慮の事故による巻き込みでカード化してしまうケースだ……また、彼らは黒咲瑠璃の他にも『生身で確保しなければならない』人間がいる。彼女らを先んじてカード化されたり、事故でカード化されてしまったりした場合、それで作戦崩壊ではあまりにもお粗末だろう。よって、復元方法はある前提で考えて良い。

 

「では、デュエルディスクを渡してもらおう」

「ちょっと待った。社長、それで頼みがあるんだけどそのデュエルディスクの提供の対価って事で、この2人LDSの寄宿舎に入れられない?」

「何を勝手な事を……!」

 

 LDSは舞網市最大、引いてはこの世界のデュエル塾の中では最高学府だ。そのため遠方から入塾する生徒も当然おり、そういった生徒や教師の為に宿舎がある。

 私の提案に立ち上がる黒咲を、ため息をついて制止する。

 

「私が連れて行った舞網ロッジはあくまでも仮の拠点なんだから、きちんとした拠点と身分があるならその方が良いに決まってるでしょ。大体、あそこのお母さんに世話になる間、誰が生活費出すと思ってるの?」

「うっ……」

 

 エクシーズ次元から渡ってきたためにこの次元の通貨をろくに持たない彼らの資金は、現状私が出さざるを得ないのである。

 

「私もそれなりに稼いでいるけど、いつまでも2人もヒモ抱えてなんていられないっての。自分でバイトでも何でもして稼いでよね」

「君の働きぶりなら並のサラリーマンを遥かにしのぐ額を稼いでいるだろう事を除けば、正論だな」

 

 余計な事言わないで欲しい。それは間違い無いが、私が稼いでいるのは自立のためであって彼らを養うためじゃない。

 

「だが、君の言う事はもっともだ。母……理事長を通すので2、3日ほどかかるがLDSのエクシーズコースに学籍を用意しよう」

「籍だけなら1日でパパっと用意できると思ってた……」

「確かにLDSはレオ・コーポレーション傘下だが、あくまでもあちらのトップは理事長だ。そちらを素通しとはいかない」

「それもそうか……じゃ、その間は引き続き面倒見てあげる」

「すまないな」

「良いって。そりゃいつまでもとはいかないけど、自分や身内に危険が迫ってるかもしれないとなれば多少の出費は必要経費だよ」

 

 差し当たり、最も優先度が高い問題はこれでクリアだ。

 

「次は、アカデミアの兵隊の対処だね。それで、ちょっと疑問があるんだけど黒咲の妹さんは、カードにされたわけじゃないの?」

「ああ。理由はわからないが、瑠璃はカードにされることなくユートによく似た顔の奴に連れ去られた」

「私もユートに顔立ちはよく似たのを知ってるから、そのそっくりさん? も気にはなるけどそれは一旦置いておこう」

 

 ぶっちゃけ遊矢シリーズで一番ヤバい奴なので早急に対処したいのだが、次元を隔てた融合次元にいる以上打つ手が無い。

 

「簡単に脱出出来るかはともかく、何かしらのきっかけでスタンダードにいる可能性を考えると、その瑠璃さんの顔は知っておきたい。写真とかある?」

「1年ほど前のもので良ければある」

 

 黒咲が出したユートと黒咲兄妹の3人が映った写真を見る。

 

「これは……セレナ?」

「……髪型とか違うけど、顔立ちは柚子ちゃんに似てる気がする」

 

 そういや社長はセレナと面識あったんだっけ。話が早くなりそうで助かる。

 

「セレナ?」

「昔、父が連れてきた少女に似ている。顔見知りといったところだ」

「ふーむ……父、つまり赤馬零王。という事は、そのセレナって子と瑠璃さんは何か関係があるのかもね。それで連れ去った」

「バカな! 瑠璃が融合次元に関係あるわけが無いだろう!!」

「状況証拠だけだから、当然確証なんて無いよ。でも、そう考えた方が辻褄が合う……あれ? これヤバい?」

「何?」

「セレナと瑠璃に関係があるなら、柚子ちゃんも何か関係してる可能性があるけど、当然あの子ノーガードだよ……」

「いや、まだ大丈夫だ。特定されているなら、何か動きがあるはずだ」

 

 確かに、柚子ちゃんが単独行動なら攫われる危険性があるが、あの子はよく遊矢や権現坂と行動している。無意識に頼りになる護衛がいる状態と言えるので、目立たず行動を起こせる可能性は低い……約1名を除いて。

 原作知識的にはぬかった、と思わなくもないがそもそもエクシーズ次元組の面倒だけで手一杯だったのだ。ここは赤馬社長の推測通り動きがない事を期待するしか無い。

 

「……今からでも、監視というか、護衛は付けた方が良さそうだね」

「わかった、俺が行こう」

 

 ユートが名乗りを上げる。本当は遊矢にも近いので接触して欲しくないのだが、チェンジを頼む材料が無い……そのまま護衛が決まってしまった。

 

「話を戻そう。アカデミアの兵隊への対処だが、ジュニアユース選手権……『舞網チャンピオンシップ』を利用する事を考えている。あの大会の規模ならば、上位陣は奴らに対抗出来るだけの実力を持っている、と判断出来る」

 

 ランサーズか。確かに実力面でふるいをかけるには有効だ。しかし……

 

「足りないね。確かに個の力として対抗出来る実力者を選べる。でも相手は数で攻めてくるんだから、手札事故に体力的な負担……ある程度は対応出来ても、押し潰されるのは目に見えてる」

「だからこそ、第一波のみ防ぐ事に尽力し、その後は他の次元との交渉を経て戦力を拡張する事で対応する」

「精鋭部隊を送り込む事で力を見せて舐められるのを防ぎ、戦力を拡張して反撃に転じると。悪い手とは言わないけど、場合によっては博打だね」

「どういう意味だ?」

 

 零児社長は理解した上で、短期決戦に持ち込むなら博打も必要と判断しているのだろうが、しくじると後が無い。実際原作はかなりの綱渡りだったと言える。

 

「手を借りるのがエクシーズ次元か融合次元の反抗勢力なら、問題無い。戦力としての規模に不安があるけど最初から敵の敵は味方、って理屈が通るからね。問題はシンクロ次元。現状ノータッチなら、戦力としては申し分ない……でも、私なら相手を天秤にかける。融合次元とスタンダード、どっちに付くのが得なのか考える。交渉カード次第じゃ、シンクロ次元まで敵に回しかねない……そうなったらもう完全に詰み」

「それなりの見返りは用意する」

「だろうね。後は、社長の交渉スキル次第と。そこに、上乗せ出来る策を考えてみる……打てる手は全部打たないと」

「割ける人員にも時間にも限りがある。私も出来ることならそうしたいが、実現性は考慮する必要がある」

「……差し当たり、比較的簡単に実現出来て効果も高そうな手が1つある。残りは草案、というか思い付き程度でまだ整理出来ないんだけど」

「まずはその最初の案を聞こう。他も、大まかなもので構わないので提案して欲しい。工夫次第で使える可能性がある」

 

 こうして、アカデミアに対抗する為の作戦会議が進められていくのだった……。




 考えているアカデミア対策は2つあります。
 1つのヒントはオリンピック

タツヤのデッキ、何が良さそう?

  • ジェネクス系列
  • ギアギア系列
  • ブンボーグ
  • 幻獣機
  • 裏サイバー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。