ARC-V転生美少女物語   作:らびどっぐ

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 お待たせしました、初デュエル回です。
 対戦相手希望が社長1位は皆さん容赦ないですな(白目)
 使用デッキが気になる、と言う感想を頂きましたが遊花のデッキは固定ではなく、場合によって切り替えていくつもりです。


★VS【DD】

「え、えーっと……どういう事でしょう?」

 

 プロ試験デュエル当日。事前情報ではかつて榊遊勝と戦う予定だった『ストロング石島』が対戦相手だと聞いていた。だが、当日になって『対戦相手の変更』をストロング石島のプロモーターであるニコ・スマイリーに告げられたのだ。

 

「ストロング石島のデュエルはEX(エクストラ)デッキを使いません。それでは遊花さんの実力を正しく測ることは出来ないと、スポンサーから打診されまして……」

「スポンサー? 一体どこがそんな急に……」

「レオ・コーポレーションです。代わりにあちらの社長自ら試験官を務め、ストロング石島の報酬も対戦カード変更による減額分を補填すると言われまして、こちらとしては断る理由も無かったものですから……」

「……試験のハードルが冗談みたいに跳ね上がっていませんか?」

「その点は心配ご無用です。あくまでもこのデュエルは実力を測る事が目的で、勝敗は必ずしも合否に直結しないと確認しております」

「なら、良いですけど」

 

(コイツ逃げやがったな……)

 

 目の前の、胡散臭さが服を着て歩いているようなプロモーターの話を聞くうちに背景が見えてきて、内心毒づいた。

 

 この世界ではデュエルは一大エンターテイメントだ。だからこそ、私のような決闘者をアイドルに仕立て上げ、選挙応援の広告塔にするという義父のやり口が成立する。

 そして、本来の対戦相手であるストロング石島は、ヒャッハーとか言い出しそうな世紀末スタイルの大男で、お世辞にも格好良いとは言いがたい。彼が人気なのは『見た目から強そう』で、その路線に違わぬ『バーバリアン』モンスターを活用した豪快なデュエルスタイルがシンプルに分かりやすく、受けが良いからだ。そのため、『試験』とはいえアイドル路線を進む私に負けた場合、評判に悪影響が出る可能性は高い。

 このスタンダード次元ではEXデッキを使うこと自体が稀だ。だから、融合、シンクロ、エクシーズの全てを使いこなす私に興味を持ったレオ・コーポレーションが提案を出し、ストロング石島側はそれを二つ返事で受けたのだろう。自分たちはさっさと引いて後々の影響を最小限に抑える判断をした、というのが実際の状況に違いない。……理解できてしまうと、その合理的さがかえって腹立たしい。

 

 現在のレオ・コーポレーションの社長は赤馬零児(あかばれいじ)。圧倒的展開力を誇る【DD】デッキを操る原作最強クラスの決闘者だ。(原理は分からないが)明らかに重力に逆らっているマフラーが特徴的な長身のイケメンだ。年齢的には同級生なのだが、とてもそうは見えない。

 

(とりあえず、勝てなくてもその時点で不合格にはならない、というのは良かった)

 

 とはいえ、状況が大きく変わったことには違いない。事前に準備していたデッキは、攻撃対象にされた時に後続を呼び、相手の攻撃力を半減させる共通効果を持つ【マジシャン・ガール】だった。可愛らしい見た目に反して結構殴り合いには強いが、いかんせん効果が受動的で展開力にも難があるため、【DD】相手には少々分が悪い。

 

「もう時間はあんまり無いか……仕方ない。デッキ変えます」

 

 バッグに入れてあったデッキを取り出し、先程までのものと入れ替える。

 

「おお! 流石多彩な召喚方法を使い分けると評判の遊花さん。デッキも変幻自在ですか!」

「そんなんじゃありません。これ、カードパワーはこっちより高いけど値段も高いんで成金デッキって言われないようにやめておいたやつなんですよ」

 

 プロ試験で高額デッキはイメージが悪いので、出来れば避けたかったのだが相手が相手なのでやむを得まい。勝率を上げるためには多少の悪評には目をつぶってでも、強力なデッキを使うべきだろう。

 

 内心はニコ・スマイリーの顔面にグーパンを入れてメガネを叩き割ってやりたかったのだが、何とか平静を装い会場に入ると、それだけで歓声が響き渡る。人気者は辛い。

 

 既に零児さんはスタンバイ済みだった。会場の熱とは対照的な、冷めた視線をこちらに向けて来る……あくまでも業務の一環、というスタンスを崩さない。

 

「では、試験デュエルを始める。先攻は君からだ、念のため言っておくが、先攻は最初のドローが無い事は注意するように」

「はい……って、ツッコまないんですね」

「その格好の事か? 君のいつものスタイルなのは理解している」

「私の好みじゃなくて、プロデューサーの意向なんですけど」

 

 私の今の格好は、遊戯王で最も有名な美少女カード『ブラック・マジシャン・ガール』のコスプレだ。無論、自分から望んでいるわけではなく、むしろ恥ずかしい。だが、私のアイドル路線が推し進められていくうちに、公式戦でのコスプレが段々と定番化してしまったのだ。

 不真面目に見えるだろうし、ツッコミを入れてもらって私服に着替える時間(とデッキ調整の時間)を貰った方が嬉しかったのだが、華麗にスルーされてしまった以上仕方が無い。腹を決めて口上を口にする。

 

「戦いの殿堂に集いし決闘者達が!」

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」

「フィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……」

 

「「デュエル!!」」

 

 今回の試験はアクションデュエル。フィールドを駆け巡り、フィールド内の『アクションカード』を活用する事が出来る。

 

「私の先攻! ドローフェイズ、スタンバイフェイズは何もなし。メインフェイズ1、《マジシャンズ・ロッド》を召喚し、効果発動! 召喚成功時にデッキから『ブラック・マジシャン』の名前が記された魔法・罠カードを1枚手札に加えることができる。《黒の魔導陣》を手札に加えて発動。発動時の処理としてデッキトップ3枚を確認し、『ブラック・マジシャン』の名前が記された魔法・罠カード、もしくは《ブラック・マジシャン》があれば、それを公開して手札に加えることができる。《黒魔術の秘儀》を手札に加え、残り2枚は好きな順番でデッキの上に戻します。そのまま《黒魔術の秘儀》を発動。フィールドの《マジシャンズ・ロッド》と手札の《ブラック・マジシャン》を融合素材に墓地へ送り、融合召喚を行います! 魔術師の師弟よ並び立て! 融合召喚! 《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》! これでターンエンド!!」

 

 今回のデッキは【ブラック・マジシャン】。OCG最初期からの人気カードにして初代主人公のエースカード《ブラック・マジシャン》を主軸とする由緒正しきデッキだ。また、今回は手札がかなり良く。完璧な初動が揃っている。

 

「私のターン、ドロー! 私は永続魔法《地獄門の契約書》を発動し、その効果によりデッキから『DD』モンスターをサーチする。手札に加えるのは《DDスワラル・スライム》だ」

「《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》、効果発動! 1ターンに1度、魔法・罠カードが発動した場合にデッキから1枚ドロー、さらにドローカードが魔法・罠の場合、そのままセットできる! この効果でセットしたカードは、セットしたターンでも発動できる!」

「《黒の魔導陣》で仕込んでいたか……だが、何を伏せていようと突き進むのみだ。手札の《DDスワラル・スライム》の効果発動! このカードを含む融合素材を手札から墓地に送り、融合召喚を行う。《DDスワラル・スライム》と《DDバフォメット》を融合! 自在に形を変える神秘の渦よ! 黒き翼を持つ異形の神よ! 今ひとつとなりて新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ! 《DDD烈火王テムジン》!」

 

 《DDD烈火王テムジン》は大量展開の要の1つだ。ここを潰す!

 

「リバースカードオープン、永続罠《永遠の魂》! 効果発動、墓地の《ブラック・マジシャン》を特殊召喚! これにより《黒の魔導陣》第2の効果を発動する。《ブラック・マジシャン》が召喚・特殊召喚された場合、相手フィールドのカード1枚を対象に取り、対象のカードを除外する! 《DDD烈火王テムジン》を除外!」

「何だと……!」

「さらに墓地の《マジシャンズ・ロッド》の効果! 相手ターン中に魔法・罠の効果が発動した場合、自分フィールドの魔法使い族1体をリリースする事で墓地からこのカードを回収できる! 《ブラック・マジシャン》をリリースして《マジシャンズ・ロッド》を回収!」

 

 なお、《永遠の魂》は毎ターン《ブラック・マジシャン》を復活させることができる。【ブラック・マジシャン】デッキの理想的な盤面がここに完成した。

 

「やってくれる。だが、この程度で私は止まらない! 《DDナイト・ハウリング》を召喚し効果発動。墓地から《DDバフォメット》を特殊召喚する。レベル4《DDバフォメット》にレベル3《DDナイト・ハウリング》をチューニング! 闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ! シンクロ召喚! 生誕せよ! レベル7《DDD疾風王アレクサンダー》! さらに墓地の《DDスワラル・スライム》の効果! このカードを墓地から除外する事で、手札から《DDラミア》を特殊召喚。《DDD疾風王アレクサンダー》の効果発動。1ターンに1度、DDモンスターが特殊召喚された時に墓地からレベル4以下のDDモンスターを特殊召喚できる! 蘇れ、《DDバフォメット》! 永続魔法《魔神王の契約書》を発動。1ターンに1度、自分の手札・フィールドから悪魔族融合モンスターの素材を墓地へ送り、融合召喚を行う。《DDD疾風王アレクサンダー》と《DDラミア》を融合素材として墓地へ送る! 疾風を纏いし王よ。未来に流される血を吸い、竜をも倒す勇者となれ! 融合召喚! 生誕せよ! 《DDD 剋竜王ベオウルフ》! 墓地の《DDラミア》の効果! フィールドの《魔神王の契約書》を墓地に送り、自身を特殊召喚! 《DDバフォメット》の効果を発動、《DDラミア》のレベルを4に変更する! レベル4《DDバフォメット》にレベル4になった《DDラミア》をチューニング! その紅に染められし剣を掲げ、英雄達の屍を越えていけ! シンクロ召喚! 生誕せよ! レベル8《DDD呪血王サイフリート》!!』」

 

 ちょ、おま!? 妨害踏み越えたうえに厄介な奴をすんなり出してくるんじゃない!!

 

 ベオウルフは自分スタンバイフェイズにお互いの魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する効果を持っている。《永遠の魂》は破壊されてしまうと自分フィールドのモンスター全てを破壊してしまう強烈なデメリットがあるため、次のターンのうちにこいつを何とかしなければほぼ負け確だ。加えて、ベオウルフだけならばまだしも、サイフリートもフィールドの魔法・罠1枚を1ターンの間無効にする効果を持っているため、《黒の魔導陣》による除去の起点である《永遠の魂》を無効化してしまう。ハッキリ言ってシャレにならない。

 

「バトルフェイズに入る。ベオウルフでマジシャンズを攻撃」

 

遊花 LP4000→3800

 

「っ……! マジシャンズの効果、破壊された場合に《ブラック・マジシャン》と《ブラック・マジシャン・ガール》を1体ずつ、手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚できる! 墓地から《ブラック・マジシャン》、デッキから《ブラック・マジシャン・ガール》を特殊召喚!」

 

 《ブラック・マジシャン》も《ブラック・マジシャン・ガール》も攻撃力は2800のサイフリートに及ばないが、表示形式は攻撃表示だ。ベオウルフが『DD』モンスター全てに貫通効果を付与する効果を持っているため、守備表示で立てるとかえってダメージが大きくなってしまう。

 

「サイフリートで《ブラック・マジシャン》を攻撃」

「くうっ……!」

 

遊花 LP3800→3500

 

 

「カードを1枚セットして、ターンを終了する」

 

 的確な妨害でダメージを最小限に抑えた、と実況が絶賛するが、それは表面的な評価にすぎない……実際には首の皮一枚繋がった、と言う方が近い。零児さんは手札を使い切ったが、このターンを見ても分かるように、【DD】は大型モンスターを容易に展開できる。次のドロー1枚でどう動いてくるか分かったものではなく、ちょっとでも気を抜けばあっという間に押し切られかねない……可能であれば、次のターンでケリをつけたいところだ。

 

「私のターン、ドロー! スタンバイフェイズは何もなし、メインフェイズ」

「サイフリートの効果を発動、このターンの間《黒の魔導陣》の効果を無効にする」

「なんの、まだ《ブラック・マジシャン》を復活させれば体勢を整える事は……《永遠の魂》の効果を発動」

「リバースカードオープン永続罠《誤封の契約書》。このカード以外の罠カードの効果を、ターン終了時まで無効にする。よって《永遠の魂》は無効だ」

 

 抜け目ないな……サイフリートが《黒の魔導陣》を無効化してきたからどういうことかと思ったら《永遠の魂》まで止められてしまった。だが……ドローカードを確認し、他にサイフリートの他に妨害カードがあるとすればアクションカードくらいという事も確認する。これなら、ワンチャンいける。

 

「《マジシャンズ・ロッド》を召喚して効果発動。デッキから《千本ナイフ》を手札に加えます。それから……よっと!」

 

 宙に浮かぶ魔法の杖を横倒しにして、その上に乗る……この次元のデュエルでは、立体映像(ソリッドヴィジョン)に質量があり、その上に乗る事が出来るのだ。私の意図を察したようで、杖は宙を滑るようにフィールド内を進んでいく。このデュエルはアクションデュエルなのだから、アクションカードを使わない手はない。そうして、地面に落ちていた1枚のカードを手に取る。

 

「これで準備完了! 手札を1枚捨てる事で、《幻想の見習い魔導師》を手札から特殊召喚する!」

「アクションカードを捨てるか!」

 

 そう。拾ったアクションカードをコストに当てる事で、事実上手札コストを踏み倒せる! これで展開が進むとまずい、と察したようで零児さんが動き始める。だが、もう遅い! あとは進むのみ!

 

「《幻想の見習い魔導師》の特殊召喚成功時、効果発動。デッキから2枚目の《ブラック・マジシャン》を手札に加える。《幻想の見習い魔導師》と《ブラック・マジシャン・ガール》でオーバーレイ! ランク6《マジマジ☆マジシャンギャル》! 更にこのエクシーズモンスターは自分フィールドのランク6魔法使い族エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事ができる! 《マジマジ☆マジシャンギャル》に重ねてオーバーレイ! ランク7《幻想の黒魔導師》!!」

 

 初手の融合召喚に加えて、連続エクシーズに大きな歓声が上がる。そこで零児さんがアクションカードを拾い上げる……正直なところ『ただでさえ強いのにアクションカードまで使うな』と思わないでもないのだが、今回はたまたま運が味方したおかげで問題なく勝てるので落ち着いて対応していく。

 

「《幻想の黒魔導師》の効果発動! 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を取り除くことで、手札もしくはデッキから魔法使い族の通常モンスターを特殊召喚できる! 手札から《ブラック・マジシャン》を特殊召喚! そして魔法カード《千本ナイフ》! 自分フィールドに《ブラック・マジシャン》が存在する場合に発動可能、相手モンスター1体を対象に取り、そのモンスターを破壊する! ベオウルフを破壊!」

「くっ……!」

「バトル! ブラック・マジシャンで攻撃! 《幻想の黒魔導師》の第2の効果、魔法使い族通常モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを除外する! サイフリートを除外!」

 

 これでブラック・マジシャンの攻撃は直接攻撃になる。

 

「アクションマジック《回避》! その攻撃を無効にする!」

「でもこれで決まり! 《マジシャンズ・ロッド》で直接攻撃!」

 

零児 LP4000→2400

 

「……見事だ。君のプロ試験合格、並びにインストラクター試験合格を確約しよう」

「ありがとうございます。もう一回やれって言われても多分無理なのでそう言ってもらえて助かります。《幻想の黒魔導師》で直接攻撃! 幻想魔導(イリュージョン・マジック)!!」

 

零児 LP2400→0




 速攻でテムジンを潰す&運命力補正で何とか勝たせてあげました。正直筆者の実力では【DD】のフルパワーを発揮できているとは言い難いと思いますのでもう一回やれって言われても無理なのは本当です。

 なお、ストロング石島であれば当初の予定は【マジシャン・ガール】でカウンターを決めて殴り返し、勝鬨であれば【ヴェルズ】を引っ張り出して「レベル0ではないのか!?」を先に言わせてしまうつもりでした。先攻オピオンの時点で相当動きが制限されるはずでしたね(外道)

タツヤのデッキ、何が良さそう?

  • ジェネクス系列
  • ギアギア系列
  • ブンボーグ
  • 幻獣機
  • 裏サイバー
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