また、気が向いたら進めますのでお付き合いいただければ幸いです。
『会場の皆様、これより赤馬零児社長推薦の決闘者と、ストロング石島によるエキシビジョンマッチを開催いたします! 赤馬社長推薦の決闘者の名はセレナ! 何と、現在開催中のバトルロイヤルに単身乗り込み、志島北斗選手とクリフォート使い3名を破った凄腕!!』
社長推薦の凄腕決闘者とストロング石島のエキシビジョンマッチ、という事で報道管制により部分的なデュエルしか流されなくなったドーム会場の中で注目が集まる。
榊遊矢に敗れた、と言ってもストロング石島は人気と実力を兼ね備えた決闘者だ。マジックショーのような演出で観客の注目を浴び、喝采を浴びた榊親子のデュエルと比べ、彼のデュエルはシンプルかつ豪快。それでいてただ力任せに攻めるだけではなく、状況を冷静に見極め、適宜アクションカードを使う強かさもある。ヒャッハーとか言い出しそうな世紀末な見た目に反して、アクションデュエルのお手本のような手堅いスタイルによって3年もチャンピオンの座を守った実績は伊達ではない。
「貴様、赤馬零児が実力を認めた決闘者だそうだな。あまりガッカリさせてくれるなよ?」
一瞬遠目に見ただけでは柊柚子に似ているため、わずかに動揺が広がったが幸か不幸かその言動のおかげですぐ別人と観客にもわかり、その自信たっぷりな様子と戦績も相まってどのようなデュエルをするのかと注目が集まる。
「俺はこのデッキを受け取って一日も経っちゃいない。その代わりに、お前のデュエルの記録は見せてもらった。俺もプロだ、必ず勝てるとは言わん……だが、十分勝てる見込みはある、とは言っておくぜ」
「そんな手にしたばかりのデッキでだと? 面白い! やってみろ!!」
「戦いの殿堂に集いし決闘者達が!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……」
「「デュエル!!」」
「俺の先攻、まずはスケール2の《イグナイト・デリンジャー》とスケール7の《イグナイト・マグナム》をペンデュラムゾーンにセッティング!」
『何と! ストロング石島は今回いつものデッキではなく、レオ・コーポレーションから新テーマのデッキを受け取ったという話でしたが、それはペンデュラムテーマだ!!』
「《イグナイト・デリンジャー》のペンデュラム効果。もう片方の自分のペンデュラムゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に自分のペンデュラムゾーンのカードを全て破壊し、自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える事が出来る。《イグナイト・デリンジャー》と《イグナイト・マグナム》を破壊して《イグナイト・マスケット》を手札に加える。更にスケール2の《イグナイト・マスケット》とスケール7の《イグナイト・ドラグノフ》をペンデュラムゾーンにセッティング。ペンデュラム召喚! EXデッキより現れろ! 《イグナイト・イーグル》、《イグナイト・デリンジャー》! カードを1枚セットして、ターン終了だ」
ストロング石島 LP4000 手札1枚
場 《イグナイト・イーグル》(ATK1600) 《イグナイト・デリンジャー》(ATK2400) 伏せカード1枚
ペンデュラムゾーン スケール2《イグナイト・マスケット》 スケール7《イグナイト・ドラグノフ》
ストロング石島がペンデュラム召喚を決め、と言うのはそれだけで歓声が上がるものだが場のモンスターはそれほど強力ではない……と言うより並程度の攻撃力の通常モンスターが2体だけだ。それを見てセレナはつまらなそうにストロング石島を見る。
「フン、それが何だというのだ。私のターン、ドロー! 私はつまらんデュエルに時間をかけるつもりは無い、すぐに倒してやる! 手札の《
『挑戦者セレナ、流れるように融合召喚を決めた!!』
「《月光彩雛》の効果、墓地から《融合》を手札に加える。更に《月光紫蝶》を墓地から除外して効果発動、手札から《
《月光舞豹姫》ATK2800→5600
「ほう、なかなかストロングな攻撃力だ」
「攻撃力が高いだけではない、《月光舞豹姫》は相手モンスター全てに攻撃ができる。これで終わりだ!」
「罠発動、《連撃の帝王》! 俺はこのターンにアドバンス召喚が可能になる」
「私のターンにアドバンス召喚だと!?」
「《イグナイト・イーグル》をリリースして《光帝クライス》をアドバンス召喚、効果発動! フィールドのカードを2枚まで破壊し、お互いにフィールドで破壊された枚数分ドローする!」
『あーっと、ストロング石島、まさかのアドバンス召喚によるカウンター!!』
「無駄だ! 《月光舞豹姫》は効果では破壊されない!」
「誰が《月光舞豹姫》を破壊すると言った?」
「何?」
「俺は《光帝クライス》と《イグナイト・デリンジャー》を破壊して2枚ドローする!」
「なっ……!?」
『何とストロング石島、自分のモンスターを破壊した!!』
「お前のデュエル記録は見たと言っただろ? 連続攻撃ができるのは、モンスターに対してのみ。場にモンスターがいなければ、その融合モンスターは連続攻撃は出来ない」
『何と! 強力な連続攻撃が対モンスターのみと見抜いた捨て身の戦法だ! だが、それをためらいなく実行できる胆力こそまさにストロング!!』
「チッ……やってくれる。だが直接攻撃が通れば結果は変わらない! バトル! 《月光舞豹姫》でプレイヤーに直接攻撃!!」
「大事な事を忘れているな、これはアクションデュエルだぜ? アクションマジック『回避』! その攻撃を無効にする!!」
「くっ……まだだ! 《月光蒼猫》で直接攻撃!」
「それはライフで受けるぜ」
ストロング石島 LP4000→2300
「……まあいい。カードを1枚伏せてターン終了だ」
セレナ LP4000 手札2枚
場 《月光舞豹姫》(ATK2800)《月光蒼猫》(ATK1700)
「俺のターン、ドロー! 悪いがこのターンで終わりだ! まずはペンデュラム召喚! EXデッキより《イグナイト・イーグル》、《イグナイト・デリンジャー》! 手札より《イグナイト・キャリバー》! そしてフィールド魔法《イグニッション
『挑戦者セレナの強力モンスターに対し、ストロング石島もここにきて最上級モンスターを出してきた!!』
「《イグナイト・スティンガー》の効果、自分の「イグナイト」カード1枚を破壊する事で、相手のモンスター1体をデッキの一番下に戻す! 《イグナイト・イーグル》を破壊し、《月光蒼猫》をデッキの一番下に戻す!」
「何? 《月光蒼猫》だと?」
「相手のエースを正面から打ち砕いてこそのストロングスタイルだ。それに、《月光蒼猫》に戦闘・効果で破壊された時に後続を特殊召喚する効果がある事に俺が気づかないとでも思ったか?」
「くっ……!!」
「バトルだ! 《イグニッションP》が存在する時、イグナイトモンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップする」
《イグナイト・スティンガー》ATK2800→3100
《イグナイト・デリンジャー》ATK2400→2700
《イグナイト・キャリバー》ATK2100→2400
「《月光舞豹姫》の攻撃力2800を、超えた……!?」
「《イグナイト・アヴェンジャー》で《月光舞豹姫》を攻撃!」
セレナ LP4000→3700
「リバースカードオープン、《
《月光舞豹姫》は効果破壊に耐性があるため簡単には突破されないが、万一突破されたとしてもすぐに立て直すために伏せたカードだが、それは『ターンが回って来れば』の話だ。
「続けて《イグナイト・キャリバー》、《イグナイト・デリンジャー》で直接攻撃!!」
そこで危機を脱出しようとアクションカードを探すが、遅い。元々融合次元の出身であるセレナにはアクションデュエルの経験が無さ過ぎたため、アクションカードがある場所の傾向や拾いに行くべきタイミングと言ったセオリーを知らなかったのだ。そういった反応の悪さで言えば、ジュニアの決闘者と同等と言っても良いレベルであり、そのままセレナのライフは削り切られた。
その報告を聞いた遊花は、素直に感心した。
(流石チャンピオン……まさか本当にシンクロもエクシーズも使わずに、ほとんど使っていない【イグナイト】で【月光】に勝っちゃうなんてね)
仮に遊花が【イグナイト】を使うならシンクロ召喚にもエクシーズ召喚にも全くためらいが無い事もあり、その手札消費に目を付け【インフェルニティ】と混ぜて反撃の余地など残さない一方的な蹂躙を狙ったであろう……決闘者としては正しくても、ほぼ『処刑』になるだろう流れはエンターテイナーとしては三流以下だ。そういう意味では、王道のエンタメをきっちりやり切り、メインデッキの性能だけで戦い抜いたその姿は『チャンピオン・ストロング石島の復活』として強烈に観客に焼き付いたであろう。
(良い意味で、予想外のサプライズになったけど……お祭りの時間はもうじき終わる。ここから先は『戦場』だ)
と言うわけで、使おうと思いつつ使えなかった【イグナイト】をストロング石島に使ってもらいました。彼のビジュアルにはそこそこ噛み合っている気もします。
そして、きっちりメインデッキだけで勝ち切るのもちょっと骨が折れました。リソースがきつくてクライスで補強する事になりましたし、ちょっと狂犬娘に弱体化補正かけてる感じになっています。
そして、長くなりましたが次で選択肢を設けてオリジナルルートに入ろうと思っています
4/13 ミスをご指摘いただき、修正しました