ARC-V転生美少女物語   作:らびどっぐ

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 本編を資料としてサブスクで見返していますが、正直方針転換の必要性を感じていたりします。
 ハゲの論理全否定だから、エドの懐柔が難しすぎるんよ……。


それは刺客か、はたまた獲物か

「まあ、ざっとこんなもんでしょ」

 

 サヤカとアレンがそれぞれの思惑で遊花に助力を頼んできて一日。二人は新しいデッキを手にして、ある程度回せるようになっていた。

 

「こんな短期間の練習で大丈夫なのかよ……?」

「突貫工事にしちゃ上出来、上出来。何せ時間がないから屋台骨だけ完成させたって感じなんだけど、これでも最重要ポイントは押さえてあるから以前の二人のデッキと比較にならないレベルで強くなってるよ」

「屋台骨……」

 

 遊花が二人の希望を踏まえて組み上げた新しいデッキ……その回し方に関しては本当にシンプルな一点のみを教えていた。

 

「まずはゴールを明確にすること。ゴールになる盤面を作ることを最優先にして回してね」

「ゴールになる盤面……」

「そう。毎回臨機応変にアドリブを利かせて回すなんてかなりの高等技術、そんなもの一朝一夕に身につくわけないでしょうが。決まった展開ルートとゴールをしっかり覚える、これができるだけで基本的には問題ない。例えば、料理とかイメージするとわかりやすいかな? 同じ料理なら下ごしらえとか、作る手順は大体一緒でしょ? その先のアレンジは基本を覚えてからやること!」

「なるほど……」

「アレンはイメージしづらければ、工作機械で考えてみると良いかも。決まった手順で組み立てるだけ、改良とかはまず基本形ができてから」

「ああ、そう言ってくれると何となくわかる」

「それくらいで十分。私だって複雑なデッキだと展開ルート全部は覚えていられないし、前提条件が前提条件だからこの方が絶対いい」

「前提条件……?」

「相手はこっちをカード化するつもりでかかってくる、ってこと。そんな状況で緊張しないわけないでしょ? そういう状況で、慌てて変な挙動をするよりもとにかく決まったルートだけ覚えてその通り動いた方がずっと安心感がある」

 

 前提条件となる状況を明かされ、押し黙ってしまうアレンとサヤカ。とはいえ、これはやむを得ないだろう。

 

「そんなわけだから、とりあえず二人で練習してそれぞれのデッキの動かし方を覚えてね」

 

 それだけ告げてひらひらと手を振り、背を向ける遊花をアレンが呼び止める。

 

「おい、それだけかよ!」

「そう言われても、これからちょっと作戦会議しないといけないからさ……方針がまとまったら、手を貸してもらうからそれまでは二人で特訓してて」

「作戦会議?」

「楽観していたつもりはないんだけど、率直に言って私達数人が手を貸した程度でひっくり返せる状況じゃないからね。ここからどうするか、相談する……もちろん、逃げるつもりは無いよ。それなら最初からスタンダード次元から来たりしない」

「……それで、何かいい案はあるのかよ?」

「差し当たり、こっちも応援要請するしかないかな……シンプルだけどそれだけに数の暴力って同じように数を揃える以外の対策が難しいんだよ。ただ、それで過度に争いがエスカレートするのもまずい……お互い止められなくなる前に、軟着陸できる案を考えたいとは思っているよ。ただ、行動と別にアレンには私も同じ奴が嫌いだってことで信用してほしい」

「嫌いな奴?」

「榊遊勝。私もあの無責任野郎はぶん殴ってやりたいんだ……その時はアンタの分も残しておいてあげる」

 

 それを聞いて、アレンは思わず吹き出してしまった。

 

「くっ……ははははっ!! ああ、わかった。その言葉、信じるぜ」

 

 まさか遊花があの男を知っていて、かつ同じように殴ってやりたいと思っているとは知らなかった。だが、その言葉は下手な綺麗ごとよりもよほど納得できる。その理屈も理解できるからこそ、アレンとしては引き下がるほかない。二人を置いてランサーズが集まり、遊花が提案した作戦は意外とシンプルであった。

 

「融合次元の決闘者を捕縛する」

「捕縛?」

「そう。ここ二日みたいに追い払うんじゃなくて、捕まえて融合次元の拠点の場所を吐かせる……そこまでで当初の任務は達成だから一旦スタンダード次元に帰還する」

「我らの任務はエクシーズ次元のレジスタンスと協力関係を結ぶことと、偵察……確かに任務達成でござるな」

「それはそうだけどよ……この拠点も物資と避難民の精神って意味でギリギリだぜ? こっちが数と体制を整えて、打って出るまでもつのかよ?」

「刃君が言うのはもっとも。そこは賭けだね……ただ、うまくすれば一気に状況を打開できる重要な施設があいつらの拠点にはある」

「重要な施設……?」

「アカデミアは自分達の次元から次々に人と物資を運びこんでいる……つまり、大規模な次元移動装置がある。少数精鋭で防衛線に穴を空けて次元移動装置を押さえ、スタンダード次元に繋ぐことで内と外から挟み撃ちにしてやれば前線基地を制圧することも現実的になってくると思う」

「! そうすれば……」

「実質的にエクシーズ次元は解放。平和なスタンダード次元から人と物資を供給して、復興を手助けできる。シンクロ次元組がうまくいっていれば、そっちからの人員も期待できる」

「しかし、そう簡単にいくとは思えぬでござる」

「正面制圧できるだけの戦力があればよかったんだけど、そうもいかないからね……正直なところ、シンクロ次元組の成果と零児社長の人心掌握能力頼みだよ」

「ダーリン達なら、きっとうまくやってくれていると思うけど……」

「うん、ミエルちゃんくらい盲目的に信じられればいいんだけど……私はどうも愚弟(シンゴ)がいることもあって信用しきれないんだよね」

「あちらには月影もいる。心配は無用でござる」

「まあ、信じないことには始まらないか」

「ああ。それから……捕縛すると言っても課題が二つある」

「どうやって口を割らせるか……それから、カイトだね」

「そうだ。奴らは赤馬零王に心酔している、捕まった時点で自らカードになるくらいはやりかねない」

「そこは拘束した段階でデュエルディスクを没収して防げるけど……尋問で素直に喋ってくれるかは確かに疑問だね。まずは尋問、次に身の安全の保障って形で取引を持ち掛ける……可能な限り避けたいけど、最悪の場合拷問しかないかも。まあ、安全保障を蹴ったらその瞬間拷問まがいの事態になりかねないから、できれば取引に応じてくれるのがベスト」

「拷問まがいの事態って……」

「融合次元の人間がこの拠点の人間にどれだけ恨み買ってると思ってるの? 考えたくないレベルで悲惨な結果になっても不思議じゃない」

 

 最悪の展開を想像してしまったのだろう……ミエルちゃんと真澄ちゃんが身を震わせた。

 

「もちろん、俺達も抑えるつもりだが限界はあるだろうな。そういう意味では、捕縛も一人だけより複数人が望ましい。そして、そこで課題になるのがカイトだ」

「単独行動で好き勝手暴れ回ってるからそもそも捕縛対象を潰して回っちゃってるんだよね……かといって、探すのは骨が折れるし見つけたとして抑え込むのも簡単じゃない。不確定要素として怖すぎるけど、明確な対策もない……ただ、昨日の巡回で移動している方角の目途はついているからそっちを避けながら捕縛対象を探すしかないかな」

「アレンや、サヤカなら説得できないか?」

「だとしても、まず見つけるって段階から難しいから結局介入して来ないことを祈るしかない。この案で異議がなければ、移動ルートとかメンバー選出とか相談して絞っていこう」

 

 

 その会議の様子を離れて聞いていたサヤカは、新たなデッキに手を置いて目を伏せる。

 

「……私、カイトを探しに行く」

「サヤカ!?」

「ランサーズのみんなは私達の味方を連れてこようとしてる! カイトと私達は仲間として戦える! 説得しないと!!」

「お、おい待てよ!!」

 

 拠点を飛び出したサヤカを、追いかけるアレン。

 見た目に反して体力のあるサヤカを追って、瓦礫の間を進む……開けたところに出ると、不意に女性の声が響いた。

 

「あら? もうターゲットに遭遇したのかしら?」

「いや、違うようだ。カイトという男は単独行動だと聞いた……大方、私達と同じようにカイトを探しに来たエクシーズ次元の人間だろう」

「なんだ、つまらないの」

「そう言うな、グレース。ついでにカードにしてしまえば、カイトをおびき出す餌に使えるかもしれん」

「それもそうね。あんまり強そうじゃないけど、ノロマちゃんへの手土産としても悪くはないんじゃない?」

 

 金髪と銀髪……よく似た顔立ちの女性二人。その腕にはデュエルディスクがあった。

 

「カイトを、探している……? アカデミア……!」

「そりゃあ、あれだけ連中を倒しているカイトを放っておくわけは無いよな……やるっきゃねえ! サヤカ、お前は拠点に戻れ! ランサーズの奴らに知らせるんだ」

「ほう? ランサーズを知っているのか。それはちょうどいい、無駄な抵抗をしなければそいつらを連れて来るまではカードにするのを待ってやっても良いぞ」

「あら、グロリア姉さん優しい」

「寝言は寝てから言いやがれ、俺がまとめて相手してやる!」

「アレン!」

「とっとと行け! たとえ勝てなくても、ここで食い止めるくらいなら……!」

 

 いくらデッキが強化されたとはいえ、二対一は分が悪い。アレンが冷や汗を流すが、その横でサヤカもまた、デュエルディスクを構えた。

 

「私も、戦う! 二対一で勝てなくても、二対二なら勝てるかもしれない……!」

 

 二人の勇気をグレースが鼻で笑う。

 

「あらあら、やる気みたいね? 二対二なら勝てる、なんてそのおバカっぷりがかえって可愛く見えてくるわ」

「無知とは時に残酷だな。では、教えてやるとしようか」

「私達タイラー姉妹のデュエルの恐ろしさ、たっぷり味わいなさい」

 

「「「「デュエル!!」」」」




 というわけで、タイラー姉妹登場で次はタッグデュエルです。
 タッグデュエルはあえて原作準拠しつつ

・1周目は全員ドロー不可
・1周目2人目から攻撃可能
・LPはそれぞれ4000、攻撃時は前のターンプレイヤーにダメージが入る
・タッグ両方のLPが0になるまでは続ける
・フィールドと墓地は共通、EXデッキ及び手札は各自が所有

こんな感じでやろうと思います。
手札は潤沢になりますが、実質LP8000の普段のデュエルに近い感じで書ければと考えております。

 まあ結果はお察しですが、その後年齢制限がかかるような事態は避けるつもりなのでご安心ください。
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