ARC-V転生美少女物語   作:らびどっぐ

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 実はここで流れを変えるメタ的な理由のもう1つとして、時系列的に遊矢達はまだシンクロ次元にいます。現時点では冗長なフレンドシップカップの終盤くらいです。
 また、アニメ本編とプレイ順に間違いがありましたね。本編ではアレン→グロリア→サヤカ→グレースだったのでグロリアとグレースが逆でしたが、本作ではこのまま進めます。


★【VS】アマゾネス(後編)

「ここから全員ドローできる。俺のターン、ドロー!」

 

 グロリア LP4000 手札2枚

 

 フィールド 《アマゾネス女帝》(ATK2800) 《アマゾネスペット虎獅王》(ATK2900) 《アマゾネスの急襲》

 

 盤面を見て、アレンは唸る。

 

 《アマゾネスペット虎獅王》の効果で《アマゾネス女帝》は攻撃できず、《アマゾネス女帝》がいることで、《アマゾネスペット虎獅王》は戦闘・効果で破壊できない。おまけに戦闘をすれば《アマゾネスの急襲》でモンスターが除外されてしまう。

 今引いたカードを使えば、盤面にエクシーズ素材を揃えることが出来るが、問題はその後だ。

 

(どうする? 《ギガンティック“チャンピオン”サルガス》は回収できない。かといって、破壊効果は効かない……)

 

 そこで自分のEXデッキを見て、あるカードに目が留まる。

 

『なあ、このモンスターって、役に立つのか?』

『わかんない』

『わかんない、ってそれでも先生かよ!』

『だって、コスト用ですら融合モンスターは嫌って言うんだから15枚埋めるならとりあえず出せる範囲のエクシーズモンスターを適当に突っ込むしかないじゃん。一応汎用性高そうなやつで固めてるけど、それ重いしもっと良さそうなカードがあったら変えてみようか』

 

 遊花から見た時、それは『間に合わせ』で用意したエクシーズモンスターにすぎなかったのだがこの状況ではその『間に合わせ』が『最適解』の一つだった。

 

「EXデッキを変えていなくて良かったぜ……運も実力のうちってな! 《スプリガンズ・ウォッチ》を発動、自分フィールドに《大砂海ゴールド・ゴルゴンダ》があればデッキから『スプリガンズ』モンスター1体を手札に加え、もう1体デッキから『スプリガンズ』モンスターを墓地へ送る。俺は《スプリガンズ・ロッキー》を手札に加え、デッキから《鉄獣の炎工(トライブリゲード・スプリガンズ) キット》を墓地へ送る。《鉄獣の炎工 キット》の効果、墓地へ送られた場合に自身以外の『スプリガンズ』モンスター1体を守備表示で特殊召喚する! 《スプリガンズ・ピード》を特殊召喚! 続けて《スプリガンズ・ロッキー》を召喚! 召喚成功時に墓地から『スプリガンズ』モンスター1体を手札に加える! 《スプリガンズ・ブラザーズ》を手札に加え、《大砂海ゴールド・ゴルゴンダ》の効果! 手札の《スプリガンズ・ブラザーズ》を捨て、2体目の《スプリガンズ・メリーメイカー》を特殊召喚! 《スプリガンズ・ブラザーズ》が手札から墓地へ送られたことで効果発動、《スプリガンズ・ブラザーズ》以外の『スプリガンズ』モンスター1体を墓地から特殊召喚する! 甦れ、《鉄獣の炎工 キット》!」

「アレン、すごい……あっという間にモンスターが4体!」

「俺は《スプリガンズ・ロッキー》、《スプリガンズ・ピード》、《鉄獣の炎工 キット》でオーバーレイ! 無慈悲なる機械天使よ、侵略者の帝国を打ち砕け! エクシーズ召喚! 《ヴァイロン・ディシグマ》!!」

 

 機械天使・ヴァイロン。名前の通り機械ではあるが、アレンの用いている機械族ではなく、天使族のモンスターである。所属するテーマ【ヴァイロン】は装備に関する効果を持つカテゴリであり、《ヴァイロン・ディシグマ》もまた、装備に関する効果を持つ。その効果が……これだ。

 

「《ヴァイロン・ディシグマ》の効果発動! 1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除くことで相手フィールドのモンスター1体を装備カードとして吸収する! 《アマゾネス女帝》を装備!!」

「何っ!?」

「これで破壊耐性は無い! バトルだ! 《ヴァイロン・ディシグマ》で《アマゾネスペット虎獅王》を攻撃!」

「馬鹿め、それでも《ヴァイロン・ディシグマ》の攻撃力は2500、攻撃力を上げるカードがあったとしても戦闘後に《アマゾネスの急襲》の効果によって除外される!」

「《ヴァイロン・ディシグマ》は装備しているモンスターと同じ属性のモンスターと戦闘を行う時、ダメージ計算を行わずに相手モンスターを破壊する!」

「《アマゾネスペット虎獅王》まで……!」

「そもそもダメージ計算に入らないなら、ダメージ計算後に除外する《アマゾネスの急襲》は発動できない! 《スプリガンズ・メリーメイカー》で直接攻撃!」

「まだだ、《アマゾネスの急襲》の効果で手札から《アマゾネスの聖戦士》を特殊召喚! 更に攻撃力を500アップする! そして『アマゾネス』モンスターが特殊召喚されたことで、《アマゾネスペット仔虎》を墓地から特殊召喚」

「……攻撃中止だ。これでターンエンド」

 

アレン LP3900 手札3枚

 

フィールド 《ヴァイロン・ディシグマ》(ATK2500)《スプリガンズ・メリーメイカー》(ATK2100)※《大砂海ゴールド・ゴルゴンダ》の効果により1100→2100にアップ

《大砂海ゴールド・ゴルゴンダ》《スプリガンズ・インタールーダー》《アマゾネス女帝》(装備カード扱い)《聖夜の降臨》 伏せカード1枚(《聖なる篝火》)

 

「私のターン、ドロー!」

 

 静かにカードを引くが、グレースの手札は1枚。このカードが通らなければ、文字通り何もできない。

 

「魔法カード《戦士の生還》を発動。墓地から戦士族モンスター1体を手札に加える」

「《スプリガンズ・インタールーダー》の効果、《スプリガンズ・メリーメイカー》をEXデッキに戻し効果を無効にする」

「……これでターンエンド」

 

グレース LP4000 手札0枚

 

 フィールド 《アマゾネスの聖戦士》(ATK1900) 《アマゾネスペット仔虎》(DEF500) 《アマゾネスの急襲》

 

「私のターン、ドロー! まずは伏せてあった《聖なる篝火》を発動! デッキから《ホーリーナイツ・レイエル》を手札に加え、そのまま召喚。《ホーリーナイツ・レイエル》の効果、召喚成功時にデッキから『ホーリーナイツ』魔法・罠カードを手札に加える。2枚目の《聖なる煌炎》を手札に加える」

 

 ここまでは既定路線。次をどうするか、と思ったところで《ヴァイロン・ディシグマ》のエクシーズ素材とフィールドに気が付いた。

 

「アレン! あなたのモンスターを使わせてもらうわ!」

「おう! 好きにしろ!」

「エクシーズ素材を取り除き、《ヴァイロン・ディシグマ》の効果を発動! 《アマゾネスペット仔虎》を装備カードとして吸収! そして取り除いたエクシーズ素材……《鉄獣の炎工 キット》の効果発動! 墓地の『スプリガンズ』モンスター1体を守備表示で特殊召喚する! 《スプリガンズ・ブラザーズ》を特殊召喚! そして《ホーリーナイツ・レイエル》と《スプリガンズ・ブラザーズ》でオーバーレイ! 聖なる騎士よ、(そら)を駆け昇り(ドラゴン)を光に導け! エクシーズ召喚! ランク4《天翔ける騎士(スターリング・ナイト)》!!」

 

 金色の騎士が舞い降り、その手の剣を天高く掲げた。

 

「《天翔ける騎士》の効果! エクシーズ素材を1つ取り除き、手札から光属性モンスターを特殊召喚する! 再び舞い降りよ、《聖夜に煌めく竜》! 《聖夜に煌めく竜》の効果で、《アマゾネスの急襲》を破壊する!」

「《アマゾネスの急襲》は破壊された時、墓地から『アマゾネス』モンスター1体を特殊召喚できる! 甦れ、《アマゾネスペット虎獅王》!!」

 

 その威圧感に、サヤカは思わず一歩下がるが……静かに呼吸を整える。

 

「大丈夫。もう……勝ってる! バトル! 《ヴァイロン・ディシグマ》で《アマゾネスペット虎獅王》を攻撃! そしてダメージ計算を行わずに破壊する!」

「それは甘んじて受けるわ。でも、まだ私達の場には《アマゾネスの聖戦士》がいる。2体で攻撃されても、ライフは残る」

「いいえ、これであなたは倒せる! 《聖夜に煌めく竜》で《アマゾネスの聖戦士》を攻撃! そしてダメージステップ開始時に効果発動! 攻撃対象のモンスターをエンドフェイズまで除外し、もう一度続けて攻撃できる! 《アマゾネスの聖戦士》を除外!」

「何ですって!?」

「《聖夜に煌めく竜》で直接攻撃! 聖煌波導(ホーリー・シャイン・ソニック)!」

「ううっ!!」

 

グレース LP4000→1500

 

「これで終わり! 《天翔ける騎士》で直接攻撃! 天翔裂剣(ヘブンスソラーブレード)!!」

「そんな……馬鹿な……!!」

 

グレース LP1500→0

 

「グレース!!」

「よっしゃ、まず一人!」

「私はカードを1枚セットして、ターンエンド」

「……エンドフェイズに《アマゾネスの聖戦士》はフィールドに戻る」

 

サヤカ 手札4枚 LP2000

フィールド 《天翔ける騎士》(ATK1900) 《聖夜に煌めく竜》(ATK2500) 《ヴァイロン・ディシグマ》(ATK2500) 《大砂海ゴールド・ゴルゴンダ》《スプリガンズ・インタールーダー》《アマゾネス女帝》(装備カード扱い)《アマゾネスペット仔虎》(装備カード扱い)《聖夜の降臨》 伏せカード1枚

 

「私のターン、ドロー!」

 

 フィールドには《アマゾネスの聖戦士》のみ。相手フィールドはほぼ埋め尽くされている。絶望的な状況だが、それでもグロリアは退くわけにはいかなかった。敗れれば、目の前の相手かアカデミア化はわからないが、妹共々カードにされるしかない。自分だけなら受け入れる事も出来るが、妹までカードにされるのは我慢がならなかった。

 

「手札から《融合》を発動!」

「《聖なる煌炎》を発動、《聖夜に煌めく竜》を手札に戻すことで、その効果を無効にして破壊する!」

「くっ……!」

「《聖夜に煌めく竜》が手札に戻ったことで、墓地の《ホーリーナイツ・オルビタエル》の効果発動、自身を特殊召喚」

「《アマゾネスの聖戦士》をリリースして《アマゾネス女王》をアドバンス召喚! 装備魔法《アマゾネスの秘宝》を装備!」

「《聖夜の降臨》 の効果を発動! 《聖夜に煌めく竜》を手札から特殊召喚! 《聖夜に煌めく竜》の効果で! 《アマゾネス女王》を破壊する!」

「ここまでか……ターンエンドだ」

 

グロリア LP4000 手札0枚

フィールド カードなし

 

「俺のターン、ドロー! ……俺に弱いものいじめの趣味はねえ。このままバトルだ。 《ヴァイロン・ディシグマ》と《聖夜に煌めく竜》で直接攻撃!」

 

グロリア LP4000→1500→0

 

「か、勝てたの……?」

「ああ! 俺達の勝ちだ!」

 

 実戦の勝利を噛みしめる二人に、グレースが吐き捨てるように告げる。

 

「……そうね、私達の負けよ。さっさとカードにしたら?」

「覚悟は良いんだけどさ、それやられちゃうとちょっとばかり困るんだよね」

 

 拍手しながら、遊花が姿を見せる。

 

「遊花!? いつの間に!?」

「ついさっき来たところ。固有のデッキ持ち……それも二人倒すなんて文字通り、最高の戦果だよ!」

「へへ、まあな」

「ご苦労ついでに、ちょっと手伝ってもらえる? こいつらのデュエルディスク回収するから」

「何だと?」

「自分で自分をカードにされたりしたら困るからね……大人しくしててよ? 最悪腕を折ってでもデュエルディスクは回収するけど、こっちの拠点はまともな治療なんてできない状態なんだから」

 

 存外スムーズにデュエルディスクを渡すタイラー姉妹……だが、それは諦めというより、カードにすることの忌避に対する戸惑いの方が大きい様子だった。

 

「さて、と……ここからは拠点に同行してもらって尋問……」

 

 そこで、グロリアのデュエルディスクに通信が入った。

 

『タイラー姉妹! 予定よりも1時間26分43秒も到着が遅れているぞ! どこで油を売っている!!』

 

「…………あんた達、運が良かったね。おかげで荒っぽい真似しなくて済む」

 

 野呂守があまりに到着が遅いタイラー姉妹に業を煮やし、通信を取るとそこから聞き覚えの無い女の声が聞こえてきた。

 

『あ、あー。テステス。初めまして。私はランサーズエクシーズ次元班指揮官沢渡遊花、このデュエルディスクの持ち主は私達の仲間が倒しました』

「何ぃ!?」

 

 信じられない。タイラー姉妹は対カイト・対ランサーズの戦力として派遣を決定した実力者だ……エクシーズ次元のデュエルスクール・クローバー校の決闘者の大部分を殲滅したほどのタッグデュエルの名手が呆気なく返り討ちにあったというのか。

 

『ああ、一つ安心して欲しい。こちらとしても大変貴重な情報源なので、彼女達はカードにしてはいない』

 

 情報源……なるほど、スタンダード次元から来たというのは嘘ではないらしい。それ故に、彼女達は融合次元の情報を欲しあえてカード化しなかったのだ。

 

『彼女らは我がアカデミアのエリートだ、そう簡単には口を割らん』

『自信たっぷりだね……正直なところを言うと、口を割らないからと言って乱暴なことをするのは本意じゃない。一つ、提案がある』

『提案だと?』

『彼女らの身柄の引き渡しを条件に、そちらの司令官との対談を希望する。有能な幹部クラスを無傷で返してあげようって言うんだから、そっちとしても悪い話ではないんじゃないかな?』

 

 確かに、悪い条件ではない。対談、ということは相手からも情報を引き出せるということだ。

 

『……日時と場所は?』

『そちらに任せる』

 

 まさかの丸投げ。これは実に好都合だ……対談がどうなるにせよ、基地内に呼びこんでしまえば少々腕が立つとしても数の暴力で押し込みカード化してしまえる。

 

『……それでは、3日後の14時ちょうどに来ていただこう。場所はおってこのデュエルディスクに送る』

 

 通信が切られたところで、遊花はニヤリと笑みを見せた。だが、通信の間に合流したユートと真澄は当然の反応を見せる。

 

「ちょっと、本気なの!?」

「相手は罠を張るに決まっているだろう!」

「そんな事は織り込み済みだよ。むしろ、だからこそこっちも目的を果たせた」

「目的って……」

「これで相手は確実に、自分達の懐を私達に明かす。後は当初の予定通り帰還してこちらも数を揃えるなり、対談相手を人質にとって罠をすり抜けるなり、こっちも策を講じられるのは一緒だよ」

 

 その意図を把握すると、拘束されたタイラー姉妹からげんなりとした声が漏れた。

 

「お前は……」

「ノロマちゃんと違って、大した悪党ね……」

「人聞きの悪い……私を怒らせると、ろくなことにならないから言動には気を付けてね」

 

 無論本気ではないと真澄とユートには理解できたが、エクシーズ次元の二人とタイラー姉妹には悪魔の一言に聞こえたのであった……。




 何だか後半はアド差で消化試合気味になってしまいました。アマゾネスの布陣を崩せるランク4エクシーズないかなと探したのですが、地属性統一が災いして《ヴァイロン・ディシグマ》が想像以上にぶっ刺さる結果に。

 ぼちぼち、どっちが悪党かわからなくなってきますがこの後は少し物語を動かす要素を加えるつもりです。
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