一応3人のデッキ方針を整理する意味も兼ねています。
権現坂昇との面談
「うん、頼まれた講義でも言ったけど特段デュエルに関して言う事は無いかな。ただ、意識すると良い事はある」
「意識する事……」
「情報の感度は上げておこう。特に、これからはペンデュラムのカードが増えてくる……その中で有用そうなものはどんどん取り入れて、試してみることでデッキを洗練させていくと良いと思う。あと、EXデッキに余裕があればエクシーズ召喚も取り入れてみても良いかもね」
「なるほど……」
「それから、ちょっと面白いカードを知ってるから教えておくね。採用判断は任せるけど、デッキに投入する価値はある」
扱いは難しいが強力なドローソースである《雪花の光》や墓地から除外出来る魔法・罠をいくつか教えておく。『墓地に魔法・罠が存在しない』場合に力を発揮する権現坂の【超重武者】は採用出来る魔法・罠が限られる。そもそも採用しなくても全然戦えるしその方が強いまであるが、選択肢はあって損は無いだろう。
「ふーむ……こんなカードもあったのか」
「とりあえず、こんなところかな。あと、これは個人的な頼みなんだけど……遊矢と柚子の力になってあげてほしい。あの子達、ちょっと精神的に不安定になりかけてるように見える……私は年は近いけどそれでも基本『教える側』で大人の意見を言わないといけないから。同じ目線で頼れる仲間がいた方が良いと思う」
私の言葉に、ドンと胸を叩き頷く権現坂。
「無論だ! 2人が先生の言葉に揺らいだなら、俺が支えよう」
柊柚子との面談
「柚子ちゃん、悪い癖が出てきてるよ」
「え?」
「まず、今日の練習試合と遊矢のデュエルを見て、どう思った?」
「……権現坂も、遊矢も、すごいなって。シンクロ召喚やエクシーズ召喚、融合召喚を完全に使いこなしてた。私は、そんな二人に追いつけるのかな?」
「やっぱりね……そういうの、なんて言うか知ってる? 『隣の芝生は青い』ってやつだよ」
「そんな事言われても……」
「そもそも、柚子ちゃんはデッキの方向性を一度考えた方がいい。権現坂君の【超重武者】は元々フルモンスターってかなり強烈な個性に加えて、シンクロ召喚を取り入れる事で拡張性を増した。遊矢はペンデュラム召喚って独自性を手に入れた事で、それを生かす方向に進もうとしてる。柚子ちゃんは、どういう方向に進みたい?」
「どう進めばいいのか、わからないです……」
「それは、自分で決めなきゃいけない。私はアイドルやプロ決闘者の仕事の合間に顔を出す程度しかできないけど、どの方向に進むにしても柚子ちゃんの意志は尊重して、インストラクターとしてサポートをしていくよ。一応、柚子ちゃんの【幻奏】で取れる方向性の指針は大きく分けて3つかな」
「3つ……」
「1つ、融合召喚を軸にする。この場合《幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ》辺りがエースになるかな。2つ、ランク4を中心にエクシーズ召喚を積極的に使う。ランク4エクシーズは汎用枠が多いし、【幻奏】はレベル4モンスターが中心で特殊召喚手段が豊富だから、無理なく使える。3つ、EXデッキの使用を抑える」
「どうして、抑えるんですか? EXデッキのモンスターはどれも強いのに……」
「はい、根本的な勘違い。融合でもシンクロでもエクシーズでも、それは『戦術の1つ』に過ぎないんだから、使わなくたって勝ち筋はいくらでもある。【幻奏】の場合、これも悪くない選択肢だと思うよ? 天使族カテゴリだからね、EXデッキに頼らなくても大型には強力なモンスターが多い」
「…………」
「友達を意識するのは良い、強くなりたい、ってライバル意識になるからね。でもそれで迷走してちゃ世話無いよ。周りを意識して、自分がおろそかになるのは柚子ちゃんの悪い癖。選択肢は多いけど、だからこそいったん止まって自分のデッキと向かい合う事。ちゃんと方向性を決めたエキスパートとデュエルすると勉強になるかもね……何なら、ニコさんに相談してマッチング1戦くらい組んでもらう?」
「一度、考えてみます……」
「よろしい。あくまでも個人的な意見なんだけど、主軸はEXに頼らない戦術でやるのが良いかもね。考える事が少なくて済むから、迷っているうちはその方がミスが減ると思う」
榊遊矢との面談
「思った通りと言うか、思った以上と言うか……やっぱり取っ散らかってるね」
デッキを見せてもらい、率直な感想を口にする。
「何だか、あれもこれも入れたくなっちゃって……」
「気持ちは分かるけど、もうすぐ『魔術師』のパーツ返してもらうんでしょ? 次にレオ・コーポレーションに貸すカードにもよるけど、方針は明確化しないとデッキ回らなくなるよ」
「方針、って言えるかはわからないけどやっぱりペンデュラムを中心に戦術を組み立てたい」
「それなら、ペンデュラム以外のモンスターは厳選しないとね。ペンデュラムモンスターも、手当たり次第じゃなくちゃんと目的を考える事。EXデッキは、エクシーズはランク4と、意外といけそうだからランク7……それから、適宜融合って感じの構成で良いと思う。それと……大丈夫?」
「大丈夫、って?」
「何か、突然柄にもないモンスター使ったでしょ。《
指摘してやると、遊矢の表情が曇る。
「何か、さ……ペンデュラム召喚を覚えて、『もっとデュエルしたい』って気持ちが強くなった。特に、ここ数日はよくわからないけど、デュエルしている時に『勝ちたい』って衝動が強くなる」
「新しい力、それも現状『自分だけの強み』となればそれに酔って振り回したくなるのは自然っちゃ自然だけど……」
「ガトリングールはただ『EM』の融合モンスターだから、何となくEXデッキに入れていたんだ。素良とのデュエルでは衝動が強くなって、すっと『こいつを使えば勝てる』って考えが浮かんだ」
「ふーん。勝利の追及は、悪いとは言わない。元々デュエル自体は楽しんでいたと思うけど、特に『勝ちたい』衝動が強くなったのは、ここ数日なんだね?」
「うん」
……推測にすぎないが『ここ数日』と言う点を考えると『あいつ』が来た事で刺激が強まって、素良とのデュエルがトリガーになった事で、一時的に『覇王』に強く引っ張られたか。言動そのものには異常が無かった点を考慮すれば、まだ危機的状況ではないだろう。結局のところ『鍵となる4人』が揃わなければラスボスにつながる可能性は極めて低い。
とはいえ、刺激し過ぎると揃いだした時に一気に覚醒が進んでしまう危険性はある……場当たり的で何とも言えないが、やはり様子を見るしかないか。
「私は医者じゃないから何とも言えないけど、多分色々な事が重なって闘争心が昂ってるんじゃないかな? デュエルの時だけならまだいいけど、日常でも攻撃的になり始めるとまずいから一旦心を落ち着ける意識は持とうか。権現坂道場はデュエルでも平常心を心がけるって教えがあるみたいだから、相談してみると良いんじゃない?」
「権現坂道場か……」
「とにかく、一度頭もデッキもスッキリさせる事! あーだこーだ迷っている状態で勝てる程、ジュニアユース選手権は甘くないよ! まったく、内容は違うけど柚子ちゃんと二人して同じタイミングで悩むとか似た者同士? カップルの恋愛相談は占い得意なミエルちゃんにでも頼んでよね」
「そんなんじゃないって!!」
「冗談冗談。とりあえず、今の迷走してる状態にしてはよくやった、って1個だけ褒めておくね。さっきのデュエルでの榊遊勝の真似した演出、あれは良かった。ちゃんと気遣いが出来ていたからね……演出は似ていても、父親より良かったよ」
「え!?」
「ただでさえ精神不安定な状態の息子の前で言う事じゃないかもしれないけどさ、アイツ最低の自己中男だから。気持ちを落ち着けて、その意味を知りたくなったら連絡して。都合をつけて、説明してあげるから」
とりあえず、面談としてはこんなところだ。遊勝塾を出たところで、メールが届いていたことに気付いた。
(LDSから、講師の依頼……融合コースの臨時講師!? しかもこれ……)
レオ・コーポレーションから新規カードを貰える代わりに傘下のLDSで単発講師をする際は授業料を割り引かれているはずなのに、相場の2倍近い額が提示されていた。
(……どう見ても『危険手当』込みです。本当にありがとうございました)
とりあえず、金額的にも美味しいので話は受けよう。ただし……『例のモノ』の使用許可を貰うという条件付きでね。
と言うわけで、遊矢は魔術師が戻ってきます。今回のアンケートは、最終的に遊矢のデッキをどういう方向性にするかです。【魔術師】はアストログラフ、クロノグラフとか4色魔術師はストーリー展開上使いにくいので結局魔術師オッドアイズっぽくなると思います。
権現坂はあまり触らず、本編通りの強さかなと思っています。ぶっちゃけバイQだのワカU4だの使っちゃうと冗談抜きに作中最強になりかねません。
柚子の【幻奏】は融合を積極的には使わない方向で行こうかと思っています。と言うのも、本編後のエトワールやルフラン、リンクのハーモニストがいないとうま味が少ないからです。かといってこれらを使わせると権現坂に新弾カード渡さない理由が無くなっちゃうんですよね。
前回のアンケ、やはりというか不審者人気ですね。1号と2号は意外と接戦なので悩みどころです。
余談ですが、本作はカード効果はアニメオリカが出た時以外はOCG準拠の方向性なので【幻奏】もアリアは謎バーンではなく強固な耐性付与です。
遊矢のデッキの方向性、どうする?
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