リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章12話 戦闘ゴブリンキング!

 Cランクパーティーのリーダーの指示で、ルーウェンさん達の援護に向かう。

 僕は空を飛べるので、一足先に到着した。

 ゴブリンキングはまだ五体満足で、ルーウェンさん達は苦戦を強いられている。

 ゴブリンキングを分析してみると…… 。

 

名前:ゴブリンキング

ランク:B

状態:魔化、魔力シールド展開中

説明:召喚されたゴブリンの王

備考:魔力で能力が強化されている

 

 まーた魔化か……。

 そして誰かがこいつを召喚したらしい、全く……、どこの誰何だか。

 そう思ったとき、ゴブリンキングがこちらに気付き魔法を放ってきた。

 

「ゴアアァァァ!」

 

 どうやらこの世界のゴブリンキングはゴブゴブ言わず、手に持ってる身の丈ほどの大剣だけでなく、遠距離攻撃も可能な万能型らしい。

 攻撃を避け、誰かが巻き込まれないように声を出してから攻撃する。

 

「皆さん、援護します! プラズマレーザー」

 

 僕が左指全てから切り裂くように放ったプラズマレーザーに対し、ゴブリンキングは大剣と皮膚による防御を選択した。

 大剣は溶断され使い物にならなくなったが、キングの体は軽く肉を切り裂くことしかできなかった。

 

 (マジか……、魔力シールド展開してると大剣より硬いのかよ……)

 

「ゴアァ⁉」

 

 どうやら魔力シールドでBランク二人の攻撃をかなり防げていたためか、その防御が突破されて驚いているようだ。

 

「アルか! 助かった!! そのまま上から攻撃してくれ!」

 

 そう言うとケイデンさんはキングにできた傷に向かって剣を振るい、ルーウェンさんと僕達がキングが反撃しようとすると、脇や後ろから攻撃し反撃させない。

 プラズマブラスターを撃って左腕を消し飛ばし、戦況はこちら側に一気に傾く。

 そうして堅実に、そして着実にダメージを蓄積させ、もうひとつのCランクパーティーとDランク冒険者も合流してよりダメージを与えやすくなり、いよいよ弱ったゴブリンキングにケイデンさんが止めを刺そうとしたとき……

 

(敵が魔力を体の中心に集めている……、自爆する気か⁉ マズイ……、あれだけ近距離で自爆されたらケイデンさんが危ない!)

 

 そう思いながらケイデンさんの前に割り込みイージス改を構えながらケイデンさんに爆発の余波が当たらないように、プラズマシールドを展開する。

 ケイデンさんが僕が突然割り込んで驚いたその直後、ゴブリンキングがすさまじい閃光を放ち爆発する。

 

「ケイデン! アル!」

 

 ルーウェンさんが珍しく焦った声を出している。

 そうしてしばらくして爆発による煙が晴れると……。

 

「た、助かったぜアル。命拾いした……」

 

「二人とも無事ですか⁉ ……よかった、とりあえず生きているようですね、怪我はありませんか?」

 

「俺は大丈夫だ、アルはどうだ?」

 

「こっちも大丈夫です。いやー、ヒヤッとしましたよ」

 

 ルーウェンさんが呆れたようにこう言った。

 

「それはこっちのセリフですよ……、まさかゴブリンキングが自爆するなんて、こんなの聞いたことがありません。まあ無事なので良しとしましょうか」

 

 こうして、ゴブリンキング討伐作戦はゴブリンキングの自爆という形で終わった。

 しかし、死に際に自爆で散るとは、敵ながらロマンのある見事な爆発だった。

 ゴブリンの死体を回収し、怪我をした人を聖魔法を使える人が治した。

 治しきれなかった人は持ってきたポーションを使って怪我を治してから町へと戻り、ギルドに報告しに行った。

 

「皆さんお疲れ様です! こちら報酬の金貨一枚となります。追加報酬は後日聞き取り調査をしてお支払いしますのでもう少々お待ちください。もしゴブリンの死体がある場合は鑑定課に渡してくださいね」

 

 それから、価値のある上位のゴブリンを渡してお金を受け取って分配し、みんなで依頼達成の打ち上げが始まった。

 参加していたDランク冒険者のパーティーメンバーも集まり、人数はかなり多くなった。

 僕は、あらかじめ約束していたリュシオン君を探し、彼の隣に断りを入れてから座る。

 

「みんな聞いてくれ、僕らと一緒にオーク討伐を受けてくれるアルティマ君だ。じゃあさっそくうちのパーティー、明けの明星のメンバーを紹介するよ。まずリーダーのミレイラ」

 

「明けの明星リーダーのミレイラよ。よろしく!」

 

 ミレイラさんは活発そうな女性で剣士のようだ。

 

「よろしく、ミレイラさん」

 

「ミレイラでいいわ。そういう堅苦しいの苦手なの、こっちもアルって呼びたいんだけどいいかしら?」

 

「うん、いいよ。改めてよろしく、ミレイラ」

 

「次に、重戦士のアレン」

 

「アレンだ。私には家名があるが、わけあって今は名乗っていない。よろしく頼むアルティマさん」

 

 アレンさんは貴族らしい。若干硬い印象を受けるガタイのいい男性だ。

 

「よろしくお願いします。アレンさん」

 

「次に魔法使いのマーリャ」

 

「よ、よろしくお願いします……、ア、アルティマ君」

 

 マーリャさんはかなりおどおどしていて、自信のなさそうな雰囲気だ。

 ……だが何となく僕の勘がそれだけじゃないと言っている。

 

「よろしくお願いしますマーリャさん」

 

「あ、えっとマーリャでいいです」

 

「そう、よろしくマーリャ」

 

「そして最後にこの俺、リュシオンだ。改めてよろしく」

 

リュシオンは身軽な弓使いの男性だ。

 

「よろしくリュシオン」

 

そうして自己紹介も終わり、打ち上げも兼ねた依頼の詳細決めが始まった。

 

「じゃあ、私が話を取り仕切るわね。依頼に行くのは明日、朝の鐘が鳴ってからギルドに集合して出発するわ。まず一番大事な報酬の配分についてね。報酬はオーク一体につき銀貨一枚。アル、こっちは報酬を五分割しようと考えているけどそれでいいかしら?」

 

 うん、平等で公平な配分だ、よそ者だからと言って報酬を下げないのは好感が持てるね。

 

「うん、それでいいよ」

 

「じゃあ、これで決まりね。次にアルの配置についてね。アルはどの距離が一番得意かしら?」

 

 近距離も遠距離も両方いけるし、はっきり言ってどこでもいいんだよね。

 そう言えばアイザ、僕の役職は魔法戦士が良いと思うんだけどこの世界って魔法戦士っている?

 

(はい、数は少ないようですがいるようです)

 

「僕は魔法戦士だし遠近両方いけるよ」

 

「じゃあ、うちにいない中衛を任せようかしら? 忙しいかもしれないけど、いいかしら?」

 

「大丈夫だよ」

「決まりね! じゃあ、ほかに話し合いたいことがある人はいるかしら? ……いないようね。じゃあ、依頼を受注してくるわ」

 

そうしてミレイラが依頼を受けて依頼表をもらって戻ってきた後……。

 

「じゃあ、同年代だし気楽に飲みましょう! リュシオンとアルが無事ゴブリンキング討伐依頼を達成したことと、明日の依頼成功を願って! 乾杯!!」

 

「「「「乾杯!」」」」

 

 まあ僕は普段の精神年齢ならともかく、実年齢は途方も無いくらいかけ離れているから同年代かと言われると否と言わざるを得ないんだけどね。

 そんなことを思いながら飲み食いし始めた。

 ご飯の味は酒場という事もあり、不味くないくらいの味だった。

 その後は、みんなで飲み食いして日が沈むまで楽しみ、お開きとなった。

 ちなみに僕は、甘いお酒が好みで苦いビールなどは苦手なので、ご飯を食べて水を飲んだだけだった。

 

(相変わらずマスターは子供舌ですね。少しはビールを飲んだ方がいいのでは?)

 

(わかってるって、必要な時はちゃんと飲むよ。そもそも、こんな人がいっぱい居る所でお酒に酔ってられないから酔わないようにしてるし、それだと僕にとってビールはただの苦い水になっちゃうからね。……まあ、子供舌は否定しない)

 

 そして、宿屋に戻り就寝した。

 あらかじめ受付の人に今日の夕食はいらないと言っておいたので、食材が無駄になることはなかった。




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