リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章15話 アイザの冒険者登録

 1章15話 アイザの冒険者登録アイザと合流した翌朝、朝食後にアイザのギルド登録をしにギルドへやってきた。

 

「すみません、セリアさん。この人のギルド登録をしてほしいのですが」

 

「はい、わかりました。では、お名前を聞かせてもらえますか」

 

 そう聞かれるとアイザは淡々と喋っていく。

 

「アイザです。戦闘経験者向けのランクアップ試験を受けたいのですがよろしいでしょうか」

 

「はい、では試験官を呼びますので少々お待ちください」

 

 しばらくすると、グラムさんがやってきた。

 

「試験官のグラムだ。詳細はアルティマに聞いているか?」

 

 アイザが静かにうなずく。

 

「そうか、なら話は早い。試験会場に案内する」 

 

 そうしてグラムさんに連れられ、また訓練場にやってきた。

 

「では、この箱の中から武器を選んでくれ」

 

 そう言われるとアイザは、前回僕が選んだ剣よりも短い剣を選んだ。

 それに、気が付くといつの間にか訓練場にいた人の何人かが試験を見にきていた。

 

「アルティマ、こいつはお前と同類か?」

 

「……? ええ同類ですよ」

 

 同じロボット同士だしね。

 

「そうか、なら最初から全力で行く」

 

 何やらグラムさんの雰囲気が始まる前からすごいことになっている。

 まあアイザは平気だし負けることはないだろうけど、周りの観客の人が大なり小なりビビってるんだよな……。

 

「アイザ~、がんばって~」

 

「了解しました」

 

 心なしか僕に応援されてアイザが張り切っているように見える。

 僕ののほほんとした応援に回りも少し落ち着きを取り戻したようだ。 

 

「試験の合格条件は簡単。俺を認めさせることだ。では、試験開始!」

 

 グラムさんが開幕早々全力と思われる速度でアイザに切りかかる。

 僕と同じくらい強いと踏んでの攻撃だろう。

 しかし、その全力の攻撃はアイザが一歩も動かず弾く。

 

「……! ならば、これはどうだ!」

 

 グラムさんがパワーとスピードの両方を兼ね備えた連撃を繰り出す。

 しかしこれもアイザは弾き、しかも弾いた衝撃でグラムさんの手をしびれさせたようだ。

 

「やるな……、次が最後だ!」

 

 そう言うとグラムさんはありったけの力を込めた一撃を全力で叩き込む。

 アイザは、それを真正面から迎え撃ちグラムさんの刃をつぶした剣を断ち切った。

 

「……見事なものだな。自信を無くしそうだ……、合格。受付でギルドカードを受け取れ……」

 

 グラムさんはどこか哀愁を漂わせながら訓練場から出て行った。

 

(ちょっとやりすぎてしまいましたかね?)

 

(まあ、グラムさんはかなりメンタル面も鍛えていそうだし、しばらくしたら元に戻るんじゃないかな?)

 

そうして、ギルドの受付に戻りギルドカードを受け取る手続きをした。

 

「おめでとうございます! この短期間でDランクに上がるのを二回も見るとは思いませんでしたよ! では、こちらの注意事項を読んでいただいて問題ないようでしたら下にサインをお願いします」

 

「問題ありません」

(マスターに被害のない限り)

 

「では、こちらがDランクのギルドカードになります。どうぞお受け取りください」

 

 こうして、無事にアイザも冒険者ギルドに入ることができた。

 

「セリアさん。私たちパーティーを組もうと考えているのでその手続きもお願いしていいですか?」

 

「はい、ではパーティー名とお二人のお名前をこちらの紙にご記入ください」

 

(アイザ、パーティー名どうする? 永遠の旅とかいいと思うんだけど?)

 

(賛成です。私達の目的にぴったりですね。それと、リーダーはマスターにお願いしたいと思います)

 

(オッケー、わかった。じゃあリーダーは僕がやるね)

 

 紙にパーティー名と自分たちの名前を書いて渡す。

 

「では、書いたのでこれでお願いします」

 

「はい、永遠の旅ですね。これで手続きが終了しました。永遠の旅のお二方これからも頑張ってくださいね」

 

 ちなみにアイザは女性の見た目をしているが、僕に嫉妬の類の視線はない。

 なぜなら、僕たちは顔のパーツが全く同じなので、一見双子にしか見えないからだ。 

 そうして、この後どうしようかと考えながら外に出ると……。

 

「へへへ、また会ったな。今度は俺の友人も連れてきたぞ。連れ共々指導してやるからとっととくたばr——」

「ただのパンチ!」

「ぐべらぁ!」

 

 相手の拳を受け止めて、アイザがヴェスト……、え~何とかに反撃のパンチを繰り出した。

 うわ~痛そう……。

 

(マスター、この不届き物は私が始末するのでどうぞ休んでいて下さい)

 

 アイザ、正当防衛だから完全にしばくつもりのようだ。

 誰かが衛兵を呼びに行ったようだし、ここはおとなしく周りの観客に交じって観戦でもするかね。

 

「こ、このアマ! おい、お前ら! やっちまえ!!」

 

 ヴェ何とかの仲間のチンピラが奴と一緒に襲い掛かってくるが、アイザは残像が見えるくらいの速度で動いてかわし、連中がぶつかりあって転ぶ。

 正直言って滑稽だ。

 

「く、このアマ! ちょこまか動きやがって、もう許さねえ! ぶっ殺してやる」

 

 あーあ、ぶっ殺す発言しちゃったよ……、衛兵の前で。

 

「おい、お前たち! 寄ってたかって何をしている!! 捕まえろ!」

 

 衛兵の中でも偉いであろう人が号令を出すとチンピラは逃げ出す間もなく捕まえられた。

 

「君、大丈夫かい? すまないが事実確認のために話だけ聞きたいんだが、大丈夫かな? ……それと、その特徴的な恰好……君はアルティマさんか? 盗賊の報奨金の手続きが済んだからついでに受け取ってくれ」

 

「ええ、大丈夫です。マスター、行きましょう」

 

「オッケー行こうか」

 

「ま、マスター? まあ、君たちの関係は置いておくとして……、行こうか詰所はすぐ近くにある」

 

 そうして、衛兵の人に連れられて小一時間話を聞かれた。

 まあ、大半は君たちの関係は大丈夫なものなのかとか、奴隷ではないよな? 禁止されているぞ? とか言ったものが大半だった。

 失礼な、そんな関係じゃないぞ……。

 

「すまない、あまりに奴隷とその権利者に見えてしまってつい……、事件の方は問題ない。目撃者との証言とも一致しているしもう帰ってもいいぞ」

 

 そうして盗賊の報奨金銀貨四枚を受け取ってから、優しそうだけどだいぶおせっかいな衛兵に見送られ、詰所を後にした。

 もうすぐお昼時だしどこかのお店で食べようかな。




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