リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章20話 イエティ討伐終了

 倒したイエティの死体を収納にしまい、戦闘ヘリフライヤー改に向かって飛んで戻った。

 何食わぬ顔で戻ると、レジー君とイリスちゃんはお帰り、忘れ物あった? と聞いてきたので、あったよと返した。

 シェリルさんは、僕がイエティと戦っていたのが見えていたようで、あとで詳しく話を聞かせてもらうから、町に帰ったらギルドに行く前に家に帰るわよ、とコッソリ耳打ちされた。

 帰りは小型の鳥型生物が襲い掛かってきた位で特に問題らしい問題は無かった。

 三人が具合が悪くならないように、機内をゆっくり加圧しながら帰った。

 帰ったら、もう日が沈みかけていた。

 僕達は門番の人に依頼書を見せ、シェリルさん達はキチンと税金を払って町に入った。

 シェリルさんの家に帰ると、早速薬の調合を開始する。

 

「じゃあ僕は薬を調合するから、念のため僕から三歩くらい離れて」

 

 みんなが離れたのを確認してから、材料を頭ほどの大きさの球形プラズマシールドに入れ、調合を開始する。

 

(対象を分解……毒素抽出……収納……薬効成分抽出……濃縮……余剰物質収納……完成!)

 

「みんな! 薬ができたよ‼」

 

 僕がそう言うとレジー君がガッツポーズをしながら喜び、イリスちゃんは飛び跳ねて喜んだ。

 シェリルさんは、いよいよ病気が治るのね……と感慨深そうに喜びをかみしめている。

 

「シェリルさん、薬を飲む前にいくつか忠告しておくことがあります。まず一つ目はこの薬は飲むとポーションのように一瞬で治るわけではありません。二つ目はこの薬は、多分とても苦いです。三つ目はこの薬の材料は僕たちがゼロから作っているわけではないので百パーセント安全を保障できるわけではありません。それでも、飲みますか……?」

 

「ええ、飲むわ。この世に絶対の安全なんて無いもの。それくらい受け入れるわ」

 

 そう言ってくれたので、僕は薬の入った球形プラズマシールドをフラスコ状にしたものをシェリルさんに渡す。

 

「ふぅ~……いただきます! ……苦い!」

 

 そう言いながらも、シェリルさんは薬を飲み干した。

 フラスコを回収すると、レジー君とイリスちゃんがこんなことを聞いてきた。

 

「な、なあアル兄。お母さんは病気が治ったのか?」

「治ったの?」

 

「うーん、まだ薬を飲んだばかりだから何とも言えないねけど……レジー君とイリスちゃんが気持ちを込めて取った材料が使われてるんだ、きっと治るよ!」

 

 僕がそう言うと二人は少し安心したようでお腹がすいたようだ。

 

「「お母さんお腹すいた~」」

 

「はいはい、今何か作るわね」

 

「待ってください、シェリルさん。まだ、治ってるかどうか分からないんですから今はゆっくり休んでてください。ご飯は僕が作りますから」

 

 シェリルさんは申し訳なさそうにしながらも、僕のお願いを聞いてくれた。

 

「あら、じゃあお願いしちゃおうかしら?」

 

「任せてください!」

 

 さて、今日はたくさん余ってる保存食を消費しないといけないしから、あまり味が濃くなり過ぎないように食品内の塩分をある程度抜くか。

 今日は干し肉と干し野菜を使ったスープとスープの中に乾パンを入れてふやかしたものにしようかな。

 そうして、料理ができたのでみんなに持っていこうとした時、レジー君とイリスちゃんが料理を運ぶのを手伝ってくれた。

 

「二人ともお手伝いできて偉いね~ありがとう」

 

 そう言って二人の頭を撫でると、二人ともとても喜んでくれた。

 

「えへへー」

「えっへん!」

 

「さあ、ご飯食べようか。保存食ばかり使ってて申し訳ないけど、今度作る機会があったらもっとおいしい料理を作ってあげるよ!」

 

 そうして、みんなでご飯を食べ始めた。

 味は保存食がメインにしてはおいしかったが、やはり新鮮な食材を使った料理には劣る。

 

「ごちそうさまでした」

 

 五人でごちそうさまを言って、レジー君とイリスちゃんは寝る準備をしてから眠った。

 二人が眠った後、シェリルさんにイエティのことを話すことにした。

 

「で、シェリルさん。何が聞きたいんです?」

 

「まずはあのイエティね。アルさんはイエティが近づいて来たから私たちを先に逃がしたのね」

 

「ええ、そうですよ。シェリルさんは多少戦えますが、流石にレジー君とイリアちゃんを危険に晒すわにはいきませんからね。それに、いかにシェリルさんが元Bランク冒険者だとしても流石にAランクのイエティでは分が悪いでしょう?」

 

 そう言うとシェリルさんは悔しそうにしながらも僕の言ったことを認めた。

 

「そうね……今の鈍った体で戦ったら私達は間違いなくイエティに殺されてたわ。まさかあんなのがいたなんて、アルさん達がいなかったらどうなっていたことか……」

 

「あー、まあ僕達がいなかったら薬の材料を取りになんて行かなかったでしょうし、お相子ですよ」

 

「そう、フフッ謙虚ね。それでイエティのことはギルドマスターに直接話そうと思うの」

 

「その心は?」

 

「イエティの素材は高値で売れるわ。だから、イエティを倒したなんて噂が広まったら面倒な商人や貴族の連中が寄ってくることになると思うわ。あなた達もそんなの面倒でしょう? だから私がギルドマスターに直接話してイエティのことを内密にしてもらうように頼むの。こうすれば、あなた達は面倒事を避けれて、おまけにアルさんのランクアップも早くなると思うわ。どうかしら?」

 

 確かに、その可能性は考えていたからイエティのことはギルドに報告しないつもりだったんだけど……穏便に済ませられて嘘もつかなくていいならそっちの方がいいな。

 

「わかりました。じゃあシェリルさんの案で行きましょう」

 

「じゃあ今日はもう遅いから宿屋は閉まっているでしょうし、二人とも家に泊まっていって。部屋は主人の部屋が空いてるから、そこで寝て頂戴」

 

「じゃあお言葉に甘えます、おやすみなさいシェリルさん」

 

「おやすみなさい、シェリル様」

 

「ええ、二人ともおやすみ」

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