リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~ 作:自由山明
ギルドマスター室に着くと、セリアさんがドアをノックする。
「ギルドマスター、アルティマさんがいらっしゃいました。開けてもよろしいでしょうか?」
「ああ、いいよ。入ってきな」
セリアさんと一緒にギルドマスター室に入ると、セリアさんはギルドマスターに一礼して、戻っていった。
「来たね。まあまずはここに座りな。今日お前を呼んだのはCランク昇格試験に合格したことを伝えるため、という事もあるがイエティの換金が終わったからそれを渡すために呼んだよ」
さらっと合格したことが判明した。嬉しい!
「さてと、まずこれがCランクのギルドカードだ。無くすんじゃないよ。それとイエティの換金額だが……ミスリル貨五枚だよ。討伐例が極端に少ないし状態もいい方だったからオークションにかけたらものすごい高値になった。ちなみに、この金額はあたしが色々頑張った分を引いた後の金額だよ。ちなみに、本来の金額はミスリル貨六枚だよ。何か文句はあるかい?」
そうして、ニーアさんからミスリル貨を受け取る。
おぉ、初めてミスリル貨を見るけど、キラキラしていてとてもきれいだ!
(アイザ、金額は妥当?)
(仲介料はかなり良心的ですね。流石はギルドといったところです。そこらへんの怪しい仲介業者に頼んだら四割は持っていかれますよ)
「文句ありません。ありがとうございます!」
「あいよ。お前さんなら早々にBランクまで行くだろうさ。もし機会があったらあたしに甘い蜜を吸わせな。ハハハ!」
こういう豪快で、ジョークの上手い人は冒険者との交渉もうまいだろうな、と思いながらミスリル貨を軍帽から収納に入れた。
「色々ありがとうございます。では、失礼しました」
そしてギルドを出て、シェリルさんの家に向かう。
途中でチンピラに絡まれたりしたが、さっさと人ごみに紛れてうまく撒いた。
帰るとシェリルさんがご飯を作っていた。
「おかえりアルさん。もうすぐご飯ができるわ。悪いけどそれまでレジーとイリスと遊んでくれないかしら?」
「わかりました。よし、二人とも何して遊ぶ?」
二人とボードゲームで遊びながら時間をつぶした。
ご飯ができたので四人で食卓に着く。
アイザから今日は帰ってこないとあらかじめ連絡があったのでアイザの分は無い。
みんなでいただきますといった後ご飯を食べ始める。
しばらくすると、イリスちゃんがこんなことを言った。
「やっぱりアイザ姉ちゃんもいないと寂しい」
「じゃあ、それを帰ってきたアイザに言ってあげな。きっと喜ぶよ」
「うん!」
そして、みんな食べ終わって片付けも終わった後にみんなに集まってもらって、僕たちがずっとここにはいないことを告げる。
「えー、アル兄ちゃん行かないで~! もっとここにいようよ!」
イリスちゃんが若干泣きそうになりながらも僕にそう言ってくる。
レジー君も言葉こそ発しないものの、寂しそうだ。
「二人とも、それに関しては僕がいいものを渡すよ」
「い、いいもの……?」
イリスちゃんが、泣き始めそうになった時。僕はとっておきの機体を出す。
「じゃーん! これさえあれば、僕達がどこにいようとも話せるよ!」
そう言って僕は量産型のコア機を取り出した。
「アル兄、このボールみたいなのは何?」
レジー君が涙をこらえながら聞いてくる。
「これはね、僕とアイザがとても遠くに行っても話せる魔道具のようなものだよ。みんなが話したいときにこれを使えば、いつでも僕達と話せるよ!」
「ほんと! やったー!」
さっきまで目が潤んでいたのが嘘のようにイリスちゃんが喜んだ。
「試しにアイザと話してみようか」
すると、すぐさまアイザの質量を持った立体映像が映し出される。
「わー! アイザ姉ちゃんだ!」
イリスちゃんがアイザの立体映像に手を伸ばし、触る。
「すごい、本物みたい!」
そりゃそうだ、なんたって僕たちの技術がふんだんに使われている機体の立体映像だからね。
ふと思い出したようにレジー君がこんなことをアイザに聞いた。
「そう言えばアイザ姉は今何をしているんだ?」
『今ですか? 今はオーガの群れと戦闘中です』
すると、シェリルさんが驚きながら聞き返してきた。
「オーガですって!? 単体でもCランク相当の強さがあるのに、その群れと戦っているの? しかも夜に? というか、戦いながら話していたの!?」
『ええ、そうですよ。あ、丁度戦闘が終わりました』
シェリルさんは呆れたように、あなた達本当に色々な意味ですごいわね……とつぶやいた。
そんなこんなでコア機をシェリルさん預け、そろそろお風呂に入る時間になった。
シェリルさんにレジー君をお風呂に入れるよう頼まれたので魔石を使った蛇口から水を出しお風呂に水を張り、魔石を使って水を温めてからお風呂場に行く。
脱衣所で追加アーマーを外すと、レジー君が予想していた質問をしてくる。
「アル兄、なんでその服は脱がないの?」
「あー……これはね、呪いみたいなのがかかっていて脱げないんだ」
「そっか……大変なんだね」
嘘です……本当はこのアーマーが一番下の装甲だから外せないだけです……嘘ついてごめんね、レジー君…… 。
そんなことがありながらも、レジー君とゆっくりお風呂に入ってから上がり、レジー君の髪を魔石を使ったドライヤーのようなもので乾かして、歯磨きをしてからシェリルさんとイリスちゃんにおやすみなさいと言ってから就寝した。