リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章28話 シェリルさん敵潰しちゃった……

 戦闘が終わりシェリルさんにオーガの死体の回収を頼まれたので収納する。

 ……まー、グロかった。

 オーガを倒したので、引き続きフェデルシダ草の群生地に向かう。

 

「……! あったわ、フェデルシダ草よ」

 

「じゃあ、採取しますか」

 

 シェリルさんと協力して、フェデルシダ草を二十枚集め、収納する。

 目標を採取し終わったので、町に帰る。

 帰り道の途中で、シェリルさんがこんな疑問を口にした。

 

「最近病気が治ってから妙に力が強くなった気がするのよね~。アルさんの作った薬に筋力増強の効果はないわよね?」

 

「そんな効果付けていませんよ? あれは一応正規の手段で調合しましたからね。妙な効果はつかないはずです」

 

「あらそう……じゃあ何でかしら?」

 

 こんな時は……。

 

「アイザ分かる?」

 

『はい、薬の効果によって魔力を効率よく吸収できるようになったので、吸収した魔力によって体が強化されているようです』

 

 シェリルさんは納得しながら驚くという器用な真似をして見せた。

 

「そうなの……ていうか、アイザさんあのボールみたいなのがなくても遠くから喋れるのね……」

 

『ええ、マスターとはいつ何時もつながっていますから。これくらいはたやすいですよ』

 

 そんなことがありながらも、大したトラブルもなく町に戻ることができた。

 ギルドに入りセリアさんに依頼達成を報告する。

 

「セリアちゃん、依頼が終わったわ。それと、オーガがいたからそれの買取もしてもらいたいわ」

 

「はい、では鑑定課に依頼の品とオーガを見せてください。鑑定課からハンコを押してもらって、オーガを買い取ってもらい、依頼の報酬も受け取ってください」

 

 鑑定課に向かうとグラーツさん達がせわしなく働いている。

 

「グラーツ、依頼の品とオーガの鑑定をしてほしいのだけれど、今いいかしら?」

 

「おう、いいぜ。じゃあオーガはこっちの台に、依頼品はこっちの台に置いてくれ。

 

 フェデルシダ草と下半身が潰れたオーガの死体を出す。

 グラーツさんはどこか懐かしむような、呆れるような感じでこう言った。

 

「これはまた……お前がこんな失敗をするのも久しぶりだな。派手に潰したじゃないか」

 

「……久々に戦ったから加減を間違えたのよ」

 

「そうか、これだけ潰れているとなると価格がかなり下がるが、いいな?」

 

「ええ、良いわ」

 

 そしてようやく依頼品の鑑定が始まった。

 

「ふむ、状態もいいし鮮度も抜群だな。ほれ、報酬の銀貨八枚だ」

 

 お金を受け取ったので、そのお金で買い物をしてからシェリルさんの家に帰ると、レジー君とイリスちゃんが元気に出迎えてくれた。

 

「おかえり! お母さん、アル兄!」

「おかえり! お母さん、アル兄ちゃん!」

 

「ただいま。レジー、イリス」

 

「ただいま。二人共!」

 

 帰った後、すぐにシェリルさんが夕飯を作り始める。

 手伝おうとしたが、荷物持ってくれたでしょ、それだけで十分よ、と言われたのでレジー君とイリスちゃんの面倒を見る。

 そして今日の夕食の芋、干し魚、コンソメスープを食べている時のこと。

 

「レジー、イリス、今日はキチンと留守番していた?」

 

「うん、アル兄とアイザ姉がずっといてくれたから色々助けてくれたよ」

 

 それを聞いたシェリルさんは信じられないといった表情で僕に聞いてきた。

 

「……アルさん、私と依頼に出かけていた時も二人と一緒に話していたの?」

 

「ええ、そうですよ。これくらい片手間で出来ますからね。実は遠隔で話したりしていたんですよ」

 

「よく同時にできるわね……」

 

 夕食も食べ終わったのでみんなで就寝の準備をしてから寝た。

 翌朝からはアイザが帰ってくるまでレジー君とイリスちゃんと遊んだり、シェリルさんと一緒に依頼を受けたりしながら楽しく過ごした。

 そうしてしばらく過ごしているうちに、アイザが帰ってきた。

 

「ただいま戻りました。マスター、皆様」

 

 みんなでおかえりと言ってから、アイザはめでたい朗報を持ってきてくれた。

 

「この度、他の町でCランク昇格試験に合格しました」

 

 アイザが褒めてほしそうにしていたので、軍帽を取り、褒めながら頭を撫でる。

 

「おめでとうアイザ!」

 

「ありがとうございます、マスター!」

 

 アイザも帰ってきたので、本格的に次の目的地である王都に向かう準備をする。

 と言ってもみんなにここを去ることを伝えるだけだけどね。

 

「……みんな、そろそろ僕たちは王都に向かおうと思うんだ」

 

 そう伝えると、三人とも悲しんでいるが渡したコア機があるため泣いたりはしないようだ。

 良かった……泣き出したりしたらどうしようかと思った……。

「アル兄、アイザ姉……ついに行っちゃうんだね。でも、どこか行っても貰ったボールで話せるんだよね? なら僕は泣かない!」

 

 うんうん、それなら渡した甲斐があるよ。

 

「アル兄ちゃん、アイザ姉ちゃん、行っちゃうんだね……いくら話せるとは言え、やっぱり生で会えないのはさみしい……」

 

 そう言って、イリスちゃんが僕たちに抱き着いてくる。

 頭を撫でながら、また会いに来るよと言って慰めると絶対だよ、と言われたので三人で指切りをして約束する。

 

「遂にこの時が来てしまったのね……またいつでも来てね、二人共」

 

 シェリルさんが僕たちの軍帽を取り、頭を撫でながらそう言う。

 初対面の人ならそもそもロックが掛かっていて帽子を外せないし、頭を撫でさせたりはしないが、シェリルさんが相手なので僕もアイザも抵抗しない。

 ちょっと気恥ずかしいけど嬉しい……

 その時、シェリルさんがギルドマスターからの伝言を伝えてくれた。

 

「二人とも、ギルドマスターから伝言よ。他の街に行くならその前に二人でギルドマスター室に来てくれと言っていたわ」

 

「わかりました。この後向かいますね」

 

 そうして僕たちはギルドへ向かうことにした。

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