リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章30話 王都へ向かう途中

 カルトスさんと歩いて安全な街道へ進む。

 

「カルトスさんは一体なんであんな所にいたんです?」

 

「いやーお恥ずかしながらウルフから逃げていたらあんな所に行ってしまったんです」

 

 そう頭を掻きながら言うカルトスさん。

 大丈夫かなこの人、なんかどっかでウルフに襲われてぽっくり逝っちゃいそうなんだけど……

 

「へーそうなんですね……おっと、敵です。下がってください」

 

名前:ムーンライトベア

ランク:C

説明:非常に賢い熊

備考:月明かりがあると強くなる

 

「あ、あれはムーンライトベア! 非常に危険な生き物です。後ろを向いて走ると追ってくるので気を付けてください!」

 

 カルトスさんが焦りながらも冷静に相手の情報を言ってくれる。

 緊急時にスッと相手の情報を思い出せるなんて、この人生物学者なだけあって中々詳しいな。

 しばらくにらみ合ったが、ムーンライトベアの方から徐々に後退し始める。

 どうやら力量差を察したらしい。

 そうして、特に戦闘になることもなくムーンライトベアは去っていった。

 

「いやー、お二人ともすごいですね! まさかムーンライトベアが逃げるほど強いとは思いませんでした」

 

「当然です。マスターは強いですからね」

 

 その後もウルフやゴブリンに襲われたりしたが、危なげなく迎撃し街道に着いた。

 

「お二人とも、ありがとうございました。約束のお金です」

 

 そう言って、カルトスさんは銀貨五枚を渡してきた。

 

「カルトスさん、銀貨が二枚多いですよ?」

 

「ああ、これはムーンライトベアを追い払ってもらった分です。これぐらい出さないと割に合いませんから、どうぞ受け取ってください」

 

「……わかりました。ありがたく受け取りますね」

 

 カルトスさんはお礼を言うと王都の方向に向かって歩いて行った。

 さて、僕たちも王都に向かおうかな。

 再度バイクに乗って王都に向かい今度は特にトラブルはなく、無事に王都の手前まで到着した。

 バイク降りて、着替えて徒歩で王都に向かう。

 王都なだけあって、門の前にだいぶ人が並んでおり、三~四十分ほど待って税金を払いようやく王都に入ることができた。

 

「ここが王都フェルデナンドか……賑わいが違うね、アイザ」

 

「ええ、流石はこの国の首都といったところです。ザイールの数倍はにぎわっていますね」

 

 まずは、王都での宿を探さないとね。

 王都の宿はどこがいいかわからないから、取りあえずギルドの酒場にでも行って情報を集めようかな。

 やっぱり情報収集と言ったら酒場がテンプレだしね!

 ギルドに着き、中で機嫌のよさそうな冒険者に銅貨一枚を渡しておすすめの宿を教えてもらう。

 

「おすすめの宿か? それなら安さ重視だったら北門の近くにある万民の館だ。多少高くてもいいなら西門の近くにある悠久の安らぎがおすすめだぜ」

 

 教えてくれた冒険者の人にお礼を言い、アイザと相談して悠久の安らぎに行くことに決めた。

 悠久の安らぎに向かいながら途中で買い食いをして歩いて行く。

 悠久の安らぎに着くと、ザイールの宿屋よりも一回り大きい建物が目に入ってくる。

 どうやらここが悠久の安らぎのようだ。

 中に入ると、素晴らしい営業スマイルの男性店員が出迎えてくれた。

 

「いらっしゃいませ。ようこそ悠久の安らぎへ。二名様ですね、ご宿泊ですか?」

 

「はい、泊まりたいんですが二人部屋は開いていますか?」

 

「ええ、開いております。では当宿屋の説明をさせていただきます。当宿屋の二人部屋は一泊三食付きで銀貨七枚となっております。ご希望であればお食事を弁当をにすることも可能です。何か質問はございますか?」

 

「ありません。では料金はこれで」

 

 そう言って金貨を一枚出してお釣りをもらう。

 

「では、こちらお客様の鍵でございます。部屋番号は二〇一号室です。お間違えの無いようお願いします。このあとすぐ食事の時間ですのでもしおめお召し上がりになる場合はお早めにお願いします」

 

 部屋に向かい鍵を開けて入ると中にはシングルサイズのベッドが二つあり机とイス、洗面台や前の宿と違って個室なのにトイレもある。

 部屋も前の宿屋より広く、全体的に高級な感じがする。

 

「マスター、このあと食事をしたら予定はありませんがどうします?」

 

「うーん、取りあえず今日はもう遅いしこの宿の大浴場に人がいなくなったら入ろうか。明日は早朝に何かいい依頼がないか見に行こう」

 

 そうして、夕食を食べてから時間が経ち人がいなくなった大浴場に向かう。

 脱衣所で追加アーマーを収納して大浴場に入ると、魔道具をふんだんに使った浴槽が目に入る。

 汚れや埃はシールドで防いでいるけど念のため体と頭を洗ってから浴槽に浸かる。

 

「ふぅ~……」

 

 魔道具を使ったお風呂で天然温泉じゃないのが残念だけど、やっぱりお風呂に入ると気持ちいいな~。

 たっぷり一時間ほど入浴してから上がり、水はプラズマシールドで防いで付いていないのでそのまま大浴場を出る。

 部屋に戻るとアイザが先にお風呂から上がっていたようでベッドでゴロゴロしながら待っていた。

 

「マスター、ようやく上がってきましたか。相変わらずマスターは長風呂ですね」

 

「まあね。長風呂は昔からだし、今更でしょ? さあ、もう遅いし寝ようか。おやすみ、アイザ」

 

「ええ、おやすみなさい、マスター」

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