リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章32話 王都のギルドマスター室へ

 ギルドマスター室のドアをノックしてから部屋に入る。

 

「来たか。取りあえずそこに座れ、話はそれからだ」

 

 ギルドマスターにソファーに座るように言われたので座る。

 

「お前らがあのニーアのお墨付きをもらったイエティ殺しのパーティーか、俺はこの王都の冒険者ギルドのギルドマスター、フーベルトだ。まず聞くがあの大人数の人はどうした?」

 

「ユリアさんの捜索依頼を受けていて怪しい箇所を見つけてコッソリ救出しようとしたのですが他にも捕まっていた人がたくさんいたので頑張って救出してきました。ついでに証拠も取ってきましたよ」

 

 そう言うとギルドマスターは若干疲れたような顔をしながらため息をつき、質問をしてきた。

 

「そうか……頑張っただけであれだけの人数を助けられるものなのか……しかも証拠まで……。まあいい、それで証拠を持ってきたというが主犯格は誰なんだ?」

 

「キュノクス伯爵です」

 

 そう言いながら収納に入っていた証拠品の一部を渡す。

 ギルドマスターはとても面倒臭そうな顔をしながら証拠品に目を通す。

 

「はぁ~……キュノクス伯爵か……これはまた面倒な……他にも証拠はあるか?」

 

「ええ、ありますよ」

 

「よし、証拠の一部はお前たちが持っていてくれ、俺は証拠をツテを使って国王に届ける。明日の朝もギルドに来てくれ。キュノクス伯爵は中々尻尾を見せないから国王も悩んでいたんだ。この件が解決すれば国王と謁見することになるだろう。……大丈夫だ、国王様はそこまで礼儀にはうるさくないからな、最低限でも大丈夫だ」

 

 えぇ……、面倒臭いけど仕方がないか……

 証拠を半分渡してから宿に戻る。

 夕食を食べてから部屋で寝ていると、宿に暗殺者らしき人物が二人近づいてきた。

 一人が宿の正面ドアをピッキングでこじ開けて入り、もう一人が窓から入ってこようとする。

 やがて一人が宿屋の従業員のふりをして部屋に入ってこようとする。

 

「お客様、大変申し訳ありませんがお客様の部屋の布団を汚してしまったので新しいのと取り替えたいのですが……」

 

 すると、ドアがゆっくりと開く。

 同時にもう一人の暗殺者が窓を割って入ってこようとするが、窓が割れた理由を宿側に説明するのは面倒臭いので、割れないようにあらかじめ展開していた無色透明のプラズマシールドに弾かれる。

 失敗を悟った暗殺者は即座に逃げた。

 一方、ドアからの侵入に成功した暗殺者は僕たちを探すが見当たらない。

 当然だ、天井に立体映像をたくさん出して張り付いているのだから。

 

「「「「「「やあ! 暗殺者さん。今日はどんな御用事で?」」」」」」

 

 たくさんの立体映像達と共にそう言う。

 暗殺者がぎょっとしながら固まり、体勢を崩して転びそうになる。

 あ~面白い!

 暗殺者はびっくりしたものの、何とか声を出さずに攻撃してくる。

 その攻撃は運よく本体の僕に命中したので、おめでとう正解だ! と言ってからプラズマショックで気絶させる。

 いや~性格悪いのはわかるけど、やっぱり理不尽な理由で攻撃してきた奴をおちょくるのは楽しいな~。

 取りあえず暗殺者については衛兵にぶん投げといて僕たちはこいつを寄越したであろう伯爵に集中しよう。

 そして、暗殺者の件を適当に衛兵に投げてから就寝する。

 翌朝、ギルドに向かいイルミナさんからギルドマスター室に行くよう言われる。

 入るとギルドマスターが早速進展を教えてくれた。

 

「まず、例の証拠だが……国王に渡すことができた、これで伯爵の面倒事のほとんどが解決したようなものだ。それと……衛兵から聞いた話によると昨日暗殺者に狙われたらしいな?」

 

「ええ、僕たちの睡眠を邪魔したんで、思いっきりおちょくってやりましたよ!」

 

 ギルドマスターはとても呆れているようだ。

 

「はぁ~普通は暗殺者に狙われておちょくるほど余裕な奴なんていないんだがな……。まあ、残りの面倒事はそれだ。伯爵は用心深いから通話の魔道具でも使って計画の失敗を知ったんだろう」

 

 あー、多分あの見張りから情報が漏れたんだろうな~。

 まあ、子供がいる前で殺すのはあまりよくないし後悔はしていないけど。

 

「伯爵は執念深いから、きっとこれからも暗殺者を寄越すだろう。……そこでだ、国王への謁見を前倒ししたから王城に泊まってこい。王城なら警備がしっかりしている。お前たちの実力なら運が良ければついでにコネの一つや二つゲットできるだろう。今の国王は優秀だから、謁見が終わる頃には伯爵はお前たちに暗殺者を送っている場合ではなくなるはずだ。どうだ? 悪い話じゃないと思うが……」

 

 うん確かに、王城は一回見てみたかったしこれは絶好の機会かな?

 

(アイザ、この話受けようと思うんだけど、いいかな?)

 

(問題ありません。暗殺者の対応も飽きるでしょうし、味変にちょうどいいですね)

 

「わかりました。この話、受けさせていただきます」

 

「そうか! よかった。王城には話をしてある。ギルドカードを見せれば入れるぞ。何か質問はあるか?」

 

「一つよろしいでしょうか?」

 

 お、アイザが質問なんて珍しい。

 

「なんだ?」

 

「この国の礼儀作法を一通り私たちに教えていただきたいのですが」

 

 やっべ、そういや礼儀作法調べていなかった……

 

(サンキュー、アイザ)

 

(いえ、私はマスターの相棒ですからね。これくらいのサポートわけないです)

 

「あぁ、それに関してはもう手を打ってある。このあとイルミナに教えてもらってくれ。他に質問はないか?」

 

「「ありません」」

 

「ならば俺からは以上だ。礼儀作法、がんばって覚えろよ」

 

 そうしてギルドマスター室を出ると、すでにイルミナさんがスタンバイしていた。

 イルミナさんに連れられ、二十分ほど礼儀作法を詰め込まれる。

 

「あなたたちは最初からかなり礼儀があったから少し教えるだけでよくて楽だったわ~。普通なら十倍は時間が掛かるわよ~? これで私のレッスンはおしまい。謁見がんばってちょうだいね~」 

 

「「ありがとうございました」」

 

 礼儀作法も教わったので王城に向かう。

 王城は遠くからでもよく見える程でかい。

 近づくと王城と城壁の立派さがよくわかり、要塞と見間違えるほど堅牢そうだ。

 門に近づくと、強そうな門番の人から一旦止まるように言われた。

 

「本日はどのようなご用件でしょうか」

 

「近々国王様に謁見する予定のCランクパーティー、永遠の旅のアルティマとアイザです。こちら、ギルドカードです」

 

 二人揃って強そうな門番の人にギルドカードを見せる。

 

「話は聞いています。確かに本人のようですね。どうぞお通り下さい」

 

 そして、跳ね橋を通りついに王城の中に入った。

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