リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~   作:自由山明

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1章5話 村の観光へ

 エルヴィス君に連れられ、僕は食堂に向かった。

 

「ここがこの村唯一の食堂であるアイサ食堂ですよ。ついでにここで朝食を食べましょう」

 

 おお、料理のいい匂いが漂ってる! 

 小ぢんまりとした食堂だけどお客さんもみんな楽しそうで雰囲気もいいなあ。

 そう思っていると、食堂の中から優しそうなおばあさんが出てきた。

 

「おや、エル君よく来たねぇ。ささ、二人とも席に座って。メニューなら壁に掛かってるからそこから選んでねぇ」

 

「「わかりました」」

 

 たくさん種類があって迷うな。何にしようか。

 僕が迷っているうちにエルヴィス君は注文を決めたようだ。

 

「アイサさん私はサンドイッチとスープで、飲み物はいりません」

 

 エルヴィス君選ぶの早いな~、僕もさっさと決めないと。

 

「うーん、じゃあ僕はパスタとコーンスープで、飲み物は果汁ジュースでお願いします」

 

「はいはい、サンドイッチとスープとパスタとコーンスープと果汁ジュースね、すぐ作ってくるよ」

 

 そうして雑談をして待っていると料理が運ばれてきた。

 

「「おいしそ~! いただきます!」」

 

「たくさん食べてねぇ」

 

 そうして朝食を食べ始めた。

 結論から言うととてもおいしかった、満足!

 

「アルさん、ここにはお酒もありますから飲みたいのでしたらどうぞ」

 

「あー……、僕甘いお酒が好きなんだけど、この店には無いようだから今回はパスかな」

 

 そうして、食事を完食した。

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「はい、ありがとうねぇ。お代はどうするんだい?」

 

「もちろん私が払います! アルさん、いいですよね?」

 

「う、うんわかった。おとなしくおごられるよ……」

 

 そうしてエルヴィス君の意外に強引な一面を見ながら僕たちは食堂を後にした。

 

「また来なさいねぇ」

 

 そういって手を振るアイサさんに手を振り返しながら。

 そうして次は鍛冶屋を見に行った。

 飾りっ気のない武骨な建物で中から鉄を叩く音が聞こえる。

 

「エルとお客さんか、何かあったら言え……」

 

 そう言って鍛冶屋の店主は鍛冶の作業に戻った。

 どうやら寡黙な人らしい。

 

「グレゴリーさん、実はこの間シャドーウルフと戦って剣が曲がってしまったので修理をお願いしに来ました」

 

「……その話は聞いた。お客さんエルを助けてくれたんだってな。礼を言う。剣はそこの台に置いてくれ、一週間したらまた来い」

 

 そうして僕たちは鍛冶屋を出た。

 ちなみに、僕は自前の武器防具が豊富にあるので、グレゴリーさんの作品は品質は良かったが特に買わなかった。

 次は露店がいくつか立ち並んでいる場所で小腹を満たせる食べ物とお土産を買いにきた。

 

「アルさん、ここがこの村で一番にぎわっている場所ですよ!」

 

 確かに、人がたくさんいる。

 今がピークなのか、村の住人の三割ほどがここで買い物をしているようだ。

 

「おいしそうな店がありますし、今日は少しだけここで食べましょう! アルさんはどこがいいですか」

 

 うーん、何か良いのあるかな~、っとあった!

 

「あそこの串焼き肉の店にしよう」

 

 そうして、串焼き肉の露店に向かった。

 僕のレーダーで分析したからよくわかる、肉に肉汁が閉じ込められていて、調味料の量もちょうどよく、肉の品質もいい!

 

「らっしゃい! お、エル君と噂の旅人じゃないか。村ではお前たちの話題で持ちきりだぞ!」

 

どうやらもうこの村のほとんどの人が僕の話を聞いたらしい。

 

「へーそうなんですね。あ、エイブリーさん私は塩味の串焼き肉を一つ」

 

「僕も同じものをください」

 

「まいどあり! 金額は合計銅貨四枚だ」

 

 さも当然のようにエルヴィス君が銀貨を一枚出す。

 

「ほい確かに、塩串焼き肉二つだ。焼きたてだから熱々だぞ。気を付けて食べな!」

 

 二人で食べてみたが、やはり僕が見繕っただけあっておいしかった。

 ……そしておまけに、エルヴィス君からお釣りの銅貨六枚を押し付けられてしまった。

 貰いすぎてるよな……。

 そうして、他にも色々な所を見ていたらいつの間にか日が傾き始めていた。

 エルヴィス君よく体力持つね……。

 最後にエルヴィス君お気に入りの景色のいい高台にやってきた。

 村全体が見渡せるし夕日が相まってとても絵になる。

 

「……アルさん、きっとまたこの村に来てくれますよね?」

 

「そうだね、僕はいろいろなところを旅する予定だけど数年たたないうちにまた来るよ」

 

「……はい! その時を心待ちにしていますね!」

 

 そう約束をして、僕たちはエルヴィス君の家に帰った。

 夕食にエルヴィス君の作った本人曰く、まだまだつたない料理を食べておしゃべりをした後に部屋に入って就寝した。

 そして翌朝。

 

「ん~よく寝た。そういえばアイザ、町まで馬車でどれくらいかかるの?」

 

(はい、乗合馬車ですと、ゆっくり行って六日、急いで三日です)

 

 エルヴィス君と朝の稽古をしてから町の正門に一緒に向かった。

 どうやらケイデンさんとルーウェンさんはまだ来てないようだ。

 エルヴィス君と話しながら時間をつぶしているとケイデンさんとルーウェンさんがやってきた。

 

「おや、早いですね」

 

「お、準備万端のようだな。エル坊は見送りか?」

 

「はい、最後までアルさんを見送りたくてきました!」

 

「いや~、うれしいこと言ってくれるじゃん!」

 

 そんなことを話しながら乗合馬車の乗客が来るのを待った。

 

「よし! 乗合馬車の乗客は集まったな。お~い出発してくれ!」

 

 そうケイデンさんが言うと馬車が走り出した。

 

「アルさーん! また来てくださいねー! 約束ですよー!」

 

「わかったー! またくるよー! エルヴィス君ー!」

 

「「さようならー!」」

 

 そうして僕はアードリアン村を去りザイールへと向かい始めた。エルヴィス君との約束を守ると思いながら。




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