地球連邦戦記   作:名無之助

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地球連邦前史

 西暦2250年台の地球は一つの国家「地球連邦」となり、その人口は200億を超えていた。人類は火星をテラフォーミングし街を築き、木星の衛星エウロパからも水資源を採取するまでに発展し、スペースコロニーへの居住も含めて太陽系全域を生活圏としていた。

 

 

 

 統一は第三次世界大戦をきっかけにその動きが始まった。

 

 2057年、資源危機と領土問題の激化から中国・韓国連合が日本に侵攻。国連安保理の機能不全が露呈し、日本経済の低迷が世界に波及すると、各国は事態の重さに気づいたが、中韓の暴走は止められなかった。

 

 侵攻を受けた日本は憲法を改正、自衛隊を自衛軍とし、徹底抗戦の構えをとる。

 

 2058年8月2日午前9時57分、日本の重要拠点・呉が壊滅。中韓連合が戦術核ミサイルを使用し、巨大なキノコ雲が日本海を覆ったことで、核戦争の実が世界を震撼させた。

 

 

 

 この事態に驚愕したアメリカは、当時の大統領が日本との安保条約を盾に反対派を押し切り救援に動き、各国もそれに倣って日本の支持を表明。戦争勃発から1年後、自衛軍はアメリカ、ベトナム、台湾、インド、オーストラリアなどの多国籍軍の援軍を得て反撃に転じる。

 

 2059年3月、九州と沖縄の奪還作戦で、自衛軍の鬼気迫る戦いぶりに各国軍は驚愕と畏敬の念を抱く、そして翌年の2060年にはロシアが中韓連合に宣戦布告し、戦火はインドやベトナム、台湾にも広がり、幾度も採択されすべて無視された国連決議は完全に無意味なものと化した。

 

 この頃、イギリス籍の船が撃沈されたのを機にイギリスも参戦した。

 

 戦争中の国連決議は32回に及び、いずれも中韓を非難するものだったが効力はなく、2061年2月、中韓の降伏で戦争が終わるまで、国連は完全に無視されていた。

 

 戦後、新たに選出された国連事務総長は改革に着手。安保理の解体と常設国連軍の創設を各国に訴え、賛同する国々の後押しの元で改革を進め、ついに常設国連軍が創設された。

 

 常設国連軍の基幹戦力は自衛軍、アメリカ軍、イギリス軍を中心とすることに決定した。これは、九州奪還作戦での自衛軍の人道的対応や、アメリカ軍の統率力などが評価された結果だった。

 

 しかし、改革の中でも宗教対立をはじめ国家主権を巡る問題や予算問題、反対派の妨害で、事務総長はストレスで倒れるほどの苦難を味わった。

 

  こうした改革は2080年まで続き、その改革の中で2060年ころから一部で唱えられていた地球統一論が現実的なのものとなり、地球統一政府の設立に向けた運動や、準備が行われ、2100年になり遂に地球連邦(Earth Federation)が誕生し。

 

 それと同時に常設国連軍は地球(Earth)連邦(Federation)|軍(Forcesと改称された。なお、中韓連合の軍は解体され、連邦軍には組み込まれなかった。

 

 初代大統領には、連邦成立時の国連事務総長ダニエル・アンダーセン(イギリス人、56歳)が就任し戦争で家族を失った彼は、平和を渇望し、連邦憲法の策定に尽力した。その後、彼は『連邦の国父たち』を著し、こう記している。

 

 「私は初代大統領ではあったが、国父ではない。真の国父は、国連を改革し基盤を築いた先人たちや、戦争で血を流した者たちだ。」

 

 この言葉は、2250年現在の歴史教科書にも刻まれている。

 

 そして物語は、2280年から始まることになる

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