超能力特区と熱烈なる狂犬   作:K+#ガソ林

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閑話

「さぁーってやってまいりました!本日の特区番付!これにて始まりで〜す!皆さんテレビに注目ゥ!」

「わぁーい!今日はどんな超能力者を紹介するんですかぁ?」

「そろそろ、我らが第6特区、ニブルノウチTVも彼について報道しなければと思いましてね。今日紹介する能力者は、禁断の〜っあの男ッ!」

 

『ヴァルハバラの狂犬、御堂イカズチ』

 

「ま、まさか、あの『天帝』千光院様を打ち破ったという…御堂イカズチをやるんですか!」

「ええ!ええ!あの対決は全特区にお届け済みです!彼の能力はご周知ですね?自己治癒、それのSランクッ!この特区の7番目として躍り出た超新星です!」

「現在は確か、第二特区の『騎士』獅鷹アケビさんにやられて謹慎中だとか…。」

「やはり、あの再生は損耗が大きかったようですね。負け知らずの狂犬に傷がついた。ですが、その傷が彼をより強くするでしょう!わかりますとも私には───。」

 

 ブツン、と、テレビの電源が切られる。

「なんで切った?」

「そろそろ作戦会議だから。もうみんな集まってる。」

「うお。すんません。」

 

 リバティユニオンの証、鷹のピンバッジが鈍く煌めく。ここに集まる者たちは、リバティユニオン高等幹部たちだ。

 

「さて、今回の作戦は超能力特区から、めぼしい能力者を拉致することだ。…我々の戦力状況は非常に逼迫している…ッ!高等幹部自らが出なくては立ち行かない程度になッ!…こちらにリストを用意した。絶対に彼らは回収しろ。」

 

 名前は7つ。

 御堂イカズチ、千光院リオウ、獅鷹アケビ、黒雲シオン、雨羅木スサノオ、凪海ミレイ、八岐タケル。

 

「…鳴鬼のボスは?前の説明じゃ入ってたじゃん。」

「明賀峯晴貴は潜入工作員が説得した。我々の味方だから、必要ない。」

「やーるー!さっすがぁ!」

「…上から順に、優先して確保しろッ!御堂イカズチは使い勝手が効く。どのような戦場でも帰って来れる。千光院より、我々の戦場に役立つだろう…ッ!」

 

 果たして、彼らは何を目的としているのか。

 そして、超能力特区とは、いったい何なのか…その謎は未だ、明かされない。

 

───全特区代表大会、六月会

 

 第一特区ミッドジュク代表、『天帝』千光院リオウ

 第二特区ヴァナブクロ代表、『騎士』獅鷹アケビ

 第三特区アルヴシブヤ代表、『黒竜』黒雲シオン

 第四特区ヨトゥンギンザ代表、『神剣』雨羅木スサノオ

 第五特区ムスペルウエノ代表、『白虎』凪海ミレイ

 第六特区ニブルノウチ代表、『韋駄天』八岐タケル

 第七特区ヴァルハバラ代表、不在。

 

 アケビが『狂犬』御堂イカズチを捕らえてから、1ヶ月の時が経った。リオウが進行を行う。

 

「本日は、全特区代表大会に集まっていただいたことにまずは感謝を。再三お話ししたが、様式美であるので…。本会議は、本島の行末を決める会議であることをお忘れなく。会議の様子は島管理AIに観察され、有意義な案であれば実行される。以上で挨拶は終わりとする。」

 

「千光院君は素敵なお方。」

 

 会議が始まり、それぞれの特区で起きたこと、望むこと、対策したことなどをお互いに話し、会議はもう、終わりの挨拶をするだけとなった。

 

「では、この千光院リオウが終わりの挨拶を───。」

 

『待ってください。私から要望があります。』

 

「…どうぞ。」

 

 謎の声の正体、それは島管理AIの『サクセス』。彼がこの場で議題に上げたいのは一つ。

 

『第七特区の欠番を、どうするのですか。』

 

「……。」

 

 黙り込む。

 基本は実力者がやるのが普通だ。それも、人格をある程度持った、話し合える人物が…。

 しかし話し合える先代代表、『鳴鬼』明賀峯晴貴は牢獄だし、『狂犬』御堂イカズチは以ての外だ。

 

「…我々の傘下の者から1人ずつ実力者を出し、その者達で決着を付けて、第七の代表を決めるというのはどうです?」

「であれば、第七からも1人送ってもらおう。サクセス、できるだろう?」

『第七でトーナメントを開き、その優勝者をあなた方が遣わした実力者と戦わせるということですね?』

「それで構わない。」

「第七の話だぞ。第七の人が代表にならねばならんのではないか?」

「任せれば、喧嘩と無法の第七に還る。あの場所には平和的な思想が必要だ。そして、その平和を叶える代表は最強でなくてはならない。第七が送り込んだ最強を捩じ伏せた最強の代表であれば、第七は従うだろう。」

「むむ。」

「決まりだな。」

『了解しました。告知、設営し、2週間後には実施しましょう。』

 

 裏にて進む物語。狂犬の素知らぬ所にて、新しい芽が伸びようとしていた。

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