Beyond the Wall 〜泥棒とスパイとプリンセス〜 作:ローマン
イメージBGM
The Other Side of the Wall
Void_Chords feat.MARU
(プリンセス・プリンシパル OP)
ルパン「アンジェ、いつでもいいぜ!」
アンジェ「行くわよ、ルパン!」
列車から少し離れた森の中
アンジェとルパンはCボールを使い、浮き上がった
モルゲンホルト「あれは……とうとう現れましたね、ルパン三世とスパイが。」
プリンセス(Cボール……アンジェたちね。)
2人の姿は列車に乗っていたモルゲンホルトたちの目にも映っていた
そしてプリンセスは黄緑に光りながら浮遊しているのを見て、使用者がアンジェだと確信した
不二子「モルゲンホルト卿、先程の侍の影響で部下が乗った車両が切り離されています、如何なさいましょう?」
モルゲンホルト「安心しなさい、ルパンとスパイはこの先頭車両に辿り着くことはできませんよ。」
現在列車の編成は五エ門たちの活躍により、8両から4両へと変化している
手下が乗っていたのは後両の4両であり、もう兵力は無いかに思われていた
その一方で、ルパンとアンジェは列車の4両目に降り立つ
アンジェ「急ぎましょう。」
ルパン「あぁ。」
その車両には人の気配は無く、何やら多くの木箱が積まれていた
ルパン「何だぁ? このどデカい木箱の山は……」
アンジェ「……ルパン、危ない!!」
ルパン「!?」
大量に積まれた木箱の中のひとつにルパンが近づくと、中から真っ黒なフードを被った男が鎌を振り回してきた
そう、モルゲンホルトの配下であるシークだ
ルパン「何だぁ、こいつ〜!?」
シーク「また会ったな、スパイ。」
アンジェ「あの時ぶりね、確かシークと言ったかしら?」
シーク「名前を覚えていてくれて感謝するが、お前たちには消えてもらう。」
ルパン「さぁて、そう簡単に消せるかな〜?」
シーク「容赦はしない!!」
シークは鎌を持って、ルパンに迫ってくる
かなり早い動きで、ルパンは攻撃を避けるので手一杯だ
その時、アンジェはある事に気が付く
アンジェ「ルパン! この木箱の中身は火薬よ! 銃は使っちゃ駄目!」
ルパン「んだとぉ〜!?」
シーク「飛び道具が使えないお前たちなど相手ではない!!」
ルパン「どぅわぁ〜っ!?」
アンジェ「ルパン!!」
ルパン「アンジェ、先行け〜! こいつは俺が何とかすっからよ!」
シーク「無駄な足掻きを……!」
ルパンはシークに押さえつけられ、首元には彼の武器である大鎌が迫っていた
先に進むようルパンに指示されたアンジェだったが直ぐに引き返し、シークとの戦いに加勢する
シーク「ぐっ……!」
ルパン「アンジェ、先に行けっつったろ。」
アンジェ「彼には因縁があるの。」
ルパン「ハハッ、お前さん、悪党に向いてるぜ。」
普段プリンセスのことを最優先にしているアンジェだったが、過去に敵対した人物との決着を付けようという、いつもとは違った考えの彼女に思わずルパンは笑みを溢した
それと同時に、列車の車体が大きく揺れる
アンジェ「……列車を切り離したわね。」
ルパン「モルゲンホルトの奴、俺たちごと火薬で吹っ飛ばそうってか。」
シーク「これでお前たちの逃げ道は無くなった、どこからでもかかってこい!」
ルパン「アンジェ、チャンスは一回きりだぜ!」
アンジェ「任せて!」
シーク「はぁぁっ!」
シークの鎌が迫ったその瞬間、アンジェはCボールを起動し、ルパンと共に宙へ浮かび上がった
そしてルパンの手に握られていたのは、一本のマッチ棒
シーク「ま、まさか……!?」
ルパン「今だ! 飛べ〜! アンジェ〜!」
ルパンがマッチ棒を落とし、アンジェがCボールを使いながら車外へ飛び出した瞬間、轟音と共に大爆発を起こした
そしてその様子は、1両車に乗っていたプリンセスたちにも見えた
プリンセス「そんな、アンジェ……!」
モルゲンホルト「ハハハッ! この爆発では2人とも生きてはいないでしょう、シークも扱いに困っていたので丁度良かったです。」
プリンセス「モルゲンホルト卿、何てこと……!」
大量の火薬でルパンとアンジェを攻撃し、更に仲間までも始末するその残忍性にプリンセスは動揺を隠せなかった
だがその時、プリンセスたちの上空から光が差し込んでくる
モルゲンホルト「そ、そんな馬鹿な……!?」
プリンセス「アンジェ!!」
上空から1両車に飛び乗ってきたのは、勿論ルパンとアンジェだった
僅かに煤が付いているが、ほとんど怪我はしていないようだ
ルパン「さぁ、頂きに来たぜ、モルゲンホルト。」
モルゲンホルト「くっ……! 不二子、彼らを始末しなさい!!」
不二子「……あいにくですが、私はプリンセスを守る立場にあります、そのような命令は受け入れられません。」
モルゲンホルト「ルパン三世はプリンセスに危害を加えようとしている! さっさと……!」
プリンセス「その必要はありませんわ、モルゲンホルト卿。」
プリンセスと不二子は顔を見合わせ、ルパンたちの方へ歩み出した
アンジェ「プリンセス……!」
プリンセス「アンジェ、心配かけてごめんなさい。」
モルゲンホルト「こ、これは一体……!?」
ルパン「不二子は初めっから、俺たちの協力者だったんだよ。」
プリンセス「私は不二子さんから今回の作戦を伺って、その通りに動いただけですが。」
モルゲンホルト「あり得ません! 不二子は私にルパン三世の情報を横流しして……」
不二子「それがもし、偽の情報だったとしたら?」
不二子は、いつもの口調でモルゲンホルトに問いかける
裏切りは女のアクセサリー
そう自称する不二子に、ルパンを含む多くの男たちが騙されてきたが、モルゲンホルトも例外ではなかったようだ
モルゲンホルト「お、おのれ不二子……!」
アンジェ「あなたはもうここまでのようね、大人しく……」
モルゲンホルト「すると思ったのかなぁ!?」
モルゲンホルトが上着を広げると、ベストには爆弾のベルトが繋がれていた
アンジェ「モルゲンホルト……!」
モルゲンホルト「どうする!? お前たちがここから飛び降りればプリンセスと不二子の命は助けてやる、拒否するならここで仲良く散ろうぜ?」
プリンセス「だったら、試してみれば良いのではないですか?」
不二子「ちょっと、プリンセス!?」
モルゲンホルトの脅迫にプリンセスは顔色変えず、起爆装置を起動するよう伝える
モルゲンホルト「それがプリンセスの答えか……いいだろう!!」
ルパン「今だ! 目閉じろ〜!!」
モルゲンホルト「……!?」
モルゲンホルトが起爆装置に手をかけた瞬間、ルパンはフラッシュボムを投げつけ、アンジェたちに目を閉じるよう指示した
モルゲンホルト「く、くそぅ……! 目が……っ! 見えん……!」
ルパン「……これで起爆は出来ねぇ、勝負あったな。後はお宝を……」
不二子「あら? それならとっくに頂いたわよ?」
ルパン「な、何だって〜!?」
不二子「この列車に乗り込む少し前にね、バーイ!」
モルゲンホルトの起爆装置を解除しノワールを頂こうとしたルパンだったが、既に不二子が盗んでおり、列車を飛び降り逃走してしまった
この行動に、残されたルパンは唖然とする
プリンセス「安心して下さいルパンさん、ノワールならここに。」
ルパン「おぉっ!? こりゃ本物だ〜!」
アンジェ「プリンセス、どうして……!?」
プリンセス「さっき不二子さんからこっそり……偽物とすり替えておいたの。」
ルパン「ヌハハハ! シャーロットちゃんも泥棒精神が抜けてねぇみたいだな〜!」
プリンセス「あら、知ってたのですね、流石ルパン三世ですわ。」
プリンセスは不二子が盗み出していたノワールをこっそり自分がスっており、彼女たちの過去を調べ上げているルパンは思わず高笑いした
その時、車の走る音が聞こえてくる
ルパン「次元たちととっつあんのお出迎えか〜。」
アンジェ「ルパン、勝負は私たちの勝ちみたいね。」
ルパン「まだ終わってねぇっつ〜の! 今日のところは引き上げてやっから、覚えとけよ〜!?」
プリンセス「フフッ、楽しみにお待ちしてますわ!」
こうして、一連の事件は幕を下ろすこととなったのだった
次回、最終回です!!