Beyond the Wall 〜泥棒とスパイとプリンセス〜   作:ローマン

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パーティー会場へ潜入

 

 

 

 

 〜モルゲンホルトの館〜

 

 

 

 

 

モルゲンホルト「これはこれはシャーロット王女、よくぞおいでになられました。」

 

プリンセス「お招き頂き光栄ですわ、モルゲンホルト卿。」

 

 

 

 数日後、モルゲンホルト邸で開かれたパーティー

 

 彼の所有するお宝を奪取すべく、プリンセスは立場を利用してモルゲンホルトとの接触を図っていた

 

 

 

モルゲンホルト「そちらの方たちはどなたでしょう?」

 

プリンセス「待女のベアトリスとちせですわ。」

 

 

 

 プリンセスと共に会場へ潜入したベアトリスとちせも、モルゲンホルトに挨拶をする

 

 ベアトリスが待女なのはともかく、ちせは万が一の為の2人の護衛という役割だ

 

 

 

モルゲンホルト「そういえば、王女はアルビオンに潜む害虫をご存じですかな?」

 

プリンセス「はて? ここ最近は夏虫の羽音がよく聞こえるのは存じ上げておりますが。」

 

モルゲンホルト「ははっ! 本当の虫ではございませんよ、プリンセス。」

 

プリンセス「と、申しますと?」

 

モルゲンホルト「最近王国の秘密を探ろうとしている、共和国側のスパイです。」

 

ちせ(……!!)

 

ベアトリス(私たちのこと、気付かれてる……!?)

 

 

 

 モルゲンホルトの話が確実に自分たちのことだと察したベアトリスは内心動揺し、ちせも周りを警戒する

 

 一方のプリンセスは、普段と変わらぬ所作でモルゲンホルトとの会話を進めていた

 

 

 

プリンセス「共和国のスパイですか? 私はてっきりあの大泥棒かと思いましたわ。」

 

モルゲンホルト「大泥棒ですと?」

 

プリンセス「世界を股にかける大泥棒……ルパン三世ですわ。」

 

 

 

 プリンセスが挙げた人物はルパン三世だった

 

 モルゲンホルトも、ルパンの名に思わず反応する

 

 

 

モルゲンホルト「あのアルセーヌ・ルパンの3代目を名乗る怪盗ですかな? 前に私の屋敷に忍び込もうとしていましたが、返り討ちにしてくれましたよ!」

 

プリンセス「なんと! モルゲンホルト卿はルパン三世にお会いしたことがあるのですか!」

 

 

 

 過去にルパンはモルゲンホルトの屋敷に忍び込んだことがあったらしく、その時は無事退散させることに成功したそうだ

 

 

 

モルゲンホルト「私のお宝を奪おうだなんて、不可能な話ですよ。」

 

プリンセス「モルゲンホルト卿、ルパン三世は一体何を盗もうとしたのですか?」

 

モルゲンホルト「ふふっ、気になりますかな?」

 

プリンセス「えぇ、あのルパン三世をも退けたお宝……気になりますわ。」

 

モルゲンホルト「そうですか、それならプリンセスにも是非我が家に伝わるお宝を見せてさしあげましょう。」

 

プリンセス「よろしいのですか!?」

 

 

 

 チーム白鳩が奪取すべき目標に近づける、またとないチャンスが舞い込んできたが、この事態にプリンセスは何処か不信感を抱いていた

 

 

 

モルゲンホルト「ではご案内します、そちらの侍女さんたちもよければ。」

 

プリンセス「ベアト、ちせ、周囲の警戒は忘れないようにね。」

 

ベアトリス「はい、姫様。」

 

ちせ「了解。」

 

 

 

 モルゲンホルトに案内されている道中にて、プリンセスはベアトリスとちせに小声で周囲を警戒するよう改めて伝える

 

 

 

モルゲンホルト「……さて、そろそろ本当の目的を話してもらいましょうかな? プリンセス?」

 

 

 

 モルゲンホルトがそう告げた直後、全身を黒い布で覆った手下たちが現れ、プリンセスを囲む

 

 

 

ベアトリス「姫様!!」

 

ちせ「こ、こいつらは……!」

 

モルゲンホルト「そちらの侍女さんたちには、大人しく引き下がってもらいましょう。」

 

ベアトリス「こ、これはどういうつもりですか!?」

 

モルゲンホルト「どういうつもりかと? プリンセスを拉致するための作戦に決まっているでしょう?」

 

ちせ「騙したな!!」

 

モルゲンホルト「お互い様です、ではプリンセスは私と。」

 

プリンセス「……分かりましたわ。」

 

ベアトリス「待ってください!!」

 

プリンセス「ベアト、ちせ、私は大丈夫、だから心配しないで。」

 

 

 

 プリンセスはいつもと変わらぬ表情を浮かべると、大人しくモルゲンホルトについていってしまった

 

 ベアトリスとちせは、プリンセスはあえてモルゲンホルトに捕まり、素性を探ろうとしているのではないかと考えたが……

 

 

 

モルゲンホルト「その侍女たちは始末しておきなさい。」

 

手下「はっ!」

 

ちせ「来るぞ!」

 

 

 

 モルゲンホルトが命令を下すと、黒フードの格好をした手下たちが一斉に攻撃を仕掛けてきた

 

 モルゲンホルト自身はプリンセスを連れ、部屋を出ると同時に鍵をロック

 

 こうして残されたのは、ちせとベアトリス、そして黒フードの手下たちだけになった

 

 

 

ちせ「ベアト、出口を探すのじゃ!」

 

ベアトリス「分かりました!」

 

 

 

 ちせが手下と応戦している間、ベアトリスは出口を探す

 

 先程、モルゲンホルトたちが出て行った扉には鍵が掛けられていた

 

 

 

ベアトリス(複雑な鍵の作り……でもこれならアンジェさんと練習したことある……!)

 

 

 

 ベアトリスはスパイの一員として、ロックされた鍵を開ける技術をアンジェから教え込まれていた為、難なく解除作業に移るが……

 

 

 

ちせ「ベアト、伏せろ!!」

 

ベアトリス「えっ!? きゃぁ〜っ!?」

 

 

 

 ちせが食い止めていた手下から漏れ出した1人が、鍵を開けようとしているベアトリスに迫っていた

 

 避けようにも、ベアトリスの身体能力では攻撃をかわせそうにない

 

 絶体絶命に思われた、その時だった……

 

 

 

?「デヤーッ!!」

 

手下「ぐぁっ……!?」

 

ベアトリス「……!?」

 

ちせ「何じゃ……!?」

 

 

 

 手下は小さく呻き声を上げ、その場に倒れる

 

 その近くには、和服を着た男が刀を構えていた

 

 

 

手下「な、何者だ、貴様!!」

 

五エ門「十三代目、石川五エ門。」

 

ちせ「石川……!」

 

ベアトリス「ゴエモン……?」

 

手下「くそっ! 一斉にかかれ〜!!」

 

 

 

 五エ門は刀を抜くと、一度にやって来た手下たちを一瞬で斬り伏せていく

 

 その強さに思わず手を止め、見入ってしまうちせ

 

 すると……

 

 

 

ベアトリス「開きました!」

 

五エ門「其方は先に逃げろ。」

 

ベアトリス「で、でも!」

 

ちせ「ここは五エ門と私で切り抜ける、ベアトはドロシーと合流するんじゃ!」

 

ベアトリス「は、はい!」

 

 

 

 鍵を開けたベアトリスは作戦の失敗を告げるべく、外で待つドロシーの元へ走るのだった

 

 

 

ちせ「あとは此奴らか……」

 

五エ門「其方、名はなんと申す?」

 

ちせ「ちせじゃ……十三代目石川五エ門、話には聞いたことがあるぞ、凄腕の剣士じゃと。」

 

五エ門「某を知っているのなら話は早い、ちせ、ここを切り抜けるでござる。」

 

ちせ「心得えた!」

 

 

 

 こうして出会った2人の侍は、お互いの背中を預けながら、手下たちとの戦いに挑むのであった

 

 

 

「「いざ、参る!!」」

 

 

 

 

 

 







 両作品の侍たちが出会いました

 1人脱出に成功したベアトリスはドロシーと合流できるのか?

 そして、プリンセスの行方は!?

 次回もお楽しみに!!





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