Beyond the Wall 〜泥棒とスパイとプリンセス〜 作:ローマン
配信サイト等で劇場版を見返していますが、ノルマンディー公やガゼル、リチャード殿下たちを登場させるか迷っています
ですが出したら出したで、本編との差異が生じちゃいそうなので一旦は保留で
とまぁ、そんな話はこれくらいにして本編どうぞ!!
ドロシー(遅いな……)
モルゲンホルト邸から少し離れた位置にある森
チーム白鳩のリーダーであるドロシーは任務に潜入した4人を見送った後、車で待機していた
本来なら、そろそろプリンセスが合図を出してくれる時間のはずなのだが、何も音沙汰がない
ドロシー(嫌な予感がする、とりあえずアンジェに連絡を……)
?「どうやら嬢ちゃんたちの作戦は失敗に終わったみたいだな。」
ドロシー「……!?」
ドロシーは銃を抜き、急いで振り返る
そこに立っていたのは、黒の帽子とスーツを着た男……
次元大介だった
ドロシー「あ、あんたは……!」
次元「世界的大泥棒の相棒って言いや分かるかな、俺から言いたいのは一つ、今すぐ手を退け、お前さんたちの相手にゃ悪過ぎる。」
ドロシー「……どういうこと?」
次元「今頃、お姫さんはモルゲンホルトに捕まっちまってるかもなぁ。」
ドロシー「そんなこと……!」
反論しようとしたドロシーだったが、既にプリンセスの作戦が予定より大幅に遅れていることもあり、その事実は否定しきれなかった
ドロシー「……何が狙いだ?」
次元「俺についてきな、アジトへ案内するぜ。」
ドロシー「分かってると思うが、私らに楯突いたらどうなるか分かってるよな?」
次元「別に俺たちは、お前さんたちと敵対したいわけじゃない。俺たちはただ……」
ドロシー「俺たちは?」
次元「何でもねぇ、とにかく俺についてこい。」
ドロシー「ちょっ! 何を言いかけたんだよ!?」
チーム白鳩と対峙したいのか、それとも別の目的があるのかを疑い警戒するドロシーを連れて、次元はアジトへと向かうのだった
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アンジェ(プリンセスからの合図が来ない……何だか嫌な予感がするわ……)
一方のアンジェも、この事態に不穏な空気を感じ始めていた
潜入しようにも、モルゲンホルト邸の警備は固く、確実に忍び込むにはプリンセスの合図が必要だった
だがこうなってしまった以上、救出に向かわなくては、本来の任務を遂行することはできないとアンジェは判断する
アンジェ(待っててプリンセス、私が必ず助け出してみせるから。)
?「あんだ〜? 嬢ちゃん、そんな屋根で何してるだ〜?」
アンジェ(モルゲンホルト邸の警備員……? いや、だとしてもこんな高所まで登ってこれるわけがない。)
突如現れた方言訛りな警備員の男は、アンジェの待機している高層建物の屋根に登ってきていたようだ
Cボールを使ってここまで辿り着いたアンジェは、この男に違和感を感じた
?「まさかおめぇさん、モルゲンホルト様のお宝を狙う盗賊だな〜!? とぉうっ!!」
その男は、アンジェ目掛けて飛びかかってくる
思わぬ伏兵に、アンジェは軽々とかわしながら手刀で男を気絶させようとしたが、振り向いた時には男の抜け殻のようなマスクが転がっていた
アンジェ「!?」
?「駄目じゃねぇか嬢ちゃん、俺の前で盗みを働こうとするなんざぁ。」
アンジェは強敵の気配を感じ、銃を構える
目の前に立つ男も同じく、こちらへ銃を構えていた
アンジェ「ワルサーP38……間違いない、あなたがルパン三世ね?」
ルパン「俺のこと知ってんなら話は早ぇや、この件からは手を引きな。」
アンジェ「それはできないわ、私たちはモルゲンホルトのお宝を盗み出す、そして……仲間も救い出す。」
ルパン「仲間が捕まってんなら、一度体勢を立て直した方が良いんじゃねぇのか?」
アンジェ「モルゲンホルトは素性が不明な男よ、最悪の事態になる前に仲間は救い出す。」
そう言うと、アンジェはCボールを使って飛び去っていってしまった
屋根の上にただ一人、ルパンだけを残して
ルパン「忠告はしたぜ、アンジェ……いや、お姫様。」
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〜モルゲンホルト邸、客室〜
プリンセス(どうしましょう……このままじゃ、シャーロットたちへの合図が出せない……)
モルゲンホルト「さぁプリンセス、君たちの目的を話してもらおうかな?」
プリンセス「目的? さぁ、何のことでしょうか?」
モルゲンホルト「とぼけなくてもいいんですよ、私はプリンセスが敵国のスパイと共犯なのを知っているのですから。」
プリンセスは、自分が作戦内でアクションを起こす立場にありながらも、モルゲンホルトの厳重な警備によって、アンジェたちへの合図が出せないままだった
そしてモルゲンホルトは、政治家としてアルビオンの裏社会に精通しており、闇ルートを使ってプリンセスが共和国側のスパイと手を組んでいることを既に見抜いていた
モルゲンホルト「仕方ないですね……フジコさん、アレを持って来てください。」
フジコ「はい。」
フジコ……そう呼ばれた秘書の女性は、金庫の中から分厚い辞書のような黒色の本を持ってきた
モルゲンホルト「プリンセスが欲しがっているのは、こちらのアルビオンの不正や悪事がまとめられたノワールなのでしょう?」
プリンセス「不正や悪事? そんな危険なことがまとめられた書物を保存しているなんて危険ですわ、今すぐ手放した方が良いかと。」
モルゲンホルト「中々しぶとい姫君ですねぇ……」
手下「失礼します、モルゲンホルト卿。」
モルゲンホルト「何事です?」
手下「はっ! 侵入者の報告です!」
モルゲンホルト「分かりました、私が行くまで手を出さないように。」
モルゲンホルトはそう告げると、手下は客室を後にしていった
モルゲンホルト「どうやらプリンセスのお仲間が忍び込んだようですね。」
プリンセス「私のご友人でしたら、ここの部屋へ招いてほしいですわ。」
モルゲンホルト「フッ、そのような手間はかけさせません、一刻も私たちの手で追い払ってみせましょう。」
モルゲンホルトは不敵な笑みを浮かべると、手下に続くように客室を後にしていった
残されたのはプリンセスと、秘書のフジコだけだ
プリンセス「さてと、そこの秘書さん? 私に協力する気はありません?」
フジコ「私はモルゲンホルト卿に仕える秘書です、たとえアルビオン王国のプリンセスだとしても……」
プリンセス「フフッ、知らないふりをしなくてもよろしいのに……峰不二子さん?」
プリンセスは、モルゲンホルトの秘書が峰不二子であることを見抜いていた
その言葉に内心驚きながらも、不二子はかけていた赤眼鏡を机に置く
不二子「気付いていたのね、流石プリンセス。」
プリンセス「あなたの狙いは私たちと同じく、モルゲンホルト卿が隠し持っているノワールなのでしょう? なら手を組まない理由などないのでは?」
不二子「……あなた、ただのプリンセスじゃないわね、一体何者なの?」
プリンセス「……私はシャーロット、アルビオン王国の第三王女ですわ。」
変装や狙いを全て見抜いていたプリンセスに、不二子は違和感を感じながらも何者かを尋ねる
その問いかけにプリンセスは、自分は王国の第三王女だと話すのであった
ドロシーが次元、アンジェがルパン、プリンセスが不二子と出会いました
はたして、アンジェたちの運命は? そしてルパン一味の目的とは?
次回もお楽しみに!!