Beyond the Wall 〜泥棒とスパイとプリンセス〜 作:ローマン
ルパン三世、もしくはプリンセス・プリンシパルのサントラが手元にある方は、イメージBGMを流しながら読んで頂くとより楽しめるかもしれません
イメージBGM
shadow and fog
梶浦由紀
(TVアニメ プリンセス・プリンシパル オリジナルサウンドトラック「Sound of Foggy London」より)
モルゲンホルト「皆様、本日はアルビオン鉄道の開通セレモニーにお越し頂き、誠にありがとうございます。」
数日後、モルゲンホルトは駅でアルビオン鉄道の開通セレモニーを行っていた
新たにリニューアルされたアルビオン鉄道に、多くの民間人や貴族も駅に集まっており、そこにはプリンセスと不二子の姿もある
そしてそこには、導かれし者たちが……
ベアトリス「銭形さん、姫様は……」
銭形「奴は必ずこのセレモニーのどこかで仕掛けてくる、今は待つんだ。」
ベアトリスと銭形はルパンの予告状を受け、モルゲンホルトには秘密でこの会場に潜入していた
しかし来場客が多いため、変装が得意なルパンを目視で判断するのは難しい状況だった
モルゲンホルト「様々な方達の御尽力のお陰で、本日遂にアルビオン鉄道を開通することができましたことを心より御礼申し上げます。」
モルゲンホルトの言葉に、会場から拍手が送られる
モルゲンホルト「しかし、このような開演パレードを台無しにしようと考える輩も居ます。」
聴衆「そんな人たちが……」
モルゲンホルト「その者の名は……ルパン三世。」
聴衆「ルパン三世って、あの世界的大泥棒の!?」
モルゲンホルト「まもなくルパンの予告した犯行時刻になります、ですがご安心下さい、今がアルビオン鉄道の素晴らしさを世界へ広める千載一遇のチャンスだと、我々は考えております!」
モルゲンホルトがそう宣言すると、聴衆からは彼を讃える声が上がった
ルパンが予告した時間まであと僅か
はたして、ルパンは現れるのか……
手下「どわぁぁっ!?」
手下「て、敵襲です!!」
モルゲンホルト「来ましたね、ルパン三世……!」
突如、セレモニー会場に飛び込んできたのは1台のクラシックカー
乗っていたのはドロシーと次元であり、会場の聴衆は混乱し逃げ回っている
モルゲンホルト「手荒な真似を……! 早急に始末しなさい!!」
次元「おっ、撃ってきやがったぜ!」
ドロシー「次元、本当にこんなんで大丈夫なのか!?」
次元「あぁ、まずは俺たちの見せ場ってわけだ!」
次元はマグナムを発泡し、手下を次々に倒していく
対するドロシーも次元の援護射撃をする
モルゲンホルト「列車を出します、残りの者はあの侵入者を始末しておきなさい。」
手下「はっ!」
シーク「モルゲンホルト卿、シャーロット王女とフジコは列車に。」
モルゲンホルト「ご苦労、では我々は出発する。」
モルゲンホルトと部下のシークはプリンセスと不二子を列車に乗せて、逃亡を謀る
ドロシーと次元は、その様子を車を盾にしながら見ていた
次元「お? 奴さん、逃げる気だな。」
ドロシー「私たちの出番はここまでってわけか。」
ベアトリス「ドロシーさ〜ん!」
ドロシー「おっ、ベアトも来たな。」
銭形「次元、これはどういうことだ!?」
そこに、会場に潜入していたベアトリスと銭形も合流してきた
ベアトリスにとっては、久しぶりの白鳩メンバーとの再会だ
次元「ルパンの作戦さ、お宝を盗み出すためのな。」
銭形「ルパンの!? 次元、ルパンは何処だ!?」
ドロシー「あ〜っと、銭形警部だったか? 今はベアトの友達を助けるのに協力してくれないか?」
銭形「協力だと?」
ベアトリス「銭形さん、この方は私のご友人で姫様を助けようと必死になってくれていたんです、だからお願いします!」
銭形「む、ベアトの友人の頼みなら仕方ない……警察官として出来る限りの協力はしよう、ただし次元、貴様には協力せんぞ!」
次元「俺たちは構わねぇよ、とっつあんはお姫さんの救出に尽力しな。」
こうしてベアトリスと銭形を加え、迫り来る敵たちを倒していく
次元「そろそろだな。」
ドロシー「よし、退却だ。」
ベアトリス「姫様を追わないんですか!?」
銭形「俺たちは追うぞ!」
次元「安心しな、モルゲンホルトが列車で出発してからが、本当の作戦開始の合図さ。」
ドロシー「そういうことだ、ベアトリスは銭形警部の車にでも乗っててくれ。」
ドロシーと次元は再び車に乗り込み、ベアトリスと銭形は外は停めていた車に乗り込むと、セレモニー会場から逃走し列車を追い始める
途中追っ手がやって来たが、それらは次元のマグナムを前に全員倒されるのだった
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イメージBGM
a fighter-girl from east
梶浦由紀
(TVアニメ プリンセス・プリンシパル オリジナルサウンドトラック「Sound of Foggy London」より)
or
ZANTETSUKEN 2015
大野雄二
(ルパン三世 PARTⅣ オリジナルサウンドトラック ITALIANO ー Digital Edition ーより)
モルゲンホルト「さぁ、ルパンが仕掛けてくるとしたら……」
列車が進んでいた道は、土地の平けた見通しのよい野原
そしてその線路の先には、2人の侍が立っていた
モルゲンホルト「あれは……ルパン三世とスパイの仲間ですか。」
不二子「どうしますか?」
モルゲンホルト「そのまま進みなさい。」
五エ門「ちせ殿。」
ちせ「うむ! 参る!」
ちせ&五エ門「「デヤーッ!!」」
ちせと五エ門が列車に斬りかかると、後方の車両がどんどん切り離されていく
2人は列車の連結部分を斬った
しかし後方車両を斬っただけのため、そのまま列車は進み続ける
モルゲンホルト(乗り合わせた私の部下を引き離しましたか……ですが私の方が一枚上手です……!)
不二子「モルゲンホルト卿、プリンセスはいかがなさいますか?」
モルゲンホルト「そのまま見張っていなさい、ルパンだけでなく彼女も必ずここに来ます、くれぐれも油断なさらぬよう。」
不二子「かしこまりました。」
プリンセス「……」
不二子(プリンセス、相変わらずの表情ね、ルパンはともかくスパイちゃんたちにお宝を横取りされたくないわ。)
不二子はプリンセスの見張りを任される
だが、依然として彼女は普段と変わらない佇まいだった
そして不二子は、お宝であるノワールを狙っているのはルパン一味だけではないと理解していた
一方、切り離され停車した列車では大勢の部下が残されていたのだが……
部下「な、何だ!?」
五エ門「デヤーッ!!」
ちせ「はぁーっ!」
部下「どゎ〜っ!?」
その部下たちは、ちせと五エ門の手によって倒されていた
ちょうどその時、遠くから車のエンジン音が響いてくる
次元「おっ? どうやら片付いたみたいだな。」
五エ門「次元。」
ちせ「あぁ、だが私たちが倒したのは切り離された列車に乗っていた手下のみ。」
ドロシー「モルゲンホルトとプリンセスは、まだ先頭列車の中か。」
ベアトリス「皆さ〜ん!!」
銭形「こ、これは一体……!?」
そこにベアトリスと銭形も合流してきた
次元「よぉとっつあん、これがモルゲンホルトのやろうとしてたことだぜ。」
銭形「うぅむ、やはりモルゲンホルトが武器製造や密輸を行なっていたのは本当だったんだな……」
五エ門「どうする銭形、某たちは盗み出さなければならない物がある。」
銭形「俺は刑事だ、このような大罪を見逃すような真似はしない、必ず奴を捕まえる。そしてその後に……お前たちも逮捕する。」
ドロシー「なら、やることは決まったな。」
ドロシーとちせとベアトリス、次元と五エ門はプリンセス救出とノワールの奪還、そして銭形警部はモルゲンホルトの逮捕へと突き進むのだった