いや、まぁ流石にこれ以上白上神社の祭神を増やせないので、知り合いの神様的な立ち位置になるとは思いますが…
とは言え、それやると話の展開が色々変わりそうなので、結局無理そうですが…
あ、それと今回白上さん視点です
ミオへの挨拶が無事に終わり、白上達が一番最初に結婚の話をしたのはみこさんでした
「わぁっ!遂に結婚するんだね!?
おめでとうフブさん!海斗!!」
そう言って眼を輝かせて祝福してくれるみこさん
そんな彼女の久しぶりに見る満面の笑顔に、お礼を言う白上の頬も思わず緩みます
そう、久しぶり
彼女が白上神社の神主代理として白上達と一緒に暮らしていたのは既に過去の話
あの一件の後磐ノ戸での任を解かれたみこさんは、それ以降元の退魔の巫女としての仕事に戻る事になり、一度磐ノ斗の地を去っています
ただ、たまに休みを取って磐ノ斗に帰って来る彼女との交流はあの頃から変わらず続いています
だからこそ、今回たまたま磐ノ斗に滞在していたタイミングで白上達は結婚の話を打ち明ける事にしたのですが…まるで自分の事のように白上達の結婚を喜んでくれるみこさんの笑顔をみていると、白上も伝えて良かったと暖かい気持ちになります
(思えばみこさんとの付き合いも長くなりましたね…)
それこそ、家族であるミオの次位にみこさんとは長い付き合いです
だからこそ、そんな大切な友人に結婚を祝ってもらえる事は白上にとっては本当に嬉しい事で…
同時にキラキラした目でみこさんが尋ねてくる、結婚式はいつなのかという質問にちゃんと答えてあげられないのはとても残念な事です
「…え?結婚式挙げないの?」
青天の霹靂とでも言うように驚くみこさんに、白上と海斗くんは沈痛な表情で頷きます
だって白上は普通の人には見えませんから…
当然普通の式場で式を上げる事は出来ませんし、実は写真にも映らないので、ウェディングドレスを着たとしても、その姿を何らかの形で残すという事は出来ません
ですから、白上達には結婚式を上げる事が出来ません
婚姻届という公的な結婚の証明が手に入らない以上、せめて結婚式だけでも出来ればとは、二人とも思っているのですが…
そんな事情をみこさんに話すと、みこさんは途端に憤慨し始めます
曰く、そんな事あっちゃいけない
頑張って頑張って…それでようやく結ばれた二人の努力が報われないだなんて、そんなのあんまりだ、と
そして、絶対になんとかしてみせるから!と言って、どこかへと電話をかけ始めるみこさん
何回かそれを繰り返した後に、ちょっと迎えに行ってくるねと言ってどこかへ猛ダッシュで走り去っていくみこさんを見て、思わず白上は海斗くんと顔を見合わせます
ーー気持ちはとても嬉しいのですが…
一体どうする気なんでしょうか?
ですが、そんな事を考えている間にわりとあっさりみこさんは戻ってきます
そして、そんなみこさんが連れてきた人物は二人
一人はよく分かっていない様子のラプちゃん
未だに世界征服の為に活動している秘密結社holoxのリーダーにして、もうすっかり地元に馴染んで、近所の人達からも可愛がられている愛すべき総帥さん
そしてもう一人は…
「…え~っと、みこちに呼ばれて来たんだけど…」
そう言って、同じく状況が分からず戸惑うもう一人の人物
しかし、その姿に見覚えがあった白上は驚きます
何故なら、そこにいたのはあのまつりちゃんだったから
かつて海斗くん達と一緒に白上祭りを復活させた中心メンバーにして、現在ではこの磐ノ戸の地方議員として、数々の改革を主導する期待の新人となった少女だったからです
そう、まつりちゃんはあの祭りの日の神楽をきっかけに故郷の為に働きたいと一念発起し、勉学に力をいれるようになったのだそうです
そして海斗くんやこよちゃんの助けを借りながらも、猛勉強の末に名門大学の法学部に進学した彼女は、その後も様々な試練を乗り越えて、遂に磐ノ戸史上最年少で地方議員に就任
今では、磐ノ斗の地の期待の新星として数々の改革に勤しんでいるのだとか
直接会うのは随分と久しぶりですが、そんな立派に成長したまつりちゃんの姿を見ていると、白上もなんだか感慨深い気持ちになります
とは言え、みこさんもただ再会を懐かしむ為に彼女を呼んだわけではありません
だから、思わぬ再会に白上が少し感動している間に、みこさんは海斗くんに何やら囁き、そんな彼女の言葉に海斗くんもまた頷きます
「海斗」
「………いけるかも」
「あれ?何か前にもこんな事なかったっけ!?」
「おい、説明をしろ説明を」
そして始まる話し合い
ただ、話の展開が急すぎて白上だけはみんなの話についていけなくて…
「成る程…
要するにまつりのツテで式場を確保する事さえ出来れば、身内だけの小さな結婚式なら出来るかもしれないと
そして、まつり達には白上様が見えないとか、白上様は写真に写らないとかの問題は、ホロックスならなんとか出来ると」
「そうなの
なんとか力を借りられないかな?」
「う~ん…
まつりとしては全然構わないんだけど、ホロックスとしてはどうなの?」
「別に構わないぞ?
フブキさんや海斗には、普段から色々と世話になってるからな
特に海斗の協力のおかげで、我々ホロックスの計画は大きく前進した
その恩を考えるなら、それくらいの協力は安いものさ」
ーーそれに、せっかくのめでたい話だっていうのに式の一つも挙げられないというのは、個人的にも不憫だからな
「だから今回の件、我々ホロックスは全面的に協力しよう
なに、他のメンバーだって、二人の為ならきっと快く力を貸してくれるだろうさ」
そう言ってウィンクするラプちゃん
その顔を見て、まつりちゃんも笑います
「なら決まり!
まつりとしても、海斗くんには受験の時の恩とかがまだあるし、白上様への恩返しにもなるなら、それこそ願ったり叶ったりだよ!
早速知り合いの人に相談してみるね!!」
「そうだな、それなら我輩も一旦アジトに帰るか
取り敢えず、まずはこよりに相談してみないとな」
そう言って各々動き出すラプちゃんとまつりちゃん
その姿を呆然と眺めている白上の横で、みこさんが海斗くんにウインクします
「…ね?何とかするって言ったでしょ?」
「…相変わらずだね、みこさん」
「ふふん!えりーとですから!!」
そう言って胸を張るみこさんと、そんな彼女を少しだけ呆れたような顔で見る海斗くん
だけど、事態が今一飲み込めていない白上に改めて説明をしてくれた二人の表情は暖かくて
「えぇ!?出来るんですか、結婚式!!」
「はい!流石に規模は小さくなりそうですが、それでも十分に可能みたいです!!」
驚く白上に、そう教えてくれる海斗くん
よっぽど嬉しかったんでしょうか
満面の笑みで白上の手を握り、ブンブンと振る海斗くん
そんな彼の珍しい振る舞いに少しだけドキマギしながら、それでも白上も同じように、涙ぐみながらもみこさんにお礼を言います
「…ありがとうございます、みこさん
本当に、なんてお礼を言えば良いか…」
「もう!水臭いよ、フブさん!!
今さらみこ達にそんな事言いっこなしでしょ?」
それにーー
「…みこは知ってるよ
これまで二人がちゃんと頑張ってきた事を
色んな事があったけど、それでも二人で力をあわせて乗り越えてきた事を
それに何より…初めて会った時はいつも苦しそうな顔をしてたフブさんが、海斗と出会ってからは本当に幸せそうで…
毎日楽しそうな二人の姿を見ていると、みこまで嬉しい気分になってきて…」
「みこさん…」
気が付くとみこさんの頬を一筋の光がつたっています
それを見て白上は口をつぐみ、海斗くんもまた息を呑みます
だけどみこさんの話はまだ続きます
「だからね
フブさん、海斗
みこはホントに嬉しいんだ
みこの大好きな二人がちゃんと結ばれて幸せになることが…
それをお祝い出来る事が本当に…本当に嬉しいんだ…」
涙を流しながらそう言って笑うみこさん
そんな彼女を、白上は思わずそっと抱き締めます
ほとんど白上と同じぐらいの身長のみこさんですが、何故か今白上の腕の中にいるみこさんは、実際の彼女よりも小さく、そして儚く幼い女の子のようにしか思えなくて
ーーあれ?どうしてみこ泣いてるんだろう?
嬉しいのに...本当に嬉しいのに、なんで?
そんなことを言いながら静かに涙を流し続けるみこさん
そんな彼女をそのまま抱き締めていると、そのうち白上まで泣けてきて...
…思えば、みこさんと初めて会ってからどのくらいの年月が経ったでしょうか
あの頃、まだ海斗くんを殺しかけてしまった時の事を引きずっていた頃の白上は、精神的にかなり追い詰められていて…
もう海斗くんが磐ノ戸の地を訪れなくなってから何年も経っているというのに、未だにその事を引きずっていた白上に対してしかし、新しい磐ノ戸の地の監視役として派遣されたみこさんは、そんな事なんて関係ないと言わんばかりにすごく明るく振る舞ってくれて
(「みこはさくらみこ!えりーと巫女だよ!!
よろしくね、フブさん!!」)
そう言って自信満々にしてくれたみこさんの自己紹介を白上はまだ覚えていますし、事あるごとに白上に構ってくれたのもよく覚えています
そしてそんなみこさんとのやり取りは、傷付いていた白上の心を少しだけ癒してくれて
(「ねぇねぇフブさん!
みこゲーム持ってきたんだ!!一緒にやらない?」)
(「あっちゅ!あっちゅ!」)
(「くっそー!次は絶対勝つからにぇ!!」)
(「………ねぇ、みこさん」)
(「ん?なに、フブさん?」)
(「どうして…こんなに白上に構ってくれるんですか?
あなたはこの白上神社の監視役でしょう?白上に構ったって良いことなんて何にも…」)
(「ーーえ?だってフブさん友達じゃん」)
心底不思議そうな顔で、当たり前のようにそう返されては流石に白上もそれ以上何も言えなくて…
(ーーそうですね
確かに私の大好きな人は海斗くんで、ミオは私の家族です)
だけど、一番の友人は…
立場や役割の問題で海斗くん程には本心を吐露できませんでしたが、それでも私にとってあの日以来一番最初の友人で…そして一番大切な友人は間違いなくみこさん以外にいなくて…
今もこの手の中で祝福の涙を流してくれる心優しい巫女さんを、私もありったけの感謝の心を込めて抱き締めます
「おめでとう…おめでとう、二人とも…」
ーー幸せに、なってね
そう言って泣き続けるみこさん
そんな彼女を、私はありがとうと繰り返しながら、優しく抱き締め続けるのでした
と言う訳で、さくらみこさんを始めとした他のホロメン達とのやり取りでした
本当は
みこさんに挨拶
→結婚式やらないの!?
→だったらみこが何とかする!!
→何とかなった!二人とも幸せになってね♪
位のノリのはずだったんですが、書いてるうちにみこさん感極まって泣き出しちゃいまして…
作者のなんでもシリアスにしちゃう病がモロに出てますね…はい